平成28年7月26日 東北地域の経済は、一部に弱い動きがみられるものの、緩やかに持ち直して いる。 - 平成28年4-6月期地域経済産業調査結果 - 地域経済産業調査は各地方経済産業局が管内の企業等に対して、業況、生産、設備投資など の地域ごとの経済動向を把握するために四半期ごとにヒアリング調査等を実施し、その結果を集 約・分析しているものです。 当局では、平成28年4-6月期(調査期間:6月上旬~6月30日、調査対象企業数:87社)の調査 を実施し、別紙のとおり結果をとりまとめましたので、公表いたします。 <東北地域の動向> 平成 28 年 1- 3 月期 平成 28 年 4-6 月期 全 体 一部に弱い動きがみられるものの、緩 やかに持ち直している 一部に弱い動きがみられるものの、緩 やかに持ち直している 生 産 横ばい 横ばい 設備投資 緩やかに持ち直している 緩やかに持ち直している 雇用情勢 改善している 改善している 個人消費 緩やかに持ち直している 足踏み状態となっている 前期から の変化 【本件に係る問合せ先】 東北経済産業局 調査課長 相馬 広志 担当者:後藤、丸山 TEL 022-221-4874(直通) <参考> なお、経済産業省において全国版をとりまとめておりますのでお知らせします。 <資料> 資料1 平成28年4-6月期地域経済産業調査(対象全国825社) 資料2 平成28年4-6月期地域経済産業調査(全体及び各地域総括) 【問合せ先】 経済産業省 地域経済産業調査室 担当:山岡、近田 (電話)03-3580-4987(直通) 別紙 - 東北経済産業局管内経済の動向 平成28年4-6月期地域経済産業調査結果 - (調査対象企業数87社) 平成 28 年 7 月 26 日 東北経済産業局 1.全体の概要 一部に弱い動きがみられるものの、緩やかに持ち直している。 (1)業況判断 ~横ばい感が強まっている~ 製造業は、業況は変化なしとする企業が多くなっている。電子部品・デバイス及 び一般機械では、中国経済減速の影響が継続し生産減少とする企業が見られた。情 報通信機械では、フル生産とする企業がある一方、パソコンなど国内市場の低迷が 継続している。輸送機械では、熊本地震の影響で供給が止まり操業停止とする企業 もあったが、影響は軽微とする企業が多かった。 非製造業は、業況は変化なしとする企業が多いなか、小売業では、消費者が低価 格志向、節約の傾向にあって、悪化とする企業が多い。建設業では、消費税率引き 上げ延期で厳しいという企業があった。また、宿泊業では、北海道新幹線開業の恩 恵があるという声があった。 (2)生産 ~生産は横ばい~ 電子部品・デバイス及び一般機械では、車載向け・スマートフォン向けなどで堅 調に推移しているとする声があった。情報通信機械では、フル生産とする企業があ る一方、パソコンなどで国内市場の低迷が継続している。輸送機械などでは、熊本 地震の影響により仕入先が被災し供給がストップしたことから、一部で操業停止と する企業もあったが、代替先からの調達や在庫対応などにより影響は軽微とする企 業が多かった。先行きについては、中国、欧米などの経済動向を懸念する声もある が、全体としては横ばいとする見通しが多い。 (3)設備投資 ~緩やかに持ち直している~ 製造業では、昨年度までの工場増設・新商品関連投資が一段落した企業もあるが、輸 送機械関連の新商品生産に対応した設備投資、食料品の新工場建設、その他の業種で も設備の維持・更新投資等、昨年度に比べ増額とする企業が多くなっている。非製造業で は、新規出店を続ける小売業、情報通信関係で増額とする企業が比較的多くなっている。 (4)雇用情勢 ~改善している~ 雇用は、復興需要の下支えもあり新規求人倍率、有効求人倍率ともに高水準で推 移しており、改善の動きが続いている。 (5)個人消費 ~個人消費は、足踏み状態となっている~ 百貨店・スーパー販売額は、飲食料品やその他の商品の化粧品などに動きがみら れているものの、衣料品の不調が続いており、全体としては足踏み状態となってい る。先行きについては、消費税率引上げ時期の延期による消費マインドの回復が期 待される一方で、高額所得者層の趣味・嗜好品消費が減少しつつあることや、業態 間の競争が激しくなってきていることから、厳しい状況が続くことを懸念する声が あった。 1 2.個別の動向 ① 業況判断 業況判断は、横ばい感が強まっている。 製造業は、業況は変化なしとする企業が多くなっている。 電子部品・デバイス及び一般機械では、車載向け・スマートフォン向けが堅調とす る声があるものの、一部に依然として中国経済減速の影響が継続しているとする声も あった。情報通信機械では、フル生産とする企業がある一方、パソコンなど国内市場 が低迷している企業があった。なお、熊本地震の影響で悪化とする企業もあったが、 代替先からの調達や在庫対応などにより影響は軽微とする企業が多かった。 非製造業は、業況は変化なしとする企業が多いなか、小売業では消費者が低価格志 向、節約傾向にあり悪化とする企業が多い。建設業では、消費税率引き上げ延期によ り厳しい状況が続くという声があった。また、宿泊業では一部に北海道新幹線開業の 恩恵があるという声があった。 先行きについて、製造業では中国、欧米などの経済動向や円高を懸念する声もある が、全体としては変化なしとする見通しが多い。また、復興関連工事のピークアウト を見込む窯業・土石製品業では悪化とする声がある。 非製造業では、小売業で消費者の節約志向や消費マインドの低下を受けて悪化を懸 念する企業がみられる。 ② 生産 生産は横ばい。 電子部品・デバイス及び一般機械では、車載向け・スマートフォン向けなどで堅調 に推移しているものの、依然として中国経済減速の影響が継続しており生産減少とす る声もあった。 情報通信機械では、フル生産とする企業がある一方、パソコンなどで国内市場の低 迷が継続している。輸送機械などでは、熊本地震の影響により仕入先が被災し供給が ストップしたことから、一部で操業停止とする企業もあったが、代替先からの調達や 在庫対応などにより影響は軽微とする企業が多かった。 先行きについては、中国、欧米などの経済動向を懸念する声もあるが、全体として は横ばいとする見通しが多い。 鉱工業生産指数は、平成 28 年 1~3 月期は 97.1(前期比 3.3%)、4・5 月平均値は 97.8(前期比 0.7%)。 2 ③ 設備投資 設備投資は、緩やかに持ち直している。 製造業では、昨年度までの工場増設・新商品関連投資が一段落した企業もあるが、 輸送機械関連の新商品生産に対応した設備投資、食料品の新工場建設、その他の業種 でも設備の維持・更新投資等、昨年度に比べて増額とする企業が多くなっている。 非製造業では、新規出店を続ける小売業、情報通信関係等、増額とする企業が比較 的多くなっている。 投資内容別では、設備の維持・更新が最も多く、次いで増産・新規受注対応、合理 化・省力化となっている。 ④ 雇用 雇用は、復興需要の下支えもあり新規求人倍率、有効求人倍率ともに高水準で推移 しており、改善の動きが続いている。 平成 28 年 5 月の有効求人倍率は 1.33 倍と前月比で 0.02 ポイントの上昇となった。 新規求人倍率は 1.82 倍と前月比 0.04 ポイント低下したものの、依然として高い水準 を維持している。 個別の動向をみると、小売業では、短時間労働者の応募が少なく、人材確保が難し いとの声が多かった。宿泊業では、調理従事者や若年層の人材が不足しているという 声が多い。製造業では、定年前後の社員が急増するなど、慢性的な高齢化と人手不足 が深刻化しているという声がある。 なお、被災県の沿岸地域では、水産加工業では人材の流出と高齢化により人手不足 が深刻化しているとの声があった。 平成 28 年度採用では、希望する新卒者の採用人数を確保できず、採用者数が予定 を下回ったとの声が多く、平成 29 年度の新卒採用計画については、前年比で採用者 数を増加とする企業が多くみられる。 (倍) 有効求人倍率(季節調整値) (人) 1.40 240,000 1.20 200,000 1.00 160,000 0.80 120,000 0.60 80,000 0.40 40,000 0.20 0 0.00 有効求人 数 有効求職 数 有効求人 倍率 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 280,000 25年 26年 27年 28年 「資料:厚生労働省 一般職業紹介状況」 (倍) 新規求人倍率(季節調整値) (人) 90,000 2.00 80,000 1.80 70,000 1.60 1.40 60,000 1.20 50,000 新規求人数 1.00 40,000 0.80 30,000 新規求職数 0.60 0.40 0.20 0 0.00 新規求人倍 率 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 20,000 10,000 25年 26年 27年 28年 「資料:厚生労働省 一般職業紹介状況」 3 ⑤ 個人消費 個人消費は、足踏み状態となっている。 百貨店・スーパー販売額は、飲食料品やその他の商品の化粧品などに動きがみられ ているものの、衣料品の不調が続いており、全体としては足踏み状態となっている。 業態別にみると、百貨店では、化粧品や物産催事などに動きがみられるものの、季 節衣料などを中心にふるわない状況が続いており、海外ブランド品や高級時計などの 高額品にもやや弱さがみられる。スーパーでは、衣料品がふるわないものの、飲食料 品は堅調に推移している。 コンビニエンスストア販売額は、ファーストフード及び日配食品を中心に堅調に推 移している。 先行きについては、消費税率引上げ時期の延期による消費マインドの回復が期待さ れる一方で、高額所得者層の趣味・嗜好品消費が減少しつつあることや、業態間の競 争が激しくなってきていることから、厳しい状況が続くことを懸念する声があった。 百貨店・スーパー販売額(全店)は、平成 28 年 1~3 月期は前年同期比 2.5%、4~5 月は同▲0.1%。 (%) 百貨店・スーパー販売額 (億円) 15 1,200 10 1,000 5 800 0 600 -5 400 -10 200 -15 0 -20 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 1,400 25年 26年 (億円) 27年 28年 前年同月比 (既存店) (%) 百貨店販売額 250 20 200 10 150 0 100 -10 50 -20 0 -30 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 30 26年 前年同月比 (全店) 「出所:東北経済産業局」 300 25年 金額 (全店) 27年 金額 (全店) 前年同月比 (全店) 前年同月比 (既存店) 28年 「出所:東北経済産業局」 (%) スーパー販売額 (億円) 1,200 15 1,000 10 5 600 0 400 -5 200 -10 0 -15 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 800 25年 26年 27年 金額 (全店) 前年同月比 (全店) 前年同月比 (既存店) 28年 「出所:東北経済産業局」 4 ⑥ 観光 観光は、緩やかな持ち直し傾向にある。GWは桜の見頃がずれたことや天候に恵ま れなかったこと、また地方自治体が行った旅行券事業が終了したこと等に伴い、客足 が減少したという声がきかれた一方で、北海道新幹線開業による北海道からの客足の 増加やインバウンドが増加との声があった。 先行きについては、為替レートの変動によりインバウンドの減少を懸念する声もあ るが、全国的に大幅に増加している外国人観光客を東北地域にも取り込むため、アジ アなど海外に向けたプロモーション活動等が活発に行われており、今後のさらなるイ ンバウンドへの期待感が高まっている。 ⑦ 資金調達環境 資金需要及び資金繰りについては、変化はない。一部に売上減少や原材料の値上が り等により資金繰りが悪化している企業がみられるものの、製造業及び非製造業とも 前期から変化なしとする企業が多くなっている。 なお、日本銀行のマイナス金利付き量的・質的金融緩和導入により借入金利が低下 しているとの声が聞かれた。 ⑧ 公共投資 公共投資は、引き続き高水準にあり前年を上回って推移している。 平成 28 年 4~5 月の公共工事請負金額は、前年同期比 4.7%の増加となった。 発注機関別では、独立行政法人等を含む国関係機関計が前年同期比 21.5%の増加と なり、県、市町村、地方公社の地方関係機関計が前年同期比 0.8%の減少となってい る。県別では、宮城県を除く全ての県で増加した。 なお、建設業では被災地沿岸部の復興道路、防潮堤、水門、復興まちづくり等復興 事業の施工は山場となっているとの声がある。復興事業等の発注については、集中復 興期間から復興・創生期間に移行したことからピークアウトを迎え、今後の業況悪化 を懸念する声がある。 5 参 平成 28 年 7 月 26 日 「平成 28 年 4-6 月期地域経済産業調査」をまとめました 経済産業省は、地方経済産業局が各地域の経済動向を把握するために、四半期 ごとに行っている地域経済産業調査の結果をとりまとめました。 【今回の調査結果のポイント】 全体の景況判断は前期から据え置き、「一部に弱い動きがみられるものの、緩や かに改善している」としました。 地域別では、景況判断を、北陸で上方修正し、東北、近畿、四国、沖縄で据え置 き、北海道、関東、東海、中国、九州は下方修正しました。 