ハンガリー税務ニュース

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ハンガリー税務ニュース <No.2>
R&D活動に関する直接費の追加控除(法人税、地方事業税、技術革新税の低減)
制度概要
納税者の一部活動がR&D活動と認定された場合に、その活動に関する直接費を、法人税、地方事業税、技術革新税
(Innovation Contribution)算出に際して追加(2回)控除することが認められる。
1.R&Dの認定
• R&D活動の認定はHIPO(Hungarian Intellectual Property Office)に
よって実施される。
Q4:ハンガリー拠点が、グループ会社のために研究開発を実施しているが、
R&D活動と認定され得るか?
2.R&Dの定義
≫認定され得る。仮に研究活動の成果が、提供先のグループ会社で資産
化される場合でも問題ない。
• 法令上の定義は不明確だが、一般に日本人がイメージする「研究開
発」よりは広い。
Q5:QCサークル活動を実施している。結果は、製造や品質管理ノウハウと
して結実していると考えるが、R&Dと認定され得るか?
• 認定実務動向を勘案して、適用可能性を検討すべき。
≫これまでの認定事例を見る限り、製造技術開発は認定は難しい。
3.認定の実務動向(Q&A)
4.税額低減効果
Q1:テスティングの結果が次世代製品、新製品に活用されているが、R&D
と認定され得るか?
認定されたR&D活動の直接費×税率(法人税:約19%、地方事業税:~2%、
技術革新税:0.3%)
≫認定の可能性がある。ただし、テスティングの結果が次世代製品・新
製品などの開発に相当程度寄与していることが必要、認定を得るために
はテスティング後のプロセスを適切に説明する必要がある。テスティン
グのみであれば認定は難しい。
• 直接費:R&Dに使用された機材の減価償却費、従事する従業員の人件費、
水道光熱費等
Q2:ハンガリー拠点には開発能力がないので、欧州顧客向けの新製品開
発は、日本本社で行い、その対価を支払っているが、R&Dと認定され
得るか?
≫一義的に知的財産権の所有者がグループ会社であっても、条件に合致
すれば、認定の可能性がある。ただし、委託先はハンガリー国外である
必要がある。
5.PwCのサポート(例):成功報酬ベース(一部定額報酬)
支援ステップ(例)
1
初期診断(取得可能性と税額低減効果の評価)
2
R&D活動の情報収集および申請書作成
3
申請書の提出および事後フォロー
4
(R&D認定が取得できた場合)
追加控除対象費用を精緻に特定 (必要に応じ税務当局よりルーリ
ング(拘束的税務裁定)を取得など税務リスク対応を実施)
5
修正申告書作成支援、還付手続き支援
Q3: R&D活動のコストが無形資産に計上されることは認定の要件か?
≫要件ではない。資産化されることが、R&D活動の実在性を主張する上で
有効なのは確かだが、不可欠ではない。
※本資料は2016年4月現在の制度に基づき、制度の概要把握を優先して作成しておりますので、厳密性において不十分な記述がございます。よろしくご了解の上、個別具体的な実施にあたりましては専門家へ確認することをお勧めいたします。
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This content is for general information purposes only, and should not be used as a substitute for consultation with professional advisors