1 研究課題名 運転者支援システムに関する交通事故の解析技術の研究 2 研究担当者 主研究担当者 大賀 涼 交通科学部交通科学第三研究室 他研究員2名 3 研究期間 平成28年4月 ~ 平成31年3月(3年計画) 4 研究予算 平成28年度 27,982千円 平成29年度 30,000千円 平成30年度 30,000千円 5 研究課題の背景 EDR鑑定により具体的で正確な事故時の車両走行状況が把握可能となった。しかし ながら、EDR鑑定はエアバッグ起動時にしか十分な記録が得られない。そのため、低 速事故や歩行者・自転車との衝突事故など、エアバッグが起動しない事故ではEDR鑑 定が行えない。 普及が進む運転支援システムの一つである被害軽減ブレーキは低速での活用が前提と なっており、また検知対象に歩行者・自転車を含む機材の開発が進んでいる。そのため、 運転支援システムの記録を鑑定に活用することで、前記の事故形態に対応可能となる。 また、運転支援システムとエアバッグが共に機能する事故形態では、両者の情報を包 括的に活用することで、精度向上が期待できる。 6 期待される成果・波及効果 現在、EDR鑑定によりエアバッグ起動時の車両走行状況が具体的かつ正確に把握す ることが可能となった。本研究はEDR鑑定で培った技法をその他の装置に拡大するも のである。これによりエアバッグが起動しない低速事故や歩行者・自転車事故に対応で きるようになる。 さらに、運転支援システムの特性として、運転者のシステムに対する不信・過信・誤 解により誘発される事故について、事故実態の理解を促進するものである。 以上の成果は交通警察の捜査活動に資するのみならず、今後の日本の自動車産業の発 展ならびに当システムの普及に際して有益である。 7 関連研究の国内外の状況 EDRについては米国が主導で普及が進み、その鑑定手法についても米国が主導的で あった。一方で運転支援システムの交通事故鑑定への導入はまだ進んでいない。これは エアバッグなどの衝突安全技術に比べて運転支援システム自体が未だ発展期であるため で、運転支援システムに基づく鑑定技術は今後の普及が期待される将来分野である。 8 予定している研究交流体制 産業界に対して、交通科学部では自動車技術会の各部門委員会に委員を配置しており、 自動車製造会社ならびに部品供給会社の技術者と密に情報交換を行っている。またこれ までのEDR鑑定において、警察庁交通局を通して日本自動車工業会と連絡の場を得て おり、警察庁の意図を自動車製造会社に伝える機会をもっている。 学術界に対しては自動車技術会の学術講演会における交流のほかに、共同研究による 強固な研究体制の確立も企図している。 ※これらの情報は事前評価の時点(予算要求前)のものであり、研究の内容や予算額等 は実際と異なる場合があります。
© Copyright 2025 ExpyDoc