電力品質確保に係る系統連系技術要件ガイドライン

「電力品質確保に係る系統連系技術要件ガイドライン」改正に対する意見募
集の結果について
平成28年7月28日
資源エネルギー庁
電力・ガス事業部
平成28年3月9日付けで「電力品質確保に係る系統連系技術要件ガイドラインの一部
を改正」に関する意見募集を行いました。その結果は、以下のとおりです。ご協力いただ
き、ありがとうございました。
1.実施期間等
(1)意見募集期間
平成28年3月9日~平成28年4月7日
(2)実施方法
電子政府の総合窓口(e-Gov)ホームページ、経済産業省ホームページへの掲載等により
周知を図り、e-Gov、電子メール、FAX 及び郵送によりご意見を募集
2.意見募集の結果
ご意見の総数(提出意見数):10件(5件)
3.頂いたご意見に対する回答
別紙を参照
4.お問い合わせ先
資源エネルギー庁
電力・ガス事業部
電話:03-3501-1749
電力基盤整備課
別紙
ご意見
○該当箇所
・第3節 高圧配電線との連系、3.不要解列の防止(2)事故時運転継続 (新設)
発電設備等が,系統の事故による広範囲の瞬時電圧低下や瞬時的な周波数の変化等により一斉に停止又は解列すると、系統全体の電圧や周波数
の維持に大きな影響を与える可能性があるため、そのような場合にも発電設備等は運転を継続するものとする。
・第4節 スポットネットワーク配電線との連系、4.不要解列の防止(2)事故時運転継続 (新設)
発電設備等が,系統の事故による広範囲の瞬時電圧低下や瞬時的な周波数の変化等により一斉に停止又は解列すると、系統全体の電圧や周波数
の維持に大きな影響を与える可能性があるため、そのような場合にも発電設備等は運転を継続するものとする。
・第5節 特別高圧電線路との連系、5.不要解列の防止(2)事故時運転継続 (新設)
1 発電設備等が,系統の事故による広範囲の瞬時電圧低下や瞬時的な周波数の変化等により一斉に停止又は解列すると、系統全体の電圧や周波数
の維持に大きな影響を与える可能性があるため、そのような場合にも発電設備等は運転を継続するものとする。
○ご意見
「」の文言を追加する。
発電設備等が、系統の事故による広範囲の瞬時電圧低下や瞬時的な周波数の変化等により一斉に停止又は解列すると、系統全体の電圧や周波数の
維持に大きな影響を与える可能性があるため、そのような場合にも発電設備等は「発電装置の構成機器の運用に支障がない範囲で」運転を継続するも
のとする。
○理由
機器保護の観点から、商用系統の瞬時電圧低下や周波数変動が規格等で定められた範囲以上となった場合、解列は不可避であるため
○該当箇所
第3節、第4節、第5節における、3.不要解列の防止(2)事故時運転継続(新設)
発電設備等が,系統の事故による広範囲の瞬時電圧低下や瞬時的な周波数の変化等により一斉に停止又は解列すると、系統全体の電圧や周波数の
維持に大きな影響を与える可能性があるため、そのような場合にも発電設備等は運転を継続するものとする。
○ご意見
発電機・送電線などに異常が発生すれば、他の正常な発電設備でバックアップするのは当たり前であり、昨今色々な発電設備(太陽光 風力 等)が設
置されており、 そのような情勢から新規に追設になった項目と思っております。
2 一見 上記記載のように、異常には他の正常設備でバックアップするのは 当たり前と考えられますが、すべての発電機に異常時の系統連携を義務付
けると、自家発電設備を設置し工場構内負荷にも送電している需要家では 一般電気事業者(旧呼称)のように発電能力が大きくなく、異常時に接続し
たままであれば その系統異常時の波及による停止・発電出力の過負荷・その他により 自家発電設が停止することもケースにより考えられます。
最終的には異常発生時に系統を安定させる目的で系統連携している自家発電設備が停止し、 自家発電設備を設置している工場構内負荷に対しても
