RECURSIONS (後半) M1 鈴木洋介 Ex 5.8 n進数の正の整数があり、以下の条件を満たす。 ・各桁の数は全て異なる。 ・どの桁の数もその数より左にあるいずれかの数+1または-1となってい る。(いちばん左の数字は除く) このような数の個数anを求めよ。 例:n=4 123 1232 2310 2301 解法1 (n+1)進数の条件を満たす数の集合を2つのグループに分ける。 (カッコ内はn=3の例) (1)どの桁にも数nが使われていないグループ。 ⇒(1,2,10,12,21,102,120,210)・・・8個 ⇒an 個 (2)いずれかの桁に数nが使われているグループ。 ⇒(3,23,32,123,213,231,321,1023,1203, 2103, 1230,2130,2310,3210)・・・14個 ⇒そのようなk桁の数はn,n-1,…,n-k+1の並べ替えでなければならない。 ⇒そのような数は2n+1-2個。(計算は省略) an+1=an+2n+1-2 a1=0 これを解いて an+1=a0+(2n+1+2n+…+22)-2n =2n+2-4-2n an=2n+1-2n-2 解法2 F(n)を、0で始まるものも許した条件を満たすn進数の個数とする。 F(1)=1 (0) F(2)=4 (0,1,01,10) F(3)=11 (0,1,2,01,10,12,21,012,102,120,210) ・・・ (n+1)進数の題意を満たす数の集合を3グループに分ける。 (カッコ内はn=2の例) (a)1桁の数0,1,2,…,n・・・n+1個 (0,1,2) (b)題意を満たすn進数の最後尾に、 各桁の最大値+1の桁を追加したもの・・・F(n)個 (0,1,01,10)→(01,12,012,102) (c)題意を満たすn進数の各桁の数を1増やしたものの最後尾に、 各桁の最小値-1の桁を追加したもの・・・F(n)個 (0,1,01,10) →(1,2,12,21)→(10,21,120,210) 以上よりF(n+1)=n+1+2F(n)。 F(n+1)=n+1+2F(n) F(n+1)+a(n+1)+b=2(F(n)+an+b)とおくとa=1,b=2となる。 F(1)+1・1+2=1+1+2=4より、 F(n)+n+2=2n+1 ,F(n)= 2n+1 -n-2。 最後に、0で始まる不適切なn進数は 0,01,012,…,0123・・・(n-1)とn個存在するので差し引いて an= F(n)= 2n+1 -2n-2。 Ex 5.9 長さが24の円周を、点P1~P24によって24等分する。 これらの点のうち相異なる8個を選んだとき、どの2点で表される孤の長さ も3か8でないような選び方はいくつあるか。 P1 P2 P3 P4 P5 P6 P9 P8 P7 Ex 5.9 長さが24の円周を、点P1~P24によって24等分する。 これらの点のうち相異なる8個を選んだとき、どの2点で表される孤の長さ も3か8でないような選び方はいくつあるか。 P1 P4 P7 P10 P13 P16 P19 P22 P9 P12 P15 P18 P21 P24 P3 P6 P17 P20 P23 P2 P5 P8 P11 P14 上のように頂点を並べて考える ・各列からは1つしか頂点を選べない ・i行目と(i+1)行目の頂点は違う色でなければならない Ex 5.9‘ n本の半径でn分割された円盤をk色で彩色する場合の数pn,kを求めよ。 p8,3は?(n,k≧3) k-1 順番に彩色するならば 最初の面をk色、 その隣をk-1色、 そのまた隣をk-1色・・・ と塗ればよい k k-1 最後と最初の色が 一致する場合がある! k-1 ・・・ 最初の面と最後の面を ひとまとめにすると、 一致する場合の数は pn-1,kとなることがわかる。 Ex 5.9‘ n本の半径でn分割された円盤をk色で彩色する場合の数pn,kを求めよ。 p8,3は? (n,k≧3) k-1 pn,k=k(k-1)n-1-pn-1,k p3,k=k(k-1)(k-2) k k-1 k-1 これを計算して pn,k=k(k-1)n-1-k(k-1)n-2+k(k-1)n-3-・・・ +(-1)n-4k(k-1)3+(-1)n-3k(k-1)(k-2) ・・・ (k-1)n+(-1)n-4(k-1)3 =k 1+(k-1) +(-1)n-3k(k-1)(k-2) =(k-1)n+(-1)n(k-1) p8,3=28+2=258 Ex 5.10 n桁の自然数がある。