不易流行vol.28「パーソナル・サービスによる経営支援②

2016.7.4 (vo128) パーソナル・サービスによる経営支援②
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発行:有限会社 C3
不易流行
(経営支援機関の役割と責務)
TE:077-524-7755
文責:田中義郎
パーソナル・サービスによる経営支援②
なぜ、パーソナル・サービスによる経営支援か。前号(vol.27)をお読み頂いた方々から、
思いがけずさまざまな反響がありましたので、今回はその続編である。
前号で、中小企業(小規模企業を含む)の経営は(経営者の)パーソナルで行われている。
マネジメントは経営者のパーソナルを支える手段(ツール)に過ぎないと述べた。
経営支援の原点は、経営者の本音を引き出し、本音で語り合うこと。経営者が口に出
したくない「悩み」まで引き出さないと、経営の実態は見えてこない。従って、経営支援
担当者(支援者)により必要なのは、マネジメントの知識ではなく、自らのパーソナルを
磨くことなのだ。繰り返すが、マネジメントの知識で迫っても、経営者は心を開かない。
パーソナルを磨く
好きで好きでたまらないもの、時間の経過を忘れて夢中に取り組めるもの、どんな犠牲
を払っても手に入れたいもの、自分が最も得意なもの、来る日も来る日も取り組んでも
飽きないもの、何時間しゃべっても話が止まらないもの、生涯を通して深め続けたいも
のなど、これがパーソナルだ。
ご承知の通り、パーソナルは顔、形、性格や指紋のように、一人ひとり固有のもので
ある。100 人いれば、100 のパーソナルがある。知力だけでなく、性格や習慣、価値観
や人生観などさまざまな要因で構成された、一人ひとりの独自性だと理解している。
苦手なマネジメントの勉強をするより、好きで好きでたまらないジャンルのものを磨
いた方が楽しい。少々多忙でも毎日磨くことが苦にならないはずだ。少しの努力でもそ
れが日課になれば、日々の生活に潤いと新しい「流れ」ができる。「やる気」が台頭し、徐々
に人生の流れを変えていくはずだ。
人間はともすれば惰性に流されやすい。日常業務に追われていると惰性に流されてい
ることすら気がつかない。「あなたのパーソナルは何ですか?」「好きで好きでたまらな
いものは何ですか?」、この質問に即答できなければ「惰性の人生」を送っていることに
なる。「惰性の人生」では「成長」は望めない。経営者との信頼関係も構築も不可能だろう。
支援者として使命を果たすことも困難になる。それだけではない。これからどんな人生
を歩むのか。歩みたいのか。「惰性の人生」からは、未来は何も見えてこない。
人生も仕事もまずパーソナルありきなのだ。今一度、自分のパーソナルを突き止める。
そして、パーソナルを「軸」に両輪(人生と仕事)を回転させる。経営支援業務の土俵に上
がるのは、それからである。
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「流行」は時の経過とともに「不易」になり、不易は次の流行(流れ)を生み
だす礎になる。両者は対立概念ではなく「表裏一体」の概念である。