残りの正常な発電機で バックアップするという構図になり、更に負荷が重く系統が大きく変動するという悪循環に なろうかと思います。
以上 一律に異常時の系統連携を義務つけるのではなく、本来の目的である異常時の系統の安定が最優先であり、系統を安定させる為にも、 「発電設
備を負荷とともに解列するなど、系統への影響を小さくできる場合は、 この限りではない」等の文章を加えていただきたい。
○該当箇所
第3節、第4節、第5節における不要解列の防止(2)事故時運転継続
発電設備等が、系統の事故による広範囲の瞬時電圧低下や瞬時的な周波数変化等により一斉に停止又は解列すると、系統全体の電圧や周波数の
維持に大きな影響を与える可能性があるため、そのような場合にも発電設備等は運転を継続するものとする。
○ご意見
「発電設備や負荷設備を保護する目的で解列する場合はこの限りではない」等の除外項目の追記をお願いいたします。
3 ○理由
当社は地域熱供給施設のエネルギー効率向上のため、コージェネレーションとしてガスタービンを導入し、系統連系しております。ガスタービンには、
系統事故時等に発生する発電機とタービン間の巨大トルクによるタービン破損を防ぐための保護機能があり、これが動作する場合は事故時に運転継
続できない可能性があります。
また、当社の発電設備は停電時にも地域熱供給施設という重要なインフラへの電力供給を維持する機能も兼ねております。このため、発電設備は系
統事故に対しては速やかに系統から切り離して、当該機器への電力供給を継続する必要があります。
○該当箇所
(2)事故時運転継続
○ご意見
4 これについて、反対である。これではそれが問題となる場合でも一律に運転継続が行われる可能性が非常に大きい。問題が起きた際にはその状況に
よって対応を変える必要があるので、この様な書き方をせず、「発電設備等が,系統の事故による広範囲の瞬時電圧低下や瞬時的な周波数の変化等に
より一斉に停止又は解列すると、系統全体の電圧や周波数の維持に大きな影響を与える危険性があると判断される場合は、切り分けが必要となる部
分のみ停止又は解列させて、その他の発電設備等は運転を継続するものとする。」の様にすべきであると考える。
ご意見に対する考え方
・系統の事故による広範囲の瞬時な電圧低下や周波数の変化等
により、発電設備等が一斉に停止又は解列すると、系統全体の
電圧や周波数の維持に大きな影響を与える可能性があるため、
発電設備等は、そのような場合にも運転を継続することが求めら
れます。
・今回の改正は、いかなる場合でも発電設備等の運転を強制的
に継続させるという主旨ではなく、電圧や周波数の瞬時的な変動
に対して発電設備等の運転の継続を求めているものです。また、
瞬時的な変動の範囲などについては系統連系規程において既に
定められており、追加的な義務等を課すものではないと承知して
います。
ご意見
○該当箇所
3.不要解列の防止 (2)事故時運転継続
○ご意見
不要解列の防止は安全性にも配慮を。
6 3.不要解列の防止 (2)事故時運転継続 では「発電設備等は運転を継続するものとする。」とあるが、現在「系統の事故による広範囲の瞬時電圧低
下や瞬時的な周波数の変化等により一斉に停止又は解列する」機能があるのは、東北大震災のような大災害が発生した時に、発電設備や送電設備を
守り、復旧時間を短縮する為でもあると思う。変動電力導入の為に大規模停電が発生しないようにするためだけに非常時でも「不要解列の防止」を無条
件に行う事は安全性について配慮が足りないのではないかと心配している。
○該当箇所
第5節 特別高圧電線路との連系、5.不要解列の防止(1)保護協調
7 ○ご意見
新設される内容であるにも関わらずその内容が(略)となっているので、ここについてはその内容を記述して再度意見の募集を行われたい。
