平成28年4-6月期 - 中国経済産業局

平成28年7月26日
担当 参事官(調査担当) 阿 比 留
TEL(082)224-5633
彩子
地域経済産業調査結果(平成28年4-6月期)
中国地域の経済は、
一部に持ち直しの動きがみられるものの、足踏み状態となっている。
※当局ホームページ(http://www.chugoku.meti.go.jp/)にも同様の資料を掲載しております。
1.全体の動向
生産は、鉄鋼が横ばい、自動車が減産、化学、はん用・生産用・業務用機械、電子部品・デバイスがやや
減産となり、全体としては弱含み。設備投資は、製造業では受注増加等のための前向きな動き、非製造業では新
規出店や既存設備の維持更新のための投資がみられ、持ち直している。雇用は、着実に改善が進んでいる。個人
消費は、持ち直している。全体としては、中国地域の経済は、一部に持ち直しの動きがみられるものの、足
踏み状態となっている。先行きは、設備投資や雇用情勢が高水準であるものの、生産は弱含みで推移すると
思われる。
2.個別の動向
(1) 生
産
弱含み
鉄鋼は、もう一段の在庫削減が必要であることから、横ばい。化学は、一部事業所において定修があり、やや減
産。自動車は、軽乗用車の生産ラインの停止や新型車の効果が一巡したことから、減産。はん用・生産用・業務用
機械は、売上が期末に集中したことから、やや減産。電子部品・デバイスは、中国経済の減速、スマホの買い換え
サイクルが一巡したことから、やや減産。
(2) 設備投資
持ち直している
製造業では、老朽化や生産性向上への対応として行う既存設備の維持更新に加え、受注増加や新製品対応に
向けた前向きな動きがみられる。非製造業では、引き続き、新規出店や既存店の増床・改装、老朽化した既存設備
の維持更新が進められている。
(3) 雇用情勢
着実に改善が進んでいる
製造業や建設業では、技術部門の人員不足の声が、小売業では、新規出店等に伴う販売部門を中心に様々な
雇用形態で人員不足の声が聞かれる。幅広い業種で必要な人員が集まらないなど人手不足感が続いている。
(4) 個人消費
持ち直している
衣料品や時計、宝飾品などの高額品は低調だったものの、化粧品や改装・物産展効果により飲食料品は好調だ
った。また、ペット関連用品のほか、話題の健康食品、大型白物家電などの販売が増加した。インバウンドも良い動
き。乗用車販売は、増税後の軽自動車の販売不振に加え、4月には燃費不正問題が発生し、国内販売は苦戦して
いる。
(5) 資金需要
増加している
資金調達環境は安定している。
(6) 建
設
横ばい
公共工事は減少している。住宅建設は持ち直している。
(調査概要)
(1)目的:地域の主要企業へ各経済産業局が一斉にヒアリング等を実施することにより、企業の業況、生産、設備投資、資金需要等の動向及び
地域経済全体の動向を定性的に把握するとともに、経済産業省内の政策展開への参考資料とする。
(2)調査時期:平成28年6月(本調査は年4回実施)
(3)調査内容:業況、生産、設備投資、雇用情勢、個人消費、資金需要、トピックス 等
(4)回答企業数:91社(中国地域)《製造業41社 非製造業50社》
(調査結果詳細)
(1)生産
~ 弱含み ~
鉄鋼は、もう一段の在庫削減が必要であることから、横ばい。化学は、一部事業所において定修があり、やや減産。自動
車は、軽乗用車の生産ラインの停止や新型車の効果が一巡したことから、減産。はん用・生産用・業務用機械は、売上が期
末に集中したことから、やや減産。電子部品・デバイスは、中国経済の減速、スマホの買い換えサイクルが一巡したことか
ら、やや減産。
業種別にみると、
鉄鋼は、もう一段の在庫削減が必要であること、エネルギー関連需要等において厳しい環境が継続してお
り、市場の動向を注視しつつ生産・販売を行っていくことから、横ばい。
化学は、前期に引き続き、フル生産の品目もあるが、一部事業所において定修があり、やや減産。
自動車は、軽乗用車の生産ラインの停止や新型車の効果が一巡したことから、減産。
船舶は、長期工事の受注のため、月次/四半期での影響を受けにくいことから、横ばい。
はん用・生産用・業務用機械は、売上が期末に集中したことから、やや減産。
電子部品・デバイスは、中国経済の減速、スマホの買い換えサイクルが一巡したことから、やや減産。
情報通信機械は、新製品の生産タイミングだった前期の反動減から、やや減産。
窯業・土石製品は、国内需要の不振・国際市場での供給過剰等で、当期は若干の生産調整を実施したこと
から、やや減産。
金属製品は、賃貸住宅市場の底堅い需要や
他工場への応援生産を実施したことから、
やや増産。
木材・木製品は、建築需要に大きな変化が
見えないことから、横ばい。
石油・石炭は、国内需要に応じた生産が続く
ことから、やや増産。
出所:中国経済産業局
(2)設備投資
~ 持ち直している ~
製造業では、老朽化や生産性向上への対応として行う既存設備の維持更新に加え、受注増加や新製品対応に向けた前
向きな動きがみられる。非製造業では、引き続き、新規出店や既存店の増床・改装、老朽化した既存設備の維持更新が進
められている。
製造業では、引き続き、老朽化や生産性向上への対応として既存設備の維持更新が、合理化、省力化を意
識しながら進められている。また、受注増加や新製品への対応に向けた設備新設等の能力増強など前向きな
動きがみられる。一方で、前年度までの大型投資の反動減や受注減少により設備更新の先送りを検討する
声も一部にみられる。
非製造業では、引き続き、新規出店や既存店の増床・改装、
新サービスへの対応や業務効率化に向けた設備新設や
システム開発、老朽化した既存設備の更新が進められている。
一方で、前年度までの大型投資の反動減も一部に見られる。
2
(3)雇用情勢 ~ 着実に改善が進んでいる ~
製造業や建設業では、技術部門の人員不足の声が、小売業では、新規出店等に伴い販売部門を中心に様々な雇用形態
で人員不足の声が聞かれる。幅広い業種で必要な人員が集まらないなど人手不足感が続いている。
有効求人倍率は、中国地域全体では1.56(28年5月)となり、一部に厳しさはあるものの、改善している。
また、正社員の有効求人倍率も改善の動きが進んでいる。
当期の雇用者数については、製造業の一部や建設業で、生産部門及び技術部門の人員不足の声が、小売
業では、新規出店等に伴い販売部門を中心に様々な雇用形態で人員不足の声が聞かれる。また、大手自動
