特集号 - 河北総合病院

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社会医療法人 河北医療財団 河北総合病院広報誌 ● 特集号
2016 年8月
河北医療財団の環境への取り組み
特集号
「環境 人づくり企業大賞 2015」
で 環境大臣賞を受賞しました!
河北医療財団は、「 社会文化を背景とし 地球
環境と調和した よりよい医療への挑戦 」を理念
に 1990 年代から環境活動に取り組んできま
した。このたび、当財団が「 環境 人づくり企業
大賞 2015」で環境大臣賞を受賞しました。
「環境 人づくり企業大賞」とは
環境問題が深刻化する中で、地球環境を考えた組織づくりが世界的に求
められています。この賞は地球環境と調和した経営を行い、また環境人材
の育成も推進している、特に優良な取り組みを行っている企業、組織に贈
られるものです。環境省および環境人材育成コンソーシアムの主催により、
2014 年から実施されています。
環境大臣賞(大賞)の受賞について
数々の大企業が並ぶ中で、当財団が最高の賞である環境大臣賞をいただ
けたことは、大変光栄なことです。これは当財団の約 20 年にわたる積極的
な環境活動への取り組みが、社会的にも認められたものと思っております。
具体的な受賞理由としては、全職員参加型の活動、廃棄物の削減、生ご
みのリサイクル、敷地内外の緑化活動と美化活動、環境活動に特化した組
織内ニュース配信による情報共有、地域と密接に連携した環境活動等が評
価されました。
これからも環境を意識し、人にも地球にも優しい医療機関を目指し努力
してまいります。
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かわぴたる 特集号( 2016年8月号 )
河北医療財団の環境への取り組み
医療機関の究極の環境活動は、
その人らしい生き方に
寄り添うことです
かわきた ひろぶみ
理事長 河北 博文
1998 年に新しい理念として『社会文化を背景とし 地球環境と
調和した よりよい医療への挑戦』を掲げ、財団の標語『あたたか
く やさしく 人にも 地球にも』を制定、同年には国内の病院と
して初めて ISO14001(環境マネジメントシステム)認証を取得し
ました。環境の標語は「もったいない・我慢する・面倒くさがらな
い」です。医療機関が環境活動を推進する意義については、哲学的
な話ですが、人間がいなければ環境問題は起こらず、文明を累積
し続けた結果、地球の自浄能力を超えてしまったもので、人間は
生き方を問わなければなりません。そして、医療は人間の生き方
に直接関わっており、医療の中でその人らしい生き方を共に考え
ることは、突き詰めていくと環境のあり方を問うことにも繋がり
ます。患者の個別性を見て、その人の尊厳やその人らしさを見極
めることが医療の役割です。
かわぴたる 特集号( 2016年8月号 )
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私 たち の 環境活動
財団が定める環境方針の下、
環境マネジメントシステム委員会で「 環
境年度計画」
を定め、
それを基に財団内の全部署が
「環境プログラム
(年
間計画 )
」を策定します。全ての部署に“ 環境プロモーター”と呼ばれ
る推進役がおり、彼らを中心に環境活動は行われます。
環境プロモーター
省エネルギー
環境プロモーターは各部署
から選出され、研修を受けた
後、自部署の環境活動を推進す
る役割を担います。基本活動で
あるゴミ分別 ・ 減量、省エネル
ギーに努めるとともに、部署内
メンバーへの情報共有や啓蒙、
教育活動も行います。
エネルギー効率を高めるコー
ジェネレーションシステムの導入、
LED 電球・人感センサー・省エネ
電球への切り替え、パソコンモニ
ターの明るさの調整、冷暖房の室
温調整などで、2010 年から 2011 年
にかけてエネルギー使用量を大幅
に減少させ、維持しています。
ゴミの分別
分別箱▶
ゴミの最終処理は埋立てですが、埋立てを最小限
にするために大切なのが“分別”です。分別により
「3R」
、すなわち「Reduce(ゴミを減らす)
」
、
「Reuse
(繰り返し使う)
」
「
、Recycle
(形を変えて再利用する)
」
が可能になります。
『エコの基本』に従って、全部
署が分別に取り組み、財団の廃棄物総排出量の約
83%がリサイクルにつながっています。 生ゴミを堆肥に▶
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かわぴたる 特集号( 2016年8月号 )
※ KES 環境マネジメントシステム:京都議定書の発祥地、
システムに関する国際規格 ISO14001 の基本コンセプ
河北医療財団の環境への取り組み
環境教育
ゴミ処理施設の見学会▶
職員向けの環境広報紙として、ISOS(イソス)
を発行しています。環境に関する歴史、世界の
動向、国内外の法令、各部署の活動などを紹介し、
情報共有、知識の向上を目指しています。
私たちが排出したゴミがどのように処理・リサイクルされているのかを
知ってもらうため、職員向けに処理施設の見学会を行っています。これに
よりゴミ分別の重要性や廃棄物の適正処理について、理解を深めています。
地域活動・地域交流等
環境活動報告▶
各施設では、定期的に施設の周
辺地域の清掃を行っています。また、
毎年秋に開催している「around 杉並
健康ライフ」では、来場者に対し、パ
ネルを使って環境活動を報告すると
ともに、グリーンカーテン活動で栽
培した朝顔の種をお配りしています。
◀周辺清掃
「 around 杉並健康ライフ 2016 」
10 月 2 日(日)に開催します!
