第4号 発行:平成 28 年 1 月 鶴岡市自殺予防対策ネットワーク会議 「他者のために、他者とともに」 平成 25 年の日本の自殺者数は 25,427 人となっており 3 万人を下回ったとはいえ依然多い状況です。 (警察庁自殺統計)平成 25 年の 鶴岡市の自殺死亡者数は 31 人(自殺死亡率 25.1)で全国的にみても高い水準にあります。(全国6位 山形県自殺死亡率 24.6) 特に 40~60 歳代の働き盛りの男性に多い状況です。日本の自殺死亡率は世界 8 位、アメリカの 2 倍、イギリスの 3 倍となっているよう です。ちなみにリトアニアが最も多いと聞き及んでます。(WHO 資料より) 近年まで、自殺者が 3 万人を超えるという事態が 10 数年続き、30 万人以上の尊い命が失われてきました。この数字は庄内圏域の人 口がいなくなるということを考えれば実に恐ろしいことです。 国も色々な施策、法整備や財政支出等重い腰を上げましたが、自殺に対しての絶対的な処方箋はなく、地域住民のコミュニケーション、見守 り、隣近所・会社での気づき・寄り添うことがとても大切な要因になると思います。また身近に相談できる人的資源(家族、友達、職場の同 僚、上司、民生児童委員等)、相談支援機関(行政、地域包括支援センター、社会福祉法人、NPO法人等)を活用していただくとと もに、市民の皆さんが遠い問題だと思わず、より身近な問題であるという認識を共有していただければ幸いです。 以前、NPO法人自殺対策支援センター「ライフリンク」代表の清水康之氏の講演を聞く機会があり、自死遺族の会に聞き取りをし たら「自殺にも連鎖がある」と話されていたのが印象に残っています。人間関係の中で偏見、差別、決めつけない、否定や比較をしな い、気持ちに寄り添えるような優しい地域社会を構築できたらといつも思っています。 鶴岡市自殺予防対策ネットワーク会議は全国的に例が少なく、市の財産であり誇れる組織であると思っています。この組織をどのよ うに生かすかは、鶴岡市、ネットワーク会議の委員、地域住民の協力が不可欠であり、今後も自殺予防対策の一助になればと思って活 動を継続していきたいと思います。また、鶴岡市民からは日々の活動にご協力いただき心から感謝申し上げます。 鶴岡市自殺予防対策ネットワーク会議 会長代行 後藤 茂(山形いのちの電話 評議員) ①自殺予防対策ネットワーク会議 自殺予防対策の協議とネットワークだより発行 ②正しい知識の普及啓発 こころ元気アップセミナーやこころの健康づくり事業への協力 第 1 回自殺予防対策ネットワーク会議 ゲートキーパー研修の開催 ③相談窓口の周知 鶴岡市 10 年間の自殺者数 (平成 16~25 年) ❤ こころの健康づくりキャンペーン ❤ 自殺予防週間 9 月 10 日~16 日に合わせ 市役所正面玄関に看板を設置しました。 設置期間:9~10 月 415 人 1年間で約 42 人の 命が失われています 3 月は自殺対策強化月間です。 平成 28 年 3 月に市役所に縦看板を設置予定。 【鶴岡公共職業安定所】 【鶴岡市立荘内病院】 がんや大きな病気をきっかけにうつ傾向になる方は少なくあり ません。医療従事者には、そのような患者さんやご家族に対して 身体的ケアの他に精神的ケアにも関わっていくことが求められて います。荘内病院を会場に南庄内緩和ケア推進協議会の研修会が 数多く開催され「コミュニケーション技術」など精神的ケアにつ いても力をいれており、院内外の多職種の方が多数参加されてい ます。 また、市民向けセミナー「つるおか健康塾」が年6回開催され ており、その中でも「うつ病」について「こころの医療センター」 の医師からわかりやすくお話を伺う機会を設けています。また、 荘内病院では、患者さんを支えるスタッフの精神安定も重要です ので、全職員対象に精神科の臨床心理士に直接相談できるような 体制もとっています。 鶴岡市立荘内病院 地域医療連携室 医療ソーシャルワーカー 鈴木 貞子 鶴岡公共職業安定所(ハローワーク鶴岡)は、厚生労働省の山形 労働局に所属する国の出先機関です。 ハローワークの業務の一つに、仕事を求める求職者と人材を求め る求人者に「仕事と人」をあっせんする職業紹介業務があります。 ハローワーク鶴岡には、新卒者や障害者等、求職者の態様に応じた 専門の相談窓口があり、他にも子育て中の方の就職を支援する窓口 として、子供連れでの相談にも対応するためのキッズルームを併設 したマザーズコーナーも設置しています。 失業が自殺に至る要因となることもある中で、不幸にして失業し、 心理的にも大変デリケートな状態の方もハローワークへ多く来所さ れます。ハローワークでは、利用者に対する接客、接遇に十分配慮 するとともに、求職活動中のストレス状態を確認するストレスチェ ックシートの活用等も図りながら、利用者の期待に応え満足いただ けるサービスの提供を目指しています。 