ティコ第2星表 - 甲南大学 宇宙粒子研究室

ティコ第2星表を用いた限界等級の測定
宇宙粒子研究室
竹川涼太
目的
市販のカメラと望遠鏡を利用して撮影した画像を解析
し、星表と自動マッチングすることにより限界等級を導
出する。
内容
北極星付近を露光時間30秒で撮影し、ティコ第2星表
とマッチングするプログラムを開発する。
使用機材
カメラ : Canon EOS 7D
(①撮像画面サイズ:22.3×14.9mm
②有効画素数:5184 px×3456 px)
可視光のみ撮影することができる
レンズ : デジBORG71FL
(①焦点距離400mm
②有効口径71mm③f/5.6)
Canon EOS 7Dで使用した場合
約4.1×2.7°の範囲を撮影可能
色収差が少なく星の撮影に適している
赤道儀 : ポラリエ
持ち運びやセッティングが容易
赤道儀
天体の日周運動を追尾するための回転軸を持った天体望遠鏡用
の架台である。
デジBORG71FL使用時は30秒まで追尾可能
プレアデス星団
f=400mm
撮影時間 30”
撮影画像
①星の写真を撮影しPNMフォーマットに変換する。
PNMフォーマットは
輝度の情報などを
テキストデータのみ
で構成している。
2.7°
ピクセル数
最大輝度値
1画素の情報
3456 px
4.1°
5184 px
日時:2012/10/04 22:28:58
撮影場所:兵庫県相生市
月齢:18
バックグラウンドを補正した画像
②各ピクセルごとに周囲数十ピクセルの明るさからバック
グラウンドの値を評価して補正する。
星を抜き出した画像
③各ピクセルごとに隣接するピクセルを評価して星を抜き出す。
④検出された星の位置と明るさを算出する。
位置
(1746,232)
明るさ
37310
4.1°
2.7°
3万個の点が星として
検出された
撮影画像
星を抜き出した画像
ティコ第2星表
• 欧州宇宙機関のヒッパルコス衛星によって集
められた等級と位置のデータを使用
• 観測期間は1989~1993年
• 約13等級までの250万個以上の星の情報が
載っている
• 現在もっとも精度の高い星表である
撮影画像と星表のマッチング方法
ティコ第2星表
撮影画像
⑤ 明るい星を2つ選び座標(x,y)を抜
き出す。
⑤左と同じ星の赤道座標(α,δ)を直
交座標(X,Y)に変換する。
y
0
X=cosδsinα
Y=cosδcosα
x
(5,7)
 X
 cosθ  sinθ x  A 
   C 


Y
 sinθ cosθ  y  B 
結果
• ティコ第2星表の等級と撮影された星の明るさの相関図
暗
明
暗
明
結果
• ティコ第2星表の等級と撮影された星の明るさの相関図
暗
明
暗
明
結果
• ティコ第2星表の等級と撮影された星の明るさの相関図
暗
明
暗
明
結果
• ティコ第2星表の等級と撮影された星の明るさの相関図
暗
明
暗
明
まとめ
• 北極星付近を30秒の露光で撮影した
• 撮影画像を処理し、星を抜き出すソフトの開
発をした
• ティコ第2星表と比較し写真に写っていた星
の等級を算出した
• 13等級くらいまで撮影できていて11等級まで
マッチングできていることを確認した