奈良教育大学 特別支援教育研究センター ニューズレター

l.6 2013.6 発行
奈良 教 育 大 学
特別 支 援 教 育 研 究 セ ン タ ー
ニューズレター
Vol.9 2016.7 月発行
〒630-8528 奈良市高畑町
TEL&FAX 0742-27-9314
http://cp-support2.nara-edu.ac.jp
E-mail:[email protected]
ごあいさつ
奈良教育大学特別支援教育研究センター センター長
根來 秀樹
みなさま、こんにちは、新センター長の根來(ねごろ)と申します。
自己紹介をさせていただきますと、私は奈良県立医科大学を卒業後、同大学の精神医学教室に入職し精神科
医となりました。民間病院を経て、平成13年に奈良県立医科大学へ戻り、児童思春期外来を担当し、発達障害
の臨床や研究を主な仕事としてきました。児童精神科医として子どもたちと関わっていくうちに教育との連携を考
えないわけにはいかないと強く感じていた時に、縁あって平成21年から奈良教育大学で勤務することになりまし
た。本年度から教職大学院に特別支援教育コースができることに伴い、教育学部から教職大学院へ異動にな
り、同時期にセンター長を拝命しました。
疾患や障害のほんの基本的な知識や対応を知っているだけでもそれから後、その教師が対象となる子どもや
両親への支援をしていく上で大きな自信になると考えてきました。私はこれから教師となる学生に障害の基本的
な知識や対応を私の臨床的経験を踏まえわかりやすく伝えたいと考えています。そのことで教師になった後、学
校の先生(幼稚園も含む)が先に発達障害に気づき、早期から本人に応じた支援を行い、保護者にうまく説明が
なされることで、経過がよくなることもあると思うので、現場の先生の「気づき」と「早期からの本人に応じたかかわ
り」のできる専門性、そして、保護者に寄り添える人間性の育成が大切であると考えています。
さて、奈良教育大学特別支援教育研究センターは平成19年3月23日に設立されました。センターは学校教育
において平成19年度から特別支援教育が本格的に実施されることに合わせて開所されたようです。初代のセン
ター長は岩坂英巳先生で、当時のニューズレターをみると、開所初年度から、相談業務、ソーシャルスキルトレ
ーニング(SST)、ペアレントトレーニング(PT)、研修会、養成講座などを多く開催されています。当センターが従
来は特別な教育支援の対象とはなっていなかった発達障害がある子どもたちへの対応を積極的に考えようとし
た意気込みを感じます。
それから約9年間、岩坂センター長の強いリーダーシップのもと、当センターは地域に根付いた様々な取り組み
を行ってきました。それらを財産として、新たな事業へ取り組む所存です。
センターからのお知らせ
○センターの電話受付時間が変更になりました
【火・水・木曜日のみ(祝日を除く)午前 11 時~午後 1 時 午後 2 時 ~午後 4 時まで】となっておりますので、
お問い合わせの際は上記受付時間にお電話いただくか、メールにてご連絡ください。
○当センター「発達障害支援プログラム」WEB ページが公開されました。指導場面の動画を見ることもできる
「教材情報」ページ、特別支援教育に活用できる「アプリ情報」ページをどうぞご覧ください。
(http://cp-support2.nara-edu.ac.jp/htdocs/)
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平成 27 年度の取り組み
教育相談
・発達相談
 相談件数: 484 件
(内訳:発達相談 282件、教育相談等 9件、集団プログラムのべ 193件)
 相談例
・就学に向けて、今後子どもにどのような支援が必要か教えてほしい。
・読み書きが苦手で、学習面の支援について相談したい。
・学校で着席ができず、他児とトラブルになり困っている。対応について教えてほしい。
…などでした。
・・・・相談のご利用につきましては、当センターのホームページをご参照下さい・・・・
実施した研修会
特別支援教育公開講座
①11/1(日)
一般の方・専門家の方むけ
「発達障害のある子どもの良いところを伸ばす支援」
筑波大学人間系 教授 熊谷恵子氏
②12/6(日)
※第3回特別支援教育セミナーと兼ねて開催
「発達障がいのある人の『働きたい』を支援するために~就労準備性に関する課題とは~」
近畿大学教職教育部
准教授
向後礼子氏
「発達障害当事者の歓喜と苦悩~障害者としての生き易い生き方とは?~」
山陰発達障害当事者会スモステの会
発達障害児者支援サービス スモステ ABA
難波寿和氏
総参加者数 136名
特別支援教育セミナー
①8/7(金)
教員の方むけ
「学びと体・感覚・運動」
京都大学大学院医学研究科
②10/17(土)
准教授
加藤寿宏氏
「発達障害のある子どもの主体性を伸ばす ICT 活用の具体例」
兵庫教育大学大学院学校教育研究科、兵庫教育大学情報処理センター
③11/1(日)
小川修史氏
「発達障害のある子どもの良いところを伸ばす支援」
筑波大学人間系
④2/27(土)
講師
教授
※第 1 回特別支援教育公開講座と兼ねて開催
熊谷恵子氏
①講演「読み書き障害のアセスメントと支援」
平群小学校ことばの教室、特別支援教育士スーパーバイザー、言語聴覚士
村井敏宏氏
②プロジェクト報告とICTスキルアップ講座体験者報告
総参加者数 200名
養成講座
①7 月19 日(日)
専門家の方むけ
ペアレントトレーニング(PT)養成講座
講師:岩坂英巳、大西貴子、式部陽子
20 日(月祝)
②8 月18 日(火)
ティーチャートレーニング(TT)指導者養成講座
講師:実践されている先生方、岩坂英巳
総参加者数 95名
特別支援教育セミナー・セミナー運営委員会