このうち任意の長さの同じ数字の並びが連続して 現れないような自然数の数f(n)は8nより多いことを証明せよ。 例 12342345 123345 12345234 方針: f(n)≧8f(n-1)を帰納法で証明する。 f(1)=9>8より、 f(n)≧8n-1f(1) >8nが言える。 f(1)=9,f(2)=81。 f(n)≧8f(n-1) (n=2,3,…,k-1)を仮定する。 k-1桁の条件を満たす数の末尾にもう1桁追加したとき、 その数の末尾にr桁の繰り返しが2回出現する場合は b1 b2 … bk-2r a1 a2 … ar a1 a2 … ar -1 ar • • • (k-r)桁の条件を満たす数と上記のような数は一対一 対応する。 よって上記のような自然数の数はf(k-r)。 rのとりうる値は1,2,…, k/2 。 f(k)=10f(k-1) – {f(k-1)+f(k-2)+f(k-3)+ ・・・ + f(k- k/2 )} f(n)≧8f(n-1)をn=2,3,…k-1で仮定したのを利用して、 f(k)= 10f(k-1) – { ≧ 10f(k-1) – { = 10f(k-1) – { ≧ 10f(k-1) – { ≧ 10f(k-1) – { > 10f(k-1) – = 8f(k-1) f(k-1) + f(k-2) + f(k-3) + ・・・ + f(k- k/2 ) } f(k-1) + f(k-2) + f(k-3) + ・・・ + f(k-(k-1)) } f(k-1) + f(k-2) + f(k-3) + ・・・ + f(1) } f(k-1) + f(k-1)/8 + f(k- 1)/82 + ・・・ } f(k-1) + f(k-1)/2 + f(k- 1)/22 + ・・・ } 2f(k-1) Ex 5.11 自然数の数列{a1,…an}があり、a1=1、すべてのi=1,…n-1において、 ai+1≦ai+1となる。このような全ての数列のパターンに対して、その積の和 ∑(a1,…an)はいくらになるか。 1 1 1 1 2 2 1 2 3 2 1 1 2 3 2 1 2 3 1 2 3 a1=mとした場合の∑(a1,…an)をf(m,n)とする。 f(1,1)=1 f(1,2)=1・1+1・2=3 f(1,3)=1・1・1+1・1・2+1・2・1+1・2・2+1・2・3=15 f(1,4)=1・1・1・1+1・1・1・2+1・1・2・1+・・・ 4 m 1 2 m+1 ・・・ n-1 f(m,n)=m( f(1,n-1) + f(2,n-1) + ・・・ + f(m+1,n-1) ) また、f(m,1)=m と表すことにする。( 5!!=5・3・1=15 ) であることを示す。 上式がn=1,2,…,kで成立すると仮定すると ・・・ Ex 5.12 n×nマスの盤面に、互いにとりあわないようにルーク(飛車)をn個配置す る。さらに、盤面の左上と右下を通り、盤のマス目に沿った長さ2nのパス を描く。このとき、ルークが二分された盤面の片方のみに配置される。 このような条件を満たすルークの配置とパスの描き方は何通りか。 対称性より、ルークは全て 左下の側の面に配置されるとする。 この場合のルークとパスの組み合わせの 集合をSnとすると、 求める場合の数は2|Sn|。 各盤面の状態は2×nの行列で表すことができる。 一対一対応 [ [ 1行目:各列における赤い横線の高さ 2行目:各列におけるルークの位置 (上から5,4,3,2,1で表す) この行列の性質: (1)n=a1≧a2≧a3 ≧ … ≧ an ≧1 (2)任意のi=1,2,..,nに対してai ≧ bi (3) b1 b2 b3…bn は1からnまでの数の並べ替え ] a1 a2 a3…an b1 b2 b3…bn 55444 25413 ] 次のような盤面のサイズをnからn-1にするような変換を考える。 [ 55444 25413 ] 全要素-1 [ 4433 1423 これが(2n-1)対1の変換であることを示す。 ] 逆写像を考える。 