アベノミクスがもたらす資産乗数効果

アベノミクスがもたらす資産乗数
効果
篠崎ゼミ 2年 4G
阿久津実希 千葉紗生 真田大資 三浦佑斗
1.分析の目的と結果
‣ 目的 :
政府支出の増加は、家計の消費行動にどのよ
うな影響を与えるのか?
‣ 結果 :
家計資産に影響を与え、消費を増加させる。
(* 閉鎖経済モデルで検証を行うものとする。)
2.モデル分析① : 公共事業の拡
大
r
r
LM
G↑ ⇒ Y↑

IS曲線が右にシフト

IS₂
r
IS₁
Y

Y

Y
2.モデル分析① : 流動性のわな
r
ゼロ金利政策
⇒ 貸出金利ほぼ一定
r
LM

IS₂
IS₁
Y

Y

Y
2.モデル分析② : ライフサイク
ル仮説
⇨ 消費は、保有する資産、これから働く年数、
これから生きる年数に依存する。
1
T
C 
W 
Y
L
L
C  W   Y
C:消費 Y:勤労所得 W:保有資産
T :これから働く年数 L :これから生きる年数
 : 資産の限界消費性向  : 所得の限界消費性向
2.モデル分析③ : 資産乗数効果
‣ 資産乗数効果 :
1. 政府支出の増加は、家計の資産総額を増加
させる。
2. 資産総額が増加することで、家計は消費を
増やす。
3. 消費が増えることで、GDPが増加する。
⇨ 政府支出の増加は、家計資産を増加さ
せ、GDPを増やす。
3.実証分析①
‣ データ : 1980~2011年までの正
味資産(W)、国民可処分所得(Y)、総
固定資本形成(I)、政府最終消費支出
(G)
‣ 回帰式 :
W = a + bG
C = c + dW
以上から、資産乗数効果の実証を行う。
3.実証分析② : 資産と政府支出
(10億円)
3,000,000.0
y = 18.859x + 662577
R² = 0.66
2,500,000.0
2,000,000.0
資
1,500,000.0
産
1,000,000.0
500,000.0
0.0
20,000
30,000
40,000
50,000
60,000
70,000
80,000
90,000
政府最終消費支出
回帰式 : W = 18.859G + 662577
⇒ Gが増加することによって、 Wが18.859増加する。
100,000
110,000
(10億円)
3.実証分析③ : 消費と資産
(10億円)
280000
y = 0.0812x + 60615
R² = 0.9172
260000
240000
220000
200000
消
費
180000
160000
140000
120000
100000
10,000.0
510,000.0
1,010,000.0
1,510,000.0
2,010,000.0
2,510,000.0
資 産
回帰式 : C = 0.0812W + 60615
⇒ Wが増加することによって、Cが0.0812増加する。
3,010,000.0
(10億円)
3.実証分析④ : 政府支出の推移
政府最終消費支出
(10億円)
120,000
100,000
80,000
政
府
最
終
消
費
支
出
60,000
政府支出は一貫して増加してい
る。
40,000
20,000
0
1980年
1985年
1990年
1995年
2000年
2005年
2010年
3.実証分析④ : GDPと消費の
推移
GDPと消費の推移
(10億円)
600000
500000
400000
金
額
300000
200000
100000
0
1980年
1985年
1990年
1995年
国内総生産
2000年
消費
GDPと消費が増加せず
⇒ 所得の一部が、貯蓄に回ったことがいえる。
2005年
2010年
4.財政支出の内訳
公共事業関係費
7119億円 ↑
当初歳出予算の内訳 (億円)
2013年
度
291224
2012年
度
222414
263901
2011年
度
219442
287078
2010年
度
100000
49743
206490
248343
0
45733
215490
272685
2009年
度
52852
57730
202437
200000
300000
400000
70700
500000
600000
700000
800000
900000
1000000
社会保障関係費
文教科学振興費
国債費
恩給関係費
地方交付税交付金
地方特例交付金
防衛関係費
公共事業関係費
経済協力費
中小企業対策費
エネルギー対策費
食料安定供給関係費
その他の事項経費
経済緊急対応予備費
予備費
その他
5.結
論
‣ 実証分析の結果、政府支出の増加は資産を
増加させ、消費を増加させるため、財政政策
は有効であることがいえる。
参考文献・資料
‣ 飯田泰之・中里透 『コンパクトマクロ経済学』 新世社
‣ N.グレゴリー・マンキュー 『マクロ経済学Ⅱ』 東洋経済新報社
‣ 総務省統計局 (http://www.stat.go.jp/)
‣ 内閣府 「国民経済計算」 (http://www.esri.cao.go.jp/)