つ な ぐ

「 つ な ぐ 」
横浜市小学校社会科研究会
会 長
小竹 護
社会科学習を実践することにあたって、
「つなぐ」ことを常に意識しておかなければならないと思ってい
ます。では、何をつなぐのでしょうか?
1 子どもと 『教材』 をつなぐ。
2 子どもと 『子ども』 をつなぐ。
3 子どもの 『過去、現在、未来』 をつなぐ。
と、考えています。
1 学習指導要領に掲げられている目標や内容を満たし、達成するためにどの教材を選ぶのかを最初に
考えなければなりません。つまり、子どもたちが主体的に学べるように、子どもたちや地域の実態を踏ま
えた教材選択、子どもたちに寄り添った展開がなされるような教材研究などを通して、教材性・資料性を
高めていく必要があります。そして、学習を通して子どもたちが、かかわる対象である社会のことを理解
していくことが大事になります。そのために、
「子どもと教材」をつなぐことを意識していきたいと考えて
います。
2 問題解決学習の場面では、子ども一人ひとりの見方や考え方を大切にします。社会のことがらを他
人ごとでなく、自分ごととしてとらえ、自分たちが、社会で働いている人々や社会の仕組みにさせられて
いること、先人たちの様々な努力や業績のうえに今の社会が成り立っていることなど、を理解することも
大切です。社会的事象に対して、子どもたち同士が自分の考えを出しあい、また友だちの考えを聞きなが
ら、自分の考えを広げ、深めていくことが大事になります。そのために、
「子どもと子ども」をつなぐこと
を意識していきたいと考えています。
3 子どもたちは学習を通して、今まで知らなかったことを知り、そして新たな知識や技能を身に付け
ていきます。そのことが、生活や学習意欲の向上を促し、よりよい社会の形成に主体的にかかわっていく
子どもたちになっていくと思います。子どもたちが成長すること、そして、それを自覚することが大切に
なってきます。つまり、社会がわかるようになると、社会の問題や課題に気づき、それらを解決しようと
する意識が芽生え、社会に参画しようとする子どもたちが育ってくると考えます。そのために、
「子どもの
過去・現在・未来」をつなぐことを意識し、子どもたちの大いなる未来への希望とつなげたいと思います。
そして、子どもたちを指導・支援していく私たち教師が、今、何すべきかを考えることを一番大事にし
ていきたいと思います。つまり、それが『児童理解・学級経営』そのものだからです。
さて、平成 32(2020)年、4 回目の全国小学校社会科研究協議会・神奈川大会が開催予定となっていま
す。2020 東京オリンピック・パラリンピックと同じ年です。平成 28 年度からその神奈川大会に向けての
準備もスタートします。本年度は、32 年・神奈川大会まで、どう「つなぐ」かがポイントとなります。つ
まり、しっかりとした基礎づくりと将来に向けたプランを作成していくことが大切になってきます。
子どもたちの、そして私たちの未来への希望へとつなげるために、今を大切にし、多くの会員の皆様の
授業や実践提案をもとに、お互い研鑽を積んでいければと考えています。研究の輪を広げ、楽しい研究活
動になるように、どうぞよろしくお願いいたします。