調 査 Research 「地震対策の実施状況等に関するアンケート」 調 査 「地震対策の実施状況等に関するアンケート」 − モニター調査結果 − 第14回家計と暮らしに関する調査に合わせ、今回は補足調査として「地震対策の実施状況等」 に関するアンケートを実施し、 「地震防災対策の実施状況」、 「具体的な地震対策」、 「その費用」、 「そ のきっかけ」、「地震対策を実施しない理由」について尋ねた。 地震防災対策の実施状況は8割が「実施」もしくは「検討中」で、そのきっかけは「熊本地震 後」が過半を占める。一方、対策を実施しない理由は「対策がわからない」、「お金がかかる」が 5割弱。 1.地震防災対策の実施状況 −8割が実施、もしくは検討中− 地震防災対策の実施状況ついて尋ねたところ、 「実施している」は34.2%にとどまったが、「検 討中」が47.5%に上り、「実施するつもりはない」は18.2%であった(図表1) 。 「実施している」との回答割合は「60歳以上」が40.1%と最も高く、 「40歳代」の25.6%が最も 低い。 図表1 地震防災対策の実施状況 N=406 実施する つもりはない 18.2% 合 計 実施している 34.2% 実施している 検討中 実施するつも りはない 406 100.0 139 34.2 193 47.5 74 18.2 20・30歳代 37 100.0 12 32.4 19 51.4 6 16.2 40 歳 代 86 100.0 22 25.6 54 62.8 10 11.6 50 歳 代 86 100.0 26 30.2 49 57.0 11 12.8 60歳以上 197 100.0 79 40.1 71 36.0 47 23.9 全 体 年齢別 検討中 47.5% 上段:度数 下段:% ながさき経済 2016.8 15 2.具体的な地震対策 −「地震保険」 −「地震保険」、「飲食料の備蓄」、「非常用品の準備」が上位− 地震防災対策を実施している先 (139世帯)にその対策を複数回答 で尋ねたところ、 「地震保険など 図表2 具体的な地震防災対策(複数回答) 地震保険・農協建物更生共済・ 住宅再建共済などへの加入 46.0 非常用の食料や飲料の備蓄 への加入」 (46.0%) 、「非常用の 食料や飲料の備蓄」(42.4%)、 「避 避難グッズ・非常持ち出し用品 や貴重品などの準備 難グッズ・非常持ち出し用品や貴 家具の転倒・落下対策 重品などの準備」(38.1%)が上 家族で非常時の連絡方法・ 集合場所・避難経路などの確認 位を占めた。以下、「家具の転倒・ N=139 42.4 38.1 31.7 30.9 耐震性の高い住宅への建て替え、 リフォーム、引越し 5.8 落下対策」31.7%、「家族で非常 2.2 耐震診断の実施 時の連絡方法・集合場所・避難経 路などの確認」30.9%と続いてい 5.0 その他 0 る(図表2)。 10 20 30 40 50 (%) 年齢層別にみると「50歳代」 、「60歳以上」では「地震保険などへの加入」が多く、 「40歳代」 では「避難グッズ・非常持ち出し用品や貴重品などの準備」が多い。世帯の年収でみると年収が 高くなるほど「地震保険などへの加入」の割合が高くなる。 3.地震防災対策にかかった費用 −「10万円未満」が8割− 地震防災対策を実施している先(139 世帯)に対して、かかった費用を尋ね たところ、保険や身近な対策が中心で 図表3 地震防災対策にかかった費用 N=124 10万円未満 83.1 10万円以上50万円未満 12.9 あることから「10万円未満」が83.1% 50万円以上100万円未満 1.6 と大半を占め、これに「10万円以上50 万円未満」が12.9%で続いた(図表3)。 100万円以上500万円未満 0.8 500万円以上 1.6 0 16 ながさき経済 2016.8 10 20 30 40 50 60 70 80 90 (%) 調 査 Research 「地震対策の実施状況等に関するアンケート」 4.地震防災対策実施のきっかけ −「熊本地震後」が過半− −「熊本地震後」が過半− 地震防災対策を実施している先にそのきっかけについて複数回答で尋ねたところ、「熊本地震 が起きて被害が報道され 図表4 地震防災対策実施のきっかけ(複数回答) たから」との回答が51.9 熊本地震が起きて被害が報道されたから %と過半を占め、次いで 東日本大震災が起きて被害が報道されたから 「東日本大震災が起きて 被害が報道されたから」 が32.6%であった。以下、 転居など」(20.2%) 、 「過 51.9 32.6 自宅の新築や増改築・転居などが きっかけになった 過去に地震災害や風水害・火災等で被災した 経験がある 近所の人や友人などが地震防災対策をとって いることを知って 20.2 14.0 9.3 7.0 近所の人や友人などに勧められたから 「自宅の新築や増改築・ 居住地域で大地震が起きる可能性がある という報道や話を聞いて 去に地震災害や風水害・ 5.4 消防や自治体などから勧められたから 2.3 地震防災訓練に参加したことが きっかけになった 1.6 火災等で被災した経験が その他 ある」 (14.0%)と続く(図 7.0 0 表4)。 N=129 10 20 30 40 50 60 (%) 5.地震防災対策を実施しない理由 −「対策がわからない」 、 「お金がかかる」が5割弱− 地震防災対策を実施していな い先(72世帯)にその理由を複 図表5 地震防災対策を実施しない理由(複数回答) 数回答で尋ねたところ、 「どの 地震対策にお金がかかるから ような地震防災対策をすればよ 地震が起こるとは思っていないから いのかわからないから」(47.2 無駄だと思うから %)、「地震対策にお金がかかる 防災用品等に関する情報が十分で ないから から」 (45.8%)が5割弱を占 めた。以下、「地震が起こると N=72 どのような地震防災対策をすれば よいのかわからないから 47.2 45.8 33.3 12.5 11.1 9.7 面倒だから 防災用品等を入手できる場所が 分からないから 4.2 地震対策をする時間がないから は思っていないから」 (33.3%)、 「無駄だと思うから」 (12.5%)、 「防災用品等に関する情報が十 2.8 その他の理由 15.3 0 10 20 30 40 50 (%) 分でないから」(11.1%)が続いている(図表5)。 (橋口 不二郎) ながさき経済 2016.8 17
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