身近な寄生虫~アニサキス アニサキスとは ~ 体長2~4cmほどの白くて細長い寄生虫です。 魚介類の内臓に寄生しています。 本来ヒトには寄生しませんが,アニサキス幼虫が寄生している生鮮魚介類を食べることで,胃 壁や腸壁に侵入し,腹痛を引き起こすことがあります(アニサキス症)。 アニサキス幼虫 アニサキスは120種を超す魚介類に寄生が確認されています。 患者が発症前に食べた魚としては,タラ,ニシン,イカ,サバ,カレイ,マグロ,サケ・マス類 が指摘されています。 サバ内臓周辺から採取したアニサキス幼虫。 1尾のサバから20匹ほどのアニサキス幼虫 が採取できました。 アニサキスの分類 「アニサキス」とひとくくりに言っても,様々な種類が存在しています。 幼虫の場合は見た目では種類の特定が困難であるため,遺伝子解析を行い分類します。 種名 Anisakis simplex (広義) A. simplex sensu stricto A. pegreffii A. simplex C A. typica A. ziphidarum A. physeteris A. brevispiculata A. paggiae アニサキス症患者から取り出したものとしては, A. simplex sensu strictoが多く,A. pegreffiiも少 数の報告があります。 胃壁や腸壁に侵入している アニサキスを内視鏡で取り除く。 アニサキス症の予防 アニサキス症の予防としては,魚介類の冷凍処理または加熱調理を行うことです。また,アニ サキスは魚の内臓から筋肉へ移行することが多いため,生食するときにはできるだけ早く内 臓と内臓まわりの筋肉部分を取り除くことが,感染防止に有効です。
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