2016 AUTOBACS SUPER GT Report SUGO GT 300km RACE 第4戦 スポーツランド SUGO ZENT CERUMO RC F #38 立川祐路/石浦宏明 ◆7月 24 日(日) 決勝結果 RACE 3位 <決勝>天候:曇り コース状況:ドライ 7月 23 日(土)の公式練習 での不調から3番手グリッド獲 得までこぎつけ、さらなる上位 進出を目指し LEXUS TEAM ZENT CERUMO は7月 24 日 (日)の決勝日を迎えた。スポ ーツランド SUGO は予選日の 夜から雨が降り出し、決勝日の 早朝には上がったものの、ウエットパッチが残る状況。ただ、スリックタイヤ での走行は問題なさそうで、午前9時からのフリー走行で、スリックを履いて のロングランの確認を行うべくコースインした。 ZENT CERUMO RC F は石浦宏明がステアリングを握ったが、フリー走行 開始直前に細かな雨粒が舞いはじめる。さらに、開始3分に No.19 RC F がコ ースアウトしたためすぐに赤旗提示。この赤旗はすぐに解除されたものの、そ の頃には雨の量が増えはじめ、石浦はたまらずピットへ。レインタイヤへの交 換を強いられた。 石浦は合計6周をこなすとピット に戻り、立川に交代。7周をこなし た立川は、最終周に1分 21 秒 922 というタイムをマークし、このフリ ー走行は4番手で走行を終えた。た だ、スリックでのペース確認は結局 30 分間の走行では行うことができ なかった。 午前 11 時 15 分からのピットウォーク等、LEXUS TEAM ZENT CERUMO は決勝日のスケジュールをこなしながら午後2時のスタートのときを迎えた が、その間も雨は降ったり止んだり。ただ、午後0時 50 分からのスタート進 行ではスリックでの走行が可能で、ここでクルマの確認を行い、レースに臨む こととなった。 スタートドライバーを務めた石浦はオ ープニングラップを3番手で終えると、 首位を走る No.6 RC F、2番手の No.17 NSX CONCEPT-GT を追撃にか かる。コース距離が短い SUGO だけ に、早くも5周目には GT300 クラスの ラップダウンが前方に出現するが、ここ で首位争いが激化。6周目の1コーナーで No.6 RC F と GT300 車両が接触 しスピンを喫したため、ZENT CERUMO RC F はひとつポジションを上げ2 番手に浮上する。 一時 No.17 NSX CONCEPT-GT との間隔は2秒程度に広がったが、石浦は ふたたびラップダウンをうまく活用しギャップを縮めると、13 周目にはふた たび No.17 NSX CONCEPT-GT のテールにピタリとつける。16 周目の馬の 背コーナーで石浦は No.17 NSX CONCEPT-GT のインにつけると、軽く接触 しながらも前に出ることに成功。ZENT CERUMO RC F は待望の首位浮上を 果たした。 しかし、この頃石浦はタイヤが コンディションと合っておらず、 グリップが低下していることを感 じはじめる。20 周目を迎える頃に なると、後方からハイペースでオ ーバーテイクを展開する No.39 RC F、No.19 RC F が接近する。 23 周目には No.39 RC F が1コ ーナーで石浦をかわすと、25 周目にはハイポイントコーナーで石浦が接触さ れコースアウト。ZENT CERUMO RC F はなんとかコースに戻ったが、 No.19 RC F の先行を許してしまった。 ただ 26 周目、最終コーナー立ち上がりで GT300 車両がクラッシュしたた め、セーフティカーが導入される。これで先行する No.39 RC F、No.19 RC F とのギャップは広がらなくなったが、タイヤ選択をどうするか、後半に向け どんな戦略を立てるのか、セーフティカー先導中も石浦は村田卓児エンジニア にタイヤの状態を逐一伝達し、村田エンジニアは作戦を練った。 最終的に行き着いた結論は、セーフティカーでコースがクリアになったた め、その間は石浦のスティントを引っ張り、その後少々早めとなる 35 周終了 時でのピット作業を行うという作戦だ。