宿題 No.3

マクロ経済学Ⅰ- 2016 年度前期
担当:蛭川雅之
宿題 No.3 - 解答例
2016 年 7 月 12 日
※正答は赤字、解説は(もしあれば)青字で印字してあります。
問1 ~ 問4
以下の空欄に該当する用語を選べ。
マネーストック(貨幣量)とは、市中に流通している( 問1 )と( 問2 )の和
のことである。これは中央銀行のバランスシートの負債の額でもある( 問3 )
の( 問4 )倍の規模になるという。
問1:a. 現金
b. 手形 c. 小切手
問2:a. 礼金
b. 敷金
c. 預金
d. 外貨
d. 貴金属
問3:a. コール・マネー b. 準通貨
問4:a. 複素数
c. 管理通貨
b. 信用乗数 c. 投資乗数
d. ハイパワード・マネー
d. 完全数
問5 ~ 問8
以下の空欄に該当する用語を選べ。
( 問3 )は市中に流通している( 問5 )と銀行が中央銀行に保有する( 問6 )
の和に等しい。金融政策では( 問3 )の量を調整することでマネーストックに
影響を及ぼすことができる。特に、中央銀行が市中から( 問7 )や( 問8 )を
購入すれば、( 問3 )は増加する。
問5:a. 現金
b. 日本円 c. 紙幣
問6:a. レアメタル
問7:a. 約束手形
b. 約束手形
d. 硬貨
c. 預金準備
b. 小切手 c. 為替手形
問8:a. 紙幣の原材料
b. 信用状
c. 外貨
d. 貴金属
d. 国債
d. 輪転機
問9 ~ 問11
以下の空欄に該当する用語を選べ。
中央銀行が( 問9 )を行ったり、( 問10 )を引き上げたりすれば、一般的に
はマネーストックは減少する傾向にある。その結果、市中の金利は以前よりは
( 問11 )なると考えられる。
問9:a. 売りオペ
b. 買いオペ
c. 金本位制
1
d. 徳政令
マクロ経済学Ⅰ- 2016 年度前期
問10:a. 無担保コールレート
問11:a. 低く
b. 高く
担当:蛭川雅之
b. 証拠金
c. 安く
c. 法定預金準備率
d. 代売手数料
d. 穏やかに
問12 ~ 問14
以下の空欄に該当する用語を選べ。
利子率には様々な種類があり、一般に危険資産の利回りは安全資産の利回りに
比べて高い。危険資産の利回りが安全資産の利回りを上回る部分を( 問12 )
という。また短期と長期の金利にも差が生じ、通常は( 問13 )金利のほうが
高くなる。このような短期から長期までの期間と金利との関係を示したものを
( 問14 )という。
問12:a. リスクプレミアム
スキーアセット
問13:a. 短期
b. リスクニュートラル c. リスクアバース
b. 中期 c. 長期
問14:a. ヘアピンカーブ
d. リ
d. 満期
b. Jカーブ
c. ナックルカーブ
d. イールドカーブ
問15 ~ 問22
以下の説明が正しければ a 、誤っていれば b を選べ。
問15:マクロ経済では現金のみを貨幣という。b
マクロ経済では、通常、現金と預金を合わせたものを貨幣という。
問16:人々が現金をより多く持とうとしても貨幣量に影響を与えることはない。
b
人々が現金をより多く持とうとすると、現金預金比率が上昇し、その結
果、信用乗数が縮小して貨幣量は減少する。
問17:公開市場操作の買いオペを行うとマネーサプライは増大するが、信用乗
数に影響を与えるわけではない。a
買いオペによるマネーサプライの増大は、ハイパワード・マネーの増大
によるもので、信用乗数の変化に由来するものではない。
問18:売りオペは中央銀行による景気刺激策の一つの手段である。b
売りオペはハイパワード・マネーを減少させるため、景気を引き締める
効果を持つ。
問19:マネーサプライにおける現金通貨と預金の割合によっては、信用乗数は
1を下回ることがある。b
現金預金比率  、預金準備率  のとき信用乗数は 1    /     で表さ
れる。   1 であるから、信用乗数は常に1を超える。
2
マクロ経済学Ⅰ- 2016 年度前期
担当:蛭川雅之
問20:他の条件が一定の下で所得水準が上昇すれば、貨幣需要は低下する。b
所得が増大すれば、取引動機・予備的動機に起因する貨幣需要が増加す
る。
問21:他の条件が一定の下で利子率が上昇すれば、貨幣需要は増大する。b
利子率が増大すれば、資産保有動機に起因する貨幣需要が減少する。
問22:金融が緩和されて貨幣供給量が増加すると利子率は上昇する。b
貨幣需要関数は貨幣量-利子率平面上では右下がりの曲線として表され、
貨幣需要関数一定の下で貨幣供給量が増大すると利子率は下落する。
問23 ~ 問27
以下の空欄に該当する数値を選べ。もし正答が見つからない場合は、正答に最
も近い数値を選択せよ。
ある経済において現金と預金の二種類の貨幣が流通しているとする。また人々
は現金と預金の比率を1:8で保有しているとする。法定預金準備率が6.25%で、
銀行の預金準備率もこの水準であるとすると、信用乗数は( 問23 )である。
ハイパワード・マネーが54兆円であるとき、マネーサプライは( 問24 )兆円
であり、この経済の現金通貨、預金通貨および準備金は、それぞれ( 問25 )
兆円、( 問26 )兆円および( 問27 )兆円である。
問23:a. 4.5
b. 5.0
c. 5.5
d. 6.0
現金預金比率は 1 : 8  0 . 125 : 1 となるため、   0 . 125 と表すことが
できる。また、預金準備率   0 . 0625 であるから、信用乗数は
1
1  0 . 125
1 . 125


