[取材] 難 波 先 生 を 中 心とし たスタッフ は も とよ り 、学 生 た ちの研 究 も 高 n o i t a t S m e h C も 136年 会 」 で優 秀 発 表 賞(口頭 ) できません。 いためにアルカリ性土壌では生育 植物は、ムギネ酸などの分泌が低 ます。しかし他の多くのイネ科の 能を持った蛍光性分子の開発が求 詳細に分子を光らせる、新しい機 や薬学のさらなる進歩には、より れているものがありますが、化学 です。この方法はすでに実用化さ 見えにくいものを可視化する技術 に印を付けたり光らせたりして、 で、私たちのことをよく理解して ります。中山先生は年齢が近いの 導も丁寧で学ぶことがたくさんあ とで力がついたと感じますし、指 し、そのような心構えを見習うこ 常に真剣かつ厳しい方です。しか 「難波先生は、研究に関しては非 前後の学生が研究に励んでいます。 最 も 合 成が 難しいとさ れている 天 然 物の一つとして有 名 な「 海 洋 性ア ) 」 の化 学 合 月には大橋栄作(おおはし えいさ 今 回 の ナ ビ ゲ ー タ ーの 中 山 さ ん も 、本 年4月に「 日 本 薬 学 会 第 新たな抗がん剤への挑戦 います。 く) さんが本学の長井賞を受賞して ニュースでも取り上げられました。 成に成功したもので、 NHKのテレビ ルカロイド( e n i m a ' u a l a p 受 賞していま す 。同学 会は、本 年は 先生は、イネが鉄分を取り込む ときに必要とする「デオキシムギ められています。 を与えてくれる良き先生です」 研究室へようこそ 活躍する若い研究員に 高い評価 い評価を受け、様々な方面から表彰 究が日本最大の化学ポータルサイト 洋天然 物パラウアミンの全 合 成 」研 2月に、竹 例えば本 年だけでも 、 内公平(たけうち こうへい) さんの 「海 する研究室です。 さ れた り 、論 文が著 名 な 雑 誌で紹 有機合成化学とは平たく言えば、 介されているという、世界にも 通用 自 然に存 在 す る もの(天然 有 機 化 合 物) を化学的に合成することですが、 例えば希少価値のある高価な天然 資源(薬品) などを 効率よく、 かつ低 コストで作 り 出 すこと を 目 的に研 究されていま す。 この分野の進歩は 1万 名 近 くの参 加 者が あ り 、 口頭 ネ酸」という物質の実用的な合成 難波研究室では、「トリアザペ ンタレン類」という物質がコンパ と中山さん。年に一度の研究室旅 」 のスポットライト 「 部門は531の審査演題中、 題に 生育に劇的な効果があることを証 クトでありながら強い蛍光を示す 行や有機系研究室対抗のソフト - 中 山さんの研 究テーマとは「TA K 1阻害剤(LL Z1640 2) の (なかやま しんいちろう) 目覚ましく、すでに多くの化合物が 用 を もつ化 合 物 を 、新 た な 方 法で 明しました。また、鉄の吸収機構 優れた蛍光発色団であることを世 ボール大会、花見やコンパなどオ - 不斉全合成」。簡単に説明しま すと、 法を確立し、デオキシムギネ酸が 中山 慎一朗 リサーチで紹介されました。 これは 人工的な合成に成功したものです。 を解明するためにムギネ酸のプ 界に先駆けて発見。簡便な合成法 フは仲良くにぎやかな研究室です。 アルカリ性土壌でもイネ科植物の ◎ナビゲーター 薬科学教育部 創薬科学専攻 博士前期課程 1年 作られていま すが、 それにもかかわ らずまだ まだ 人工合 成 困 難かつ複 雑な 構造の天然有機化合物が存在 します。 「この研 究は 、医 学 部・歯 学 部と 共 ローブ化法にも成功しています。 を確立しました。 TAK 1阻 害 剤 という 抗がん 作 大学院医歯薬学研究部 薬科学部門統合医薬創製科学 有機合成薬学 3 教授の 難波康祐(なんば こうすけ) 研 究 室では 、複 雑 な 生 物 活 性天然 有機化合物を効率良く合成するた めの新規合成手法の開発を行い、 こ れを基軸とした「全合成」研究に取 り 組 んでいま す 。全 合 成 とは 単 純 な ものから複雑な 化合物を 作るこ とですが、複雑な 過程を 簡易的に、 かつコストダウンさせていくことは 同で 行ってお り 、新 た な 抗 が ん 剤 開発されたデオキシムギネ酸の 非常に難しいとされています。 の創 製へ大 き な 期 待が 寄せられて 対しての授賞となりました。 いま す。現在、難波教授、中山助教、 研究については、昨年 月にNH これは色調も自在に制御できる Kのニュースでも紹介されました。 という画期的なもので、実際に黄 t i j n a r a K a t i g n a S t i j n a r a K ( カランジット・ サ ン ギ ー タ )特 任 助 教 ( ネ パ ー ル )の 指導と、佐藤奈々 (さとう なな) 技術補佐員のサポートの下、 名 くださってます。目指すべき指針 特任助教のご指導の下、毎 色蛍光分子が蛍光標識試薬として より小さな分子をマークせよ 難波研究室は、中山淳 (なかや ま あ つ し )助 教 、 4 月 に 着 任 し た 大所帯でわきあいあいと 開発にも成功しています。 また難波研究室では、世界で3 例目となる単分子白色蛍光分子の ます。 光観察にも成功して注目されてい ます。さらに生きた細胞内での蛍 日本の試薬会社より発売されてい 日楽しみながら研究活動に取 り 組 んでいます」 と語る中山さん。 日本薬学会第136年会優秀発表賞を授賞した中山さん 世界を救う、次世代農薬への 12 プローブ化法とは、特定の分子 挑戦 難波先生が現在情熱を傾けてい るのが次世代農薬の開発です。全 世界の陸地の約7割は農耕に適さ ない土壌で、さらにその半分はア ルカリ性の強い不良土壌であると 言われています。この土壌では植 物は根から鉄を吸収できずに枯れ てしまいます。しかしイネ科のオ オムギは「ムギネ酸」を根から分 泌し、アルカリ性でも効率良く鉄 イオンを吸収する構造を持ってい 20 71 - 9 10 新しい化学が天然の物質を創造していく 化学合成の限界に挑む若き研究者たち 難波教授 (左) 中山助教 (右) と -
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