1 0 [ 2 n-2 n-1 ] [ c1 c2 c3…cn-1 d1 d2 d3…dn-1 ] c1+1 c2+1 …ck+1 c ck+1+1…cn-1+1 d1+1 d2+1 …dk+1 1 dk+1+1…dn-1+1 kの選び方:0,1,2,…,n-1のn通り kに対して、cのとりうる値: k=0のとき、n k=1,2,…n-2のとき、 ck+1+1 , ck+1,…,ck+1 k=n-1のとき、1,2,…,cn-1 これらをまとめると、kに対してcの値は(ck-ck+1+1)通り (c0=c1=n,cn=1とする) |Sn|=(2n-1)|Sn-1| |S1|=1 |Sn|=(2n-1)!! よって答えは2(2n-1)!! Ex 5.13 u=[1,1]、v=[1,-1]とする。 u,vそれぞれn個ずつを組み合わせて(0,0)から(2n,0)までのパスを作りた い。ただし、パスはx軸を横切ってはならない。 このようなパスAnは何通りできるか。(Cataran Path) 0 2r 1 2r-1 (2r,0)は(0,0)以外でx軸と接する 最も左の点。 2n 0 2r |Ar-1| 1 2n |An-r| 2r-1 図より、あるrに対して パスの本数は|Ar-1|・|An-r| よってr=1,2,…nについての和をとると |An|=|A0||An-1|+|A1||An-2|+・・・+|An-1|・|A0| また、|A0|=1 これを解いて (この証明はのちの輪講で) Ex 5.14 u=[1,1]、v=[1,-1]とする。 u,vそれぞれ2n個ずつを組み合わせて(0,0)から(4n,0)までのパスを作り たい。ただし、パスは(2,0),(6,0)・・・(4n-2,0)を通ってはならない。 このようなパスは何通りできるか。 解法1:Ex 5.13を利用して再帰 0 4n 4r 1 4r-1 (4r,0)は(0,0)以外でx軸と接する 最も左の点。 |Ar-1| 0 4n 4r 1 |Ar-1| 4r-1 (4r,0)は(0,0)以外でx軸と接する 最も左の点。 |Z2n-2r| Z2nを条件を満たすパスの集合と する。 図より、あるrに対して パスの本数は2|A2r-1|・|Z2n-2r| よって r=1,2,…nに対して和をとると |Z2n|=2|A1|・|Z2n-2|+ 2|A3|・|Z2n-4|+ ・・・ 2|A2n-1|・|Z0| |Z2n|=|A2n|を帰納法によって示す。 |Z2n|=2|A1|・|Z2n-2|+2|A3|・|Z2n-4|+・・・2|A2n-1|・|Z0| |A0|=|Z0|=1とする。 |A2|=|Z2|=2。 |Z2n|=|A2n|がn=0,1,2,…k-1で成立すると仮定すると |Z2k|=2|A1|・|Z2k-2|+2|A3|・|Z2k-4|+・・・+2|A2k-1|・|Z0| =2|A1|・|A2k-2|+2|A3|・|A2k-4|+・・・+2|A2k-1|・|A0| =|A0|・|A2k-1|+|A1|・|A2k-2|+・・・+|A2k-2|・|A1|+|A2k-1|・|A0| |Z2n|=|A2n|を帰納法によって示す。 |Z2n|=2|A1|・|Z2n-2|+2|A3|・|Z2n-4|+・・・2|A2n-1|・|Z0| |A0|=|Z0|=1とする。 |A2|=|Z2|=2。 |Z2n|=|A2n|がn=0,1,2,…k-1で成立すると仮定すると |Z2k|=2|A1|・|Z2k-2|+2|A3|・|Z2k-4|+・・・+2|A2k-1|・|Z0| =2|A1|・|A2k-2|+2|A3|・|A2k-4|+・・・+2|A2k-1|・|A0| =|A0|・|A2k-1|+|A1|・|A2k-2|+・・・+|A2k-2|・|A1|+|A2k-1|・|A0| |An|=|A1|・|An-1|+|A2|・|An-2|+・・・|An-1|・|A0| を利用して |Z2k|=|A2k|。 以上より|Z2n|=|A2n|。 解法2:Z2n、A2n間の一対一対応する変換を示す 1.x軸を横切る点でパスを分割する。 各パスはx軸上での距離が4の倍数となる。 2.x軸より正の部分は、そのまま。 3.x軸より負の部分をx軸について対称移動させた後、 (4k-2,0)のいずれかの点を通るようなパスへ変換を行う。 0.両端のu,vを切り取る。 1.最も右側にある4の倍数の交点を4rとする。 2.4rより右のパス、u、4rより左のパス、vの順番でパスをつなげる。 0 0 18 8 x軸と(4k-2,0)のみで接する 10 x軸との交点はない 逆写像が定義できることから、これは全単射である 20
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