生産は、自動車関連では、熊本地震等の影響による生産ラインの停止により多く の地域で減少がみられるものの、東海、九州で生産再開や挽回生産の声も聞かれ ました。電子部品・デバイスでは、中国経済等の影響により、スマートフォン向けの伸 びの鈍化がみられる一方、北陸、近畿で堅調に推移しています。はん用・生産用・業 務用機械では、関東、北陸で工作機械を中心に堅調に推移しています。 設備投資は、製造業では、一部に生産能力増強や合理化等への積極的な投資の 動きがみられ、非製造業では、全国的に小売業の新規出店や既存店舗のリニューア ルの動きがみられます。 雇用は、引き続き人手不足が続いています。人材確保のための賃金アップ、非正 規社員の正社員登用等により人材の確保・定着を図る動きがみられます。 個人消費は、中間層を中心に消費マインドの低下傾向がみられました。スーパー においても必要な商品しか買わないといった声が聞かれています。家電販売は白物 家電が堅調に推移しました。自動車販売では、軽自動車が燃費不正問題等の影響 もあり回復が遅れていますが、普通車には新型車効果がみられます。なお、外国人 観光客による消費については、消費行動の変化がみられます。 地域経済産業調査について 各地方経済産業局が管内の企業等に対して、業況、生産、設備投資などの地域ごと の経済動向を把握するために四半期ごとにヒアリング調査等を実施し、その結果を集 約・分析しているものです。 今回は、平成 28 年 4-6 月期(調査期間:6 月 8 日~6 月 30 日、調査対象企業数:825 社)の調査の結果をとりまとめました。 ・資料 1 平成 28 年 4-6 月期 地域経済産業調査 ・資料 2 平成 28 年 4-6 月期 地域経済産業調査(全体及び各地域総括) ※地方経済産業局には、電力・ガス事業北陸支局、内閣府沖縄総合事務局経済産 業部を含みます。 (本発表資料のお問い合わせ先) 地域経済産業グループ 地域経済産業調査室長 田岡 担当者:山岡、近田 電 話:03-3501-1511(内線:2731) 03-3580-4987(直通) 03-3580-6389(FAX) 考 平成28年4-6月期地域経済産業調査 資料1 <全国>一部に弱い動きがみられるものの、緩やかに改善している( ) <東北地域> <北海道地域> 一部に弱い動きがみられるものの、 緩やかに持ち直している( ) 一部に弱い動きがみられるものの、 緩やかに持ち直している( ) <関東地域> <北陸地域> 一部に弱い動きがみられるものの、 緩やかに改善している( ) 一部に弱い動きがみられるものの、 緩やかに改善している( ) <東海地域> 一部に弱い動きがみられるものの、 緩やかに改善している( ) <中国地域> 一部に持ち直しの動き がみられるものの、 足踏み状態となっている( <近畿地域> ) 一部に弱い動きがみられるものの、 緩やかに改善している( ) <九州地域> (備考) 前回の調査時期と比較して景況判断に ・上方に変更の場合は ・判断に変更が無ければ ・下方に変更の場合は 一部に弱い動きがみられ るものの、緩やかに持ち 直している( ) <四国地域> <沖縄地域> 改善が続いている( ) 一部に弱い動きがみられるものの、 緩やかに持ち直している( ) 調査期間:平成28年6月8日~6月30日 調査対象企業数:825社(全10地域合計) 過去一年間の全体景況判断の推移 平成27年4-6月期 全国 北海道 東北 一部に弱い動きがみれられ るが、緩やかに改善してい る 平成27年7-9月期 一部に弱い動きがみれられ るが、緩やかに改善してい る 一部に弱い動きがみられるも 緩やかに持ち直している のの、緩やかに持ち直してい る 平成27年10-12月期 平成28年1-3月期 一部に弱い動きがみられるも 一部に弱い動きがみられるも 一部に弱い動きがみられるも のの、緩やかに改善している のの、緩やかに改善している のの、緩やかに改善している 一部に弱い動きがみられるも 緩やかに持ち直している のの、緩やかに持ち直してい る 中部 (北陸) 一部に弱い動きがみられるも のの、緩やかに持ち直してい る 緩やかな持ち直し傾向にある 緩やかな持ち直し傾向にある 一部に弱い動きがみられるも 一部に弱い動きがみられるも 一部に弱い動きがみられるも ものの、一部に弱い動きがみ ものの、一部に弱い動きがみ のの、緩やかに持ち直してい のの、緩やかに持ち直してい のの、緩やかに持ち直してい られる られる る る る 緩やかに回復している 緩やかに回復している 緩やかに改善している 緩やかに改善している 一部に弱い動きがみられるも のの、緩やかに改善している 緩やかに改善している 緩やかに改善している 緩やかに改善している 緩やかに改善している 一部に弱い動きがみられるも のの、緩やかに改善している 緩やかに改善している 緩やかに改善している 一部に弱い動きがみられるも 一部に改善の動きがみられる 一部に弱い動きがみられるも のの、緩やかに改善している ものの、足踏み状態となって のの、緩やかに改善している いる 緩やかに改善している 緩やかに改善しているもの 一部に弱い動きがみられるも 一部に弱い動きがみられるも 一部に弱い動きがみられるも の、一部に弱い動きがみられ のの、緩やかに改善している のの、緩やかに改善している のの、緩やかに改善している る 持ち直している 持ち直している 関東 中部 (東海) 平成28年4-6月期 近畿 中国 持ち直している 持ち直している 一部に持ち直しの動きがみら れるものの、足踏み状態と なっている 四国 緩やかな持ち直しの動きがみ 一部に弱い動きがあるもの 一部に弱い動きがみられるも 一部に弱い動きがみられるも 一部に弱い動きがみられるも られる の、緩やかな持ち直しの動き のの、緩やかに持ち直してい のの、緩やかに持ち直してい のの、緩やかに持ち直してい がみられる る る る 緩やかに持ち直している 緩やかに持ち直している 持ち直している 緩やかに持ち直している 一部に弱い動きがみられるも のの、緩やかに持ち直してい る 改善している 改善している 改善が続いている 改善が続いている 改善が続いている 九州 沖縄 ※前回調査時の景気判断と比較して、上方に変更の場合は「 」、判断に変更なければ、「 」、下方に変更した場合は「 」。 ○ IIP(生産)の動向 ※資料 経済産業省「鉱工業指数」により作成。