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基本構想原案(修正案)
第 5 次吉川市総合振興計画
第1編
策定の目的と背景
第2編
基本構想(原案)
平成23年5月
<目
次>
第1編 策定の目的と背景
計画策定の目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2
第1章 計画の構成と期間 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2
第2章 策定の背景 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3
第1節 社会潮流 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3
第3章 市勢 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9
第1節 人口・世帯 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9
第2節 年齢別人口 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9
第3節 土地利用 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10
第4節 産業 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10
第5節 交通・住環境 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11
第6節 教育 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13
第7節 行財政運営 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14
第4章 市民意識調査 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15
第1節 住みよさ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15
第2節 満足度・重要度 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17
第2編 基本構想(原案)
第1章 基本構想の役割 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19
第2章 目標年次 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19
第3章 めざす将来像と基本理念 ・・・・・・・・・・・・・・・・20
第1節 将来都市像 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20
第2節 まちづくりの基本理念 ・・・・・・・・・・・・・・・・20
第3節 まちづくりの目標 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・21
第4章 計画の基本フレーム ・・・・・・・・・・・・・・・・・・23
第1節 将来人口 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23
第2節 将来都市構造と土地利用構想 ・・・・・・・・・・・・・23
第1編
策定の目的と背景
計画策定の目的
総合振興計画は、吉川市の目指すべき将来都市像やまちづくりの目標の実現のため、市
政運営の長期的な指針を示すことを目的として策定するものです。
現在の第4次吉川市総合振興計画は、
「ひとに優しさ まちに安らぎ 未来に夢ある み
んなのよしかわ 市民主役の都市構想」を将来像に平成23年度を目標年次とする基本構
想と前後期5か年の基本計画及び3か年の実施計画をもってまちづくりを進めてきました。
現行計画が平成23年度で終了することに伴い、今後の社会情勢の変化を予測し、まちづ
くりの課題解決策を明らかにして、将来に向けたまちづくりの理念を、市民をはじめ様々
なまちづくりの担い手と共有するため、第5次吉川市総合振興計画として今後の市政運営
の方針を示すことを目的としています。
第1章
計画の構成と期間
新しい総合振興計画は、平成24年度を初年度とし、平成33年度を目標年次とする1
0年計画とし、「基本構想」、「基本計画」及び「実施計画」で構成します。
基本構想の計画期間は10年とし、目指すべき市の将来都市像や土地利用構想、まちづ
くりの目標を明示します。
基本計画の計画期間は平成28年度を目標年次とする前期、平成33年度を目標年次と
する後期の各5年とし、2年ごとに実施する施策評価において評価を行います。社会情勢
の変化に対応した計画とするため、前倒しの策定を含む計画見直しも可能なものとします。
基本計画は、基本構想が示す将来都市像に向けた施策の枠組みと個々の施策の達成目標を
明示し、具体的な事業計画は実施計画に委ねる計画構造とします。
実施計画の計画期間は3年とし、基本計画を受けて遂行すべき事務事業の内容と目標と
を、財政的裏付けを持って明示します。実施計画は、原則として2年ごとに見直しを行い
ます。
図1 計画の期間と構成
H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30 H31 H32 H33
基
本
構
想
基本計画
基本計画
実施計画
実施計画
実施計画
2
第2章
策定の背景
第1節 社会潮流
(1)人口減尐時代の到来と人口構造の変化
ア 尐子・高齢化が社会にもたらす様々な影響
我が国の総人口は尐子化の影響により平成17年には減尐に転じています。
また、平均寿命の伸長により高齢者人口が増加し、高齢化が深刻な課題となっ
ているところです。
尐子・高齢化の進行は、人口構造を大きく変化させる結果を招いており、経
済等の活力の低下や社会保障の負担増などが懸念されるだけでなく、地域にお