車メーカーの燃費不正問題で雇用者を削減したとの声や熊本地震への対応で人手不足感が目立っていると
の声(建設業)も聞かれた。
有効求人倍率の推移(平成28年5月現在)
1.70
今後の雇用者数については、事業拡大に伴う人材確保や
後継者育成・年齢構成維持のため新規採用者数の増加や
中途採用枠の拡大をはかる企業がみられる一方で、
定年退職者の補充のみにとどめるとの声も聞かれた。
中国
島根
山口
1.60
全国
岡山
鳥取
広島
1.50
1.40
1.30
1.20
1.10
H28.3月 H28.4月 H28.5月
1.62
1.57
1.51
1.43
1.37
1.24
1.30
1.00
0.90
0.80
0.70
0.60
1.68 広島(4位)
1.61 岡山(9位)
1.56
中国
1.47 島根(12位)
1.38 山口(19位)
1.36 鳥取(21位)
1.36
全国
1.67
1.57
1.54
1.46
1.35
1.31
1.34
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
1
2
3
4
5
賃金については、今期(4-6月期)が定期昇給の
時期にあたり、増額もしくはやや増額と回答した企業が
多くみられた。加えて従業員の定着・確保やモチベーション
向上のためにベースアップを実施した企業もみられた。
H24
H25
H26
H27
H28
出所:厚生労働省
(4)個人消費 ~ 持ち直している ~
衣料品や時計、宝飾品などの高額品は低調だったものの、化粧品や改装・物産展効果により飲食料品は好調だった。ま
た、ペット関連用品のほか、話題の健康食品、大型白物家電などの販売が増加した。インバウンドも良い動き。乗用車販売
は、増税後の軽自動車の販売不振に加え、4月には燃費不正問題が発生し、国内販売は苦戦している。
業種別にみると
百貨店は、衣料品のほか、時計、宝飾品など高額品の動きが鈍くなっておりハンドバッグも不調だった。一方、化粧品と改装
効果や物産展により飲食料品は引き続き好調。インバウンドも増えている。
スーパーは、4月は熊本地震の影響で飲料水、カップ麺が売れた。健康飲料、ベーカリーのほか惣菜の素など時短商品の
売れ行きが良く、飲食料品は引き続き好調。5月は衣料品が低調だった。
ショッピングセンターは、衣料品は苦戦しているが飲食ゾーンは好調が続いている。インバウンドは2月の春節より減少した
が昨年よりは増加。売れ筋は、時計、化粧品、シェーバーなどで、以前より欧米人が目立つ。
コンビニエンスストアは、 期間限定フレーバーのアイスクリーム、お弁当やフライヤー商材、新製品のスイーツなどの販売
が好調に推移し、客数の減少を客単価でカバーした。
ホームセンターは、4月は熊本地震の影響で転倒防止用の突っ張り棒やブルーシートが売れた。引き続きペット関連が好調
で、プレミアムフードなどがよく売れている。灯油は単価下落により不振が続いている。
中国地域における小売業業態別販売額
(前年同月比)の推移
家電大型専門店は、 エアコンや冷蔵庫、洗濯機、炊飯器など
引き続き高機能・高付加価値商品の販売は好調。4月は前年の
デジアナ変換終了に伴う駆け込みの影響でテレビの販売が減少し、
5月はクリーナーなどが減少した。
前年同月比(%)
70
百貨店
スーパー
コンビニ
ホーム
センター
ドラッグ
ストア
55
家電大型専門店
40
自動車
登録台数
25
ドラッグストアは、4月は花粉対策の鼻炎治療薬やマスクの
販売が伸びた。洗剤など大容量化が進み、「香り」対策商品が
よく売れる。話題の健康関連商品エゴマ油、黒酢など好調。
化粧品は機能性重視でメーカー品や高価な商品が人気。
10
▲5
▲ 20
▲ 35
5月
4月
28年1月
2月
3月
12月
11月
10月
7月
9月
8月
6月
5月
4月
27年1月
2月
3月
12月
11月
10月
7月
9月
8月
6月
5月
2月
4月
26年 1月
3月
12月
11月
10月
9月
8月
25年 5月
7月
3
6月
乗用車販売は、普通車、小型車は前年を上回っているものの、
軽自動車は昨年4月の増税に加え今年4月の燃費不正問題で
販売不振が続いており、国内販売は苦戦している。
▲ 50
出所:中国経済産業局
(5)資金需要 ~ 増加している ~
資金調達環境は安定している。
資金需要は、運転資金、設備投資の資金需要が増加する企業が見られる。
借入需要は、自己資金、グループ内ファイナンスで対応する企業がみられるものの、伸びている。
キャッシュフローは厳しい状況が続いている業種もあるが、改善の声も聞かれる。
(6)建設
~ 横ばい ~
公共工事は減少している。住宅建設は持ち直している。
公共工事は、減少している。今後は増加が見込まれる。
住宅建設は、着工戸数は増加傾向にあり、持ち直している。
中国地域公共工事請負金額
中国地域新設住宅着工戸数
14,000
70,000
3月末累計
12,000
5月末累計
請 10,000
負
金 8,000
額
6,000
億
円 4,000
3月末累計
60,000
5月末累計
50,000
(
40,000
戸
数 30,000
)
20,000
2,000
10,000
0
0
15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
年度
年度
出所:西日本建設業保証㈱
出所:国土交通省
4
平成28年4-6月期地域経済産業調査
(参考)全国の調査結果
<全国>一部に弱い動きがみられるものの、緩やかに改善している( )
<東北地域>
<北海道地域>
一部に弱い動きがみられるものの、
緩やかに持ち直している( )
一部に弱い動きがみられるものの、
緩やかに持ち直している( )
<関東地域>
<北陸地域>
一部に弱い動きがみられるものの、
緩やかに改善している( )
一部に弱い動きがみられるものの、
緩やかに改善している( )
<東海地域>
一部に弱い動きがみられるものの、
緩やかに改善している( )
<中国地域>
一部に持ち直しの動き
がみられるものの、
足踏み状態となっている(
<近畿地域>
)
一部に弱い動きがみられるものの、
緩やかに改善している( )
<九州地域>
(備考)
前回の調査時期と比較して景況判断に
・上方に変更の場合は
・判断に変更が無ければ
・下方に変更の場合は
一部に弱い動きがみられ
るものの、緩やかに持ち
直している( )