※平成22年=100 平成27年6月 平成27年7月 平成27年8月 平成27年9月 平成27年10月 平成27年11月 平成27年12月 平成28年1月 平成28年2月 平成28年3月 平成28年4月 平成28年5月 全国 北海道 東北 関東 東海 北陸 近畿 中国 四国 九州 沖縄 98.3 95.7 94.9 94.2 110.4 122.8 103.5 98.2 104.1 104.8 99.6 97.4 95.1 94.6 93.4 106.8 120.3 103.0 96.7 105.3 101.7 104.9 96.7 96.6 94.4 92.1 106.9 122.6 101.3 96.8 101.0 97.4 97.1 97.0 94.5 94.3 92.2 110.1 120.4 102.8 97.9 102.5 100.4 98.1 98.2 94.6 94.8 92.9 113.1 122.7 103.7 96.9 102.6 102.1 95.6 97.1 94.4 94.1 92.9 111.5 122.7 101.6 96.8 101.3 100.4 101.8 95.9 93.7 93.0 92.3 109.6 118.1 99.8 96.9 100.1 99.4 102.6 98.3 93.2 99.0 93.5 113.9 120.9 104.1 103.1 100.8 99.7 88.6 93.2 92.6 93.0 91.1 98.1 117.5 97.7 97.3 96.1 98.6 88.7 96.7 94.2 99.2 91.6 106.6 117.4 105.0 98.1 97.8 101.6 106.5 97.2 93.9 98.9 92.8 105.0 122.8 104.1 99.2 101.3 93.2 98.1 94.7 90.2 96.7 90.5 104.9 118.9 103.3 92.6 102.3 97.3 ○ 有効求人倍率の推移 ※資料 厚生労働省「職業安定業務統計」により作成。 平成27年6月 平成27年7月 平成27年8月 平成27年9月 平成27年10月 平成27年11月 平成27年12月 平成28年1月 平成28年2月 平成28年3月 平成28年4月 平成28年5月 全国 北海道 東北 関東 東海 北陸 近畿 中国 四国 九州 沖縄 1.19 0.96 1.21 1.22 1.48 1.51 1.12 1.38 1.18 1.03 0.84 1.21 0.97 1.23 1.24 1.50 1.52 1.13 1.39 1.20 1.04 0.85 1.22 0.98 1.23 1.27 1.52 1.52 1.14 1.40 1.22 1.05 0.86 1.23 0.98 1.23 1.27 1.52 1.52 1.16 1.43 1.25 1.07 0.88 1.24 0.97 1.23 1.28 1.52 1.53 1.17 1.43 1.26 1.09 0.89 1.26 0.97 1.23 1.30 1.54 1.53 1.18 1.43 1.28 1.10 0.90 1.27 0.98 1.23 1.31 1.55 1.54 1.21 1.45 1.29 1.11 0.91 1.28 1.01 1.25 1.32 1.59 1.54 1.20 1.47 1.31 1.10 0.90 1.28 1.01 1.25 1.32 1.56 1.54 1.22 1.48 1.30 1.12 0.91 1.30 1.03 1.26 1.35 1.57 1.59 1.22 1.51 1.32 1.15 0.92 1.34 1.02 1.31 1.40 1.60 1.68 1.28 1.54 1.37 1.18 0.94 1.36 1.01 1.33 1.42 1.62 1.67 1.29 1.56 1.41 1.20 0.98 ○ 百貨店・スーパー販売額前年同月比(全店ベース)の推移 ※資料 経済産業省「商業動態統計調査」により作成。 平成27年6月 平成27年7月 平成27年8月 平成27年9月 平成27年10月 平成27年11月 平成27年12月 平成28年1月 平成28年2月 平成28年3月 平成28年4月 平成28年5月 全国 北海道 東北 関東 東海 北陸 近畿 中国 四国 九州 沖縄 0.6 0.3 0.1 0.8 1.1 2.2 0.4 0.4 0.3 ▲ 0.3 6.5 3.2 3.3 1.1 3.5 5.1 3.8 3.0 2.1 2.1 2.5 2.3 2.6 3.0 0.6 2.0 4.6 3.0 3.7 2.8 2.9 1.7 5.9 2.6 1.6 1.7 1.9 3.8 3.4 3.5 3.7 3.1 2.6 5.5 4.0 3.0 2.4 4.2 4.4 3.9 5.0 3.9 2.7 2.5 13.0 ▲ 0.8 0.1 ▲ 1.2 ▲ 0.7 ▲ 0.9 ▲ 1.7 ▲ 0.3 ▲ 0.5 ▲ 0.3 ▲ 3.3 6.4 0.9 3.3 1.4 0.8 1.1 1.7 0.6 0.6 0.3 0.1 6.3 2.1 5.1 3.7 1.8 2.1 0.6 1.6 3.1 3.4 1.1 11.2 3.3 4.7 3.7 3.7 3.3 4.1 2.3 2.8 4.1 1.6 13.0 ▲ 0.2 ▲ 0.1 ▲ 1.9 2.2 1.2 ▲ 0.6 0.3 0.8 ▲ 1.1 ▲ 0.6 0.1 ▲ 2.1 1.2 0.2 ▲ 2.5 1.3 0.7 ▲ 1.9 ▲ 0.6 ▲ 0.3 ▲ 2.3 0.2 2.1 0.7 ▲ 0.1 1.2 ▲ 0.5 ▲ 1.3 ▲ 4.6 ▲ 2.5 6.1 7.7 7.0 ○ コンビニエンスストア販売額前年同月比(全店ベース)の推移 ※資料 経済産業省「商業動態統計調査」により作成。 平成27年6月 平成27年7月 平成27年8月 平成27年9月 平成27年10月 平成27年11月 平成27年12月 平成28年1月 平成28年2月 平成28年3月 平成28年4月 平成28年5月 全国 北海道 東北 関東 中部 近畿 中国 四国 九州 沖縄 4.7 1.2 4.1 4.1 4.1 6.0 5.8 7.0 6.4 9.0 5.3 3.2 6.3 4.9 5.1 6.0 5.4 6.5 6.9 5.1 5.5 3.2 4.6 4.2 6.1 6.9 7.3 8.8 9.0 7.0 5.1 3.4 5.3 4.9 4.4 5.2 4.5 6.5 7.4 7.3 6.1 3.8 6.2 5.8 5.8 5.9 6.9 8.5 8.7 8.0 4.2 2.1 4.1 3.9 3.7 4.4 4.6 5.8 6.2 6.9 5.1 2.0 4.3 4.4 4.4 5.4 5.2 7.2 10.0 7.5 4.8 1.6 4.0 4.0 3.9 5.2 4.7 11.1 10.0 7.2 7.6 4.9 6.6 7.0 6.9 8.3 7.3 9.9 12.7 8.0 3.5 1.1 2.8 2.7 2.8 4.4 3.3 4.6 8.1 4.1 4.5 0.8 3.0 3.6 3.2 5.9 5.2 5.5 10.8 6.6 2.6 1.4 1.4 1.8 1.8 3.3 2.7 3.3 7.9 5.8 平成28年4-6月期地域経済産業調査~全体総括(1/2)~ 資料2 基調判断は据え置き。地域別では、景況判断を北陸で上方修正し、東北、近畿 四国、沖縄で据え置き、北海道、関東、東海、中国、九州は下方修正した。 ○生産:自動車関連では、熊本地震等の影響による生産ラインの停止により多くの地域で 減少がみられるものの、東海、九州で生産再開や挽回生産の声も聞かれた。電子部品・デ バイスでは、中国経済等の影響により、スマートフォン向けの伸びの鈍化がみられる一方、 北陸、近畿で堅調に推移している。はん用・生産用・業務用機械については、関東、北陸で 工作機械を中心に堅調に推移している。先行きについては、中国経済等の減速に加え、円 高による今後の影響を懸念する声が聞かれた。 ○設備投資:製造業では、前期に引き続き全国的に設備の維持・更新に伴う投資が中心と なっているものの、一部に生産能力増強や合理化等への積極的な投資の動きがみられる。 非製造業でも、引き続き全国的に小売業の新規出店や既存店舗のリニューアルの動きが みられる。一方で、前年度までの大型設備投資の反動で前年を下回る企業もみられる。 平成28年4-6月期地域経済産業調査~全体総括(2/2)~ ○雇用情勢:製造業では、技術者や有資格者を中心に引き続き人手不足となっている。非製 造業でも、全国的に小売業、サービス業、建設業等で人手不足が続いている。有効求人倍 率が上昇し続ける中、人材確保のための賃金アップ、非正規社員の正社員登用等により人 材の確保・定着を図る動きがみられる。 ○個人消費:百貨店では高額商品の動きが鈍化してるとの声が聞かれ、中間層を中心に消 費マインドの低下傾向がみられた。スーパーにおいても必要な商品しか買わないといった声 が聞かれた。家電販売は白物家電が堅調に推移している。自動車販売では、軽自動車が燃 費不正問題等の影響もあり回復が遅れているが、普通車には新型車効果がみられる。なお、 外国人観光客による消費については、消費行動の変化がみられる。 地域 北海道 全体景況 一部に弱い動 きがみられる ものの、緩や かに持ち直し ている (↘) 個別の動向の具体例(主なコメント) ○生産は弱含みとなっている(↘)輸送機械では、熊本地震の影響による出荷 停止と生産調整により自動車部品が減産。電気機械では、海外需要低迷や熊 本地震の影響による出荷停止により、半導体材料が減産。石油・石炭製品で は、定期修理によりガソリンなど全ての石油製品が減産。鉄鋼では、市街地 再開発等により建設用鋼材が増産。以上のことから、生産全体では弱含みと なっている。 ○設備投資は減少している(↘)製造業では、鉄鋼と輸送機械の一部で老朽化設 備の更新があるものの維持補修が多い。非製造業では、卸売・小売でコスト削減 のため物流センターへの投資があるものの、製造業と同様維持補修が多い。以上 のことから、前年度比で減少している。 ○雇用情勢は改善している(→)有効求人倍率は長期にわたり改善している一 方、職種による雇用のミスマッチが引き続き生じており、建設、製造、運輸、販 売員等、現場の従業員が不足している。 ○個人消費は持ち直している(→)スーパーでは飲食料品、ドラッグストアでは 化粧品の免税売上、ホームセンターでは地震の影響による防災用品、家電販売で は高機能白物家電やエアコンの動きが各々好調。一方、百貨店では、衣料品の不 振や外国人観光客による免税売上が落ちている。新車販売では、新型ハイブリッ ト車は好調だが、軽自動車は軽自動車税増税による落ち込みからの回復が遅れて いる。観光では、国内客・外国人客ともに高水準を維持しているものの、円高等 の影響により外国人客の伸び率に鈍化がみられる。 住宅では、低金利と相続税対策を背景に、着工戸数が伸びている。 ~企業の声~ ・海外需要低迷により、半導体材料の受注が低迷している。(大手電気機械工業/北海道) ・生産能力の向上及び各店舗での作業・コストの効率化を図るため、生鮮食品流通センターの改修工事を行う。(大手小売業/北海道) ・現在、学生の売り手市場であり、中小企業には人が集まらない。(中小運輸業/北海道) ・白物家電は高機能洗濯機が好調。(大手卸売・小売業/北海道) 地域 全体景況 個別の動向の具体例(主なコメント) ○生産は横ばい(→)電子部品・デバイス及び一般機械では、車載向け・スマートフォン 東北 一部に弱い動 きがみられる ものの、緩や かに持ち直し ている。 (→) 向けなどで堅調に推移とする企業がある一方、依然として中国経済減速の影響が継続して おり生産減少とする声もあった。情報通信機械では、フル生産とする企業がある一方、パソ コンなどの国内市場の低迷が継続している。輸送機械など、熊本地震の影響により仕入先 が被災し供給がストップしたことから、一部で操業停止とする企業もあったが、代替先からの 調達や在庫対応などにより影響は軽微とする企業が多かった。先行きについては、中国、 欧米の経済動向を懸念する声もあるが、全体としては横ばいとする見通しが多い。 ○設備投資は緩やかに持ち直している(→)製造業では、昨年度までの工場増設・ 新商品関連投資が一段落した企業もあるが、輸送機械関連の新商品生産に対応した設備 投資、食料品の新工場建設等、増額とする企業が多くなっている。非製造業では、新規出店 を続ける小売業等、増額とする企業が多くなっている。 ○雇用情勢は改善している(→)復興需要の下支えもあり新規求人倍率、有効求人倍 率ともに高水準で推移し、改善の動きが続いている。製造業では、定年前後の社員が急増 するなど、慢性的な高齢化と人手不足が深刻化しているという声がある。小売業では、短時 間労働者の応募が少なく、人材確保が難しいとの声が多かった。宿泊業では、調理従事者 や若年層の人材が不足しているという声が多い。なお、被災県の沿岸地域では、職種等に よるミスマッチが依然として顕著である。 ○個人消費は足踏み状態となっている(↘)百貨店では、化粧品や物産催事などに 動きがみられるものの、季節衣料などを中心にふるわない状況が続いており、海外ブランド 品や高級時計などの高額品にもやや弱さがみられる。スーパーでは、衣料品がふるわない ものの、飲食料品は堅調に推移している。今後については、消費税率引上げ時期の延期に よる消費マインドの回復が期待される一方で、高額所得者層の趣味・嗜好品消費が減少し つつあることや、業態間の競争が激しくなってきていることから、厳しい状況が続くことを懸 念する声があった。 ~企業の声~ ・中国経済減速の影響が予想した以上に長引いており、4月になっても生産量が増えてこない(大手製造業/岩手県) ・不振の続いている主力の婦人服の売上にもやや回復の兆しがみられる一方、ブランド品や高額宝飾の伸びが悪く、高額購入者の買い控え傾向がみられる。 (大手小売業/宮城県) 地域 全体景況 個別の動向の具体例(主なコメント) ○生産は弱含みで推移している(↘)輸送機械は海外向けが好調であるものの、 関東 一部に弱い動 きがみられる ものの、緩や かに改善して いる (↘) 軽を含む乗用車の国内向け販売が低調であることから、生産はやや低調に推移し ている。一般機械では、自動車向けや液晶パネル向けの工作機械の需要が堅調に 推移している。