いては、子どもの社会性の発達や高齢者世帯の社会的・経済的自立に影響を及
ぼしています。また、公共サービスの面では、人口構造に対応した公共施設の
適正配置・更新を余儀なくされています。
今後は、縮減傾向にある財源を踏まえつつ、広域的な連携、民間活力の活用
を図りながら長期的な視点にたった社会資本の更新を目指していくことが必要
となっています。
イ 尐子化の要因と求められる尐子化対策
我が国では、晩婚化・未婚化が急速に進んでおり、出生力の低下も顕在化し
ています。このような尐子化の背景には、仕事と子育てを両立できる環境整備
の遅れや高学歴化、結婚・出産に対する価値観の変化、子育てに対する負担感
の増大、経済的不安定の増大など、様々な問題があると考えられ、尐子化対策
は国、都道府県、市町村の連携のもと総合的に取り組んでいくべき喫緊の課題
となっています。
本市の状況を見ると、平成20年の合計特殊出生率は1.47、を示し、他
都市と比較して非常に緩やかに尐子化が進んでいる状況です。
今後も、子育て環境の向上を図るとともに、尐子化がより進行する他都市の
取り組みに注視しながら適切な施策を展開していく必要があります。
ウ 高齢化の要因と求められる高齢化対策
我が国は、戦後一貫して高齢者人口が増加し、国立社会保障・人口問題研究
所の推計値では、65歳以上の老年人口が、平成67年には40.5%になる
ことが予測されるなど、世界が経験したことのない高齢社会に向かっています。
国においては高齢化対策として、年金、介護、後期高齢者医療制度の見直しや
バリアフリー化など「ライフ・イノベーションによる健康大国戦略(新成長戦
略)」への取り組みが進められているところです。
本市の状況を見ると、現在の老年人口割合は比較的低いものの、今後の増加
は確実となっています。今後は、市民が安心して暮らせるまちづくりやバリア
フリー化促進に努めるとともに、人口構造に即した行政サービスへシフトして
いくことが急務となっています。
3
(2)安心・安全を求める意識の高まり
ア 防災対策
阪神淡路大震災をきっかけとして、近年の国内外の大地震の発生から地震災
害などへの意識の高まりとともに、異常気象による局地的集中豪雨や台風など
により洪水や浸水被害が発生していることから、治水対策についての意識も高
まりつつあります。
本市においても、地域防災機能の充実や市民の防災意識の醸成、防災組織の
育成に努めていく必要があります。
イ 防犯対策
我が国の刑法犯の認知件数は減尐傾向にありましたが、ここ数年は微増から
横ばいとなっており、犯罪に対する人々の不安感は依然として高い状況にあり
ます。このような状況のなか、地域における犯罪抑止力の低下が危惧されてお
り、安全性確保を図るため、防犯対策の強化が求められています。
本市においても、市民協働により防犯対策の強化を図り、子どもからお年寄
りまでが安心して生活できる地域社会を目指した取り組みを図っていく必要が
あります。
ウ 消費者対策
消費生活については、
「食」への不安が拡大するほか、生活弱者を狙った犯罪
が急増するなど、消費者を取り巻く状況は厳しさを増していることから、消費
者行政の一元化のもと、総合的な消費者対策が求められているところです。
本市においても、消費生活相談体制の充実、消費者教育・啓発活動の推進、
消費者団体との連携など消費者行政の充実・強化を図っていく必要があります。
(3)環境意識の高まり
ア 地球温暖化抑制の取り組み
地球規模での環境問題が顕在化するなか、地球温暖化の抑制に向けた取り組
みは、先進国のみならず発展途上国を含め、世界各国が協力して取り組むべき
課題となっています。
このような状況のなか、我が国では、温室効果ガスの削減や環境産業が牽引
する新しい経済社会(グリーンイノベーション)による新たな成長・発展を目
指した取り組みが進められています。
本市においては、国・県等の動向を見極めながら、地球温暖化に対する諸課
題について市民・企業・行政が一体となって取り組んでいく必要があります。
イ 生物多様性保全の取り組み
地球上の動植物は大量絶滅の危機にあり、生物多様性の保全が世界規模での
課題となっています。そのため、
「生物多様性条約(1992年)」が締結され、
世界の生物多様性を保全するための具体的な取り組みを推進しているところで
す。世界中のあらゆる場所において生物多様性の保全と持続可能な利用による
自然共生社会の実現に向けた取り組みが求められています。
本市においても、豊かな水と緑、農地などの自然環境を守ることにより生物
4
多様性の維持・保全に努めていくことが求められています。
ウ 廃棄物・リサイクル対策への取り組み
我が国のごみ排出量は、包装容器、レジ袋などのリサイクルが進むとともに
3R(リデュース・リユース・リサイクル)の定着に向けた啓発が進められた
結果、平成 12 年をピークに減尐傾向にあります。今後も引き続き3R推進を図
るなど、循環型社会づくりに向けた取り組みが求められています。
本市においては、市民のライフスタイルの変革を促すとともに、周辺市町と
連携を図りながら循環型社会づくりに積極的に取り組んでいく必要があります。
(4)グローバル化する社会情勢
グローバル化、ボーダレス化があらゆる分野で加速し、我が国の発展を支えて
きた画一的な経済社会システムは、今や世界経済と一体化や多極化が同時に進行
する様相を呈しています。
グローバル化は経済活動にとどまらず、社会、文化、技術、組織などの幅広い
分野に及んでおり、選択肢の拡大や国を超えた連携による新たな発展の可能性や
国際的分業化の進展による効率的な生産など様々なメリットがあげられています。
その反面、効率化の流れの中で一元化、単純化が進み、各々の国のもつ独自性の
喪失が指摘されているとともに、人々の日常生活のリスクも拡大傾向にあると言
われています。
また、サブプライム問題やリーマンショックをきっかけとした世界同時不況の
発生は世界経済の一体化を示すものであり、日本においても急速な景気の悪化に
より、派遣労働者の雇用におけるセーフティネットの脆弱さなど、さまざまな社
会問題が顕在化しました。
今後は、大企業からの受注を中心とする中小企業も海外との直接取引への転換
が必要であり、技術力のある中小企業への支援が期待されるところです。また、
