6次産業化の推進と賀茂地域の多様な資源の活用(PDF:240KB)

6次産業化の推進と賀茂地域の多様な資源の活用
賀茂農林事務所
活動期間:平成26年~27年
○ 取組の背景
賀茂地域は、温暖な気候や立地条件を生かし、特徴的な農産物が生産されるとともに、
年間を通じて多くの観光客が訪れる全国的にも有数の観光地である。
そこで、地域の豊かな地域資源や多彩な魅力を発信するとともに、より多くの観光客や
消費者の心を捕らえる商品やサービスの創出など、地域資源を活用した6次産業化に
よる地域社会・産業の活性化を推進する。
○ 課題・目標
限られた農産物で多くの利益を上げるため、生産・加工・販売を一体的に行う6次産業
化への取組が課題であり、農業者が生産から加工販売まで一貫的に取り組む強い経営
体の増加と、異業種間の連携による農産物の高付加価値化を図る。
普及指導員の活動
○推進方向1 「異業種交流による販売額の拡大」
■地域ネットワーク会議の開催
農林漁業者、市町、農協、商工会等だけでなく、観光協会や教育機関も含めた異業種
の団体で構成する「賀茂地域資源活用促進連絡会」を組織するとともに、定期的な情報の
共有化や各団体間の連携強化
■農林漁業者のサポート
6次産業化サポートセンターの専門企画推進員や専門家の派
遣を通じた案件の発掘や個別相談、フォローアップの実施と計画
策定や事業化の支援
■交流会の開催
食の都づくり仕事人と連携し、地元食材を使用した創作料理や
新たに開発された加工品の取組事例紹介、試食を通じた地元で 地元食材を使用した創作料理
の利用拡大等についての検討、意見交換
○推進方向2 「自生植物(賀茂十一野菜、河津桜等)の生産拡大と需要創出」
■「賀茂十一野菜」の安定供給と利用拡大
伊豆半島南部に多く自生する食用可能な自生植物の中で、か
つては野菜として食膳に供していたと思われる11種類の有用な
植物を、「賀茂十一野菜」と命名し、試食会等を通じた生産者と
利用者のマッチングや地域での利用方法等について検討
■河津桜の生産拡大
多くの観光客で賑わう「河津桜まつり」において、「河津桜」切枝
賀茂十一野菜
販売の可能性と提案について、河津町役場と検討を行うとともに、
生産者、観光協会等の関係者に新たなシステム(生産、販売方法
等)の提案
■桑の生産販売強化支援
かつて養蚕が盛んであった松崎町において、桑の生産や葉の粉末を活用した商品開発
への取組が開始され、専門家派遣等を通じて新商品開発やパッケージデザインの改良や
商談会への出展支援
普及指導員の活動
○推進方向3 「ニューサマーオレンジの経営の安定化 」
■ニューサマーオレンジの出荷期間の拡大
早期収穫同時せん定技術の効果を調査するとともに、
早期収穫、冷風貯蔵を行った果実について収益性を検討
■‘はるひ’の普及推進に向けた取組
品種特性を解明するため、栽培状況調査を実施したほか、
ブランド化推進のため、6次産業化アドバイザーの派遣及び
消費者アンケートを実施し、検討会を開催
はるひの加工方法の検討
具体的な成果
○ 「異業種交流による販売額の拡大」
■6次産業化等の新規取組件数の増加
商品開発や農家レストランの開設等、6次産業化の
取組が年々増加
■農商工連携による新商品開発
地域の代表的な資源であるニューサマーオレンジや
河津桜では、 農商工が連携した新商品が誕生
「ニューサマーオレンジビール」
JA伊豆太陽と御殿場高原ビールのコラボ商品
○ 「自生植物(賀茂十一野菜、河津桜等)の生産拡大と需要創出」
■賀茂十一野菜栽培管理指針の作成
生産量が増加している6品目について指針を作成、栽培面積が増加(18→21a)
■桑の栽培面積増加、新商品の開発
耕作放棄地の解消による栽培面積の拡大(45→70a) と桑葉粉末を使用した商品開発
(茶、パン、かりんとう、ソバ等)
企業組合の設立や直営店の開設による就業の場づくりの実現
桑葉茶
○ 「ニューサマーオレンジの経営の安定化」
■収益性、栽培量の増加
栽培方法等の改善、品種特性の把握等に
よる収益性、生産量の拡大
(はるひ生産量0→2トン)
企業組合の直営店
専門家の支援によ
り作成されたはる
ひ
出荷用ダンボール
のデザイン