鉄鋼業は国内外の鋼材需要が低迷しており、引き続き生産調整が 続いている。また、円高による今後の影響を懸念する声が聞かれた。 ○設備投資は持ち直している(→)製造業では、大手企業を中心に生産能力の増 強など積極的な投資を行うという声がある一方で、中小企業を中心に今年度の設 備投資は控えるという声が聞かれた。非製造業においては、情報通信業や大手小 売業を中心に、設備の増強や新規出店などへの投資を行うという声が聞かれた。 ○雇用情勢は改善している(→)製造業では、人材の不足感がみられ、技術職や 経験者などの積極的な採用の動きがみられる。一方で、雇用情勢の改善に伴い、 中小企業を中心に人材の確保が難しい状況にある。非製造業では、技術者や小売 業での店舗販売員等に不足感があり、今後も続くとの見方が強い。また、製造 業・非製造業ともに女性活用の動きもみられる。 ○個人消費は一部に弱い動きがみられるものの、緩やかに持ち直している (↘)百貨店では、衣料品の売上げが低迷している。特に、ボリュームゾーンの中 間層の売上げが低迷。スーパーでは、必要な商品しか買わないといった声が聞か れた。訪日外国人の客単価は低下。家電量販店では、暑い日が続いたことからエ アコンや扇風機等が好調。コンビニエンスストアはネット通販のコンビニ受取が 順調。カウンター商材、お弁当類などが引き続き好調。 ~企業の声~ ・輸出はヨーロッパ向けが好調なものの、円高がマイナス要因となっている。(大手製造業/静岡県) ・鋼材は中国をはじめ東アジア地域の供給過剰が継続している。(大手製造業/東京都) ・新卒採用は大手企業の採用人数の増加、景気の回復感もあり売り手市場化し、ますます厳しい状況にある。(中小製造業/長野県) ・衣料品は中間層のプライスラインの売上げが引き続き低迷している。(大手小売・各種商品小売業/東京都) ・消費者が消費を使い分けて賢く選択している様子が顕著。(中小小売・各種商品小売業/埼玉県) 地域 全体景況 個別の動向の具体例(主なコメント) ○生産は持ち直しの動きがみられる(→)主力の自動車関連は、北米向けが堅調、 一部に弱い動 きがみられる ものの、緩や 中部 かに改善して (東海) いる (↘) 国内向けに新型車効果がみられ、熊本地震等からの挽回も加わり、緩やかに持ち直 している。金属工作機械は、国内向けは補助金の公募が開始されて以降、中小企業 の動きが止まっており、北米向けは自動車・航空機以外の業種が弱いなど、国内向 け、海外向けともに減少している。電子部品・デバイスは、スマートフォン向けを 中心に弱い動きとなっている。 ○設備投資は増加しているものの、伸びは鈍化している(↘)製造業では、引 き続き積極的な合理化・効率化投資や維持・更新がみられることに加え、自動車部 品や金属工作機械の一部には生産能力増強投資がみられる。非製造業では、百貨店 やスーパー、自動車販売などの小売業で改装などがみられる。設備投資の規模は、 前年と同等もしくはそれ以下のところがみられる。 ○雇用情勢は着実に改善している(→)製造業では、自動車関連を中心に生産増 加に対応する非正規社員の採用の動きがみられる。非製造業では、スーパーやコン ビニエンスストアなどの小売業で非正規社員などの不足感が継続し、募集しても人 が集まりにくい状況が続いている。 ○個人消費は足踏み状態となっている(↘)百貨店では、夏物婦人衣料を中心と して衣料品の不振が続いている。訪日外国人売上(インバウンド需要)は、高額品 から一般消耗品へシフトしており、伸び悩んでいる。スーパーでは、衣料品、家庭 用品が振るわず、飲食料品が伸び悩んでいる。消費者の節約志向が高まっている。 コンビニエンスストアは、カウンター商材が引き続き堅調である。家電販売は、白 物家電、季節家電が堅調に推移している。乗用車販売は、普通車は新型車効果によ り堅調に推移しているものの、軽自動車は車体課税の見直しの影響などがみられる。 ~企業の声~ ・熊本地震により自動車メーカーの工場の稼働が停止したことで4月の生産は減少したが、鉄鋼メーカー発生した事故の挽回をあわせて、5月以降は高い生産水 準が続く。(大手自動車部品製造業/愛知県) ・国内向けは、中小企業向けの動きが弱くなっている。大企業向けは計画通りの設備投資が続いている。米国向けは、航空機、自動車で動きがみられるものの、 その他の業種はよくない。(大手金属工作機械製造業/愛知県) ・衣料品が苦戦している。中元商戦も苦戦している。消費者の志向がモノからコトへ変化している。インバウンド需要は、高額品の売上げが伸び悩んでいる。富 裕層の消費が鈍っている。パートやアルバイトが集まりにくい状況が続いている。(大手百貨店/愛知県) ・天候の影響もあり、衣料品、住居関連品、食料品などの夏物商品が伸び悩んでいる。最近の傾向として、健康志向商品は、確実に売上げを伸ばしている。消費 者の節約志向がより強くなっている。(大手スーパー/愛知県) 地域 全体景況 個別の動向の具体例(主なコメント) ○生産は高水準で推移している(↗)化学は、ジェネリック医薬品が好調なことに加 中部 (北陸) 一部に弱い動 きがみられる ものの、緩や かに改善して いる。 (↗) え、受託生産が増加している。電子部品・デバイスは、スマートフォン向けは伸びが鈍化 したものの引き続き高水準で、自動車向けも堅調。はん用・生産用・業務用機械は、工 作機械の北米需要が堅調で、国内では一部に補助金関連の動きがみられるものの、中 国では減速の影響が続いている。繊維は、中東の民族衣装や北米のスポーツアウター 向けが好調で、車輌資材も堅調な一方、国内の衣料向けは低調。 金属製品は、住宅用 アルミ建材などが底堅く推移している。 ○設備投資は高水準で推移している(→)製造業は、生産能力増強や設備更新の ほか、生産性向上投資が引き続き行われていることに加え、新商品開発のための 投資もみられる。また、需要地としての海外投資も積極的に行われている。非製 造業は、北陸新幹線開業に伴う大規模投資は終了したものの、設備改装の動きが 続いている反面、一部では、建設コストの上昇から投資に慎重な姿勢もみられる。 ○雇用情勢は改善している(→)製造業では、人員が不足している企業において、 派遣社員から正社員への登用や中途採用のほか、社内における配置換えやシェア などにより、最適化を図っている。非製造業では、大型商業施設の開業が相次い だ直後の厳しい状況は脱しているものの、雇用のミスマッチもあって、慢性的な 人手不足が続いている。 ○個人消費は持ち直しに足踏みがみられる(→)百貨店では、催事効果もあって 入店客数は増加しているものの、シニアや中間層を中心に消費マインドに低下傾 向がみられる。スーパーでは、競合店の影響や、安い時のまとめ買いによる来店 回数の減少がみられる。また、消費者にはこだわりがあり、ほしい商品の価格が 安ければ売れるが、価格が安くても類似品や代替品は売れない傾向となっている。 ~企業の声~ ・新設の受託製造ラインが本格稼働したことに加え、ドリンク剤の工場もフル稼働となっている。