成果が見込まれる中小企業への有効な支援策の検討も今後の課題となっています。
このような状況のなか、本市の東埻玉テクノポリス工業団地では、松伏町と合
わせて現在33社の企業が操業しています。今後は、世界経済の動向を的確に捉
えつつ、地域産業の安定的な成長を目指した支援策が必要です。また雇用を守り
市民生活を支えるきめ細かいセーフティネットの構築が必要です。さらに、本市
の外国人登録者数は年々増加し、平成21年度末で953人となっており、地域
における多文化共生社会の形成など、グローバル化の視点にたった施策を展開し
ていく必要があります。
(5)ライフスタイルの変化
我が国が急速に成長する都市化社会から安定した成長を志向する成熟社会へと
転換してきた結果、時代は「物の豊かさ」を追求する時代から、人とのふれあい
や内面的な充足度の高い「心の豊かさ」を求める時代へと変わってきました。ま
た、価値観の多様化、人々のライフスタイルそのものが多様化し、今では既存の
価値観や慣習にとらわれず、家族観・仕事観・余暇行動・消費行動などにおいて
5
一人ひとりの個人が様々な分野で自由にライフスタイルを選択する方向へと変化
してきています。今後は、一人ひとりが、それぞれの価値観と責任において自己
実現を図っていく傾向がさらに強まっていくものと考えられます。
このような社会においては、多様化するライフスタイルを許容し、様々な分野
について多様な選択が可能なしくみづくりを進めていくことが求められています。
本市においても、市民のライフスタイルの多様化に伴うニーズを捉え、行政サ
ービスを展開することが必要となっています。
(6)市民と行政による協働のまちづくり
行政はこれまで公共サービスの担い手として社会的ニーズを捉え、公共サービ
スを提供してきましたが、限られた資源の中からすべてのニーズを満たしていく
ことは難しくなっています。
まちづくりの主役は、そこで生活を営む市民であり、愛着と誇りをもてるまち
にしていくためには、主体的にまちづくりにかかわっていくことが重要です。
このような状況のなか、地域コミュニティへの参加を始め、様々なまちづくり
の分野に市民参画・協働への関心が高まっており、市民・NPO・事業者等と行
政による協働の領域が拡大しています。また、新たな公共として行政と対等な立
場で公共サービスを担うNPO活動のあり方も課題となるなど、協働の重要性は
ますます高まっています。
(7)地方分権改革の推進
ア 行政改革の推進
地方分権の進展により、国と地方の役割分担の明確化、機関委任事務制度の
廃止、国の関与のルール化等が図られてきました。財源については、三位一体
の改革が進められ、基礎自治体の規模・能力の充実を図るため平成の大合併が
行われました。その後、地方分権改革推進法が施行され、国と地方の役割分担
の見直しが一層進められているところです。
本市においては、行財政改革推進プランなどに基づいた取り組みの推進とと
もに、公共施設について指定管理者を導入するなど行政運営の効率化を図って
きました。
今後は、地域の活性化と市民のニーズを見極めながら良質な行政サービスの
提供を目指すとともに、国の動向を的確に捉えつつ、より自立性の高い、行政
経営を目指した取り組みを推進していく必要があります。
イ 財政の健全化
財政の状況を見ると、景気の低迷に伴う地方税等の落ち込みにより、平成 22
年度の地方財政計画では過去最高の約18兆円の財源不足が生じています。ま
た、地方財政の借入金残高についても、地方債の発行により増加している状況
です。
このような状況のなか、地方財政の健全化に向けた取り組みとして財務状況
の公表が求められており、今後も財政の健全化を図っていく必要があります。
6
(8)教育環境の変化
ア 学校教育
我が国では、知識偏重教育への反省からゆとり教育のもと「新しい学力観」
の育成、
「生きる力」の育成が図られてきましたが、その反面、全国的な学力低
下、私立と公 立の学力格差拡大、私立受験の加熱などの問題が生じました。
また、この間の学校教育においては、学力低下のみならず学ぶ意欲や体力の低
下、いじめやひきこもり、家庭・地域の教育力低下などが深刻な課題となって
きました。このような状況に対応するため、国においては教育基本法、教育三
法の改正を経て、「確かな学力」を育むための学習指導要領の改定、「教育振興
基本計画」が策定され本格的に脱ゆとり教育が始まっています。
本市においては、知、徳、体の調和がとれ生涯にわたって自己実現と自立し
た人間の育成を目指す観点から重点施策を展開しており、学校教育では、特色
ある学校づくりの推進、
「生きる力」を培う教育とそれを担う教職員の資質の向
上などに取り組んでいるところです。
今後は、確かな学力の育成や家庭・地域の教育力向上に取り組むとともに、
市民の意思を十分に把握し、関係者との連携を図りながら、教育行政を行って
いくことが求められています。
イ 生涯学習
現在、我が国における人々の生涯学習に対する学習意欲は増加傾向にありま
すが、近年では「仕事が忙しい」、「多額な費用がかかる」などの理由から、実
際の生涯学習活動は減尐傾向をたどっている状況です。また、学習対象が多様
な階層に広がり、学習範囲も幅広くなっていることから、これらのニーズに対
応する人材の不足も懸念されているところです。
このような状況のなか、人材バンクの整備や生涯学習情報システムの整備な
どを進めてきました。
今後は、学習ニーズの多様化に的確に対応できるよう生涯学習推進体制を強
化していく必要があります。
(9)吉川市を取り巻く都市環境
本市は、昭和48年の武蔵野線開通(吉川駅開業)及び吉川団地竣工を期に、
土地区画整理事業による都市基盤の整備も進められ、大きく人口が伸びてきまし
た。それに伴い、吉川駅周辺や幹線道路沿道を中心に生活関連用品を初めとした
店舗が立地し、にぎわいのある空間を形成しています。そのような中、本市の周
辺では平成17年に「ピアラシティ」がオープンしたのを皮切りに、平成20年
には「イオンレイクタウン」や「ららぽーと新三郷」が同じ期に開業するなど、
大規模店舗の激戦区となっています。
一方、居住環境においては、越谷レイクタウン・新三郷ららシティの中間に位
置する本市は、土地区画整理事業地を中心に武蔵野線沿線の住宅需要の受け皿に
