身近な寄生虫~アニサキス~ (PDF:468KB)

身近な寄生虫~アニサキス
アニサキスとは
~
体長2~4cmほどの白くて細長い寄生虫です。
魚介類の内臓に寄生しています。
本来ヒトには寄生しませんが,アニサキス幼虫が寄生している生鮮魚介類を食べることで,胃
壁や腸壁に侵入し,腹痛を引き起こすことがあります(アニサキス症)。
アニサキス幼虫
アニサキスは120種を超す魚介類に寄生が確認されています。
患者が発症前に食べた魚としては,タラ,ニシン,イカ,サバ,カレイ,マグロ,サケ・マス類
が指摘されています。
サバ内臓周辺から採取したアニサキス幼虫。
1尾のサバから20匹ほどのアニサキス幼虫
が採取できました。
アニサキスの分類
「アニサキス」とひとくくりに言っても,様々な種類が存在しています。
幼虫の場合は見た目では種類の特定が困難であるため,遺伝子解析を行い分類します。
種名
Anisakis simplex (広義)
A. simplex sensu stricto
A. pegreffii
A. simplex C
A. typica
A. ziphidarum
A. physeteris
A. brevispiculata
A. paggiae
アニサキス症患者から取り出したものとしては,
A. simplex sensu strictoが多く,A. pegreffiiも少
数の報告があります。
胃壁や腸壁に侵入している
アニサキスを内視鏡で取り除く。
アニサキス症の予防
アニサキス症の予防としては,魚介類の冷凍処理または加熱調理を行うことです。また,アニ
サキスは魚の内臓から筋肉へ移行することが多いため,生食するときにはできるだけ早く内
臓と内臓まわりの筋肉部分を取り除くことが,感染防止に有効です。