「ボランティア活動」と「ふるさと学習」

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平成28年度
報 告 地 区
事例報告学校名
報
告
者
キーワード
北海道小学校長会地区活性化支援事業【実践事例レポート】
: 小樽地区
: 小樽市立最上小学校
: 校長 若 林
晋
: 地域連携「ボランティア活動」と「ふるさと学習」
1 はじめに
最上小学校は,天狗の山の懐に抱かれ,眼下に小樽港と石狩湾を臨み,晴れた日には遠く増毛
連山まで見渡すことができる自然豊かな高台に位置している。
昭和28年,戦後急速に住宅地として発展した最上地区住民の熱い要望により,新設された学校
である。開校以来「仲よく励み 強く素直な よい子」の教育目標のもと,児童は元気に坂道を
登校してくる。
今年度の学級数は8 (特別支援学級2含む)・児童数が212名。
児童は,明るく・活動的で,自ら進んで学び合い,助け合い
ながら学校生活を送っている。
本年度の重点目標「意欲的に学び わかる できる子の育
成」を目指し,教職員が共通認識に立ち教育活動に取り組ん
でいる。
2 「ボランティア活動」と「ふるさと学習」での成長を見つめて
平成 27 年度より「学童・生徒のボランティア活動普及事業協力校」の指定を受け、ボランテ
ィア活動や福祉に関する学習を進めている。また,
「小樽市学校教育推進計画」におけるボラン
ティア活動と体験学習の充実・ふるさと小樽の学習・地域の自然環境に目を向けた教育・地域と
一緒になっての特色ある教育活動の充実を図る上で,計画を立てた時,PTAや町内会・地域の
方々の理解と協力がなければ進められない活動も多い。そこで,
『自分たちの住んでいる町や地
域や人々の良さに気づきながら,ボランティアの心や社会との連携・共生の精神を養う。
』とい
う目標を掲げ,活動に取り組んでいる。
(1)あいさつ運動(ボランティア活動)
児童会で始めた運動の一つ。朝の元気なあいさつにより健やかな一日を過ごそうと始め,当
初は,児童会の役員が週一回校門で行っていたが,あいさつの重要性から各クラスの代表委員
へと広がった。現在は,5・6 年生を中心に『ボランティア』と称し運営委員やクラスの代表委
員ではない児童も校門に立ち,登校する児童や通勤する
地域の方に積極的にあいさつをしている。朝,児童の登
校を見守る町内会の方からも,
「あいさつがとても良くて
気持ちよいです。
」とお声をいただく。気持ちの良いあい
さつは,学校生活を明るくスタートできる鍵であるとと
もに,自己肯定感や自己有用感を高めるものと考える。
充実した学校生活は,側面からの学力向上にもつながる
ものであり児童の自然な姿でのあいさつ運動をこれから
も充実させていきたい。
(2)花いっぱい運動(ボランティア活動・地域ふるさと学習))
本校は,市内観光地天狗山に続くバス通りに面している。日中から夕方にかけては,多くの
外国人観光客を乗せた貸し切りバスがひっきりなしに往復する。そのバス通り沿いに,花壇と
プランターに花を植え,看板に日本語・英語・ロシア語・中国語・韓国語で「ようこそ小樽へ」
等と文字や絵をかき,地域の人や観光客に楽しんでもらっている
と文字や絵をかき,地域の人や観光客に楽しんでもらっている。
全校で,花を育てることを通して自然を大切にする心や
花を育てることを通して自然を大切にする心や美しいものを美しいと感じる
美しいものを美しいと感じる豊か
な心を育んでいきたい。また,
育んでいきたい。また,歓迎の言葉を様々な国の言葉で書き掲示することにより
掲示することにより,グ
ローバル化が進む社会に育つ子どもたち
ローバル化が進む社会に育つ子どもたちが,早いうちから世界に目を向けると同時
早いうちから世界に目を向けると同時に,各国
から訪れる多くの観光客が訪れる素敵な「ふるさと
から訪れる多くの観光客が訪れる素敵な「ふるさと小樽」を愛する心を育んでいきたい。
心を育んでいきたい。
【児童が作成した看板】
【花壇での作業】
【完成した
完成した花壇と看板】
(3)バリアフリー教室・盲導犬教室(福祉の教育)
平成27・28年度国土交通省北海道運輸局の協力を得
年度国土交通省北海道運輸局の協力を得て,
バリアフリー適合船「ゆうかり」の船内で
バリアフリー適合船「ゆうかり」の船内で,NPO法人
「手と手」の方を講師に車いす体験,
車いす体験,白杖体験を行った。
児童の振り返りでは,
では,
『この学習から車いすの方や,目の
見えない方の大変さを知り,
見えない方の大変さを知り,少しでも協力したいと思うよ
うになりました。新日本海フェリーの方は親切で,
新日本海フェリーの方は親切で,将来は
新日本海フェリーで働きたいと思いました。
』など,キャ
リア教育の視点でも価値のある学習を行うことができた。
の視点でも価値のある学習を行うことができた。
また,昨年度は,北海道盲導犬協会の協力を得,
,北海道盲導犬協会の協力を得,盲導犬
や目の見えない方への配慮を学び,
目の見えない方への配慮を学び,盲導訓練犬ユカ号に誘
導してもらう疑似体験をした。
導してもらう疑似体験をした。これらの取組を通して,車
いすや白杖の使い方について
の使い方について理解が深まっただけではなく
障がいをもっていたとしても
ても積極的に社会に出て健常者と
同じように生き生きと生活をしている様子を
生き生きと生活をしている様子を理解できたも
のと考える。
(4)学芸会ご招待(福祉の教育)
・町内会子ども神輿の参加 (地域ふるさと学習
地域ふるさと学習)
学芸会児童公開日に,グループホームの皆さんや,
グループホームの皆さんや,昔遊びを教え
てくれた皆さんに招待状等を
等を届けに行き,学芸会を見に来ていただ
く取組や町内会が主催する小樽祭りの子ども神輿に参加する取組
町内会が主催する小樽祭りの子ども神輿に参加する取組を
行っている。児童の振り返り
。児童の振り返りでは,
『子ども神輿を担いで,町内の
方々と一緒に幸せを願いました。お年寄りの方の笑顔を見ると嬉し
くなります。
』などと感じて
ている。高齢化が進む社会の中,
『子ども
たちの元気のお裾分け』として
として,地域に貢献し続けたいと考える。
3 おわりに
本校は,
平成30年4月に近隣の小学校と統合し閉校となる。
月に近隣の小学校と統合し閉校となる。
慣れ親しんできた
慣れ親しんできた校舎とも別れ,
近隣に新設される学校に通うことと
通うこととなる。残りの期間はわずかであるが,
,教職員一同,子ども
たちが『最上小学校で学んで良かった』と感じながら,希望を
が『最上小学校で学んで良かった』と感じながら,希望をもって新しくできる学校へつな
って新しくできる学校へつな
げていくことができるよう力を尽くしていく。
力を尽くしていく。