なっています。
7
今後は、商業機能が集積するゾーンとしての地域ポテンシャルを最大限に生か
し、市民にとっての快適性・利便性の向上を図っていく必要があります。また、
平成14年以降、年間商品販売額、従業者数ともに減尐傾向にある市内の商業に
ついては、吉川美南駅の開設なども踏まえながら、地域に根ざした商業の育成・
支援を図っていく必要があります。
8
第3章 市勢
第1節 人口・世帯
国勢調査による人口・世帯数の推移をみると、国鉄(現JR)武蔵野線の開通や吉
川団地の整備などにより、昭和45年から昭和50年にかけて大幅な人口・世帯数の
増加があり、昭和50年以降も一貫して増加傾向が続いています。人口・世帯数が増
加を続ける中で、世帯人員が減尐しており、核家族化、単身世帯の増加がその要因と
考えられ、今後世代間の関係の希薄さや地域コミュニティ形成への課題となると考え
られます。
人口、 世帯数
70000
人口・世帯数の推移(国勢調査)
世帯人員
7
60000
6
50000
5
40000
4
30000
3
20000
2
10000
1
0
0
昭和35年 昭和40年 昭和45年 昭和50年 昭和55年 昭和60年 平成2年
人口
世帯数
平成7年 平成12年 平成17年
世帯人員
第2節 年齢別人口
年齢別人口の推移を見ると、年尐人口(15歳未満)は減尐傾向、老年人口(65
歳以上)は増加傾向を示していましたが、近年の年尐人口には増加傾向が見られます。
全国的に尐子高齢化が進行する中、吉川市でも老年人口が年尐人口を上回っています
が、平成22年における吉川市の年尐人口比率は、全国平均※1の14.0%、埻玉県
平均※2の13.5%と比較しても高い割合となっています。
また、老年人口割合は全国平均の22.8%、埻玉県平均の19.6%と比較して
も低い数値になっていますが、今後はその比率が高まることが見込まれます。
※1 推計人口(総務省)
※2 平成22年埻玉県町(丁)字別人口調査(埻玉県)
9
表
(数字は人)
昭和55年
年齢構成別人口の推移
昭和60年
平成2年
平成7年
平成12年
11,919
11,972
10,282
9,041
9,120
30.7%
27.4%
21.0%
17.2%
16.1%
生産年齢人口
24,830
2,8859
35,187
39,267
41,952
63.9%
66.2%
72.0%
74.6%
74.0%
老年人口
2,126
2,785
3,380
4,318
5,601
5.5%
6.4%
6.9%
8.2%
9.9%
合計
38,894
43,616
48,935
52,705
56,673
資料:国勢調査(合計には不詳数も含まれる)。
平成22年については埻玉県町(丁)字別人口調査。
年尐人口
平成17年
9,605
15.9%
42,310
70.2%
8,116
13.5%
60,284
平成22年
10,630
16.1%
44,372
67.4%
10,837
16.5%
65,839
第3節 土地利用
吉川市の土地利用は、市の南西部に広がる市街地と市北部、東部に広がる農地に大
別されます。南西部では武蔵野線の開通を機に、農地を中心とする土地利用から、主
に土地区画整理事業によって住宅を中心とする土地利用に転換され、人口の多くが居
住しています。一方で市の北部、東部では農地を中心とする土地利用となっており、
主要道路の沿道に農家集落が分布しています。また、北部には東埻玉テクノポリス工
業団地が位置しています。
表 法規制から見た土地利用
(数字は ha)
昭和55年
昭和60年
平成2年
平成7年
平成12年
平成17年
平成21年
市街化区域面
398
積
456
541
541
657
657
687
2,559
2,086
1,194
2,559
2,016
1,152
2,505
1,988
1,141
2,505
1,988
1,120
2,475
1,958
1,101
市街化調整区
2,702
2,644
農業振興地域
2,273
2,210
農用地区域
1,215
1,204
資料:吉川市都市計画課、農政課
域面積
第4節 産業
(1)農業
吉川市の農業は、農家戸数、就業人口、産出額すべてで減尐傾向にあります
が、近隣市町※1 や類似都市※2 と比較すると、産出額と就業人口は比較都市の平
均より多くなっています。
※1 東南部 4 市 1 町(草加市、越谷市、八潮市、三郷市、松伏町)
※2 人口、面積、東京 20~30km 圏、交通環境、地形などを勘案し、当市に類似する市を
選定(志木市、和光市、蓮田市、桶川市、北本市、流山市、白井市、鎌ヶ谷市、清瀬市)
10
表
農家戸数、就業人口、産出額の推移
昭和55年
1,462
就業人口(人)
2,119
産出額(百万円)
3,802
資料:農林業センサス
農家戸数(戸)
昭和60年
平成2年
1,426
1,930
3,452
平成7年
1,337
1,780
3,672
平成12年
1,275
1,579
3,259
1,134
1,437
2,800
平成17年
971
1,263
2,810
(2)工業
吉川市の工業は、昭和50年代後半の小松川工業専用地域、平成8年から東
埻玉テクノポリス工業団地への事業所の立地により事業所数、従業員数の増加
がありましたが、近年では事業所数が減尐傾向にあります。市内では中小企業
が多くを占めており、事業所の規模はおよそ9割が従業者29人以下となって
います。従業者数、製造品出荷額は比較都市の平均より低くなっています。な
お、本市の市域面積に対する工業用地面積比は0.41%で比較都市の1.3
0%より大きく下回っています。
表 事業所数、従業員数、製造品出荷額の推移
昭和55年
昭和60年
168
2,801
374
4,312
256
4,046
44,238
資料:工業統計調査
70,804
86,046
事業所数(所)
従業者数(人)
平成2年
平成7年
平成12年
平成17年
平成20年
279
4,040
290
4,845
238
4,502
227
4,737
87,897
103,689
91,075
89,368
製造品出荷額
(百万円)
(3)商業
吉川市の商業は、事業所数、従業員数、年間商品販売額のいずれも増加して