そのほか、他団体の環境活動と連携し、医療用
テープの巻き芯のリサイクルによるマングローブ
植樹、エコキャップのリサイクルによるポリオワ
クチン寄付活動などにも協力しています。
私たちはこれらの活動を「KES 環境マネジメン
トシステム 」
(※)に沿って運用しており、外部監
査を活用しながら毎年の活動を見直し、改善に取
▲エコの基本
り組み続けています。
、京都から発信された「 環境マネジメントシステム 」の規格。環境マネジメント
トを活かしつつ、分かりやすく、低コストで取り組むことができる。
かわぴたる 特集号( 2016年8月号 )
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各部署の環境への取り組み
全 56 部署で行われている環境への取り組みについて、
特徴的な活動をご紹介します。
東日本大震災から始まったグリーンカーテン
2011 年の東日本大震災直後の電力不足に
よる節電対策の一環として、看護学生の発案
でグリーンカーテンを始めました。屋上から
始まった取り組みは、次第に規模を拡大し、
4 階建ての建物の 3 階部分までびっしりと埋
め尽くすほどになりました。この活動は財団
各施設にも広がり、ボランティアの協力もい
ただきながら 6 年目の今年も各施設でグリー
ンカーテン活動を行っています。
上:2011年に植えたゴーヤ 下:2015年の透析センター▶
ゴミを正しく分別するために
救急外来では、急病の患者さんを診療する
傍らで、医療現場で出た様々なゴミを素早く
正しく安全に分別するための工夫として、分
別を間違いやすいゴミの見本表をゴミ箱に貼
り付けています。環境プロモーターと感染管
理委員が共同して発案し、実施しています。
▲ 救急外来の分別ゴミ箱
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かわぴたる 特集号( 2016年8月号 )
河北医療財団の環境への取り組み
環境プロモーターのスタッフたち
地域交流につながる環境活動
財団各施設では、定期的に周辺清掃活動を行ってい
ます。地域の方から声掛けをいただくなど交流も生まれていま
す。また、シーダ・ウォーク オペレー
ションサポート部では使用済みイン
クカートリッジを小学校のベルマー
ク活動に寄付し、役立てていただく
などの活動も行っています。
環境清掃で集まったゴミ▶
みんなで学ぶ環境活動
分院 3 階病棟をはじめとしたいくつかの部署で、ごみの分
別テストを行っています。間違いやすいゴミの分別方法を問
う問題など、テストを受けると基本的な分別を理解すること
ができる優れた内容です。このほかにもリハビリテーション
科や河北リハビリテーション病院では
各自で調べた環境知識を報告し合う会
などを開催しています。
かわぴたる 特集号( 2016年8月号 )
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環境豆知識
昔ながらのガラス製の体温計です。水銀の蒸気は毒性
が高く、清掃工場では水銀の混入が判明すると、煙突か
ら周囲に拡散しないよう、焼却炉を止め、高額な費用をかけて洗
浄を行わなければなりません。各自治体の定めるルールに則って
廃棄してください。
年6回発行(1月・3月・5月・7月・9月・11月)
●水銀体温計
特集号
今日から使える環境知識として身近なゴミの捨て方をご紹介します。
2016.8
その捨て方、環境にやさしいですか?
●たばこ
たばこのフィルタはアセテートと呼ばれる半
ん。ポイ捨てされたタバコのフィルタは側溝から河川や海に流れ、
海洋生物や鳥がエサと間違えて食べてしまうこともあります。き
ちんと火を消して、ポイ捨てはしないようにしましょう。
●ペットボトル
ペットボトルのリサイクルは燃やして発電
するサーマルリサイクルと、素材をリサイク
ルする 2 種類の方法があります。素材をリサ
イクルする場合、中にゴミが入っていると取り出したり洗浄した
りする手間がかかるため、工場によってはリサイクルから外され
てしまいます。ペットボトルは中を空にしてから捨てましょう。
表紙「 環境 人づくり企業大賞 2015 授賞式 」環境大臣賞の賞状と盾を丸川大臣から授与される河北理事長
河北総合病院の『理念と目的』
理 念 ● 社会文化を背景とし 地球環境と調和した
よりよい医療への挑戦
目 的 ● 質の高い 恕(おもいやり)のある医療を行う
とともに 地域の健康向上に寄与する
「かわぴたる」へのご意見、ご感想をお寄せください
皆さまからのお声を、誌面作りの参考にさせていただきたい
と思います。電話、eメール(右縦書き部分参照)で受け付け
ています。皆さまからのお声を心よりお待ちしております。
発行責任者:河北 博文 発行:社会医療法人 河北医療財団 河北総合病院 広報課 〒166-8588 東京都杉並区阿佐谷北1-7-3 ☎03-3339-2121
(代)
e-mail : [email protected]
合成繊維でできており、燃えにくい半面、なかなか分解されませ