<四国地域>
<沖縄地域>
改善が続いている(
)
一部に弱い動きがみられるものの、
緩やかに持ち直している( )
5
調査期間:平成28年6月8日~6月30日
調査対象企業数:825社(全10地域合計)
過去一年間の全体景況判断の推移
平成27年4-6月期
全国
北海道
東北
一部に弱い動きがみれられ
るが、緩やかに改善してい
る
平成27年7-9月期
一部に弱い動きがみれられ
るが、緩やかに改善してい
る
一部に弱い動きがみられるも 緩やかに持ち直している
のの、緩やかに持ち直してい
る
平成27年10-12月期
平成28年1-3月期
一部に弱い動きがみられるも 一部に弱い動きがみられるも 一部に弱い動きがみられるも
のの、緩やかに改善している のの、緩やかに改善している のの、緩やかに改善している
一部に弱い動きがみられるも 緩やかに持ち直している
のの、緩やかに持ち直してい
る
中部
(北陸)
一部に弱い動きがみられるも
のの、緩やかに持ち直してい
る
緩やかな持ち直し傾向にある 緩やかな持ち直し傾向にある 一部に弱い動きがみられるも 一部に弱い動きがみられるも 一部に弱い動きがみられるも
ものの、一部に弱い動きがみ ものの、一部に弱い動きがみ のの、緩やかに持ち直してい のの、緩やかに持ち直してい のの、緩やかに持ち直してい
られる
られる
る
る
る
緩やかに回復している
緩やかに回復している
緩やかに改善している
緩やかに改善している
一部に弱い動きがみられるも
のの、緩やかに改善している
緩やかに改善している
緩やかに改善している
緩やかに改善している
緩やかに改善している
一部に弱い動きがみられるも
のの、緩やかに改善している
緩やかに改善している
緩やかに改善している
一部に弱い動きがみられるも 一部に改善の動きがみられる 一部に弱い動きがみられるも
のの、緩やかに改善している ものの、足踏み状態となって のの、緩やかに改善している
いる
緩やかに改善している
一部に弱い動きがみられるも 一部に弱い動きがみられるも 一部に弱い動きがみられるも
緩やかに改善しているもの
の、一部に弱い動きがみられ のの、緩やかに改善している のの、緩やかに改善している のの、緩やかに改善している
る
持ち直している
持ち直している
関東
中部
(東海)
平成28年4-6月期
近畿
中国
持ち直している
持ち直している
一部に持ち直しの動きがみら
れるものの、足踏み状態と
なっている
四国
一部に弱い動きがみられるも 一部に弱い動きがみられるも 一部に弱い動きがみられるも
緩やかな持ち直しの動きがみ 一部に弱い動きがあるもの
られる
の、緩やかな持ち直しの動き のの、緩やかに持ち直してい のの、緩やかに持ち直してい のの、緩やかに持ち直してい
る
る
る
がみられる
緩やかに持ち直している
緩やかに持ち直している
持ち直している
緩やかに持ち直している
一部に弱い動きがみられるも
のの、緩やかに持ち直してい
る
改善している
改善している
改善が続いている
改善が続いている
改善が続いている
九州
沖縄
※前回調査時の景気判断と比較して、上方に変更の場合は「 」、判断に変更なければ、「 」、下方に変更した場合は「 」。
6
○ IIP(生産)の動向
※資料 経済産業省「鉱工業指数」により作成。※平成22年=100
平成27年6月 平成27年7月 平成27年8月 平成27年9月 平成27年10月 平成27年11月 平成27年12月 平成28年1月 平成28年2月 平成28年3月 平成28年4月 平成28年5月
全国
北海道
東北
関東
東海
北陸
近畿
中国
四国
九州
沖縄
98.3
95.7
94.9
94.2
110.4
122.8
103.5
98.2
104.1
104.8
99.6
97.4
95.1
94.6
93.4
106.8
120.3
103.0
96.7
105.3
101.7
104.9
96.7
96.6
94.4
92.1
106.9
122.6
101.3
96.8
101.0
97.4
97.1
97.0
94.5
94.3
92.2
110.1
120.4
102.8
97.9
102.5
100.4
98.1
98.2
94.6
94.8
92.9
113.1
122.7
103.7
96.9
102.6
102.1
95.6
7
97.1
94.4
94.1
92.9
111.5
122.7
101.6
96.8
101.3
100.4
101.8
95.9
93.7
93.0
92.3
109.6
118.1
99.8
96.9
100.1
99.4
102.6
98.3
93.2
99.0
93.5
113.9
120.9
104.1
103.1
100.8
99.7
88.6
93.2
92.6
93.0
91.1
98.1
117.5
97.7
97.3
96.1
98.6
88.7
96.7
94.2
99.2
91.6
106.6
117.4
105.0
98.1
97.8
101.6
106.5
97.2
93.9
98.9
92.8
105.0
122.8
104.1
99.2
101.3
93.2
98.1
94.7
90.2
96.7
90.5
104.9
118.9
103.3
92.6
102.3
97.3
○ 有効求人倍率の推移
※資料 厚生労働省「職業安定業務統計」により作成。
平成27年6月 平成27年7月 平成27年8月 平成27年9月 平成27年10月 平成27年11月 平成27年12月 平成28年1月 平成28年2月 平成28年3月 平成28年4月 平成28年5月
全国
北海道
東北
関東
東海
北陸
近畿
中国
四国
九州
沖縄
1.19
0.96
1.21
1.22
1.48
1.51
1.12
1.38
1.18
1.03
0.84
1.21
0.97
1.23
1.24
1.50
1.52
1.13
1.39
1.20
1.04
0.85
1.22
0.98
1.23
1.27
1.52
1.52
1.14
1.40
1.22
1.05
0.86
1.23
0.98
1.23
1.27
1.52
1.52
1.16
1.43
1.25
1.07
0.88
1.24
0.97
1.23
1.28
1.52
1.53
1.17
1.43
1.26
1.09
0.89
1.26
0.97
1.23
1.30
1.54
1.53
1.18
1.43
1.28
1.10