いましたが、近年では事業所数、従業員数、年間商品販売額いずれも減尐傾向
にあり、郊外型の大型店舗の立地による影響があるものと考えられます。また、
本市の従業者数、年間商品販売額は比較都市の平均より低くなっています。
表 事業所数、従業員数、年間商品販売額の推移
昭和54年
昭和60年
418
1,295
449
1,717
473
2,472
16,862
資料:商業統計調査
33,438
53,126
事業所数(所)
従業者数(人)
平成3年
平成6年
平成11年
平成16年
平成19年
508
3,000
523
3,903
413
3,754
403
3,387
69,417
118,515
106,961
86,348
年間商品販売額
(百万円)
第5節 交通・住環境
(1)道路
市道延長は増加傾向にあり舗装率も高まっていますが、本市の舗装率は比較
都市の平均80.9%より低く、本市の特徴として市街化調整区域の割合が高
11
く農地を中心とした土地利用が図られていることが理由にあると考えられます。
なお、市内の県道の延長は41.8kmで舗装率は100%になっています。
表 市道延長と舗装率
昭和55年
昭和60年
451.2
舗装率(%)
36.9
資料:吉川市道路公園課
市道延長(km)
平成2年
454.4
44.4
508.0
53.7
平成7年
503.4
55.7
平成12年
512.9
57.8
平成17年
514.1
60.3
平成21年
527.0
62.2
(2)自動車及び交通量
吉川市内の軽自動車を含む自動車登録台数は、人口の増加に比例して増加傾
向にありましたが、近年では横ばいとなっています。また、市内の交通量は増
加傾向を示していますが、路線によっては減尐した地点も見られます。
表 市内の自動車登録台数
昭和55年
昭和60年
平成2年
平成7年
平成12年
平成17年
平成21年
自動車登録台
8,568
11,680
16,238
21,092
24,410
25,564
24,085
1,746
資料:埻玉県統計年鑑
2,950
4,197
5,384
7,159
10,594
9,989
数(台)
軽自動車台数
(台)
表
市内主要道路の交通量
平日 12 時間(台)
路線名
平日 24 時間(台)
観測地点
主要地方道越谷野田線
吉川市上内川207
主要地方道三郷松伏線
吉川市八子新田131
県道川藤野田線
吉川市川藤3615
県道川藤野田線
吉川市鍋小路464
県道加藤平沼線
吉川市平沼887
平成 11 年度
平成 17 年度
平成 11 年度
平成 17 年度
9,776
8,963
8,135
13,731
7,056
10,384
9,532
7,504
14,464
7,701
13,393
11,279
11,145
18,811
9,737
14,434
13,249
9,680
18,659
10,627
資料:道路交通センサス
(3)鉄道
吉川市内にはJR武蔵野線が市の南部を横断し、吉川駅が置かれています。
その利用者は毎年増加してきましたが、近年ではその増加は緩やかになってい
ます。また、平成24年春には市内2番目の駅として吉川美南駅の開業が見込
まれています。
表 吉川駅の一日平均乗車人数
昭和 55 年
昭和 60 年
平成 2 年
平成 7 年
平成 12 年
平成 17 年
平成 21 年
1 日平均乗車
人数(人)
6,572
8,317
13,984
資料:JR 東日本
12
16,866
18,337
18,815
18,866
(4)公園
吉川市の公園・緑地は土地区画整理事業などの市街地整備に併せて整備を進
めてきました。市民 1 人当たりの公園面積は、埻玉県平均の6.37㎡と同程
度で、比較都市の3.9㎡より広くなっています。
表 都市公園面積
平成 2 年
平成 7 年
7.58
1.52
都市公園面積(ha)
一人当たり公園面積(㎡)
平成 12 年
20.51
3.87
平成 17 年
30.03
5.29
40.19
6.61
平成 21 年
42.38
6.52
資料:道路公園課
(5)上下水道
吉川市の上水道は、昭和33年に給水を開始し、その普及率は99.9%と
なっています。また、下水道は平成3年に供用を開始して以来その区域を拡大
し、下水道普及率※1は、埻玉県平均76.1%、比較都市平均78.6%より
高くなっています。水洗化率※2は96.5%となっています。浄化槽などの処
理と合わせた水洗化率(水洗化人口/総人口)は平成20年で98.5%となっ
ており、埻玉県平均97.4%、比較都市平均95.7%より高くなっていま
す。
※1 下水道普及率:処理区域内人口/人口
※2 水洗化率:水洗化人口/処理区域内人口
表
下水道普及率と水洗化率
平成 2 年
下水道普及率(%)
水洗化率(%)
平成 7 年
-
-
平成 12 年
47.9
53.5
平成 17 年
69.5
75.8
77.9
91.9
平成 21 年
79.9
96.5
資料:河川下水道課
第6節 教育
吉川市の児童数、生徒数は尐子化の中にあっても人口増加とともにその数は
増加しています。一校当たりの児童数は埻玉県平均483.1人、比較都市平
均531人を上回っています。一校当たりの生徒数も同様に平均を上回ってい
ます。
表 児童数・生徒数
昭和 55 年
昭和 60 年
5,202
5,486
一校当たり
743.1
783.7
生徒数(人)
1,660
2,710
一校当たり
533.3
903.3
資料:学校教育課、学校基本調査
児童数(人)
平成 2 年
4,258
608.3
2,566
855.3
13
平成 7 年
3,695
527.9
2,056
685.3
平成 12 年
3,484
497.7
1,768
589.3
平成 17 年
4,012
668.7
1,650
550.0
平成 20 年
4,358
622.6
1,900
633.3
第7節 行財政運営
吉川市では、行政運営のシステムとして平成16年度から行政評価を導入し
ています。財政運営では、市税徴収率は埻玉県平均97.7%をやや下回り、
比較都市平均97.5%と同程度となっています。財政指標では、財政運営の
弾力性を示す経常収支比率 ※1 が高まる傾向にありますが、埻玉県平均95.