「子どもの学び」「できる楽しさ」をキーワードに4回にわたって教育セミナーが開催されました。第1回は、京都大学
の加藤寿宏先生から感覚統合の視点からお話いただきました。第2回は兵庫教育大学の小川修史先生に「子ども理
解」、「支援方略」、「ICT スキル」の3つのベクトルから、実際に iPad を使った演習を交えてお話しいただきました。そし
て、第3回は筑波大学の熊谷恵子先生より、子どもの良いところを伸ばすための子どもの特性理解、支援の手立てに
ついてお話しいただき、第4回は平群小学校ことばの教室の村井敏宏先生より、読み書き障害のある子どもの理解と
具体的な支援について教えていただきました。第2回の小川先生のご講演と演習は ICT 教材として、当センター会員
ページで閲覧できます。(http://cp-support2.nara-edu.ac.jp/htdocs/) ※会員ページはログインが必要です。ご希
望の方は上記にアクセスして、「会員登録について」をご参照ください。
また、セミナー運営委員会では、様々な校種の先生方にお集まりいただき、「合理的配慮」に関する各学校、地域の
状況や取り組みについて、活発な情報交換、意見交換がなされました。
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平 成 27 年 度
専門プログラム報告
平成 27 年度,奈良教育大学特別支援教育研究センターでは,友達との関わりが苦
ガールズ SST
くらぶ
手な小学校高学年の女の子達のためのグループ活動として,
“ガールズ SST くらぶ”
を行いました。ガールズ SST くらぶでは,コミュニケーションをより円滑に行うため
のスキルを身につけるために、「話を聞くスキル」「話をするスキル」「感情のコント
ロール」を勉強しました。また、女の子に必要な「身だしなみのチェック」について
も学びました。
実践として,おやつの時間に自由に話す「ガールズトーク」を行いました。おやつを食べた後に口の周り
が汚れていないかなど,身だしなみの確認をしました。最終回のクッキングでは,自分たちで何を作るかを
話し合い,レシピの検索,材料メモの作成などの準備をして,みんなで協力してクレープを作ることが出来
ました。終了式では,人前での発表が苦手だった子も,習った発表のポイントに沿ってメンバーの良いとこ
ろを発表できるようになりました。はじめは初対面で緊張もみられましたが,それぞれの学校の話をしたり,
自分の苦手なことを共有し,回を重ねるごとにメンバーの仲も深まったように感じられました。
終了後には,
「恋話やクッキングが出来たことが楽しかった」「怒りのしずめ方がわかった」「こうすれば
良いということが知れて良かった」などの感想を述べていました。
平成 28 年度の予定
研修・専門プログラムについて
ただいま、当センターでは、前センター長退職に伴い事業整理を行っております。そのため、今年度以降、旧来
の形でのグループプログラムや養成講座等は開講の予定はございません。新体制での企画や募集は、決まり次第、
当センターホームページにてお知らせいたしますので、時折ご覧いただけると幸いです。今後ともよろしくお願い
いたします。
特別支援教育研究センター スタッフ
★センター長:根來秀樹(児童精神科医)※教職大学院兼務
★特任准教授:大西貴子(臨床心理士)※教育学部兼務
★特任講師:式部陽子(臨床心理士)
★相 談 員 :宮﨑瑠理子(作業療法士)
小枝久美子(臨床心理士)
★教職大学院兼務教員:玉村公二彦、木下理恵
★教育学部兼務教員:越野和之(副センター長)
★事務:大久保直子、武藤葉子
☆他にも客員教員、研究部員、セミナー運営委員など多くの
現場の先生方にお世話になっています
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センターご案内
センター目的
・特別支援教育における理論と実践に関する研究
・特別支援教育を担う人材の育成
・地域における児童生徒等の教育的ニーズに応じた特別支援教育推進への貢献
【お願い】本センターは教育研究施設として先進的な専門プログラムの開発・実践を行い、本学スタッフの指導のもと大学院生への
実践的技能の養成を行っております。教育・研究へのご協力をお願いする場合は、必ず事前に保護者あるいはご本人に説明し、ご
了解をいただきます。
相談の流れ
○センターWEB「個別相談申込」もしくは、電話申込(0742-27-9314)(※下記曜日の時間帯のみ受付)
(※電話受付の曜日・時間帯が限られておりますので、できるだけ WEB 相談申込をご利用ください)
・対象:幼・少・中・高校生とその保護者、学校園の先生や支援者
・他機関から当センターへのご紹介の場合は、他機関担当者の紹介状や情報提供書をお願いします
・相談申込から原則 10 日以内に、初回日時をお知らせします。
○初回面接(50分)
・初回来談時に、他機関からの紹介状、検査結果などお持ちの場合はご持参ください。
○初回面接を経て、必要に応じて検査・評価を行います。
○検査・評価のみでのご利用はできません。
○検査・評価の結果をふまえて、家庭や学校園での対応についてアドバイスします。
○必要に応じて、継続相談を行い、学習支援や学校園との連携を行います。
お問い合わせ先
奈良教育大学特別支援教育研究センター
住所:〒630-8528 奈良市高畑町(奈良教育大学高畑キャンパス 新館 1 号棟
R-4 1階)
TEL&FAX:0742-27-9314
【火・水・木(祝日を除く)午前 11 時~午後 1 時、午後 2 時~午後 4 時】
メールアドレス:[email protected]
ホームページアドレス:http://cp-support2.nara-edu.ac.jp
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