「淡路市未来創造プランニング事業」 「淡路市夢舞台サスティナブル・パーク」創造事業 マスタープラン (概要版) 平成 27 年 3 月 淡路市 淡路市未来創造事業 「淡路市夢舞台サスティナブル・パーク」創造事業 マスタープラン 目次 まちづくりの基本構想(Grand Vision)...................................................................................3 1. 1.1 まちづくりのコンセプト...................................................................................................3 1.2 まちづくり事業としての取組み.......................................................................................6 まちづくりの基本計画(Master Plan) .............................................................................10 2. 2.1 医療・福祉ゾーンの計画................................................................................................. 11 2.2 企業誘致ゾーンの計画.....................................................................................................12 2.3 住宅ゾーンの計画.............................................................................................................14 2.4 商業ゾーンの計画.............................................................................................................20 1. まちづくりの基本構想(Grand Vision) まちづくり構想を進めるにあたって、サスティナブル・パークは、医療関連施設、生産 施設、住居・商業施設と幅広い施設で構成されています。さらに南側に隣接する県関連施 設及び民間施設(ホテル等)を含む地域全体を構想の対象とすることで、一体感のある地 域の中核となるまちづくりを目指します。 1.1 まちづくりのコンセプト (1) 計画の考え方 ア. あわじ環境未来島構想における位置づけ あわじ環境未来島構想の目的「生命つながる‐持続する環境の島」とは、平易な言 葉で訳せば「島に多く人が集まり幸せに暮らし続けられること」です。 豊かな自然と日本有数の歴史、文化を持ち、大都市神戸へも近接しているポテンシ ャルに加え、環境未来島構想が定めた3本の施策「暮らしの持続」 「農と食の持続」 「エ ネルギーの持続」により淡路島の魅力は更に深まっていきます。 これらの施策は恵まれた生活圏の社会的必要条件であり魅力的な手段であると言え ますが、これだけでは人が望む複雑で多様な幸せを実現する十分条件とはなりません。 多くの幸せを叶えられるまちづくりには全体を束ねる基本となる思いが不可欠であ り、この思いが土地に根付き、ここで生きる人々のアイデンティティと重なったとき に真の意味で持続的な社会を築くことが出来ます。 あわじ環境未来島構想を進めていくにあたり、基本的な「島のデザイン思想」とし て「自由時間都市」の思想を提唱します。自由時間都市とは、「自由時間に、お金をか けず、家族や友人とリゾートライフを豊かに楽しむことが出来る場所づくり」と言わ れ、1980 年代のフランスやドイツで生まれたまちづくりの考え方です。 図 1-1 あわじ環境未来島構想におけるサスティナブル・パークの位置づけ 3 イ. 新しいまちづくりの概念 近年、世界の主要先進国では郊外化により広がったまちを伝統的なコミュニティー が持つ価値によって再構築することを目指す都市設計論:ニュー・アーバニズムが実 践されています。 コンパクトな市街地形成と複合利用、公共交通の重視、個性的なテーマを持った地 域再生など、都市デザインにおいて社会的な潜在需要を先取りした体制を整える新し いまちづくりや都市再生を、サスティナブル・パークにおいて実践することで、国内 における先進的な地域創生モデルを目指します。 