空いているクリアなコースで走るメリ ットを活かした ZENT CERUMO RC F は、ピット作業をキッチリと行い、交 代した立川をコースへ送り出した。 この作戦が功を奏し、ZENT CERUMO RC F は No.19 RC F に先行する。 しかし、前には No.39 RC F、さらに首位にはタイヤ無交換作戦を敢行した No.24 GT-R がつけていた。立川は石浦が履いていたものよりもワンランクハ ードな、ささくれが出ないタイヤを装着し安定したペースを保っていたが、後 方からは勢いのある No.19 RC F、さらに6周目にスピンしていた No.6 RC F が接近。三つ巴のバトルとなっていった。 しかしレース終盤、スポーツランド SUGO には陽が注ぎ始める。気温が上 がり、ZENT CERUMO RC F が装着しているタイヤに適した温度になってく ると、立川は水を得た魚のように本領を発揮する。70 周目には No.24 GT-R を抜きあぐねていた No.39 RC F に接近すると、72 周目には首位争いが5台 のバトルに変化。タイヤ無交換作戦の No.24 GT-R を先頭としたバトルに、ス ポーツランド SUGO は大いに盛り上がりをみせた。 そのなかで立川は、さすがのテクニックを駆使し 76 周目の1コーナーで No.39 RC F をアウトから豪快にオーバーテイク! No.24 GT-R のタイヤは 消耗しており、立川には勢いがある。トップ浮上を完全に射程圏内に収めてい た。 しかし同じ周、最終コーナーで GT300 クラスの車両が激しくクラッ シュしてしまう。この救助作業のた め、レースはまさかの赤旗中断とな ってしまった。残り5周の超スプリ ントレースで再開となるのか、それ とも……!? 一度コクピットから降 りた立川は決断を待ったが、下され たのはそのままレース終了というアナウンス。さらに、赤旗終了時はその2周 前の順位となるため、ZENT CERUMO RC F はトップ浮上を目前としながら も、3位でレースを終えることとなった。 ZENT CERUMO RC F にとっては、悔しくも嬉しい今シーズン初表彰台。 夏の三連戦の緒戦でしっかりとポイントを積み上げ、次戦ホームコースである 富士スピードウェイで悲願の今季初勝利を目指すこととなった。 ドライバー/立川祐路 「いまの気持ちとしては、正直残念なところがあります。勝てるチャンスがあ るレースでしたし、自分の手ごたえとしても『いける』という気持ちがあっ た。あのままレースを続けたかったですけど、安全に関わることなので仕方が ないですね。ただ、今週末は予選日から順位こそ前の方でしたが、厳しい戦い が続いていたなかで、最後には優勝を狙える位置にいくことができたのは良か ったと思います」 ドライバー/石浦宏明 「序盤履いていたタイヤを気温の関係できちんと機能させることができず、先 頭に立つことはできたものの、うしろから元気なタイヤのクルマが迫ってくる 厳しい状況なのは分かっていました。その情報をとにかくチームに伝え、なる べく自分たちのロスが少なくなるようにとどめ、後半の立川選手に繋げるよう にずっとやり取りをしていました。最終的に僕のスティントでは自分のできる 限りをやることができましたし、その後の立川選手の素晴らしい追い上げがあ って、勝てる可能性が高いレースをすることができたと思います。最終的に3 位になったのは悔しいですが、土曜日からチーム全員で全力を尽くした結果の 3位ですからね。夏の三連戦で表彰台を得ることができたのは良かったと思い ます。この三連戦のなかで1勝を挙げたいですね」 高木虎之介監督 「スタートは3番手でしたが、序盤の石浦選手のときのタイヤはかなり苦しか ったですね。その後、立川選手のスティントではタイヤの種類を変えざるをえ ず、ハードめのタイヤをぶっつけ本番で投入しました。後半スティントも序盤 立川選手が苦しかったですが、なんとかしのぎ切って、気温が上がってからは 素晴らしいレースを展開してくれたと思います。最後、2番手に上がったとき には『これはいけるな』とは思いましたが、残念ですがこれもレース。立川選 手も石浦選手もがんばってくれたと思います。表彰台には乗ることができたの で良かったです」
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