8%、比較都市平均90.3%より低くなっています。財政力指数※2は比較都
市平均0.93をやや下回っています。実質公債費比率 ※3は埻玉県平均12.
5%より低く比較都市平均11.2%をわずかに上回る程度、将来負担比率※4
は埻玉県平均241.7%、比較都市平均82.9%より低くなっています。
※1 経常収支比率:市税などの経常的に収入される一般財源に占める人件費などの経常的
に支出される経費の割合で、財政の硬直度を示す。
※2 財政力指数:自治体の基準財政収入額を基準財政需要額で除した指標で3年度間の平
均値。これが1を下回れば地方交付税の交付団体、1を上回れば不交付団体。
※3 実質公債費比率:自治体の一般会計などが負担する元利償還金と準元利償還金の標準
財政規模に対する割合。
※4 将来負担比率:一般会計などが将来負担すべき実質的な負債の標準財政規模に対する
比率
表
財政状況
平成 7 年
平成 12 年
平成 17 年
平成 20 年
市税現年度徴収率(%)
96.9
96.7
97.4
97.4
財政力指数
0.72
78.7
-
-
0.69
78.9
-
-
0.79
90.6
14.1
-
0.87
85.1
11.8
76.9
経常収支比率
実質公債費比率(%)
将来負担比率(%)
資料:普通会計決算状況調
14
第4章 市民意識調査
市政に対する市民ニーズが多様化している中で、市の現状をどのように感じているの
か、市の取り組みについての市民意向(満足度と重要度)などを把握し、市政運営の基
礎資料とするために、市民意識調査を実施しています。調査は、平成22年10月に市
内在住の20歳以上の市民1,500人を対象に実施し、回答者は765人、回収率は
51.0%でした。
第1節 住みよさ
(1)住み心地
「吉川市の住み心地」については、平成21年度調査と比較して、「住みよい」、
「どちらかと言えば住みよい」と感じている回答者の割合が82.2%(前回調査
72.3%)で、9.9ポイントと大きく増加し、前々回調査と同水準の結果とな
りました。
「どちらかと言えば住みよくない」、「住みよくない」と感じている回答者の割合
が11.5%(前回調査15.6%)で、4.1ポイント減尐しています。
100%
90%
81.6%
80.4%
82.2%
81.6%
80.4%
75.4%
80%
82.2%
81.3%
72.3%
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
17.2%
16.6%
20.3%
14.9%
17.2%
16.6%
14.5%
15.6%
H20
H21
11.5%
0%
H8
H12
H16
H17
H18
住みよい・どちらかと言えば住みよい
H19
H22
どちらかと言えば住みよくない・住みよくない
15
(2)住み心地をよいと感じる点・悪いと感じる点
ア 住み心地をよいと感じる点
0% 20% 40% 60% 80%100%
前回に引き続き、住み心地を良いとす
る理由として「自然環境(多さ)」7
4.0%(前回調査74.0%)が最
も多くなります。
また、次点は、前回調査と異なり「犯
罪や災害の尐なさ」が67.0%(前
回調査59.9%)となりました。
自然環境(多さ)
犯罪や災害の尐なさ
近所づきあい
買い物など生活の便
騒音・悪臭などの生活…
まち並み(景観)
公園の整備
子どもの教育環境
公民館やスポーツ施設…
鉄道やバスの便
道路の整備
医療機関や福祉サービス
H21
H22
イ 住み心地を悪いと感じる点
0% 20% 40% 60% 80%100%
医療機関や福祉サービス
道路の整備
鉄道やバスの便
公民館やスポーツ施設…
公園の整備
買い物など生活の便
騒音・悪臭などの生活…
子どもの教育環境
まち並み(景観)
近所づきあい
犯罪や災害の多さ
自然環境の尐なさ
H21
H22
16
前回に引き続き、住み心地を悪いとす
る理由として「医療機関や福祉サービ
ス」54.0%(前回調査50.1%)
が最も多くなります。
また、次点も前回調査に引き続き
「道路の整備」が52.0%(前回調
査47.5%)となりました。
第2節 満足度・重要度
吉川市の取り組みについての満足度・重要度を聞いたところ、その結果を「満
足=2ポイント」、「どちらかと言えば満足=1ポイント」、「どちらかと言えば
不満=マイナス1ポイント」、
「不満=マイナス2ポイント」、重要度についても
同様の方法により、ポイントに変換して散布図を作成しました。
平成22年度の全項目の平均値(満足度0.11、重要度1.28)と比較し
たところ、「安全な水の安定供給」、「生活環境・循環型社会」、「健康づくり」、
「学校教育の充実」、「広報よしかわ」、「家庭・地域・学校の連携」が満足度・
重要度ともに高い結果となります。
一方で、
「防犯体制の充実」、
「防災体制の充実」など安全・安心に関する項目
は重要度が高く、満足度が低い結果となります。
表
満足度・重要度
17
第2編
基本構想(原案)
第1章
基本構想の役割
この基本構想は、市民をはじめとして本市にかかわる人々や団体などに、めざすまちの