また、サスティナブル・パークでは、以下に掲げる魅力をさらに創出するための取 組みを行います。 ・国際にも準じた医療観光のほか、国内外からの旅行など各種ツーリズムへの対応 ・多様な魅力向上による県内外からの移住動機、生活者への訴求力向上 ・企業誘致による新規雇用の創出 ・家族構成、所有や賃貸等、多様なニーズに応えつつ資産価値の向上を目指す ・高校以上の良質な教育機会の整備 ウ. 新しいまちづくりを統合する思想の創出と共有 これまで本市では、様々な施策を推進してきましたが、それらを今後より効果的な ものとするため、産学官金の連携により活動のベクトルを合せていくことであり、そ のためにタウンアイデンティティとしての「まちづくりの思想」を明確にします。 エ. 事業の推進体制 サスティナブル・パークの推進体制は、地域の事業者や住民が主体となって構築さ れることが重要です。本市は、企画から運営に至るすべての過程において、必要な助 成制度の創設、法令に関する整理及び関係者間の体制づくりを推進します。 利益を地域に還元するという観点から、SPC(特定目的会社)への出資者、運営者は、 地元事業者を優先的に活用することを原則とします。特に、資金調達は、地域の金融 機関(淡路信用金庫、淡陽信用金庫等)が、その中心となることを想定しています。 一方で、個別専門分野においては、知見や経験の活用の観点から、全国規模の事業 者(コンサルタントや専門メーカー)の活用も視野に入れて地元の活性化に活かして いきます。このとき、コンサルタントには、国や自治体の支援や優遇策等を含めて、 出資者や融資者が資金を提供しやすい計画を企画及び立案することを求めて行きます。 4 (2) まちづくりの構想(体制とフロー) サスティナブル・パークが継続的に発展していくためには、都市経営がとても重要 となります。そのため本市を主体とし、プロジェクトの企画開発段階から民間の参加 や提案を求め、事業内容を含めた募集要項を作成し事業者を公募します。それによっ て、構想段階から最終的に事業責任を負う民間事業者、投資家、金融機関等の視点を 反映させることが可能となります。 開発の体制と事業段階ごとのスキームは、図 1-2 に示すとおりです。 ①本市が民間の専門コンサル等を活用し、地 域関係者や住民参加を行いつつ、都市ビジ ョン、プロジェクトコンセプト。事業の仕 組み、公民の役割分担等を盛り込んだ募集 要項を作成 ②本市が募集要項を提示し民間事業者を公 募 ③民間事業者は募集要項を受けて開発チー ムを組成し「事業プラン」を作成のうえ応 募 ⑥~⑧金融機関及び公共からの支援を得なが ら特別目的会社(SPC)を設立し実施体制を 整備本市は事業のモニタリングを実施 ⑨コンサルタントチーム+SPC の下でコスト を抑えた効率的な建設を進める。 ⑩地権者債権者による都市経営母体としてタ ウンマネージメントアソシエーション/ホー ムオーナーアソシエーションを設立し、専門 的な施策の立案及び実施をSPCへ委託す る。 ④客観的な評価基準に基づき、外部専門家を 含めた選考により民間事業者を選定 ⑤公民の交渉により事業内容を具体化(実施 プラン)し、公民の役割分担等に関する公 民間契約を締結 図 1-2 体制とフロー 5 1.2 まちづくり事業としての取組み (1) まちに集う・生活する人々の設定 サスティナブル・パークにおける居住者層と生活スタイルは「自由時間都市」の方 針に沿って以下のような階層を想定し、相互のコミュニティーの協力によりまちが発 展する仕組みづくりを目指します。 定住者層 ・ 島内の歴史や文化にもっとも近い存在の地元の若い世代を中心とする移住者 層で、この街の建設、サービスに仕事を求めて移住する層である。 ・ 近接する都市からの移住者層で、地元の人と共に、この街の建設とサービスに 仕事を求めて移住する層である。 ・ アクティブリタィヤメント層 ・ 淡路島の温暖で風光明媚なロケーションと、この街の楽しさやサービスに魅力 を感じてリタイアメント移住を考える層である。 ・ 対象は島内と近接する都市に向けてシティセールスをかける。 ・ ツーリスト層 ・ 淡路島の温暖で風光明媚なロケーションと、この街の楽しさやサービスに魅力 を感じて、自らも利用する(オーナー利用)と同時に、様々なツーリストに貸 しだそうとして購入する層である。対象は島内、近接する都市のみならず、国 内外のホルダーに対してもシティセールスをかける。特に、ユニバーサルスタ ジオジャパンをはじめとして、関西に来訪している東アジアの富裕層に働きか ける。 