ロッシーニ/歌劇「ウィリアム・テル」序曲 ジョアキーノ・ロッシーニ(1792

■ロッシーニ/歌劇「ウィリアム・テル」序曲
ジョアキーノ・ロッシーニ(1792-1868)の書いた最後のオペラである「ウィリアム・テ
ル」は、13世紀スイスの独⽴運動を描いたシラー原作の物語。息⼦の頭上にリンゴを乗せ
て⽮で射落とすシーンが有名だ。上演時間が5時間にものぼる大作なので、あまり上演され
る機会に恵まれてはいないものの、序曲、とくに最後の⾏進の部分は⻄部劇からアニメ、バ
ラエティ番組といろんな形で引用、転用されている。
序曲はオペラのシーンに関連のある4つの部分からなる。第1部「夜明け」アンダンテは
チェロの独奏で始まり、温かみのある五重奏でスイスの明け方が描かれる。第2部「嵐」ア
レグロで拍⼦が2拍⼦になり、全合奏で風すさぶ激しい嵐の描写となる。ここには独⽴運動
の戦に向かうスイスの⼈たちの隆起が暗⽰されている。ティンパニの雷鳴が残り、やがてフ
ルートに導かれて第3部「静寂」アンダンテへ。イングリッシュ・ホルンによる牧⼈の笛の
楽想が平和な情景をほうふつとさせる。第4部「スイス軍の⾏進」アレグロ・ヴィヴァーチ
ェに⼊ると、トランペットの独奏に始まる序奏に続いて、おなじみの⾏進曲が始まる。⾰命
の勝利を祝うスイス軍の⾏進と⼈々の歓喜の様⼦が表現されている。
白石美雪
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