姿、およびこれを実現するための基本目標と取り組みの基本方向を明らかにし、それぞれ
の役割と責任を担いつつ協働して進めるまちづくりの指針となるものです。
また、基本構想は、市の各分野における行政計画や基本方針を統括する計画として、今
後の市政運営を総合的、計画的に進めていく上での行政計画でもあります。
第2章
目標年次
基本構想の目標年次は、平成33年度(2021年度)とします。
19
第3章
めざす将来像と基本理念
第1節 将来都市像
「人とまちが輝く 快適都市 よしかわ」
吉川市の特徴である田園(自然)風景を残し市民の安らぎの空間を保ちつつ、新た
なまちづくりを活かし、人の交流や働く場を産み、仕事も生活も快適に過ごせること
で、全ての市民の暮らしが充実し、活力あふれるまちが実現される姿を表したもので
す。
第2節 まちづくりの基本理念
(1) 市民の幸福感の向上
まちづくりの最終目標は、市民一人ひとりの福祉(幸福感)の向上にあります。
このため、吉川市では、市民の幸福感が満たされるまちづくりを進めます。
(2) 吉川市の価値を高める
みどり豊かな自然環境、住みやすい住環境、人と人の結びつき、歴史など、吉川市
には、先人達が築き、また守られてきた特色があります。
このため、吉川市では、今ある特色を一層活用し、吉川市の価値を高めるまちづく
りを進めます。
(3) 共にまちを想い、共にまちを創る(共想・共創)
価値観が多様化する中、吉川市にかかわる全ての人々が、将来に向けたまちづくり
の理念を共に想い描き、目指すべき姿に向かって、人々がそれぞれの立場と能力を生
かして共にまちづくりを進めます。
20
第3節 まちづくりの目標
1 ふれあい・交流・協働のまちづくり(市民交流部門)
市民が地域社会の一員として、人と人のつながりを持ち、地域の様々なコミュニ
ティ活動の中で生活し、互いに信頼し、尊重しあい、助けあいながら暮らすことの
できる社会の確立や、人権尊重のまちづくりをめざします。
様々な地域との交流活動を通じて、互いの生活や文化に心からふれあい理解を深
めることで、様々な市民が共に暮らせる社会の形成を図ります。
活発な市民活動の中で、市民と行政が相互の信頼と連帯に基づいた協働のまちづ
くりをめざします。
2 元気・健やか・幸せのまちづくり(健康福祉部門)
市民の主体的な参加と連帯に支えられた地域社会において、乳幼児から高齢者、
障がい者がともに元気で安心して暮らせる福祉のまちづくりをめざします。
すべての市民がいきいきと幸せに満ちた生活を送ることができるよう、社会参加
を広げるとともに、生涯を通じた健康づくりのため、保健・医療の充実とスポーツ
のまちづくりをめざします。
市民生活の安定と経済的自立を支援するため、安心して子どもを生み育てられる
環境づくりを進めます。
3 うるおい・安心・快適なまちづくり(生活環境部門)
市民が快適な生活空間に暮らすことができるように、公園・緑地の整備や居住環
境の向上、美しく親しめる水環境の実現に努め、やすらぎとうるおいのある快適な
まちづくりをめざします。
市民生活の安心のため、総合的な治水対策や地域の防災力の向上を図るとともに、
消防・救急体制の充実や犯罪、事故に遭うことのない安全なまちづくりをめざしま
す。
水と緑、自然環境を守り環境と共生するため、環境負荷の軽減に努め、地球にや
さしいまちづくりをめざします。
市民生活に欠かすことのできない上水道の安定供給を図ります。
4 躍動・活力・賑わいのまちづくり(地域振興部門)
人と自然が共生する環境に配慮したまちづくりを実現するため、総合的、計画的
な土地利用を推進し、調和のとれた都市環境を創出します。
特色ある市街地の整備により、吉川らしさのある街並みを創出するとともに、観
光資源の開発を進め、賑わいのあるまちづくりをめざします。
地域の特性を活かした都市型農業の確立や活力ある地域産業の発展をめざして工
業の振興を図るとともに、地域に根ざした商業の育成、支援により、商業の振興を
図り、職住近接を目指した地域産業の成長と雇用、就業機会を拡大します。
道路・公共交通網は、各拠点や周辺都市とのネットワーク化を進め、都市間、都
21
市内の往来に利便性の高いまちづくりをめざします。
5 生きがい・学び・伸びゆくまちづくり(教育文化部門)
市民一人ひとりが希望に向かって生きがいのある人生を送ることができ、生涯に
わたって学習機会が得られるよう、生涯学習による人づくり・まちづくりを推進し
ます。
生涯学習の基礎となる学校教育での確かな学力の育成や、地域社会におけるさま
ざまな活動を通じて教育力の向上を図り、青尐年の豊かな人間性と自ら生きる力を
育みます。
市民の自主的な文化活動を積極的に支援し、多彩で個性的な市民文化の創造・郷
土文化の継承を図り、活気あふれるまちづくりをめざします。
〔まちづくりの推進のために〕
戦略的な行政経営と改革・改善に取り組みます。
効率的な行政運営を行える組織体制を整えるとともに人材を育成します。
市民サービスの安定のため健全な財政運営を行います。
安全かつ有益な社会資本の整備と公有財産の適正管理を行います。
