動物の飼育経験がコミュニケーション能力に与える影響について 小学校

小学校教員養成課程 教育心理選修
10E1922U
細井翔(長根研究室)
需要
・・・グローバル化
就活
機会
・・・ネットの普及
高める方法として
動物の飼育
・相手の思考を想像する機会が増える(言語的な接触は出来ない)
・先行研究(塗師,2000)では、飼育経験が共感性の発達にプラス
の影響を及ぼす傾向があることが分かっている。
 動物の飼育経験がある群の方が、飼育経
験のない群よりもコミュニケーション能
力が高い。
 リアクションが大きい動物(犬、猫等)
を飼育していた群の方が、そうでない群
よりコミュニケーション能力が高い。
○調査対象
大学生63人(男性21人、女性42人)
○方法
質問紙によるアンケート
・動物に対する好感度(1~4の4件法)
・飼育経験の有無
・(有の場合)種類、期間、自ら世話をしていたか(4件法)
・コミュニケーション能力について
(成人用ソーシャルスキル自己評定尺度)
対人関係
他者理解
自己主張
• 誰とでもすぐ仲良く
なれる
• その場にあった行動
が来れる
• 他人が話していると
ころに、気軽に参加
できる
• 表情やしぐさで相手
の思っていることが
分かる
• 自分の言葉が相手に
どのように受け取ら
れたか察しが付く
• 人の話の内容が間違
いだと思った時には、
自分の考えを述べる
ようにしている
• 自分が不愉快な思い
をさせられた時には、
はっきりと苦情を言
う
両方とも5%水準で有意差あり
4
飼育経験あり
飼育経験あり
飼育経験なし
28
飼育経験なし
3
23
18
2
13
8
1
飼育経験あり
飼育経験なし
Fig.1 質問項目5「誰とでもすぐ仲良くなれる」
飼育経験あり
飼育経験なし
Fig.2 対人関係因子の質問項目の合計
両方とも5%水準で有意差あり
4
飼育経験あり
飼育経験なし
3
28
飼育経験あり
飼育経験なし
23
18
2
13
8
1
飼育経験あり
Fig.3
飼育経験なし
質問項目2「表情やしぐさで相手の思ってい
ることが分かる」
飼育経験あり
飼育経験なし
Fig.4 対人関係因子の質問項目の合計
両方とも有意差は見られなかった
4
19
飼育経験あり
飼育経験あり
飼育経験なし
17
飼育経験なし
15
3
13
11
2
9
7
1
5
飼育経験あり
飼育経験なし
Fig.5 質問項目13「人の話の内容が間違っている
と思ったときは、自分の考えを述べるようにしてい
る」
飼育経験あり
飼育経験なし
Fig.6 自己主張因子の質問項目の合計
・「イヌ・ネコ・小動物」と「その他の動物」で分散分
析を行った結果、どの因子でも二つの間で有意差は見
られなかった。
・「積極的に世話をしていた」群とそうでない群で分散
分析を行った結果、対人関係因子と他者理解因子の両
方で世話をしていた群の方が得点が高く、有意差が見
られた。
対人関係
他者理解
自己主張
• 飼育経験により、
自己評価が高くな
る傾向がみられ
た。
• 動物とのふれあい
の他に、動物を通
じての人との関わ
り(散歩中の挨
拶、共通の話題に
出来る等)が要因
として考えられ
る。
• 飼育経験により、
自己評価が高くな
る傾向がみられ
た。
• 動物のしぐさ等を
見て、どう感じて
いるか理解しよう
とする機会が増え
たことが自己評価
に繋がったのでは
ないか。
• 有意差は無かった
が、飼育経験がな
い群の方が自己評
価が高かった。
• 主張する内容が苦
情のようなネガ
ティブなものにな
らないように質問
項目を設定した場
合、別の結果が出
る可能性がある。
1.動物の飼育経験がある群の方が、飼育経験がない
群よりもコミュニケーション能力が高い。
飼育経験有
有意差有り
対人関係
他者理解
自己主張
飼育経験無
>
>
≦
対人関係
他者理解
自己主張
2.リアクションが大きい動物(イヌ、ネコ等)を飼育
していた群の方が、そうでない群よりコミュニケー
ション能力が高い。
・自由記述でなく、自分が一番積極的に世話をしていた
動物だけを記入していたら、違った結果になった可能
性がある。