 6 .0
   0 . 125  0 . 0625
0 . 1875
となる。
問24:a. 243
b. 270
c. 297
d. 324
ハイパワード・マネー H  54(兆円)のとき、マネーサプライは
 1 
M 
 H  6 . 0  54  324(兆円)
   
となる。
問25:a. 18
問26:a. 216
問27:a. 18
b. 36 c. 54
b. 256
b. 36
d. 72
c. 288
c. 54
d. 300
d. 72
現金通貨をC、預金通貨をD、準備金をRと表記することにすると、まず
現金預金比率の定義から、マネーサプライは
3
マクロ経済学Ⅰ- 2016 年度前期
担当:蛭川雅之
M  C  D   D  D  1   D
と表される。従って、預金通貨は
D 
M
324

 288(兆円)
1
1 . 125
となり、この結果より、現金通貨は
C   D  0 . 125  288  36(兆円)
である。最後に、ハイパワード・マネーの定義により、準備金
R  H  C  54  36  18(兆円)
を得る。なお、準備金を
R   D  0 . 0625  288  18(兆円)
と求めてもよい。
問28 ~ 問29
以下の空欄に該当する数値を選べ。もし正答が見つからない場合は、正答に最
も近い数値を選択せよ。
ある経済において貨幣量が500、物価水準が4、取引量が1,200であるとする。フ
ィッシャーの交換方程式を用いると、貨幣の流通速度は( 問28 )と求められ
る。また、流通速度が一定であり、取引量も変わらないと仮定すると、貨幣量
が50%増加すれば 物価水準は( 問29 )。
問28:a. 8.1
b. 9.0
c. 9.6
d. 10.0
フィッシャーの交換方程式 MV  pT に M  500 , p  4 , T  1200
を代入し、流通速度
V 
pT
4  1200

 9 .6
500
M
を得る。これは、貨幣が一定期間に平均9.6回異なる経済主体間をわたっ
て使われたことを示す。
問29:a. 25%下落する
b. 50%上昇する c. 75%下落する
d. 100%上昇する
交換方程式から
M
V
p T



M
V
p
T
が成り立つ。条件より、  V / V   T / T  0 %,  M / M  50 % で
あるから、物価水準も50%上昇することがわかる。
4
マクロ経済学Ⅰ- 2016 年度前期
担当:蛭川雅之
問30 ~ 問31
以下の空欄に該当する数値を選べ。もし正答が見つからない場合は、正答に最
も近い数値を選択せよ。
貨幣量が680兆円、名目GDPが500兆円であるとき、ケンブリッジ方程式を用い
ると、マーシャルのkの値は( 問30 )と求められる。マーシャルのkが一定で
あり、生産量が変化しないまま貨幣量が5%増加すると、物価水準は( 問31 )。
問30:a. 0.74
b. 1.00
c. 1.05
d. 1.36
ケンブリッジ方程式 M  kY  kpy に M  680 , Y  500 を代入し、
マーシャルのk
k 
680
M

 1 . 36
500
Y
を得る。
問31:a. 2.5%下落する
b. 5%上昇する
c. 7.5%下落する d. 10%上昇する
ケンブリッジ方程式から
M
k p y



M
k
p
y
が成り立つ。条件より、  k / k   y / y  0 %,  M / M  5 % である
から、物価水準も5%上昇することがわかる。
5