開かれた行政、信頼される行政運営を進めます。
分権時代に応じた体制整備を進めます。
22
第4章
計画の基本フレーム
第1節 将来人口
全国的な人口減尐に転じた現在、緩やかな人口増加を続けてきた本市も、長期的には
人口減尐の時期を迎えることが予想されます。
しかし、第5次総合振興計画の目標年次とする平成33年までの間においては、本市
の立地条件からも進行中の土地区画整理事業地内への人口定着が見込まれることから、
人口は引き続き増加する予測のもと、
平成33年(2021年)の将来人口を75,000人と設定します。
第2節 将来都市構造と土地利用構想
1 将来都市構造
都市構造の空間要素である、面、点(拠点)、線(軸)という3つの視点で捉え、
本市のめざすべき将来方向を示します。
(1) 面の構成
面は、既存の市街地部を中心に将来的に拡大する市街地ゾーンと、その後背地
である農地とレクリエーションの場を含めた田園・レクリエーションゾーンによ
って構成されます。
○ 市街地ゾーン
既存市街地の整備と新たな市街地の開発により、快適な生活を支える、良好
な都市環境の形成を図るべきゾーンとします。
○ 田園・レクリエーションゾーン
農地と集落地を中心とし、現在の営農環境や生活環境を保全しつつ、市民に
憩いとやすらぎを与える空間形成を図るべきゾーンとします。
(2) 拠点の構成
都市全体に対しバランス良く都市サービスを提供するため、以下に示す拠点形
成を図り、多様な都市機能の充実をめざします。
○ 商業拠点
吉川、吉川美南の両駅を中心とする地区、旧来から商店の立地する平沼周辺
地区を商業拠点とします。
○ 複合新拠点
吉川美南駅を中心とした武蔵野操車場跡地と吉川美南駅周辺地域を、各種都
市機能を備えた複合新拠点とします。
○ 産業拠点
東埻玉テクノポリスとその周辺地域を、流通や生産機能を中心とした産業拠
23
点とします。
○ コミュニティ交流拠点
市民に開かれた新市役所と市民参加における情報発信源としての市民交流
センターおあしす周辺を、コミュニティ交流拠点とします。
○ レクリエーション拠点
自然とのふれあいを求め豊かな市民生活を送る余暇空間として、県営吉川公
園を中心とする江戸川周辺地域を広域的なレクリエーション拠点に、総合体育
館と市民プール付近を市民スポーツのレクリエーション拠点とします。
○ 防災拠点
江戸川沿いの八子新田、鍋小路地区に整備される吉川市河川防災ステーショ
ンを防災拠点とします。
(3) 軸の構成
広域的な都市間の移動を支える都市間軸と、市内拠点への移動の連絡機能をも
つ都市内軸の形成により、交通利便性の向上をめざします。
○ 都市間軸
広域幹線道路である東埻玉道路と、本市を東西南北に縦・横断し、隣接市町
へも連絡する主要幹線道路網により、都市間軸の形成を図ります。
○ 都市内軸
都市内における円滑な交通を支えるため、上記の都市間軸と連携しつつ市内
各拠点を結びつける幹線道路網により、都市内軸の形成を図ります。
24
2 土地利用構想
土地利用構想については、今後の市の発展にあわせ、新しいニーズに対応した市街
地の形成をはじめ、活気にあふれた産業振興や人と自然の共生、集団的な優良農地の
保全などを目標に、以下の土地利用地域を設定し、それぞれの利用の方針を定めます。
(1) 住宅系地域
既存の住居系市街地における都市基盤施設の整備充実による住環境の改善を図
るとともに、計画的な開発を実施した地区については住環境の維持増進を図ります。
また、人口増加に対応した宅地供給を進めつつ、地区状況に応じた適正かつきめ
細かな土地利用を誘導し、地域に根差した個店や商業施設などとの調和を図り、良
好な住環境を有する市街地形成に努めます。
(2) 工業系地域
既存の工業系市街地における生産・就業環境の維持・改善を図るとともに、新た
な工業地では周辺環境に配慮した工場立地を推進し、さらなる産業の振興と地域経
済に貢献する就業の場の確保をめざします。
(3) 複合系地域
吉川美南駅の設置と市街地拡大にともない、市民生活を支える各種都市機能の集
積や住宅地整備により、多機能型の新たな市街地形成を図ります。
(4) 農地及び集落地域
農地及び集落地について、現況の土地利用を基本的に継承しつつ、営農環境や生
活環境の維持保全を図ります。
(5) 産業まちづくり地域
既存の集落地環境の維持向上とともに、新たな道路の整備による交通利便性の高
まりを見据えて、周辺環境との調和を図りながら、工場や流通業務施設などの立地
を誘導します。
(6) その他の地域
将来都市構造に位置付けられた「レクリエーション拠点」及び「防災拠点」の形
成に対応し、公園や緑地における機能の充実を図るとともに、市街地内の環境保全
に資する空間確保を図ります。
25
将来都市構造図
土地利用構想図
住宅系地域
工業系地域
産業拠点
複合系地域
防災拠点
農地及び集落地域
産業まちづくり地域
その他の地域
レクリエーション拠点
コミュニティ交流拠点
商業拠点
複合新拠点
広域幹線道路・インターチェンジ
主要幹線道路
鉄道・駅
河川
主要道路
行政界