ゲノム編集技術を 用いた 育種改良良の最先端

 近年年ゲノム編集技術が発展し、遺伝⼦子の⼀一部を⾃自在に改変できるようになったことで、病気に強
くなったり、腐りにくくなったり、⽢甘くなったり、機能性が⾼高まったりするなど、有⽤用な形質を
もった農作物を迅速に開発することが可能となってきました。
このようなゲノム編集技術を使ったトマトの育種改良良の事例例を紹介します。
ゲノム編集技術とは
⼈人⼯工制限酵素
ZFN、TALEN、CRISPR/Cas9といった⼈人⼯工制限酵素の利利⽤用に
より、あらゆる⽣生物種で⽬目的とする遺伝⼦子の改変が可能と
なった技術です。ゲノム編集技術を利利⽤用した植物の改変は
New Plant Breeding Techniques (NPBT)にあてはまり、外来遺
伝⼦子を残さず変異異を導⼊入することができます※。 ※NPBTにより作られた作物がカルタヘナ法等で規制さ
れる遺伝⼦子組換え作物にあたるかどうかはまだ決定され
ていません。
0 day
改変したい遺伝⼦子の
標的配列列
切切断
修復復
⽋欠失変異異
挿⼊入変異異
など
育種⽬目標②:
⽇日持ち性向上品種
育種⽬目標①:
花粉がなくても⾃自然着果
(単為結果)する品種
育種⽬目標③:
⾼高糖度度品種
60 days
WT
糖度度10
糖度度5
53
Sletr1-­‐2
e2
7
T
ゲノム編集技術を⽤用いた
育種改良良の最先端
MT-J
a
er
oc
pr
野⽣生株
C
変異異体
Sletr1-2 (T A) (V69D)
野⽣生株 変異異体
GAF
(SlETR1)
2753 (M3)
His K
Receiver
domain
膜貫通ドメイン domain
Transmembrane
(Important region for ethylene binding)
D
⽣生産安定性および
受粉作業の労⼒力力の軽減
野⽣生株
受粉
完熟してからの収穫や
変異異体
受粉
除雄
⾼高付加価値化
収量量増加
0 day ⻑⾧長距離離輸送が可能に
60 days
New allele of della
L567F
) PFYRE
Sletr1-2
SAW
500
どの遺伝⼦子を操作すれば有⽤用形質を獲得できるか
という情報が多数蓄積
588 (aa)
人工ヌクレアーゼを
使ったゲノム編集技術
(ZFN)
DNA
したトマトの品
きる
!
DNA
zinc(finger ×!3 6
FokI
!
DNA
これらの知⾒見見からゲノム編集技術を利利⽤用 狙った遺伝子に変異を性格に導入
・戦略略的な育種開発
○交雑:種内、種間、属間など(バイテク技術を活用)
・複数の有⽤用形質
○ランダム変異誘導
2
2
トマトの多くの重要形質発現の分子機構
の解明が進展
日持ち性
(完熟トマト)
果実着果
単為結果
(らくらく栽培トマト)
DNA !
ZFN(1
ZFN(2
A→G
ZFN(3
1)化学薬剤処理:EMS,
MNUなど
!
機能性成分
!
!
糖蓄積
(GABA, リコペンなど)
2)放射線処理:X線、γ線、重イオンビームなど
理理想のトマトを⾃自由にデザインすることが可能に
(安価なフルーツトマト)
(健康維持・増進トマト)
3)培養変異誘導 !
!
!
得られた成果は他の作物にも応⽤用することも可能
簡単な遺伝子変異で性質が変化
○ターゲット変異導入
1)遺伝子組換え技術:アグロバクテリウム法(間接
法)、パーティクルガン+エレクトロポレーション
法(直接法)
トマトを高速デザイン出来る
!