0.90
8
1.27
0.98
1.23
1.31
1.55
1.54
1.21
1.45
1.29
1.11
0.91
1.28
1.01
1.25
1.32
1.59
1.54
1.20
1.47
1.31
1.10
0.90
1.28
1.01
1.25
1.32
1.56
1.54
1.22
1.48
1.30
1.12
0.91
1.30
1.03
1.26
1.35
1.57
1.59
1.22
1.51
1.32
1.15
0.92
1.34
1.02
1.31
1.40
1.60
1.68
1.28
1.54
1.37
1.18
0.94
1.36
1.01
1.33
1.42
1.62
1.67
1.29
1.56
1.41
1.20
0.98
○ 百貨店・スーパー販売額前年同月比(全店ベース)の推移
※資料 経済産業省「商業動態統計調査」により作成。
平成27年6月 平成27年7月 平成27年8月 平成27年9月 平成27年10月 平成27年11月 平成27年12月 平成28年1月 平成28年2月 平成28年3月 平成28年4月 平成28年5月
全国
北海道
東北
関東
東海
北陸
近畿
中国
四国
九州
沖縄
0.6
0.3
0.1
0.8
1.1
2.2
0.4
0.4
0.3
▲ 0.3
6.5
3.2
3.3
1.1
3.5
5.1
3.8
3.0
2.1
2.1
2.5
2.3
2.6
3.0
0.6
2.0
4.6
3.0
3.7
2.8
2.9
1.7
5.9
2.6
1.6
1.7
1.9
3.8
3.4
3.5
3.7
3.1
2.6
5.5
4.0
3.0
2.4
4.2
4.4
3.9
5.0
3.9
2.7
2.5
13.0
▲ 0.8
0.1
▲ 1.2
▲ 0.7
▲ 0.9
▲ 1.7
▲ 0.3
▲ 0.5
▲ 0.3
▲ 3.3
6.4
9
0.9
3.3
1.4
0.8
1.1
1.7
0.6
0.6
0.3
0.1
6.3
2.1
5.1
3.7
1.8
2.1
0.6
1.6
3.1
3.4
1.1
11.2
3.3
4.7
3.7
3.7
3.3
4.1
2.3
2.8
4.1
1.6
13.0
▲ 0.2 ▲ 0.1 ▲ 1.9
2.2
1.2 ▲ 0.6
0.3
0.8 ▲ 1.1
▲ 0.6
0.1 ▲ 2.1
1.2
0.2 ▲ 2.5
1.3
0.7 ▲ 1.9
▲ 0.6 ▲ 0.3 ▲ 2.3
0.2
2.1
0.7
▲ 0.1
1.2 ▲ 0.5
▲ 1.3 ▲ 4.6 ▲ 2.5
6.1
7.7
7.0
○ コンビニエンスストア販売額前年同月比(全店ベース)の推移
※資料 経済産業省「商業動態統計調査」により作成。
平成27年6月 平成27年7月 平成27年8月 平成27年9月 平成27年10月 平成27年11月 平成27年12月 平成28年1月 平成28年2月 平成28年3月 平成28年4月 平成28年5月
全国
北海道
東北
関東
中部
近畿
中国
四国
九州
沖縄
4.7
1.2
4.1
4.1
4.1
6.0
5.8
7.0
6.4
9.0
5.3
3.2
6.3
4.9
5.1
6.0
5.4
6.5
6.9
5.1
5.5
3.2
4.6
4.2
6.1
6.9
7.3
8.8
9.0
7.0
5.1
3.4
5.3
4.9
4.4
5.2
4.5
6.5
7.4
7.3
6.1
3.8
6.2
5.8
5.8
5.9
6.9
8.5
8.7
8.0
4.2
2.1
4.1
3.9
3.7
4.4
4.6
5.8
6.2
6.9
10
5.1
2.0
4.3
4.4
4.4
5.4
5.2
7.2
10.0
7.5
4.8
1.6
4.0
4.0
3.9
5.2
4.7
11.1
10.0
7.2
7.6
4.9
6.6
7.0
6.9
8.3
7.3
9.9
12.7
8.0
3.5
1.1
2.8
2.7
2.8
4.4
3.3
4.6
8.1
4.1
4.5
0.8
3.0
3.6
3.2
5.9
5.2
5.5
10.8
6.6
2.6
1.4
1.4
1.8
1.8
3.3
2.7
3.3
7.9
5.8
平成28年4-6月期地域経済産業調査~全体総括(1/2)~
基調判断は据え置き。地域別では、景況判断を北陸で上方修正し、東北、近畿
四国、沖縄で据え置き、北海道、関東、東海、中国、九州は下方修正した。
○生産:自動車関連では、熊本地震等の影響による生産ラインの停止により多くの地域で
減少がみられるものの、東海、九州で生産再開や挽回生産の声も聞かれた。電子部品・デ
バイスでは、中国経済等の影響により、スマートフォン向けの伸びの鈍化がみられる一方、
北陸、近畿で堅調に推移している。はん用・生産用・業務用機械については、関東、北陸で
工作機械を中心に堅調に推移している。先行きについては、中国経済等の減速に加え、円
高による今後の影響を懸念する声が聞かれた。
○設備投資:製造業では、前期に引き続き全国的に設備の維持・更新に伴う投資が中心と
なっているものの、一部に生産能力増強や合理化等への積極的な投資の動きがみられる。
非製造業でも、引き続き全国的に小売業の新規出店や既存店舗のリニューアルの動きが
みられる。一方で、前年度までの大型設備投資の反動で前年を下回る企業もみられる。
平成28年4-6月期地域経済産業調査~全体総括(2/2)~
○雇用情勢:製造業では、技術者や有資格者を中心に引き続き人手不足となっている。非製
造業でも、全国的に小売業、サービス業、建設業等で人手不足が続いている。有効求人倍
率が上昇し続ける中、人材確保のための賃金アップ、非正規社員の正社員登用等により人
材の確保・定着を図る動きがみられる。
○個人消費:百貨店では高額商品の動きが鈍化してるとの声が聞かれ、中間層を中心に消
費マインドの低下傾向がみられた。スーパーにおいても必要な商品しか買わないといった声
が聞かれた。家電販売は白物家電が堅調に推移している。自動車販売では、軽自動車が燃
費不正問題等の影響もあり回復が遅れているが、普通車には新型車効果がみられる。なお、
外国人観光客による消費については、消費行動の変化がみられる。
11
地域
全体景況
個別の動向の具体例(主なコメント)
一部に弱い動
きがみられる
ものの、緩や
かに持ち直し
ている
北海道
(↘)
○生産は弱含みとなっている(↘)輸送機械では、熊本地震の影響による出荷
停止と生産調整により自動車部品が減産。電気機械では、海外需要低迷や熊
