Journal of Investigative Dermatology , 18 September 2014 Toll-Like Receptor 3 Activation Is Required for Normal Skin Barrier Repair Following UV Damage 紫外線によってダメージを受けた皮膚のバリア機能回復にはTLR3の活性化が必要である 2014.12.01 ゼミ M1 中山千華 J. Virol. TLR3 : 様々な病原体を感知して自然免疫を獲得する、受容体たんぱく質TLRの一種。 エンドソームに存在し、ウイルス由来の二重鎖RNA(dsRNA)を認識し、 強い抗ウイルス作用を示すI型インターフェロンの産生を促進する。 Poly (I:C): Polyriboinosinic –polyribocytidylic acid TLR3のリガンドであり、慢性ウイルス肝炎の治療等に用いられる。 (Hyeon-Sook et al., J. Virol., 2007 ) 上皮細胞における主な細胞間結合 密着結合(タイトジャンクション) 広島大学 生物圏科学研究科HPより 本実験の背景と目的 ●UVBはNHEKからのncRNAの放出を促進してTLR3を活性化する (Bernard et al., Nature Medicine, 2012) ●ncRNAの放出はUVBダメ―ジの後に続く炎症を誘導する (Lai et al., Nature Medicine, 2009) ●Poly (I:C)がTLR3を活性化して創傷治癒を促進する (Borkowski et al., J investigative dermatology, 2013) ⇩ 筆者らは、 UVBダメージ後、皮膚バリア機能の回復はTLR3の活性化に依存する ことを確かめることを目的とした。 Fig①UVBダメージを受けたケラチノサイトは皮膚バリアに重要な遺伝子を刺激する 15 mJ/cm2 24 h PCR Table①UVBダメージを受けたケラチノサイトは皮膚バリアに重要な遺伝子を刺激する NHEKを 1 µM Poly(I:C)処理 24 h PCR Fig②Poly(I:C)はタイトジャンクション機能を増強する NHEKをコンフルエントへ →DMEMに交換し分化 24, 48 h Poly(I:C) TEER測定 Fig②Poly(I:C)はタイトジャンクション機能を増強する NHEKをコンフルエント になるまで培養 →DMEMに交換し分化 Poly(I:C) 48 h 蛍光Na 30 分後 Fig③TLR3の活性化はU1 RNA起因の皮膚バリア遺伝子の発現変化に必要である siRNAを用いて TLR3をノックダウン 1 µg/mL U1 RNA添加 24 h PCR Fig④バリア機能・炎症性サイトカイン遺伝子発現に与える様々なsnRNAの影響 Fig④バリア機能・炎症性サイトカイン遺伝子発現に与える様々なsnRNAの影響 scaRNA : small Cajal body-specific RNA Fig⑤Tlr3-/-マウスではUVBによって崩れたバリア機能からの回復が遅れる マウスにUVB 5 kJ/cm2照射 → TEWL測定 Fig⑤Tlr3-/-マウスではUVBによって崩れたバリア機能からの回復が遅れる マウスにUVB 5 kJ/cm2照射 24 h → 染色 Fig⑤Tlr3-/-マウスではUVBによって崩れたバリア機能からの回復が遅れる Fig⑤Tlr3-/-マウスではUVBによって崩れたバリア機能からの回復が遅れる 放射線により切除し、新たに骨髄細胞を移植して作製したキメラマウスを用いた 総括 ●UVBダメージによって、NHEKはバリア機能関連遺伝子の発現を促進する ●UVBダメージを受けたNHEKから放出される内因性産物がTLR3を介してバ リア機能の回復の影響を与える ● snRNAとPoly(I:C) はNHEKにおいて同様の応答をする ●TLR3欠損マウスはバリア機能の回復が遅れる ➡紫外線によってダメージを受けた皮膚のバリア機能回復にはTLR3の活性 化が必要である Damaged NHEK dsRNA TLR3 NHEK 皮膚バリア関連遺伝子
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