鶴岡公共職業安定所 統括職業指導官 柏倉 真司 平成 27 年 10 月 23 日 午後 7 時~8 時 30 分 於:出羽庄内国際村 今年の「こころ元気アップセミナー」は慶應義塾大学医学部医師の 深井航太氏が講師となり、「ストレス社会を生き抜く」~前向き変換で 明日も笑顔~と題する講演が行われました。講演の途中には、実行委員 による寸劇が入り、大変わかりやすい内容だったと思います。ストレス の元になっているストレッサー(原因)とストレッサーの結果生じる心 身の不調であるストレス反応(結果)を区別する必要があり、ストレス に対する個人反応は「認知」「気分」「行動」「身体症状」として整理で きるとしていました。ストレスなどが原因となって発症するうつ病は、 10 ~15 人に 1 人がかかるともいわれており、身近な病気といえると思 います。うつ病は、きちんと治療すれば治る病気であり、治療の基本は 休養と薬物による治療になるとのことでした。薬は自己中断をしない で、主治医に相談することが重要であると強調されていました。 次に、認知行動療法の考え方は、ストレス反応のうち、個人で変えら れるのは、「認知」と「行動」であり「気分」や「身体の症状」を無理 やり変えることは困難だと分析していました。ストレス原因に対して、 あえてポジティブに考えて行動することにより、「気分」や「身体の症 状」も改善していくとのことでした。日本では、年間3万人程の人が自 ナレーション ~ 寸劇のあらすじ ~ 田中課長は出張や会議で多忙な毎日。 菅原係長、三浦主任は各々、任されたイベントの企画を課 長に相談したいと思っています。 課長に声をかけようとしても、忙しい課長とゆっくり相談 する時間がとれません。さて、三浦主任、菅原係長、どん な反応するのでしょう 【ストレッサ―】 原 因 課長に相談したいのに取り合ってもらえない 殺で亡くなってるとのことですから、ストレスと上手に付き合っていく ことの重要性を再認識させられた講演でした。 ネットワーク委員 大瀧英嗣(山形県司法書士会 鶴岡支部長) ポジティブな三浦主任とネガ ティブな菅原係長と課長のや り取りを通し、認知・行動の 違いと気分・身体の関係を寸 劇を通し学び合いました 【ストレス反応】 結 果 ポジティブな三浦主任 ネガティブな菅原係長 認知 課長はいつも通り 忙しいのだろう ↓ 自分は嫌われている のだろう ↓ 行動 声をかけておき、詳細 はメールを送ろう ↓ 声をかけず、 メールで済ませよう ↓ 気分 通常通り 悲しい気持ち、不安 認知と行動は変えることができる。 前向き変換!! アンケートより… 気になって眠れない 身体症状 ・ストレスを感じた時、周りの環境を変える事はできずとも自分 の考え(認知)を見直すことで改善できることもあると感じた。 ・ストレスについてその原因や結果に向き合うことがこころの病 を防ぐ重要なことだと改めて感じた。 ・前向き変換できるよう頑張りたい。話し合える友だちが大事だ と思った。 ・話し上手でわかりやすく楽しく聞くことができた。 (自殺とかうつ病という方向に行くとは思わなかった…けど)で も考えなくてはならないことなのだと思った。 アンケート回収数 148 で、59 歳以下の働き盛り世代の回答が 73.3%でした。認知行動療法の理解が深まり、生活に活かせると いう声が多く聞かれました。(参加人数 250 名) ❤❤こころの健康・悩み相談窓口 ❤❤ ひとりで悩まず相談を ○鶴岡市健康課 ☎0235-25-2111 ○こころの健康ダイヤル ☎0570-064-556 ○心の悩み電話相談室 ☎0235-22-3991 (山形県立こころの医療センター内) 月~金 月~金 毎週火曜日 ○山形いのちの電話 ☎023-645-4343 ○庄内保健所地域保健福祉課☎0235-66-4931 年中無休 月~金 鶴岡市ホームページ 鶴岡市 こころの健 康 検索 鶴岡市 こころの相談 検索 鶴岡市自殺予防対策ネットワーク会議委員団 HP鶴岡市 こころの健康 検索 体 山形県弁護士会、山形県司法書士会、一般社団法人鶴岡地区医師会、鶴岡地区薬剤師会、鶴岡公共職業安定所、鶴岡警察署、山形県庄内保健所、 山形県立こころの医療センター、社会福祉法人鶴岡市社会福祉協議会、鶴岡商工会議所、出羽商工会、鶴岡地域産業保健センター、 社会福祉法人山形いのちの電話、特定非営利活動法人山形県人権フォーラム、特定非営利活動法人ぼらんたす、鶴岡市保健衛生推進員会連合会、 鶴岡市民生児童委員協議会連合会、田川地区高教研保健養護部会、鶴岡市養護教諭部会、鶴岡市消防本部、鶴岡市立荘内病院 事務局:鶴岡市健康課 ℡0235-25-2111(内線 364) E-mail :[email protected]
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