ベトナム:国営企業30社の権限 新委員会へ移管 政令案

ベトナム:国営企業 30 社の権限 新委員会へ移管 政令案を公開
2016 年 7 月 28 日掲載
7 月 19 日付けの地元報道によると、ベトナム計画投資省は、国営企業を横断的に管理する新たな委員会
組織に関する政令案を公開し、今後 30 日間で意見を募り、9 月までに政府に提出する方針である。政令案
では、委員会には各省庁が管轄していた国営企業 30 社に関する権限が移管される。
30 社には、ペトロベトナム(PVN)、ベトナム電力公社(EVN)、国営ベトナム化学グループ(ビナケム)
、
ベトナム石炭鉱物工業グループ(VINACOMIN)、ベトナム郵政通信グループ(VNPT)、ベトナム鉄道総公社
(VR)、北部食糧総公社(ビナフード 1)
、南部食糧総公社(ビナフード 2)
、ソンダー総公社、ハノイ・ビ
ア・アルコール飲料総公社(ハベコ)
、サイゴン・ビア・アルコール飲料総公社(サベコ)等が含まれる。
30 社の国営企業を傘下に収める省庁は、今後も所有は続けるが、経営には介入できなくなる。他方で、
国防省や公安省は、傘下の国営企業の権限を引き続き保持する。
政令案の策定に関わった計画投資省系中央経済管理研究所(CIEM)の所長は、その背景として、長年に亘
って一部の省庁が国営企業を十分には管理できていなかったと指摘。委員会には、企業のガバナンスから
各省庁を切り離し、その効率性を高める狙いがあるとした。
委員会は、国有資産や国営企業への国の出資を管理し、首相に報告する。報告を受けた政府は、国営企
業の再編などに活用する。また経営陣の任免や待遇の決定権も持ち、国営企業の決算報告が不十分、もし
くは不正確とみなした場合には、監査法人を起用して調査もできる。更に、リスクがあるとみなせば、警
告を発して解決に乗り出すとともに、違反事項を首相に報告する。
国営企業を管理する組織としては、国の資本運用を手掛けるベトナム国家資本投資経営総公社(SCIC)が
あるが、SCIC は委員会の指示に従い、金融投資の分野を担当する。
(石炭開発部 辻
誠)
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