本地震の影響による出荷停止により、半導体材料が減産。石油・石炭製品で
は、定期修理によりガソリンなど全ての石油製品が減産。鉄鋼では、市街地
再開発等により建設用鋼材が増産。以上のことから、生産全体では弱含みと
なっている。
○設備投資は減少している(↘)製造業では、鉄鋼と輸送機械の一部で老朽化設
備の更新があるものの維持補修が多い。非製造業では、卸売・小売でコスト削減
のため物流センターへの投資があるものの、製造業と同様維持補修が多い。以上
のことから、前年度比で減少している。
○雇用情勢は改善している(→)有効求人倍率は長期にわたり改善している一
方、職種による雇用のミスマッチが引き続き生じており、建設、製造、運輸、販
売員等、現場の従業員が不足している。
○個人消費は持ち直している(→)スーパーでは飲食料品、ドラッグストアでは
化粧品の免税売上、ホームセンターでは地震の影響による防災用品、家電販売で
は高機能白物家電やエアコンの動きが各々好調。一方、百貨店では、衣料品の不
振や外国人観光客による免税売上が落ちている。新車販売では、新型ハイブリッ
ト車は好調だが、軽自動車は軽自動車税増税による落ち込みからの回復が遅れて
いる。観光では、国内客・外国人客ともに高水準を維持しているものの、円高等
の影響により外国人客の伸び率に鈍化がみられる。
住宅では、低金利と相続税対策を背景に、着工戸数が伸びている。
~企業の声~
・海外需要低迷により、半導体材料の受注が低迷している。(大手電気機械工業/北海道)
・生産能力の向上及び各店舗での作業・コストの効率化を図るため、生鮮食品流通センターの改修工事を行う。(大手小売業/北海道)
・現在、学生の売り手市場であり、中小企業には人が集まらない。(中小運輸業/北海道)
・白物家電は高機能洗濯機が好調。(大手卸売・小売業/北海道)
地域
全体景況
個別の動向の具体例(主なコメント)
○生産は横ばい(→)電子部品・デバイス及び一般機械では、車載向け・スマートフォン
東北
一部に弱い動
きがみられる
ものの、緩や
かに持ち直し
ている。
(→)
向けなどで堅調に推移とする企業がある一方、依然として中国経済減速の影響が継続して
おり生産減少とする声もあった。情報通信機械では、フル生産とする企業がある一方、パソ
コンなどの国内市場の低迷が継続している。輸送機械など、熊本地震の影響により仕入先
が被災し供給がストップしたことから、一部で操業停止とする企業もあったが、代替先からの
調達や在庫対応などにより影響は軽微とする企業が多かった。先行きについては、中国、
欧米の経済動向を懸念する声もあるが、全体としては横ばいとする見通しが多い。
○設備投資は緩やかに持ち直している(→)製造業では、昨年度までの工場増設・
新商品関連投資が一段落した企業もあるが、輸送機械関連の新商品生産に対応した設備
投資、食料品の新工場建設等、増額とする企業が多くなっている。非製造業では、新規出店
を続ける小売業等、増額とする企業が多くなっている。
○雇用情勢は改善している(→)復興需要の下支えもあり新規求人倍率、有効求人倍
率ともに高水準で推移し、改善の動きが続いている。製造業では、定年前後の社員が急増
するなど、慢性的な高齢化と人手不足が深刻化しているという声がある。小売業では、短時
間労働者の応募が少なく、人材確保が難しいとの声が多かった。宿泊業では、調理従事者
や若年層の人材が不足しているという声が多い。なお、被災県の沿岸地域では、職種等に
よるミスマッチが依然として顕著である。
○個人消費は足踏み状態となっている(↘)百貨店では、化粧品や物産催事などに
動きがみられるものの、季節衣料などを中心にふるわない状況が続いており、海外ブランド
品や高級時計などの高額品にもやや弱さがみられる。スーパーでは、衣料品がふるわない
ものの、飲食料品は堅調に推移している。今後については、消費税率引上げ時期の延期に
よる消費マインドの回復が期待される一方で、高額所得者層の趣味・嗜好品消費が減少し
つつあることや、業態間の競争が激しくなってきていることから、厳しい状況が続くことを懸
念する声があった。
~企業の声~
・中国経済減速の影響が予想した以上に長引いており、4月になっても生産量が増えてこない(大手製造業/岩手県)
・不振の続いている主力の婦人服の売上にもやや回復の兆しがみられる一方、ブランド品や高額宝飾の伸びが悪く、高額購入者の買い控え傾向がみられる。
(大手小売業/宮城県)
12
地域
全体景況
個別の動向の具体例(主なコメント)
○生産は弱含みで推移している(↘)輸送機械は海外向けが好調であるものの、
一部に弱い動
きがみられる
ものの、緩や
かに改善して
いる
関東
(↘)
軽を含む乗用車の国内向け販売が低調であることから、生産はやや低調に推移し
ている。一般機械では、自動車向けや液晶パネル向けの工作機械の需要が堅調に
推移している。鉄鋼業は国内外の鋼材需要が低迷しており、引き続き生産調整が
続いている。また、円高による今後の影響を懸念する声が聞かれた。
○設備投資は持ち直している(→)製造業では、大手企業を中心に生産能力の増
強など積極的な投資を行うという声がある一方で、中小企業を中心に今年度の設
備投資は控えるという声が聞かれた。非製造業においては、情報通信業や大手小
売業を中心に、設備の増強や新規出店などへの投資を行うという声が聞かれた。
○雇用情勢は改善している(→)製造業では、人材の不足感がみられ、技術職や
経験者などの積極的な採用の動きがみられる。一方で、雇用情勢の改善に伴い、
中小企業を中心に人材の確保が難しい状況にある。非製造業では、技術者や小売
業での店舗販売員等に不足感があり、今後も続くとの見方が強い。また、製造
業・非製造業ともに女性活用の動きもみられる。
○個人消費は一部に弱い動きがみられるものの、緩やかに持ち直している
(↘)百貨店では、衣料品の売上げが低迷している。特に、ボリュームゾーンの中
間層の売上げが低迷。スーパーでは、必要な商品しか買わないといった声が聞か
れた。訪日外国人の客単価は低下。家電量販店では、暑い日が続いたことからエ
アコンや扇風機等が好調。コンビニエンスストアはネット通販のコンビニ受取が
順調。カウンター商材、お弁当類などが引き続き好調。
~企業の声~
・輸出はヨーロッパ向けが好調なものの、円高がマイナス要因となっている。(大手製造業/静岡県)
・鋼材は中国をはじめ東アジア地域の供給過剰が継続している。(大手製造業/東京都)
