伊豆の地域資源を活用した食の都づくりの推進

伊豆の地域資源を活用した食の都づくりの推進
東部農林事務所
活動期間:平成26年~27年
【取組の背景】
観光交流客数推移【過去5年】
1.伊豆北部地域は、全国有数の原木シイタケやワサビな
4300
4200
ど、特徴ある農林水産物が豊富
4100
4000
2.伊豆の観光交流客数は増加傾向
3900
万
3800
観光との連携で農業のビジネス化のチャンス!
人
3700
3600
3.「伊豆はひとつ」を理念に、美しい伊豆創造センター
3500
3400
が発足(平成27年4月)
伊豆全体
3300
H21
H22
H23
H24
H25
H26
4.韮山反射炉世界遺産登録、東京オリンピック開催決定
年
(平成32年)世界ジオパーク認定に向けた準備など伊豆地域の盛り上がり
【課題 ・目標】
1.観光関係者に、地元の食材の特長が浸透して →旅館等関係者に知ってもらい地域内外の
いない
販路を拡大する(推進方向1)
2.観光客への農業農村体験の提供体制が未確立 →都市農村交流に向けた体制づくり
(推進方向2)
3.地域の農林水産物を使った観光土産が少ない →商品開発支援(推進方向3)
普及指導員の活動
○推進方向1 「食材の販路拡大」
1.地元の食材生産者を講師に、旅館(店主、
女将、板長、仲居)、観光ガイド等が参加した
「伊豆 食材アカデミー」講座を開催。講座で取
り上げる食材は「しずおか食セレクション」認定
※
を中心とし、生産のこだわりや他地域との違い
など接客時に活用できる知識を紹介した。
この講座にはこれまでに延べ93人が参加した。
2.在来作物の「大中寺芋」や「イズシ
カ肉」など、地域の特長ある食材の活用
を拡大するため、「食のワークョップ」
開催による食材の普及活動や、イベント
におけるふじのくに食の都づくり仕事人
による料理開発を行った。
【取り上げた食材】
伊豆のワサビ※
伊豆のシイタケ※
天城紅姫あまご※
伊豆鶏業の卵※
特別栽培米 伊豆の恵
土肥の天日塩
イズシカ肉※
天城軍鶏※
図1
27年度初開催
「イズシカフェス」
3.地域の特長ある食材を広くPRするため「しずおか食セレクション」、「ふじのくに新商品
セレクション」の認定を推進した。
○推進方向2 「都市農村交流の促進」
1.一般県民30人を集めたモニターツアーを
開催し、課題を抽出した。生産者とガイド等
の役割分担の重要性が再認識され、ガイドグ
ループや旅行業者との連携体制づくりに取り
組んだ。
図2
モニターツアーの様子
2.地域固有の資源(土肥白ビワ、戸田タ
チバナ等)を保存し、交流促進に活用す
るため関係機関で生産振興方策やマーケ
ティングについて検討した。
図3
地域資源(白ビワ)活用に関する検討
○推進方向3 「商品等開発支援」
1.地元の大学・中卸業者・JAと連携して商品開発ワーキングや、専門家(マーケティング、
調理、デザイン分野)による商品評価会を開催し、売れる商品づくりを推進した。
2.6次産業化の推進に向け、生産者組織や市町職員に対して成功事例や推進手法を紹介する
セミナーを開催した。
具体的な成果
○推進方向1 「食材の販路拡大」
1.食材アカデミーを契機とし、旅館で新たに料理に出す素材
として12件の取引が生まれた(天城紅姫あまご、天城軍鶏、伊
豆鶏業の卵等)。
2.食材アカデミーに参加することにより、旅館で使用してい
る食材に対する理解が深まり、接客時に食材知識を生かした
「おもてなし」に活用されている。
図4
食材アカデミー開催風景
3.食材アカデミーの開催を契機に、修善寺旅館の各板長で組織する修善寺調理師会が、地元の
食材を活用したメニューを検討している。
4.しずおか食セレクションに4件(天城軍鶏、伊豆鶏業の卵、イズシカ、七草)が認定された。
○推進方向2 「都市農村交流の促進」
1.生産者とジオガイドを繋いだことにより、ワサビ加工体験
や農村景観を含めたツアーが生まれ、伊豆半島ジオガイド協
会認定の常設ツアーに登録された。
2.伊豆の高品質なシイタケとワサビ沢の景観を含めたバスツ
アーが商品化され、地元旅行業者主催で催行されることと
なった。
図5
ガイドが栽培方法などを生産者から学ぶ
○推進方向3 「商品等開発支援」
1.シイタケ新商品(シイタケせんべい、文庫本型パッケージの干シイタケ、アワビのよ
うな食感のシイタケ)が完成し、修善寺駅構内・旅館置き土産として販売している。
2.東部農林事務所のセミナー開催等により、各市町単位で地域の6次産業化を進めるた
めの推進戦略策定に向けて動き始めた。
今後の方向
○推進方向1 「食材の販路拡大」
1.食材アカデミーではさらに幅広い食材を取り上げ、伊豆地域の食の魅力向上及び販路拡大
に向けた情報発信を強化する。
○推進方向2 「都市農村交流の促進」
1.観光交流客に効果的に農業・食体験を提供するため、グリーン・ツーリズムに意欲的な人
材を掘り起こし、引き続き、美しい伊豆創造センターと連動した体制づくりに取り組む。
○推進方向3 「商品等開発支援」
1.地域ぐるみの6次産業化を推進するため、市町の戦略策定を支援するとともに、商品評
価会、消費者モニター会を通じて魅力ある商品づくりをサポートする。