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○該当箇所
第2章 連携に必要な技術要件 第1節 共通事項 2.発電出力の抑制
○ご意見
<1> 発電出力の抑制からバイオマス発電を外すべきである。
第2章 連携に必要な技術要件 第1節 共通事項 2.発電出力の抑制でバイオマス発電に対してもデマンドレスポンスによる抑制機能を求めているが
一般にバイオマス発電は変動電力ではないので余剰電力による電圧や周波数上昇の原因にはなっていない。それにもかかわらず抑制機能設備を求
めるのはおかしいと思う。たとえ、バイオマス発電に抑制機能設備を求めるとしても、出力抑制は変動率が高く電力品質確保に影響の大きな発電設備
から行うべきである。
○該当箇所
第2章 第2節低圧配電線との連携 2.電圧変動 (1)常時電圧変動対策
○ご意見
配電線の増強だけでは常時電圧変動対策はできない。
第2章 第2節低圧配電線との連携 2.電圧変動 (1)常時電圧変動対策 で「発電設備等設置者において、進相無効電力制御機能又は出力制御機
能による調整」とあるが、「適用の範囲」である「一般送配電事業者」ができるのは「配電線の増強」だけだ。
「一般送配電事業者」に「変動率が小さく」「需要時間帯」に電力を供給できる発電事業者の電力を優先的に系統接続できる権利を日頃から与えておく
べきだと思う。
将来的にはFIT制度の見直し等により、「変動率」や「提供時間帯」による電力の質で買取価格を決める事が「常時電圧変動対策」の根本対策だと思う。
○ご意見
一般送配電事業者と発電設備等設置者のガイドラインを分けよ。
2.適用の範囲 で「一般送配電事業者」がこのガイドラインの対象となっているが第2章 連携に必要な技術要件 第1節 共通事項 2.発電出力の抑
制 では「逆潮流のある発電設備のうち・・」とあり、第2章 第2節低圧配電線との連携 2.電圧変動 (1)常時電圧変動対策 では「発電設備等設置
者において、・・」
3.不要解列の防止 (2)事故時運転継続 では「発電設備等は運転を継続するものとする。」とあり、「一般送配電事業者」と「発電設備等設置者」の役
割がわかりにくい。
○ご意見
当ガイドライン以外のFITへの意見
現在のFIT制度は、供給責任のある「一般送配電事業者」から見ると、電力品質の悪い、風力や太陽光等の変動電力を高い価格で優先的に買い入れ
ベース電源や火力発電等の質の良い電力を安い価格で提供する制度となっている。
これでは電力システムの安定性からも、市場メカニズムの面からも崩壊するのではないかと心配している。すぐに電力の質によって買い取り価格に差を
設けることはできないだろうが、「変動率」の小さな良質な再生可能電力から優先的に系統接続することはできるのではないだろうか。
ご意見に対する考え方
今回の改正は、系統の事故による広範囲の瞬時電圧低下や瞬
時的な周波数の変化等により、発電設備等が、一斉に停止又は
解列すると、系統全体の電圧や周波数の維持に大きな影響を与
える可能性があるので、発電設備等には、そのような場合にも運
転を継続することが求められることを追加したものであり、変動電
源導入のために追加するものではありません。
新設した「保護協調」の内容は、これまでの「不要解列の防止」下
で規定されていた文書と同じものを考えているため、記載は省略
しております。
バイオマス発電は、自然変動電源ではありませんが、電力供給
が電力需要を超過し、余剰電力が発生している場合には、他の
火力発電と同様に発電出力の抑制が必要となります。抑制の順
位については、バイオマスは通常は状況に応じて柔軟に運転す
ることが可能なため、また、自然変動電源である太陽光・風力発
電の最大限導入を図る観点から、これらより先に出力の抑制を行
うこととしています。
今回の意見募集とは直接関係のない御意見であるため、今後の
参考とさせていただきます。