・新卒採用は大手企業の採用人数の増加、景気の回復感もあり売り手市場化し、ますます厳しい状況にある。(中小製造業/長野県)
・衣料品は中間層のプライスラインの売上げが引き続き低迷している。(大手小売・各種商品小売業/東京都)
・消費者が消費を使い分けて賢く選択している様子が顕著。(中小小売・各種商品小売業/埼玉県)
地域
全体景況
個別の動向の具体例(主なコメント)
○生産は持ち直しの動きがみられる(→)主力の自動車関連は、北米向けが堅調、
中部
(東海)
一部に弱い動
きがみられる
ものの、緩や
かに改善して
いる
(↘)
国内向けに新型車効果がみられ、熊本地震等からの挽回も加わり、緩やかに持ち直
している。金属工作機械は、国内向けは補助金の公募が開始されて以降、中小企業
の動きが止まっており、北米向けは自動車・航空機以外の業種が弱いなど、国内向
け、海外向けともに減少している。電子部品・デバイスは、スマートフォン向けを
中心に弱い動きとなっている。
○設備投資は増加しているものの、伸びは鈍化している(↘)製造業では、引
き続き積極的な合理化・効率化投資や維持・更新がみられることに加え、自動車部
品や金属工作機械の一部には生産能力増強投資がみられる。非製造業では、百貨店
やスーパー、自動車販売などの小売業で改装などがみられる。設備投資の規模は、
前年と同等もしくはそれ以下のところがみられる。
○雇用情勢は着実に改善している(→)製造業では、自動車関連を中心に生産増
加に対応する非正規社員の採用の動きがみられる。非製造業では、スーパーやコン
ビニエンスストアなどの小売業で非正規社員などの不足感が継続し、募集しても人
が集まりにくい状況が続いている。
○個人消費は足踏み状態となっている(↘)百貨店では、夏物婦人衣料を中心と
して衣料品の不振が続いている。訪日外国人売上(インバウンド需要)は、高額品
から一般消耗品へシフトしており、伸び悩んでいる。スーパーでは、衣料品、家庭
用品が振るわず、飲食料品が伸び悩んでいる。消費者の節約志向が高まっている。
コンビニエンスストアは、カウンター商材が引き続き堅調である。家電販売は、白
物家電、季節家電が堅調に推移している。乗用車販売は、普通車は新型車効果によ
り堅調に推移しているものの、軽自動車は車体課税の見直しの影響などがみられる。
~企業の声~
・熊本地震により自動車メーカーの工場の稼働が停止したことで4月の生産は減少したが、鉄鋼メーカー発生した事故の挽回をあわせて、5月以降は高い生産水
準が続く。(大手自動車部品製造業/愛知県)
・国内向けは、中小企業向けの動きが弱くなっている。大企業向けは計画通りの設備投資が続いている。米国向けは、航空機、自動車で動きがみられるものの、
その他の業種はよくない。(大手金属工作機械製造業/愛知県)
・衣料品が苦戦している。中元商戦も苦戦している。消費者の志向がモノからコトへ変化している。インバウンド需要は、高額品の売上げが伸び悩んでいる。富
裕層の消費が鈍っている。パートやアルバイトが集まりにくい状況が続いている。(大手百貨店/愛知県)
・天候の影響もあり、衣料品、住居関連品、食料品などの夏物商品が伸び悩んでいる。最近の傾向として、健康志向商品は、確実に売上げを伸ばしている。消費
者の節約志向がより強くなっている。(大手スーパー/愛知県)
13
地域
全体景況
個別の動向の具体例(主なコメント)
○生産は高水準で推移している(↗)化学は、ジェネリック医薬品が好調なことに加
中部
(北陸)
一部に弱い動
きがみられる
ものの、緩や
かに改善して
いる。
(↗)
え、受託生産が増加している。電子部品・デバイスは、スマートフォン向けは伸びが鈍化
したものの引き続き高水準で、自動車向けも堅調。はん用・生産用・業務用機械は、工
作機械の北米需要が堅調で、国内では一部に補助金関連の動きがみられるものの、中
国では減速の影響が続いている。繊維は、中東の民族衣装や北米のスポーツアウター
向けが好調で、車輌資材も堅調な一方、国内の衣料向けは低調。 金属製品は、住宅用
アルミ建材などが底堅く推移している。
○設備投資は高水準で推移している(→)製造業は、生産能力増強や設備更新の
ほか、生産性向上投資が引き続き行われていることに加え、新商品開発のための
投資もみられる。また、需要地としての海外投資も積極的に行われている。非製
造業は、北陸新幹線開業に伴う大規模投資は終了したものの、設備改装の動きが
続いている反面、一部では、建設コストの上昇から投資に慎重な姿勢もみられる。
○雇用情勢は改善している(→)製造業では、人員が不足している企業において、
派遣社員から正社員への登用や中途採用のほか、社内における配置換えやシェア
などにより、最適化を図っている。非製造業では、大型商業施設の開業が相次い
だ直後の厳しい状況は脱しているものの、雇用のミスマッチもあって、慢性的な
人手不足が続いている。
○個人消費は持ち直しに足踏みがみられる(→)百貨店では、催事効果もあって
入店客数は増加しているものの、シニアや中間層を中心に消費マインドに低下傾
向がみられる。スーパーでは、競合店の影響や、安い時のまとめ買いによる来店
回数の減少がみられる。また、消費者にはこだわりがあり、ほしい商品の価格が
安ければ売れるが、価格が安くても類似品や代替品は売れない傾向となっている。
~企業の声~
・新設の受託製造ラインが本格稼働したことに加え、ドリンク剤の工場もフル稼働となっている。(大手医薬品製造業/富山県)
・工作機械は、北米を中心に航空機・医療機器向けが堅調となっていることに加え、国内では補助金関連が動き出し、受注に伸びがみられる。(中小機械器具
製造業/富山県)
・製造業では、人手不足や人件費高騰を背景に、ロボットを使った自動化システムの需要が高まっている。こうしたロボット事業の生産能力の増強を図るため、
過去最高水準の投資を行う予定。(大手機械器具製造業/富山県)
・鶏胸肉は、これまでパサパサして食べにくいとされてきたが、レシピが増え、おいしく食べられるようになったことに加え、単価が安くヘルシーであること
から、人気が出てきている。(スーパー/富山県)
地域
全体景況
個別の動向の具体例(主なコメント)
○生産は横ばい(→)はん用・生産用・業務用機械は、半導体やフラットパネ
近畿
一部に弱い動
きがみられる
ものの、緩や
かに改善して
いる。
(→)
ル・ディスプレイの製造装置、自動運搬機械等が好調。電子部品・デバイスは、