図 1-3 まちに集う・生活する人々の構成 6 (2) 多様な投資のかたち サスティナブル・パークにおいては大規模で長期に及ぶ複合的な開発となるため、 多様な事業投資に対応できる商品構造とし、街が継続的に発展を続けることができる サスティナブルな事業形態をつくるが重要です。 事業形態として、分譲、賃貸、テナント、公的住宅など複数の投資形態を組合せる ことで、定住者のみならず、企業、観光者含めてサスティナブル・パークに集うメン バーが交流を深めながら適度に循環することで常に活性と潤いの有るまちづくりの実 現を目指します。 図 1-4 多様な投資のかたち事例 (3) 淡路グランドデザイン 基本的な「島のデザイン思想」として「自由時間都市」の思想にもとづき、 「自由時 間に、お金をかけず、家族や友人とリゾートライフを豊かに楽しむことが出来る場所 づくり」を実現するための「淡路グランドデザイン」を図 1-5 に示します。 本グランドデザイン実現のためは、花博跡地の開発利用、観光づくり、人材育成の 拠点、地場産業の活性化が有機的に結びつきながら、相乗効果を生む取組が必要とな ります。自治体のみならず地元関係者、有識者を含めたテーマ毎での特命チームによ る意見交換・集約や、まちづくりの方向性を決めていく舵取り役となる協議体の活動 など、全員参加型の継続的な活動が重要となります。 7 図 1-5 淡路グランドデザイン 8 コンセプトシート (4) 今後の課題とマスタースケジュール 次世代を見据えた市グランドデザインの再構築として、平成 17 年度に策定した新市 まちづくり計画に基づき、平成 19 年 3 月に策定した淡路市総合計画を検証し、平成 26 年度に策定する新市まちづくり計画並びに、平成 29 年度に策定する第 2 期淡路市総合 計画に反映させます。 そのために淡路市夢舞台サスティナブル・パークにおいても次世代へのあるべき淡 路市を示すモデルとして現在の開発状況を考慮し、課題の抽出と今後の進め方をマス タースケジュールとして以下に示します。 図 1-6 今後の課題とマスタースケジュール 9 2. まちづくりの基本計画(Master Plan) (1) 淡路市夢舞台サスティナブル・パークにおけるゾーン計画 サスティナブル・パークにおけるまちづくりにあたって「淡路グランドデザイン」 で掲げた、 「地域産業の活性化」 、 「人材育成の拠点」 、「花博跡地開発」 、 「観光づくり」 を基本コンセプトに、機能・動線、役割等を考慮したゾーン設定を行い、具体的な計 画を進めていきます。 【医療・福祉ゾーン(命を育むゾーン、健やかゾーン) 】 安全安心に一生涯暮らせるための医療施設、福祉施設の充実を図る。 【企業誘致ゾーン(職の創造ゾーン)】 ものづくり企業を中心に働く場所をつくり、雇用の創出を目指す。 【住宅・商業ゾーン(暮らしのゾーン、ふれあいのゾーン) 】 緑豊かな海を眺望できる環境の中で、 安全安心に暮らせる住宅開発を目指す。 ・医療施設と住環境、商業施設の連携 ・環境にやさしいスマートハウスの実現 医療・福祉ゾーン 企業誘致ゾーン 住宅・商業ゾーン 図 2-1 ゾーン計画 10 2.1 医療・福祉ゾーンの計画 (1) 医療・福祉ゾーンにおける方向性 本市では、 「助け合い支え合いのあるいきいきと健やかなまち」を目指し、安全安心 に一生涯暮らせるための医療施設、福祉施設の充実を進めています。 平成 26 年末時点では、病院、調剤薬局(24 時間ドラッグストアを兼ね備えたコン ビニエンスストア、食堂併設)が既にオープンし、健やかなまちの活動が始まってい ます。 今後は地域における子育て支援を行う認定こども園や老人福祉施設等の誘致を進め、 幅広い世代が集い、コミュニケーションの輪を広げることで豊かで健康な生活を過ご せる地域づくりを目指します。 表 2-1 業種 病院 医療・福祉ゾーンに誘致した企業一覧 企業名 社会福祉法人 備考 聖隷福祉事業団 診療科目 12 科 聖隷淡路病院 2014 年 4 月開院 関西初の 24 時間ドラッグスト 薬局 新世薬品株式会社 ア 2014 年 4 月オープン 図 2-2 聖隷淡路病院、新世薬品外観 11 2.2 企業誘致ゾーンの計画 (1) 企業誘致ゾーンおける方向性 本市では自然、文化、産業が共存するまちづくり進めるために「豊かな自然・文化 を活かす魅力満載のまち」をテーマに掲げています。 企業誘致ゾーンは、働く場所と人が安心して暮らす住環境の職住を一体化したコン パクトシティーの実現を目指し、ものづくり企業を中心とした企業を誘致し、雇用の 創出を実施します。 (2) 企業誘致ゾーンの計画 企業立地促進法(平成 19 年 5 月制定)に従って、淡路企業立地促進条例(平成 20 年 6 月制定)を制定し、市内への企業誘致を促進しています。企業の誘致は、あわじ 環境未来島構想で掲げた、 「持続可能な地域づくり」に向けて重要な施策であり、サス ティナブル・パークは、県産業集積条例で拠点地区に指定されており、産業用施設と してのインフラの整備を推進しています。 平成 26 年末時点では 3 区画に進出企業が決定していて、順次稼働に向けた建築計画 が進行中です。 企業誘致交渉における最大の課題は「雇用者の確保」とし、進出企業と一体となっ て淡路地域雇用創造推進協議会や淡路地域人材確保協議会とも連携しつつ行っていま す。 また、平成 27 年度から地方創生事業により、インターンシップ支援や UIJ ターン者 への雇用・定住支援も行います。 表 2-2 業種 企業誘致ゾーンに誘致した企業一覧 企業名 備考 製造業 プライミクス株式会社 乳化機、攪拌機などの製造 製造業 オリエンタル製靴株式会社 靴の企画及び製造 製造業 株式会社イレブンインターナショナル 12 自動車部品の設計や製作 シェア No.1 プライミクス株式会社 ・稼働予定時期 平成27年8月 ・投資規模 38億円 ・建物概要 (オフィス棟)鉄骨造 2 階建 総延床面積 約 9,500 ㎡、建築面積 約 4,500 ㎡ 1階:工場、2 階:事務所 (住宅棟)木造 妻帯 80 戸、単身 80 戸 ・雇用計画 1 年目 45 名、 5 年目 60 名、 6 年目 70 名 7 年目 80 名、 8 年目 90 名 オリエンタル製靴株式会社 ・稼働予定時期 ・投資規模 ・建物概要 ・雇用計画 平成27年8月(第 1 期) 第 1 期 3億200万円 第 2 期 2億6,800万円(平成32年度(6年目)) 鉄骨造 総延床面積 約 2,000 ㎡、建築面積 約 1,400 ㎡ 第 1 期 1 階建て 1 階:工場 第 2 期 2 階建て 1階:工場、2 階:事務所 1年目 25名、2~3年目 35名 4~5年目 50名、6年目以降 80名 株式会社イレブンインターナショナル ・稼働予定時期 ・投資規模 ・建物概要 ・雇用計画 平成28年1月 6億5,000万円 鉄骨造 2 階建 総延床面積 約 5,100 ㎡、建築面積 1階:工場・事務所、2 階:倉庫 約 2,640 ㎡ 1年目 20名、2年目 30名、3年目 40名 4年目 50名、10年目 60名 13 2.3 住宅ゾーンの計画 (1) 住宅ゾーンにおける条件と方向性 「安全・安心でうるおいある暮らしを実現する定住のまち」をまちづくりの基本と し、 「住宅が経年しても資産価値が維持され続ける「サスティナブル理論」に基づいた 住宅とコミュニティー」を目指します。 住宅ゾーンは、以下の 5 つの方向性を基本方針として計画します。 ①淡路らしいまち ②高齢化へ対応したまち ③インフラ利用が効率的なまち ④コストを低減化するまち ⑤災害に強いまち (2) 住宅ゾーンにおける事業化に向けた検討事項 ア. 建築計画 ①淡路らしいまちとするため、地域産材の活用や、地域工芸である瓦、タイル、漆 喰等と調和のとれた外装素材とするなどのデザインコントロールを実施する。 図 2-3 淡路らしいデザインコントロール 14 イ. 土地利用の考え方 土地のポテンシャル評価および景観構造の考察から、当地に適した土地利用とその ゾーニングを検討する。 図 2-4 土地利用の考え方 ウ. まちの景観構造 「太陽の運行軸」をまちの景観軸として採用する。 図 2-5 まちの景観構造イメージ 15 エ. まちの景観イメージ 交流ひろば 図 2-6 まちのイメージスケッチ 16 オ. 住宅街区マスタープランの基本的な考え方 永続的なまちづくりには、その街を「我が街、我が家」と意識する人たちがコミュニ ティーを形成し、自ら「美しいまち」「楽しいまち」の維持と発展を行うことが重要です。 永続的に維持・発展しつづけるまちが「人気のあるまち」となり、その居住者の住宅 資産は維持または向上し、さらに「我が街、我が家」は熟成し、まちは発展しつづけ ます。 このようなまちづくりを進めていくためには、地域の魅力を最大限活用した上で居住 者層と生活スタイルをあらかじめ想定し、配置計画・建築計画を織り込んだ「住宅街 区マスタープラン」を策定し、基本ルールとして活用することで、地域に根付いた個 性のある魅力的な街並みを形成していきます。 さらに、街区相互のまちづくりを意識して相談し合いながら作られた庭、家、街は「我 が街」の意識を生み、 、共に生活を楽しみ、共に共有の資産を守り育てる意識を育んで いきます。 