【実験8】比熱の測定 1. 誤差の原因…お湯の混入と金属の放熱 比熱が大きく出たら,熱が想定より流入 比熱が小さく出たら,熱が想定より流出 2. 有効数字の扱いについて 細かい数字を計算したからといって正確 ではない 3. 比熱の温度依存性について 熱量保存の確認 比熱(J/gK) 質量 [g] 𝑐1 𝑚 水 𝑐3 𝑀 銅製容器 𝑐2 𝑚′ 金属塊 温度変化 [K] 𝑇 − 𝑇1 𝑇 − 𝑇1 𝑇2 − 𝑇 変化した熱量 𝑚𝑐1 (𝑇 − 𝑇1 ) 𝑀𝑐3 (𝑇 − 𝑇1 ) 𝑚′𝑐2 (𝑇2 − 𝑇) (金属の失った熱量)=(水+容器の得た熱量) 𝑚′ 𝑐2 𝑇2 − 𝑇 = 𝑚𝑐1 𝑇 − 𝑇1 + 𝑀𝑐3 𝑇 − 𝑇1 (𝑚𝑐1 + 𝑀𝑐3 )(𝑇 − 𝑇1 ) 分子は 𝑐2 = 𝑚′(𝑇2 − 𝑇) 得た熱量 • 𝑚が少なくなる(こぼれる)と,𝑐3 は小さくなる • 余計な熱が流入すると,𝑐3 は大きくなる(分子が大) 1.誤差の原因…比熱が大きい(お湯の混入) 水の比熱は大きいので,温度の高いお湯が混入 すると,かなり影響が出る 今回の資料におけるお湯の混入量を実測したら, • アルミニウムで約1.5~1.8g程度 • 鉄で0.70~1.0g程度 湯が混入する可能性がある(上部にてんこ盛りで) 80℃のお湯1.5gが混入して25℃になった場合,流 入したエネルギー量は, 1.5 g × 4.19 J/g・K × 55 K = 346 J このエネルギーの分だけ温度が余計に上がる 見かけ上,金属の比熱が増える 1.誤差の原因…比熱が小さい(金属から放熱) 金属の温度が測定した値より低ければ,水熱量計 内に運び込むエネルギー量も減少 80℃のはずが,実際には78℃であったとする(差は2℃)とすると, • 100gのAlの場合(熱容量90.1J/K) 100g×0.901 J/gK ×2℃ = 180.2 J • 100gのFeの場合(熱容量44.8J/K) 100g×0.448 J/gK ×2℃ = 89.6 J 運び込むエネルギーは少なくなる このエネルギーの分だけ温度が上がらない 見かけ上,金属の比熱が小さくなる 2.有効数字を考慮した処理 混合前の温度 水と容器:21.5℃ Al塊:80.5℃ Al塊の質量 容器の質量 100.5g 196.7g 混合後 全体:25.0℃ ここの有 水の質量 効数字 199.3g は2桁 3桁にそろえる • 水の得た熱量 4.19×199.3×(25.0-21.5) = 4.19 ×199.3 × 3.5 =835.067×3.5 =292 .5 = 2923 (2.92×103)[J] 最後は四捨五入 3 (本当は,2.9×10 [J]) 3桁にそろえる • Cu容器の得た熱量 0.386×196.7×(25.0-21.5) = 0.386×196.7 × 3.5 2)[J] =75.9261 × 3.5 = 265. 2 = 266(2.66×10 最後は四捨五入 2 (本当は270 (2.7×10 [J] ) 3.比熱の温度依存性 0.932J/(gK) 1.0 0.9 比熱[J/(g・K)] 0.8 Al比熱[J/gk] Fe比熱[J/(gK)] 0.7 0.6 0.471J/(gK) 0.5 0.4 0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200 温度[℃] 比熱の温度依存性 国際科学技術データ 委員会資料より 3.比熱の温度依存性 比容量[J/K] 100gのAlが77℃から25℃ まで温度が下がった場合 の失った熱量を考える ① 比熱が一定の場合 (0.901J/(gK))の時 100×0.901×(77-25)=4685J 100gのAl 93.2 90.1 ① 4685J 25 変化を直線に近似 ② 比熱が変化した場合 図の三角形の分だけ多くなる 0.5×(93.2-90.1)×(77-25)=80.6J [℃] 77 この分多い 200gの水と190gのCu容器の熱容量:911J/K 温度変化に与える影響は0.0884℃(無視できる)
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