中国を中心にスマートフォン向けの伸びが鈍化しているものの引き続き堅調。電
気機械は、車載用をはじめとする蓄電池が堅調。輸送機械は、一部工場の製造ラ
イン停止の影響により、自動車部品等が減少。なお、先行きについて、為替変動
による受注の減少を懸念する声が聞かれる。
○設備投資は持ち直している(→)製造業では、設備の維持・更新を中心に、一
部では市場の需要増に応えるための生産能力増強投資もみられる。中小製造業で
は、政策支援を活用した設備投資への意欲がみられる。また、非製造業では、国
内需要掘り起こしのための店舗改装や訪日外国人の増加に対応する投資がみられ
る。
○雇用情勢は改善している(→)依然として人手不足が続いている。工場や店舗
などのパート人材、有資格者・技術者の確保が困難との声が多く聞かれる。新規
採用は、毎年継続して一定の採用人数を確保する意向が強い。賃金は、従業員の
定着や利益還元を目的に引上げを実施する企業がみられ、ベースアップによる賃
上げを行うとの声も聞かれる。
○個人消費は、改善の動きに足踏みがみられる(↘)百貨店は、天候不順等によ
り衣料品の不振が続くとともに、高額品販売が鈍化していることなどから弱い動
きとなっている。スーパーは、惣菜等が好調である飲食料品を中心におおむね堅
調。家電は、白物家電が堅調だがその他は弱含み。乗用車は、軽自動車が燃費不
正問題の影響等もあって回復が遅れているが、普通車は新型車効果もあり堅調。
旅行は、引き続き政情不安等から海外が減少。レジャー施設は好調を維持。外国
人観光客による消費については、高額品の購入が減少し、化粧品等消耗品へのシ
フトがみられる。
~企業の声~
・中国を中心にスマートフォンの買い換えが一巡したこともあり伸びが鈍化してきているが、好調であることに変わりはない。(大手製造業/京都府)
・昨年と比べると最高気温が低く、暑い日が持続しないことなどが影響したためか、飲料、麺つゆ、乾麺など夏物商品の売れ行きが良くなかった。総菜はニーズ
があり強化している。(大手小売業/和歌山県)
・技術者や業界に明るい者を探しているが、大手メーカーに人材を取られて集められない。(中小製造業/大阪府)
・賃上げできるほど業績は上がっていないが、従業員のモチベーション向上のためには必要。(中小製造業/奈良県)
14
地域
全体景況
個別の動向の具体例(主なコメント)
○生産は弱含み(↘)鉄鋼は、もう一段の在庫調整が必要であることから、横ばい。化学
中国
一部に持ち
直しの動き
がみられる
ものの、足
踏み状態と
なっている
(↘)
は、一部事業所において定修があり、やや減産。自動車は、軽乗用車の生産ラインの停止
や新型車の効果が一巡したことから、減産。はん用・生産用・業務用機械は、売上が期末
に集中したことから、やや減産。電子部品・デバイスは、中国経済の減速、スマホの買い換
えサイクルが一巡したことから、やや減産。
○設備投資は持ち直している(→)製造業では、老朽化や生産性向上への対応として
行う既存設備の維持更新に加え、受注増加や新製品対応に向けた前向きな動きがみられ
る。非製造業では、引き続き、新規出店や既存店の増床・改装、老朽化した既存設備の維
持更新が進められている。
○雇用情勢は着実に改善が進んでいる(→)製造業や建設業では、技術部門の人員
不足の声が、小売業では、新規出店等に伴う販売部門を中心に様々な雇用形態で人員不
足の声が聞かれる。幅広い業種で必要な人員が集まらないなど人手不足感が続いている。
○個人消費は持ち直している(↗)衣料品や時計、宝飾品などの高額品は低調だった
ものの、化粧品や改装・物産展効果により飲食料品は好調だった。また、ペット関連用品
のほか、話題の健康食品、大型白物家電などの販売が増加した。インバウンドも良い動き。
乗用車販売は、増税後の軽自動車の販売不振に加え、4月には燃費不正問題が発生し、
国内販売は苦戦している。
~企業の声~
・新型車の効果が一巡したことから、国内、海外向け車両が減少し前期比、前年同期比で減産見込み。(大手製造業/広島県)
・生産性向上、老朽化による生産設備の更新。(中小製造業/岡山県)
・求人を出しても応募無し。チラシ、ハローワーク以外の求人冊子やネットにも掲載し、従来の10倍程度費用をかけている。 (ドラッグストア/広島県)
・衣料品の低迷に加え、時計、宝飾品、ハンドバッグなどこれまで良かった高額品も動きが鈍くなった。化粧品は継続したプロモーション効果により、飲食料品は改装効果と物
産展効果により引き続き好調。インバウンドは前年を大きく上回り好調。元々少なかったので、首都圏のようなマイナス影響はなく増加傾向が続いている。(百貨店/広島県)
地域
全体景況
個別の動向の具体例(主なコメント)
○生産はおおむね横ばい(→)パルプ・紙・紙加工品は、衛生用紙でインバウン
四国
一部に弱い動
きがみられる
ものの、緩や
かに持ち直し
ている
(→)
ドによる需要が好調を維持しているなど、おおむね高水準の生産となっている。
電気機械は、アジア向けスマホ部品の需要が好調であるなど、持ち直しの動きが
みられる。繊維、化学・石油石炭製品、鉄鋼、非鉄金属、はん用・生産用機械な
どは、おおむね横ばいで推移している。窯業・土石、輸送機械(造船)は、国内
外需要の減少などから、弱い動きがみられる。また、中国経済減速に加え、円高
の動きについても懸念されている。
○設備投資は緩やかな持ち直しの動きがみられる(→)今年度の設備投資計画
は、27年度に引き続き設備の維持・更新のための投資が中心となっているもの
の、プラスチック製品、輸送機械(造船)、小売などでは増産・新規受注対応、店
舗の新設などの積極的な投資や、製造業では合理化・省力化投資などがみられる。
また、BCP対策で耐震補強、浸水対策を行う企業も一部にみられる。
○雇用情勢は改善している(→)当期の雇用者数を適正とする企業が多いなか、
食料品、その他製造業、小売、住宅販売、建設などの業種では、不足感がみられ
る。今後は、雇用者数を不変とする企業が多いものの、食料品、小売、建設など
では、引き続き人手不足感から雇用者数を増やす動きがみられる。また、人手不
足が、事業活動に影響することを懸念する企業もみられる。
○個人消費はおおむね横ばいの動き(↘)百貨店は、天候の影響などから主力の
衣料品や身の回り品の動きが鈍く、弱い動きとなっている。スーパーは、総菜や
畜産品を中心に、コンビニエンスストアは、新店効果もあり堅調。家電販売は、