図 2-7 まちづくり コンセプトチャート 17 カ. 造成計画 住宅ゾーンは低層高密度の住宅地開発が最も重要な条件とし複数の造成案で比較検 討を行いました。その結果、まちの計画の方向性の②~⑤を考慮したうえで、特にエ ネルギーをはじめとする各種需要密度が高くなる D 案を提案します。 図 2-8 造成計画比較 住宅団地では、耐震性や耐液状性が高く、通常の地下付住宅に比べて安価である建 築基礎と造成を兼ねた NCZ 工法を採用します。また、雨水貯留施設として埋設型雨水 貯留タンク「ためとっと工法」を採用し、各住宅での雨水の利用を促進します。ため とっとを配置することで、各住戸の水道費の削減、住宅地の水害抑制、ヒートアイラ ンドの軽減及び非常用水等の高度利用を目指します。 図 2-9 NCZ 工法とためとっと工法のイメージ 出典:株式会社 18 大建ホームページより NCZ 工法とは、連続した建物の基礎部を人工地盤として形成し、住宅の耐震性、耐 液状性を高めながら地下空間を提供する工法で、地震等の災害に強い構造でコストの 削減も図ることが出来ます。 サスティナブル・パークにおいては、住宅団地は道路を挟んだ 4 ブロックに分割し、 ブロック外周に人工地盤(NCZ 工法)を配置する計画としています。 また、各ブロック内の中庭は、道路面より高くし、遊歩道で結ばれた「コモンとコ ミュニティー」を確立できる構造としています。 図 2-10 NCZ 工法を用いた1区画単位の標準配置 図 2-11 住宅街区採用案 19 2.4 商業ゾーンの計画 (1) 商業ゾーンの計画にあたっての考え方 サスティナブル・パークの商業ゾーンの基本コンセプトは、 「地元食材との融合」が 淡路のブランディング化を加速させ、この商業ゾーンが、情報発信源であるべき「商 い」のあり方とします。 ア. 「淡路スタイル」のブランディング化 淡路市の地元の豊富なポテンシャルを引き上げ、掘り起こし、ブランディングでき ると、夢舞台サスティナブル・パークに人が集い、地域の活性化に繋がります。 ブランディングを具体化するためには、地元の商工・農業・漁業の創造活動として 地元の商工会を中心とする関係者と淡路ブランディングの趣旨・方向性を理解して頂 ける企業との融合によって実現できると考えます。 イ. 「サスティナブルな魅力ある街のスパイラル」 以下に示す様々な効果の相乗効果によって、サスティナブルな魅力ある街のスパイ ラルを目指します。 水と緑のある良好な自然環境 エネルギー・自然災害への配慮 良好な地域コミュニティー 暮らしに役立つ施設 日常的な自慢できる商業施設 淡路市 ~街への愛着・サスティナブルなまちづくりへ~ 人と街と商いとの良好な連鎖が社会を活性化 まちづくりにおいて、淡路に存在する豊かな自然環境の保全やエネルギー資源を活用 することで、まちの魅力を更なる向上をめざす。 ・街の中を訪問したくなる魅力作り ・この街に住みたい魅力作り ・健康で心も身体も満たされる魅力作り ・持続可能な環境共生社会作りへの提言へ 20 (2) 商業ゾーンにおける条件と方向性 本市は大阪、神戸からのアクセスの良さ、海に囲まれたリゾート感あふれる点が魅 力です。さらに海産物に加え、農作物、淡路和牛等、食の宝庫であり、これらの魅力 を最大限に活かし次世代へと繋がるサスティナブルなまちを創造します。 商業ゾーンは、街の中心部を海側に形成し、中心部以外に様々なスポットを点在す ることで、歩き回りたくなる持続可能な街を目指します。 図 2-12 商業ゾーンのエリア計画 (参考)全米ですみたい都市 No.1 オレゴン州ポートランド アメリカ北西部に位置する人口約 60 万人のポートランドに ポートランド は毎週 400 人にのぼる人々が移住している。 街は小さいが、山や海などの自然も近く、気候もよく支えあ おうという姿勢が重要であるとしている。街中には路面電車が 走っているが、なるべく歩いてもしくは自転車で生活するとし、 思わず歩き回りたいと思う街になる仕掛けを街中にしている。 そのために、街にアートを点在させるなどの工夫をしている。 ↓駐輪スポット 市内の様子 21 市内にあるアート 淡路サスティナブル セントラル プラン 街の中心部を海側エリアに配置し、商業ゾーンの核として地元食材を活かしたレストラ ン・カフェ、ベーカリー、工房等で構成します。 淡路サスティナブル ステーション プラン パーク内周辺に様々なスポットを点在させ、歩き回りたくなるまちづくりを行います。 22
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