徳川美術館 第3展示室 大 名 の 室 礼 ― 書院飾り ― 平成28年7月12日(火)~9月11日(日) A:7月12日(火)~8月9日(火) B:8月10日(水)~9月11日(日) おもてごてん しょいん 大名の公式行事は、表御殿の「書院」あるいは「広間」で行われた。御殿の各部屋に設けられた飾り付け ちがいだな し ょ い ん ど こ 専用の空間-床の間・違棚・書院床-には、武家の故実にそって各種の道具が飾られた。殿中の飾り付 しつらい けや典礼を「室礼」といい、江戸幕府はその手本を室町幕府の故実にもとめたので、足利将軍家が秘蔵し ひがしやまごもつ からもの ていた「東山御物」を第一に、唐物と呼ばれる中国製の品々を中心とした飾り付け法が規式とされた。 多くの書画や工芸品の産地が中国であっても、それらを飾り道具に採りあげ、とりどりに組み合わせ、調 和の美を創り出したのは室町の武家社会であり、その美意識や価値観は、そのまま江戸時代の大名家に 伝えられた。 № 指定 作品名 作者・所用者・寄贈者等 時代 世紀 期間 広 間 押板飾り 1 太公望・墨竹図 三幅対 徳川光義(光友・尾張家2代)筆 江戸 17 A 2 福禄寿・猫・鹿図 三幅対 伝狩野探幽筆 江戸 17 B 3 青磁燭台 明 16 4 青磁菊花文三ツ足香炉 元 14 5 青磁竹節文中蕪形花生 南宋-元 13-14 6 堆朱牡丹文香合 明 15 A 7 堆朱蓮文香合 元-明 14-15 B 8 火道具 江戸 18 9 古銅饕餮文分銅形花生 明 15-16 彫銘 張成造 一対 違棚飾り 10 古銅鶏香炉 江戸 17-18 11 黒漆鶴鹿箔絵革箱 清 17-18 A 12 紅花緑葉牡丹唐花文沈箱 明 16 B 13 青磁文字文塵壺 元 14 書院床飾り 14 螺鈿人物図軸盆 明-清 16-17 15 古銅雨龍形筆架 元 14 16 雨龍透彫刀子 銘 康継作之 江戸 17 17 霊芝柘榴椿文角軸筆 明 16-17 18 金銅舟乗唐子形文鎮 明 16-17 19 古銅鳥形水注 明 15-16 20 端渓臥牛硯 北宋 12-13 21 蠟石楼閣山水図硯屏 江戸 18 22 紫石卦算 二本一対 江戸 19 23 堆朱騎馬人物図印籠 江戸 19 A 24 堆朱人物虎図印籠 明-清 17-18 B 徳川美術館 第3展示室 № 指定 作品名 作者・所用者・寄贈者等 時代 世紀 期間 25 古銅鳳凰注口仙盞瓶 明 15-16 26 蓮唐草文堆朱盆 彫銘 張成造 元-明 14 A 27 内黒漆外堆朱花形盆 明 15 B 鎖の間 大名家の七夕 7月12日(火)~8月9日(火) 七夕は旧暦七月七日に行われた行事で、江戸時代には五節供の一つとして式日に定められた。この日、江 戸城では諸大名が将軍へ拝賀を行い、各大名家においても家臣が集まり拝賀を行った。また大名家の家族の 住んだ「奥」では、七夕本来の行事であった彦星・織姫への捧げ物が供えられた。 1 菊折枝蒔絵角盥 俊恭院福君(尾張家11代斉温継室)所用 江戸 18 A 2 砂張釣舟花生 東南アジア 16-17 3 管耳雨龍透花生 江戸 17 A 4 桑机 江戸 18-19 A 5 松に園池蒔絵硯蓋 江戸 18 A 6 龍門蒔絵硯箱 江戸 17-18 A 7 松千鳥蒔絵文台 江戸 19 A 8 箏 銘 青海波 桃山-江戸 17 A 9 葵紋散蒔絵広蓋 江戸 19 A 夏の茶事 7月12日(火)~9月11日(日) 夏に催される茶事や茶会では、夏の暑さを遠ざける様々な工夫が行われる。早朝の涼しさを楽しむため、朝 日の昇る前から始まる「朝茶」がその代表である。道具の取り合わせでは、席中の室温を低く保つため、小ぶり の釜が選ばれる一方、広々とした水面を見せるため広口の平たい水指が用いられる。川や池などに浮かぶ船 の連想で釣舟花生が好まれ、口が大きく平たい茶碗は、湯の温度を早く下げることから、夏の茶会に選ばれ る。また青磁や染付・祥瑞の器も、色彩が見た目の涼しさを演出する。 10 端渓北斗七星硯 北宋 12-13 B 11 古銅雨龍形筆架 元 14 B 12 黄銅葵紋唐草彫台子皆具 一式 江戸 19 B 13 唐物茄子茶入 南宋 13-14 B 14 古瀬戸白釉天目 室町 15-16 B 15 五字一行書「山呼萬歳声」 徳川慶臧(尾張家13代)筆 江戸 19 A 16 七字一行書「長松下當有清風」 徳川斉温(尾張家11代)筆 江戸 19 B 17 青磁獅子鈕阿古陀形香炉 明 15-16 18 芦屋達磨堂尾垂釜 江戸 18 19 鶴亀図平水指 樂長入(樂家7代)作 岡谷家寄贈 江戸 18 20 祥瑞阿古陀形薄茶器 徳川斉朝(尾張家10代)所持 明 17 21 珠光青磁茶碗 銘 荷葉 元-明 14 A 22 刷毛目茶碗 朝鮮王朝 17-18 B 23 砂張建水 徳川家康・徳川義直(尾張家初代)所用 近藤家寄贈 東南アジア 17-18 以上
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