白物家電の売れ行きが良いものの、テレビなどのAV家電の動きが鈍く、持ち直し
の動きに一服感。乗用車販売は、燃費問題の影響などから横ばい。旅行は、海外
旅行が回復傾向であるものの、地震の影響もあり大型連休を中心に伸び悩み、横
ばい。
~企業の声~
・ベビーケアオムツは、高水準の生産となっている。受注においては中国経済が大きく関係している。(大手製造業/香川県)
・ばら積み船は、船腹過剰や中国経済減速などによる荷動きの悪さにより、受注環境は厳しい状況。(大手製造業/愛媛県)
・次期の業績は例年並みが想定されるが、輸出において急激な円高が影響しないか懸念がある。(中小製造業/徳島県)
・来年度計画の地震津波対策等を前倒しで実施する予定。(中小製造業/高知県)
・新卒希望者が大幅に減少、都会や大手志向になっている。男女比では男性が大幅に減少している。(住宅販売/香川県)
・消費は二極化しており、価値と価格を重視した購買動向となっている。(スーパー/愛媛県)
15
地域
全体景況
個別の動向の具体例(主なコメント)
○生産は急速な低下から回復の動きがみられる(↘)輸送機械は、熊本地震の影
九州
一部に弱い動
きがみられる
ものの、緩や
かに持ち直し
ている
(↘)
響で生産が一時停止したため生産減となった一方で、生産再開の動きや新型車の生産開
始などの動きがみられた。電子部品・デバイスは、スマートフォン用途や空調機器用途、車
載用途の半導体の一部で持ち直しの動きがみられたものの、同地震の影響で生産減と
なった。はん用・生産用機械は、半導体用途の製造装置が国内外の需要減に加え、同地
震の影響で生産減となったものの、船舶用内燃機関、空調機器等は受注残を抱え生産が
堅調に推移。電気機械は、中国経済の減速等を背景に半導体用途の受注が低迷したもの
の、海外向け太陽光発電用途の電気機器が堅調に推移した。
○設備投資は持ち直している(→)製造業では、輸送用機械、はん用・生産用機械、
飲食料品等で増産に向けた動きがみられるとともに、化学等で、設備の維持更新やコスト
ダウン等に向けた投資の動きがみられた。非製造業においても、店舗等のリニューアルや
情報システム関係の設備導入等の動きが出ている一方、前年度の大型投資の反動で前
年を下回る企業もみられた。
○雇用情勢は改善している(→)有効求人倍率が上昇し続ける中、製造業、非製造
業ともに、人材確保に向けた意欲的な動きがみられるものの、一部では求人が充足しない
厳しい状態。このため、企業の中には、女性社員の積極的な登用、ロボットの導入などで
人材不足に対処する動きがみられたほか、給与の見直しなど職場環境の改善等で、人材
の確保・定着を図る動きもみられた。
○個人消費は弱い動き(↘)百貨店・スーパーでは、熊本地震の影響により、来客者数
が減少。また、株安・円高を背景に高額商品の売上が低迷するなど、動きが鈍化。観光レ
ジャーは、同地震による予約キャンセルなどで低下。家電販売は、洗濯機、空気清浄機な
ど高機能な生活家電が好調のほか、同地震で損傷した家電の買い換え需要もあり増加。
自動車販売は、株安、円高などのマイナス要因もあり消費マインドは横ばい傾向。
~企業の声~
・熊本地震の影響を受け、生産を一時停止した関係で、生産台数が低下。今後は回復見込み。(大手製造/福岡県)
・熊本地震の影響で生産設備が被災し、半導体用途の製造装置が生産減。(大手製造/熊本県)
・派遣する人材の確保が困難となってきており、時給の見直し等を行っている。(人材派遣/福岡県)
・熊本地震の影響でインバウンド売上が減少、株安・円高等を背景に高額商品が低迷。(大手小売業/福岡県)
地域
全体景況
個別の動向の具体例(主なコメント)
○生産は、一部に弱い動きが見られ足踏み状態となっている(→)食料品は観
光客数増加等を背景に堅調に推移している。鉄鋼、窯業・土石製品などは公共を中
心とした発注遅れ等により弱含んでいる。一部から、新設備導入・稼働時間増加に
より、今後は営業・生産活動を強化していくとの声も聞かれた。
改善が続いて
いる
沖縄
(→)
○設備投資は緩やかに持ち直している(↗)平成28年度計画について、製造業で
は、老朽化設備の維持更新に加え、新設備導入、工場増設などの声が聞かれた。非
製造業では、昨年度までに大型の設備投資を終え落ち着いたとの声も聞かれたもの
の、既存設備の維持更新、本社ビル、配送センター、加工センターなどの建築・増
改築計画、新規出店計画、新事業計画による設備投資などの声も聞かれた。
○雇用情勢は改善が続いている(→)有効求人倍率は、全国と比べ差があるもの
の、0.98と過去最高を記録するなど堅調に推移している。依然として正規・非正規
職員とも不足感があり、建設業や情報通信業では技術者、卸売・小売業では非正規
職員、運輸業、サービス業では正規・非正規職員ともに不足となっている。一部か
ら人材確保のため賃金アップや非正規社員の正社員化、人材不足を補うためIT活
用・機械化を図るなどの声も聞かれた。
○個人消費は改善が続いている(→)食品や雑貨なども好調で、百貨店・スー
パーでの販売動向が前年同月比を上回るなど堅調に推移している。一部から惣菜や
カット野菜など、手間をかけずに調理可能なものが売れてきているとの声が聞かれ
た。観光は、国内観光客数は横ばいで推移しているものの、航空路線の拡充やク
ルーズ船の寄港数増加等を背景に外国人観光客数が大幅に伸びており、全体の入域
観光客数も単月の過去最高を31ヶ月連続で更新するなど堅調に推移している。一部
から外国人観光客へ売れている商品が変わってきている、買物より観光へと消費行
動がシフトしているとの声も聞かれた。
~企業の声~
・今後は、人手不足を補うため、ITの活用、機械化による代替も図って行く方針。 (サービス業/沖縄県)
・人材を集めにくくなってきたので、定着させるよう雇用形態を大きく変えた。具体的には、パートで雇っていた20名程度を正社員化した。 (化学工業/沖縄県)
・女性の社会進出等により、惣菜やカット野菜が数種類セットになったものなど、手間をかけずに調理できるものが売れてきている。 (卸売・小売業/沖縄県)
・外国人観光客へ売れている商品が変わってきている。高級炊飯器(複数個購入)から電動歯ブラシ、ドライヤー等へシフトしてきている。(卸売・小売業/沖縄県)
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