サスティナビリティーとマーケ ティング 循環可能なマーケティング 1 1950年から2000年の規模拡大率 人口 2.4倍 自動車台数 10.3倍 石油の消費量 7.3倍 発電量 21.0倍 小麦の生産量 4.1倍 パルプの生産量 14.3倍 アルミニウムの生産量 15.3倍 2 富の集中 • もっとも豊かな20% – 80%の所得を手に入れ – エネルギーの60%を使用 • もっとも貧しい20% – 2%の所得 • 現在の経済成長の仕組みでは貧富の差は拡 大 3 富の集中 エネルギー 60% 所得 40% 80% 18% 2% 人口 20% 0% 60% 20% 上位 40% 中位 20% 60% 80% 100% 下位 4 経済成長のもたらすもの • 化石化燃料や金属などの大量の地下資源を 採掘 • 森林・家畜・漁業などの資源を大量に消費 • 地球の浄化能力を超える廃棄物と有害物質 を排出 • 地球規模の環境問題が発生 5 今後の成長の余地 • • • • • • • 2050年の世界人口は91億人(推定) 穀物生産能力が不足 エネルギー資源・鉱物資源は枯渇・価格高騰 地球温暖化・環境破壊の進行による混乱 世界経済の規模拡大には限界がある 物資的成長が永続することは不可能 上限は地球生態系の能力による 6 仕組みの変更が必要 • 経済の物理的な規模の調整が必要 – 地球温暖化物質の削減 – 脱物質化 – 廃棄物削減 • 「量的拡大・成長第一主義」から「質的発展・ 福祉の向上」を目指す社会へ 7 サスティナビリティの意味 • 「持続可能性」と訳される • 現状を放置しておくと望ましくない状態になっ てしまう • 望ましい状態を続けていくための可能性や方 法を探り • それを実行していく過程 8 「環境と開発に関する世界委員会」の 定義 • 「持続可能な発展とは将来世代がそのニーズ を満たす能力を損なうことなく、現在世代の ニーズを満たす発展である。」 • ニーズの充足に当たって – 世代間の公平と先進国・途上国の公平を確保 – あらゆる意思決定において環境と資源に配慮 9 小宮山宏・武内和彦の定義 • サスティナビリティとは地球環境を破壊せず、 人間の尊厳を損なわず豊かな人類社会を持 続させていくこと 10 持続可能な社会の4つの条件 ① 生物圏の中で、地殻から掘り出した物質の 濃度を増やし続けてはならない ② 生物圏の中で人工的に製造した物質の濃度 を増やし続けてはならない ③ 自然の循環と多様性を支える物理的基盤を 破壊し続けてはならない ④ 効率的で公平な資源の利用を図らなければ ならない 11 バックグランド • ソーシャルマーケティング – – – – – 1970年前後に認識 「成長の限界」 経済成長第一主義の副産物への批判 社会的責任論 社会とのかかわりの理論と実践 • 環境マーケティング – 1990年前後 – 地球環境問題への広範囲の関心と圧力の高まり – 環境対応の理論と実践 12 サスティナブル・マーケティング • 2000年前後 • グローバリゼーションの進展による負の側面 や様々な問題への取り組み • マーケティング活動における環境負荷の低減 と環境保全・環境貢献を図る • 利害関係者への配慮 • 経済的側面・社会的側面・環境的側面を重視 • トリプル・ボトム・ライン・アプローチ 13 経済と環境の二律背反性 • 環境や社会に配慮する活動にはお金と時間 がかかる • 環境への取り組み姿勢 – 本来のビジネスで利益が出たら行う – ビジネスにプラスになるなら行う – 批判されない程度に行う • 経済と環境はトレードオフ 14 トリレンマ 経済 Economy 環境 Environment 資源 Energy 15 サスティナブル・マーケティング コンセプト • 顧客・環境・社会からの要請を利益を上げか つ持続可能な方法で明らかにし、予測し、充 足させることに責任をもつホーリスティックな マネジメント・プロセス • 「技術―経済」の視点と「社会―環境」を両立 • ホーリスティック(全体的)な視点を重視 16 サスティナブルマーケティングの特徴 • • • • 無限に継続する視点に基づく 顧客・環境・社会に焦点を当てる 環境と社会は本質的価値を持つ 地球的な問題として焦点を当てる • ビジネスすべての領域にかかわる内容を取り 扱う 17 サスティナビリティ・マーケティングの 課題 • 自社の持続可能なマーケティングと自然環境 や社会の持続可能な発展を別々のものとし てではなく、同じ活動軸に乗せること • サスティナビリティ課題への対応が自社の生 存・発展の可能性を高め、高い企業価値と強 い競争力を獲得 • 企業が社会・環境価値の創造に貢献すれば するほど、自社の企業価値が向上する関係 18 社会・環境価値の創造例 • 未解決の環境問題・社会課題への対応の推 進 • 満たされていない現代世代の基本ニーズの 充足 • 将来世代の生存・発展可能性が向上 • 健全で安心・安全な社会の実現 • 希望・夢・感動・幸せ・充足感のある生活 19 企業価値向上の効果 • • • • • 新しい市場の開拓 自社製品がより売れるようになる 顧客ロイヤルティが向上 ブランド価値の向上 士気が高く忠誠心の強い人材の確保が可能 20
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