1 研究課題名 大麻事犯捜査における科学的検査法の高度化に関する

1 研究課題名
大麻事犯捜査における科学的検査法の高度化に関する研究
2 研究担当者
主研究担当者 岩田祐子
法科学第三部化学第一研究室
他研究員 5 名
3 研究期間
平成24年4月
~ 平成27年3月(3年計画)
4 研究予算
平成24年度 51,442千円
平成25年度 40,000千円
平成26年度 10,000千円
5 研究課題の背景
大麻事犯の検挙人員は、平成 18 年以降 2,000 人台の高水準で推移し続けており、大
学生等の若年層の乱用も深刻なものとなっている。また、最近ではインターネット上
で大麻の種子や栽培キットの販売が行われ、工場や民家等で大規模組織的な密栽培が
行われる等、大麻乱用者への供給源として、国内での大麻栽培の比重が顕著に増加し
つつある状況が続いており、
大麻草の押収本数も平成 21 年に過去最高を記録するなど、
迅速な鑑定対応と異同識別が求められている。さらに、合成カンナビノイドを植物片
等に添加した、いわゆる合成大麻の乱用も広がっているが、合成カンナビノイドの種
類が多いことから分析法は確立されておらず、代謝に至ってはほとんどの化合物につ
いて知られていない。このため、大量押収時における鑑定の迅速化や大麻の異同識別
法、合成カンナビノイドに対応した現場予試験法、精密な鑑定手法等、これら検査手
法の確立が喫緊の課題となっている。
6 期待される成果・波及効果
本研究により、合成大麻を含む大麻事犯における、現場予試験から本鑑定までの科
学的検査全般について、高精度化、高速化が図られる。増加する多様な検査試料に迅
速に対応することが可能となり、都道府県警察科学捜査研究所においても、検査方法
に関する情報を提供することにより、鑑定作業の効率化、高度化を図ることが期待さ
れる。また、現場予試験の特異性向上により誤認逮捕の防止や捜査効率の向上が図ら
れ、押収資料の異同識別による被疑者・事件間の関連性情報の提供も可能となること
から、より有効な犯罪捜査支援が期待される。
7 関連研究の国内外の状況
形態学的検査法の迅速化に関する研究及び合成大麻と大麻の識別を念頭においた大
麻現場予試験法に関する研究の報告は、国内外共に見あたらない。異同識別鑑定法に
ついては、海外において大麻の化学プロファイルを測定した報告が数例あるが、押収
品の異同識別という観点から検討した報告は無く、また国内では化学プロファイルに
ついても筆者らが若干の検討を行っているのみである。合成大麻の分析については、
国内外で十数例あるが、次々と新規の化合物が市場に出回ることから、検討を継続的
に行う必要がある。さらに、合成カンナビノイドの代謝物については JWH-018 以外は
報告されていない。
8 予定している研究交流体制
大学、都道府県警察科学捜査研究所及び薬物取締関係機関の研究者等との情報交換
を行う予定である。また、これまで共同研究等を行ってきた、米国薬物取締局、ドイ
ツ連邦警察法科学研究所等、外国の研究者と交流を深め情報交換を行う。さらに、法
科学研修所における研修を通して、都道府県警察科学捜査研究所及び薬物取締関係機
関の鑑定技術の向上に寄与できるものと考えている。
※これらの情報は事前評価の時点(予算要求前)のものであり、研究の内容や予算額等は
実際と異なる場合があります。