隠れた行動の問題(2)10:00に修正しました

第8回
モデルとしての業績管理
ーモラルハザードモデル(2)
前回までの復習
 モラルハザードとは
 リスク回避的な人は当然リスクがいや
 でもリスクが全くないと、まじめに仕事をし
ない
 そこで、ある程度リスクを与えて、ただその
分、報酬も高めにすることで、結果として利
益を高めようとする
今回の話題(応用問題)
 複数タスクの問題
 仕事は一つじゃ無い
 ノイズを減らすには?
 長期雇用・相対評価・トーナメント
複数タスクの問題
複数タスクの問題
 複数評価指標の例



 評価しにくい重要な仕事


測れる仕事と測れない仕事
 仕事量:
x≧0, y ≧0, x+y=8
 会社のもうけ
I=(x+1)(y+1)
会社のもうけを最大にする仕事は
 もらえる賃金: W=xとする
 つまりyも十分に重要だが、測れないので賃金に反映させられ
ない
 この時従業員はx= 働き、企業のもうけ I=
 つまり測ってもらえない仕事をしなくなるので、企業のも
うけが減る
 そうなるくらいなら業績測定しないで固定給にしたほうが
よい
まとめると
 測れないと報酬に反映できない
 そのとき無理に測ると、逆効果になりえる
 それなら、無理に測らないで済ましてしまおう
→固定給に
 ただ、報酬に反映しないとサボられるかもしれない
 何とかして[測定]するにはどうすれば良いか?
 できるだけ、測りにくい部分を減らそう!
ノイズの発生理由
 ノイズ(業績指標が努力を反映しなくなる
こと)の発生理由は?


 それじゃあ、この二つをどうやって減らせ
ばよいか?
長期雇用
 大数の法則




 人事異動の効用
相対業績評価
 相対評価

 絶対評価


相対業績評価のメリット


相対評価の応用と問題点
 応用例

 問題点


今日までのまとめ
 業績評価と報酬との関係の設計はとても重要
 リスクを与えすぎると従業員は離れていく
 変なリスクを背負わせると、変な行動を取る
 できるだけ業績をきちんと測り、報酬と対応させると、きち
んと努力をさせることが出来る
 これらのバランスで業績評価と報酬の関係は決まる
相対業績評価のメリット
 ここで、経済状況は同じような仕事をして
いれば同じように影響を受けるはず
 となると、比較することでノイズを消せ
る!
相対評価の応用と問題点
 応用例
 トーナメント型の昇進
 問題点
 協調しにくくなる
 燃え尽きやすくなる
今日までのまとめ
 業績評価と報酬との関係の設計はとても重要
 リスクを与えすぎると従業員は離れていく
 変なリスクを背負わせると、変な行動を取る
 できるだけ業績をきちんと測り、報酬と対応させると、きち
んと努力をさせることが出来る
 これらのバランスで業績評価と報酬の関係は決まる
宿題
条件付確率
高い成果
低い成果
高い努力
0.8
0.2
低い努力
0.2
0.8
高い成果
低い成果
成果
E
0
報酬
Wh
1
高い努力
コスト(c)
低い努力
2
0
つまり、最低賃金制度が強化された時、モラルハザード問題がどうな
るか、答えなさい。
追加問題:モラルハザード問題が企業そのほかにおいてどのような状
況で発生しているか、その対処法はどうなっているか探しなさい