(大手医薬品製造業/富山県) ・工作機械は、北米を中心に航空機・医療機器向けが堅調となっていることに加え、国内では補助金関連が動き出し、受注に伸びがみられる。(中小機械器具 製造業/富山県) ・製造業では、人手不足や人件費高騰を背景に、ロボットを使った自動化システムの需要が高まっている。こうしたロボット事業の生産能力の増強を図るため、 過去最高水準の投資を行う予定。(大手機械器具製造業/富山県) ・鶏胸肉は、これまでパサパサして食べにくいとされてきたが、レシピが増え、おいしく食べられるようになったことに加え、単価が安くヘルシーであること から、人気が出てきている。(スーパー/富山県) 地域 全体景況 個別の動向の具体例(主なコメント) ○生産は横ばい(→)はん用・生産用・業務用機械は、半導体やフラットパネ 近畿 一部に弱い動 きがみられる ものの、緩や かに改善して いる。 (→) ル・ディスプレイの製造装置、自動運搬機械等が好調。電子部品・デバイスは、 中国を中心にスマートフォン向けの伸びが鈍化しているものの引き続き堅調。電 気機械は、車載用をはじめとする蓄電池が堅調。輸送機械は、一部工場の製造ラ イン停止の影響により、自動車部品等が減少。なお、先行きについて、為替変動 による受注の減少を懸念する声が聞かれる。 ○設備投資は持ち直している(→)製造業では、設備の維持・更新を中心に、一 部では市場の需要増に応えるための生産能力増強投資もみられる。中小製造業で は、政策支援を活用した設備投資への意欲がみられる。また、非製造業では、国 内需要掘り起こしのための店舗改装や訪日外国人の増加に対応する投資がみられ る。 ○雇用情勢は改善している(→)依然として人手不足が続いている。工場や店舗 などのパート人材、有資格者・技術者の確保が困難との声が多く聞かれる。新規 採用は、毎年継続して一定の採用人数を確保する意向が強い。賃金は、従業員の 定着や利益還元を目的に引上げを実施する企業がみられ、ベースアップによる賃 上げを行うとの声も聞かれる。 ○個人消費は、改善の動きに足踏みがみられる(↘)百貨店は、天候不順等によ り衣料品の不振が続くとともに、高額品販売が鈍化していることなどから弱い動 きとなっている。スーパーは、惣菜等が好調である飲食料品を中心におおむね堅 調。家電は、白物家電が堅調だがその他は弱含み。乗用車は、軽自動車が燃費不 正問題の影響等もあって回復が遅れているが、普通車は新型車効果もあり堅調。 旅行は、引き続き政情不安等から海外が減少。レジャー施設は好調を維持。外国 人観光客による消費については、高額品の購入が減少し、化粧品等消耗品へのシ フトがみられる。 ~企業の声~ ・中国を中心にスマートフォンの買い換えが一巡したこともあり伸びが鈍化してきているが、好調であることに変わりはない。(大手製造業/京都府) ・昨年と比べると最高気温が低く、暑い日が持続しないことなどが影響したためか、飲料、麺つゆ、乾麺など夏物商品の売れ行きが良くなかった。総菜はニーズ があり強化している。(大手小売業/和歌山県) ・技術者や業界に明るい者を探しているが、大手メーカーに人材を取られて集められない。(中小製造業/大阪府) ・賃上げできるほど業績は上がっていないが、従業員のモチベーション向上のためには必要。(中小製造業/奈良県) 地域 全体景況 個別の動向の具体例(主なコメント) ○生産は弱含み(↘)鉄鋼は、もう一段の在庫調整が必要であることから、横ばい。化学 中国 一部に持ち 直しの動き がみられる ものの、足 踏み状態と なっている (↘) は、一部事業所において定修があり、やや減産。自動車は、軽乗用車の生産ラインの停止 や新型車の効果が一巡したことから、減産。はん用・生産用・業務用機械は、売上が期末 に集中したことから、やや減産。電子部品・デバイスは、中国経済の減速、スマホの買い換 えサイクルが一巡したことから、やや減産。 ○設備投資は持ち直している(→)製造業では、老朽化や生産性向上への対応として 行う既存設備の維持更新に加え、受注増加や新製品対応に向けた前向きな動きがみられ る。非製造業では、引き続き、新規出店や既存店の増床・改装、老朽化した既存設備の維 持更新が進められている。 ○雇用情勢は着実に改善が進んでいる(→)製造業や建設業では、技術部門の人員 不足の声が、小売業では、新規出店等に伴う販売部門を中心に様々な雇用形態で人員不 足の声が聞かれる。幅広い業種で必要な人員が集まらないなど人手不足感が続いている。 ○個人消費は持ち直している(↗)衣料品や時計、宝飾品などの高額品は低調だった ものの、化粧品や改装・物産展効果により飲食料品は好調だった。また、ペット関連用品 のほか、話題の健康食品、大型白物家電などの販売が増加した。インバウンドも良い動き。 乗用車販売は、増税後の軽自動車の販売不振に加え、4月には燃費不正問題が発生し、 国内販売は苦戦している。 ~企業の声~ ・新型車の効果が一巡したことから、国内、海外向け車両が減少し前期比、前年同期比で減産見込み。(大手製造業/広島県) ・生産性向上、老朽化による生産設備の更新。(中小製造業/岡山県) ・求人を出しても応募無し。チラシ、ハローワーク以外の求人冊子やネットにも掲載し、従来の10倍程度費用をかけている。 (ドラッグストア/広島県) ・衣料品の低迷に加え、時計、宝飾品、ハンドバッグなどこれまで良かった高額品も動きが鈍くなった。化粧品は継続したプロモーション効果により、飲食料品は改装効果と物 産展効果により引き続き好調。インバウンドは前年を大きく上回り好調。元々少なかったので、首都圏のようなマイナス影響はなく増加傾向が続いている。(百貨店/広島県) 地域 全体景況 個別の動向の具体例(主なコメント) ○生産はおおむね横ばい(→)パルプ・紙・紙加工品は、衛生用紙でインバウン 四国 一部に弱い動 きがみられる ものの、緩や かに持ち直し ている (→) ドによる需要が好調を維持しているなど、おおむね高水準の生産となっている。 電気機械は、アジア向けスマホ部品の需要が好調であるなど、持ち直しの動きが みられる。繊維、化学・石油石炭製品、鉄鋼、非鉄金属、はん用・生産用機械な どは、おおむね横ばいで推移している。窯業・土石、輸送機械(造船)は、国内 外需要の減少などから、弱い動きがみられる。また、中国経済減速に加え、円高 の動きについても懸念されている。 ○設備投資は緩やかな持ち直しの動きがみられる(→)今年度の設備投資計画 は、27年度に引き続き設備の維持・更新のための投資が中心となっているもの の、プラスチック製品、輸送機械(造船)、小売などでは増産・新規受注対応、店 舗の新設などの積極的な投資や、製造業では合理化・省力化投資などがみられる。 また、BCP対策で耐震補強、浸水対策を行う企業も一部にみられる。 ○雇用情勢は改善している(→)当期の雇用者数を適正とする企業が多いなか、 食料品、その他製造業、小売、住宅販売、建設などの業種では、不足感がみられ る。