Page 1 野本和幸先生の和辻哲郎文化賞受賞を祝して 1 野本和幸先生

1
野本和幸先生 の和辻哲郎文化賞受賞 を祝 して
野本 和幸 先 生 の和 辻哲 郎 文 化 賞受 賞 を 祝 し て
石神
豊
(
人文学会会長)
こ のた び 第 二十 六 回 (二〇 一三年度 ) の和 辻 哲 郎 文 化 賞 を 本 学 の野 本 和 幸 名 誉 教 授 が 受 賞 さ れ ま し た 。 創 価
大 学 人 文 学 会 の元 会 長 でも あ り 、 現在 は名 誉 会 員 であ る野 本 先 生 に対 し て、 こ こ に心 か ら の祝 意 を 表 す るも
の です。
和 辻 哲 郎 文 化 賞 は 昭 和 六 十 三 年 度 に 和 辻 哲 郎 生 誕百 年 を 記 念 し て姫 路市 が創 設 し た 賞 で、 一般 部 門 と 学 術
論 理 主 義 と 意 味 論 の原 型 ﹄(
二〇 一二年九 月発刊、勤
部 門 と から なり ま す 。 各 部 門 そ れ ぞ れ 年 間 の最 優 秀 作 品 (
著 作 物 ) が授 賞 対 象 と な り ま す が 、 今 年 度 は 学 術
部 門 にお いて野 本 先 生 の著 で あ る ﹃フレ ー ゲ哲 学 の全 貌
草書房)が受 賞作 品 と なり ま し た。
本 賞 は歴 史 と 共 にそ の評 価 が 高 ま り 、 現在 は人 文 分 野 に おけ る国 内 で の最 高 評価 をも つ顕 彰 だ と いえ ま す 。
2
授賞 の理由 と し て ﹁フレ ーゲ 哲 学 の ﹃
全 貌﹄を 明 ら か にし た本 書 は、稀 に見 る ス ケ ー ル の大 き な研 究 書 であ り 、
一部 の分 析 哲 学 の専 門家 だ け のも の では な く 、 言 語 に関 心 のあ るす べ て の人 々 に読 ま れ る べき 汎 用 性 のあ る
テー マを 扱 って いると いう 点 で、 ま さ に 和 辻 哲 郎 文 化 賞 に ふ さ わ し い哲 学 書 であ る﹂ と 述 べ ら れ、 選者 の評
にも ﹁我 が国 、 あ る いは世 界 の フレ ー ゲ 研 究 の 一大 金 字 塔 で あ り、 今 年 度 のわ が 国 の思 想 哲 学 の好 著 秀 作 の
中 でも ひ と き わ抜 き ん出 た 達成 ﹂ と あ り ま す 。
野本 先 生 の履 歴 や 業 績 等 に つ いて は、 二 〇 一〇年 三 月 の ﹃
人 文 論 集 ﹄ 第 二十 二号 に詳 し く 紹 介 し てあ り ま
す ので こ こ では 省 き ます が、 二〇 〇 一年 に大 江 (
大 出 )晃 先 生 の後 任 と し て本 学 に赴 任 さ れ て以 来 、 二〇 一〇
年 三 月 に いた るま で本 学 文 学 部 教 授 と し て現 代 哲 学 、 論 理 学 を 担 当 さ れ て こ ら れ ま し た 。 現 在 は 非 常 勤 講 師
と し て学 部 、 大 学 院 で教 え ら れ て いま す。 近 年 、 目 を患 わ れ た 中 で の ご執 筆 に は 言 辞 を 絶 す る も のが あ った
の では と 拝 察 いた し ま す 。 先 生 の、 学 生 や院 生 諸 子 に 対 す る熱 心 な ご指 導 と そ の感 化 の深 さ を 思 う と き 、 真
の教育 と は た ゆま ぬ 研究 の努 力 こそ が あ って成 り 立 つのだ と の思 いを 抱 か ざ る をえ ま せ ん。
創 価 大 学 人 文 学 会 会 員 一同 と いた し ま し て、 先 生 に は今 後 も ご健 康 に留 意 さ れ 、 ぜ ひ永 く 教 育 、 研 究 に お
け る ご指 導 を いた だ け ま す よう 念 願 す る次 第 です 。
*参照資料 "﹁
第 二十六回和辻哲郎文化賞受賞作発表資料﹂(
姫路市)