吉田 悠一 線形性 v.s. e-farの検査 ◦ BLR検査 ◦ グラフ検査 線形性 v.s. Low Gowers Uniformityの検査 ◦ ハイパーグラフ検査 Dictator v.s. No Influential Variableの検査 ◦ PCPの検証者の戦略として用いることが出来る。 ◦ 近似困難性の証明につながる。 今回は細かい計算は省略する。 関数f:{0,1}n→{-1,1}が線形: x,y, f(x)f(y)=f(x+y) a1,…,an {0,1}, f(x)=(-1)a1x2+…+anxn 関数fにアクセスするオラクルが与えられた時に、以下 の二つを区別したい ◦ fが線形 ◦ fが線形性から遠い: 任意の線形関数gに対してfとgは高々 1/2+e入力でしか一致しない。 完全性: 線形関数を受理する確率 健全性: 線形関数から遠い関数を受理する確率 最終的に行いたいのはCSPの近似困難性の証明。 ◦ クエリ回数と健全性のトレードオフを出来るだけ良くすれば、 それだけタイトな近似困難性につながる。 ◦ 目標: 1bitクエリを増やせば健全性が半分になる 検査器の性能の向上は本来近似困難性を示すため の手段であったはずが、目的化している印象。 近似困難性を示すにはPCPと話を結びつける必要が あるが、差し当たり線形性の検査で練習(?)する。 x,y R{0,1}nを選ぶ。 f(x)f(y)=f(x+y)ならば受理、そうでなければ拒否する。 BLRアルゴリズムは線形性から遠い関数を確率約1/2 で拒否する。 q回のクエリで健全性は1/2q/3となる。 BLRアルゴリズムが1/2+eの確率で関数fを受理する {iS } xi ならば、ある集合S[n]が存在して、 は S (1) と1/2+e入力で一致する。 証明: 1 1 1 1 3 ˆ Pr[ f ( x) f ( y) f ( x y)] f S max fˆS x, y 2 2 S 2 2 S S*をfˆS が最大になるSとすると、 1 1 1 1 ˆ Pr[ f ( x) S * ( x)] E[ f ( x) S * ( x)] f S * x, y 2 2 x 2 2 Pr[ f ( x) f ( y ) f ( x y )] x, y x1,…,xk R{0,1}nを選ぶ。 全てのペア(i,j), 1 i<j kに対して、f(xi)f(xj)=f(xi+xj)が 成り立てば受理、そうでなければ拒否する。 q=k+kC2個のクエリに対して、kC2回の検査を行う。関 数が線形性から遠ければ、これらの検査は殆ど独立 であるように振る舞い、健全性は 1 になることが 知られている。 2 q 2 q x1,…,xd R{0,1}nを選ぶ。 全てのS [d], |S| 2に対して、 i Sf(xi)=f( i Sxi)が成り 立てば受理、そうでなければ拒否する。 q=2d-1回のクエリに対して、2d-d-1回の検査を行う。 もし検査が全て独立とみなせれば、このテストの健全 性は約(q+1)/2qになるが、実際にはそうではない。 完全性cに対して健全性は少なくとも (1 c) 1 2 q ( c) d-1次線形性検査に緩和すると、dハイパーグラフ検査 が使える。 関数fS: {0,1}n Rの族{fS}S [d]に対するd次元Gowers 内積を以下のように定める。 fS U d Ex , x1 ,..., xd f S x xi iS S [ d ] 関数f: {0,1}n Rのd次元Gowers uniformityを以下 のように定める。 Ud( f ) f U d (d-1)次元線形性検査: fが線形かUd(f) eかを区別す る。 dハイパーグラフ検査は線形関数を確率1で受理する。 関数fがUd(f) e^(2d+1)を満たす時、fがdハイパーグラ フ検査で受理される確率は高々1/2^(2d-d-1)+e 証明: 只管計算。以下の補題を利用 f 2d S Ud d U ( fS ) S[ d ] U d 1 ( f ) U d ( f ) BLR検査の受理確率をフーリエ係数で表現できたよう に、ハイパーグラフ検査の受理確率もGowers 内積 /Uniformityで表現することが出来る。 確率1/2^(2d-d-1)+eで受理する関数fに対して以下が 成立。 2 U d ( f )1/ 2 d よってGowers Uniformityが小さい関数の受理確率 は低い。 関数f:{0,1}n→{-1,1}がDictator: i [n], f(x)=(-1)xi ◦ PCP界隈ではLong Codeとして登場する。 以下の二つを区別する検査器を作りたい(これらが区 別出来れば元のNP困難な問題が解ける)。 ◦ Dictator ◦ 任意のi [n]に対してxiのinfluenceがある定数以下 その検査器自体がなすCSPの近似困難性が示せる。 d次元ハイパーグラフ検査が使える。 ◦ Influenceが大きい関数はGowers Uniformityが大きい。 Additive Combinatoricsの(本資料作成時点での) 応用を概観した。 初等数学: Sum Product Theorem ◦ 組み合わせ論、Extractor グラフ理論: Regularity Lemma ◦ 性質検査 解析: Gowers Uniforimity ◦ Pseudorandomness, Direct Product Theorem, PCP 近年の応用 (Weak/Strong) Structure Theorem ◦ グラフ、集合、置換etc.に対するRegularity Lemma Dense Subsets of Pseudorandom Sets ◦ 疎グラフに対するRegularity Lemma Ergodic Theory ◦ Hard Core Lemma, Average Case Complexity
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