今後は、雇用者数を不変とする企業が多いものの、食料品、小売、建設など では、引き続き人手不足感から雇用者数を増やす動きがみられる。また、人手不 足が、事業活動に影響することを懸念する企業もみられる。 ○個人消費はおおむね横ばいの動き(↘)百貨店は、天候の影響などから主力の 衣料品や身の回り品の動きが鈍く、弱い動きとなっている。スーパーは、総菜や 畜産品を中心に、コンビニエンスストアは、新店効果もあり堅調。家電販売は、 白物家電の売れ行きが良いものの、テレビなどのAV家電の動きが鈍く、持ち直し の動きに一服感。乗用車販売は、燃費問題の影響などから横ばい。旅行は、海外 旅行が回復傾向であるものの、地震の影響もあり大型連休を中心に伸び悩み、横 ばい。 ~企業の声~ ・ベビーケアオムツは、高水準の生産となっている。受注においては中国経済が大きく関係している。(大手製造業/香川県) ・ばら積み船は、船腹過剰や中国経済減速などによる荷動きの悪さにより、受注環境は厳しい状況。(大手製造業/愛媛県) ・次期の業績は例年並みが想定されるが、輸出において急激な円高が影響しないか懸念がある。(中小製造業/徳島県) ・来年度計画の地震津波対策等を前倒しで実施する予定。(中小製造業/高知県) ・新卒希望者が大幅に減少、都会や大手志向になっている。男女比では男性が大幅に減少している。(住宅販売/香川県) ・消費は二極化しており、価値と価格を重視した購買動向となっている。(スーパー/愛媛県) 地域 全体景況 個別の動向の具体例(主なコメント) ○生産は急速な低下から回復の動きがみられる(↘)輸送機械は、熊本地震の影 九州 一部に弱い動 きがみられる ものの、緩や かに持ち直し ている (↘) 響で生産が一時停止したため生産減となった一方で、生産再開の動きや新型車の生産開 始などの動きがみられた。電子部品・デバイスは、スマートフォン用途や空調機器用途、車 載用途の半導体の一部で持ち直しの動きがみられたものの、同地震の影響で生産減と なった。はん用・生産用機械は、半導体用途の製造装置が国内外の需要減に加え、同地 震の影響で生産減となったものの、船舶用内燃機関、空調機器等は受注残を抱え生産が 堅調に推移。電気機械は、中国経済の減速等を背景に半導体用途の受注が低迷したもの の、海外向け太陽光発電用途の電気機器が堅調に推移した。 ○設備投資は持ち直している(→)製造業では、輸送用機械、はん用・生産用機械、 飲食料品等で増産に向けた動きがみられるとともに、化学等で、設備の維持更新やコスト ダウン等に向けた投資の動きがみられた。非製造業においても、店舗等のリニューアルや 情報システム関係の設備導入等の動きが出ている一方、前年度の大型投資の反動で前 年を下回る企業もみられた。 ○雇用情勢は改善している(→)有効求人倍率が上昇し続ける中、製造業、非製造 業ともに、人材確保に向けた意欲的な動きがみられるものの、一部では求人が充足しない 厳しい状態。このため、企業の中には、女性社員の積極的な登用、ロボットの導入などで 人材不足に対処する動きがみられたほか、給与の見直しなど職場環境の改善等で、人材 の確保・定着を図る動きもみられた。 ○個人消費は弱い動き(↘)百貨店・スーパーでは、熊本地震の影響により、来客者数 が減少。また、株安・円高を背景に高額商品の売上が低迷するなど、動きが鈍化。観光レ ジャーは、同地震による予約キャンセルなどで低下。家電販売は、洗濯機、空気清浄機な ど高機能な生活家電が好調のほか、同地震で損傷した家電の買い換え需要もあり増加。 自動車販売は、株安、円高などのマイナス要因もあり消費マインドは横ばい傾向。 ~企業の声~ ・熊本地震の影響を受け、生産を一時停止した関係で、生産台数が低下。今後は回復見込み。(大手製造/福岡県) ・熊本地震の影響で生産設備が被災し、半導体用途の製造装置が生産減。(大手製造/熊本県) ・派遣する人材の確保が困難となってきており、時給の見直し等を行っている。(人材派遣/福岡県) ・熊本地震の影響でインバウンド売上が減少、株安・円高等を背景に高額商品が低迷。(大手小売業/福岡県) 地域 全体景況 個別の動向の具体例(主なコメント) ○生産は、一部に弱い動きが見られ足踏み状態となっている(→)食料品は観 光客数増加等を背景に堅調に推移している。鉄鋼、窯業・土石製品などは公共を中 心とした発注遅れ等により弱含んでいる。一部から、新設備導入・稼働時間増加に より、今後は営業・生産活動を強化していくとの声も聞かれた。 ○設備投資は緩やかに持ち直している(↗)平成28年度計画について、製造業で 改善が続いて いる 沖縄 (→) は、老朽化設備の維持更新に加え、新設備導入、工場増設などの声が聞かれた。非 製造業では、昨年度までに大型の設備投資を終え落ち着いたとの声も聞かれたもの の、既存設備の維持更新、本社ビル、配送センター、加工センターなどの建築・増 改築計画、新規出店計画、新事業計画による設備投資などの声も聞かれた。 ○雇用情勢は改善が続いている(→)有効求人倍率は、全国と比べ差があるもの の、0.98と過去最高を記録するなど堅調に推移している。依然として正規・非正規 職員とも不足感があり、建設業や情報通信業では技術者、卸売・小売業では非正規 職員、運輸業、サービス業では正規・非正規職員ともに不足となっている。一部か ら人材確保のため賃金アップや非正規社員の正社員化、人材不足を補うためIT活 用・機械化を図るなどの声も聞かれた。 ○個人消費は改善が続いている(→)食品や雑貨なども好調で、百貨店・スー パーでの販売動向が前年同月比を上回るなど堅調に推移している。一部から惣菜や カット野菜など、手間をかけずに調理可能なものが売れてきているとの声が聞かれ た。観光は、国内観光客数は横ばいで推移しているものの、航空路線の拡充やク ルーズ船の寄港数増加等を背景に外国人観光客数が大幅に伸びており、全体の入域 観光客数も単月の過去最高を31ヶ月連続で更新するなど堅調に推移している。一部 から外国人観光客へ売れている商品が変わってきている、買物より観光へと消費行 動がシフトしているとの声も聞かれた。 ~企業の声~ ・今後は、人手不足を補うため、ITの活用、機械化による代替も図って行く方針。 (サービス業/沖縄県) ・人材を集めにくくなってきたので、定着させるよう雇用形態を大きく変えた。具体的には、パートで雇っていた20名程度を正社員化した。 (化学工業/沖縄県) ・女性の社会進出等により、惣菜やカット野菜が数種類セットになったものなど、手間をかけずに調理できるものが売れてきている。 (卸売・小売業/沖縄県) ・外国人観光客へ売れている商品が変わってきている。高級炊飯器(複数個購入)から電動歯ブラシ、ドライヤー等へシフトしてきている。(卸売・小売業/沖縄県)
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