四方山話(まあ、そうは言っても…) 前回の通信で、漢字テストをがんばっている子どもたちの様子を紹介しました。今も引 き続き、毎日の 10 問テストに悪戦苦闘中です。テストを始めた頃は、 「30点やったあ(が ーん)」「ペナルティ八百文字やあ・・・(泣)」といった叫び声があちこちから聞こえてい たのですが、最近は、「また百点や!」「ペナルティ、百文字しかないんで!」といった満 足げなつぶやきがよく聞こえます。少しずつ書く力になったり、覚えないといけないとい う意識が芽生えたりしてきているのかなと感じます。しかし、つぶやきの中から「百点と ったらお小遣いもらえる!」 「いい点が続いたらゲームがたくさんできる」そんな声も聞こ えてきます。職業柄でしょうか?「あんまり、もので釣ってほしくないなあ。」「できた喜 びが次の意欲へとつながってほしいんだけどなあ」とつい思ってしまいます。が、よくよ く考えると、それって教員独特の綺麗事感覚なのかも?という考えが頭をもたげてきまし た。もうすぐリオオリンピックが開催されます。日本選手団にも、一つでも多くのメダル をとったり活躍したりしてほしいなと思います。調べてみると、金メダルには 300 万円の 報奨金がでるそうです。また競技によっては、選手会からプラス3000万円という報奨 金もあるのだとか。 (情報が最新ではないかもしれません)当然、メダルそのものへの挑戦 が一番の原動力だとは思いますが、報奨金がでることで、モチベーションが下がるという ことはないと思います。そういった限られた人たちの話ではなくても、われわれ大人もや はり、もので釣られる(表現は悪いかもしれませんが)ことはよくあるのではないでしょ うか?例えば仕事!「がんばったから給料が増える!」 「より責任のある役職をまかせても らえる」どちらも外発的な要因ですよね。大人でも、そういう外発的な要因によって意欲 が左右されている面がある(それが全てではないですよ)のに、子どもにだけ、綺麗事を 求めるのは、ちと虫が好すぎるかなあという気もします。 「人としてこうあるべきだろ!こ どもたち!」なんて話をわたし(教員)はよくします。決して間違ったことではないし、 生き方のひとつのモデルを子どもたちに示すことは大切なことだと思います。しかし世間 様の感覚を常に意識しておかないと、世間知らずな綺麗事のみ指導する輩になってしまう かもしれません。人とともに生きる上で大切なこと、毎日の生活の中で自分がやるべきこ とはこれからも指導を続けていきますが、 「まあ、そうは言っても…」という遊びやゆとり の部分をもちながら、四角四面の指導にならないよう気を付けていきたいと思う今日この 頃です。
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