画像測定装置の仕組み

メディア情報処理
神戸大学国際文化学部
情報コミュニケーション論講座
森下 淳也
マルチメディアはデジタル
• デジタル情報
• 画像
– 画像データとは
– デジタルカメラの仕組み
– 人間の目
• デジタル情報の貯蔵・運搬
– データ圧縮
– 非復元圧縮
• まとめ
デジタル情報
• 0と1の有限の長さの並びで情報
を表す。状態を示すので、どの
ようなもので0と1を表してよい。
その意味で無形である。
• 情報を表や目盛り付きの物差し
で表し、項目に順序付けを行な
う。それに番号付けを行なう事
で、0と1で表される(符号化)。
• 予め、何を表しているのかを
知っておく必要がある。
画像データ
(ピクセル)
色を持つ
画像:矩形として広がる画素の集まり。
デジタルカメラの仕組み
• デジタルカメラは、レンズ
の後ろに画素一つひとつに
ひとつの測定装置を配置し
て撮影する装置である。
• 画素に対応する測定装置は、
CCD(Charge Coupled
Device)や
CMOS(Complementary
Metal Oxide Semiconductor)
というイメージセンサーが
使われている。
イメージセンサーの仕組み
• イメージセンサーは画素毎に測
定装置が矩形に並んだ集合体で
ある。一つひとつが光子を受け、
電流に変えて測定する。
• 光の強さ(光子の量)が流れる電
流の大きさになって測定できる。
• しかし、この装置では、何色か
は分からない。明るさだけが測
れる装置である。
どうする?
色の測定
• 測定装置の前に光の三原色
(赤、緑、青)のフィルタを
貼って、一つの画素で三原色
のうちの一つの明るさを測定
する。
• 並んだ画素の測定装置の前に
三原色のフィルタがパターン
をなして並ぶ。
• 測定していない二つの原色の
明るさは周りの画素から計算
で求める。→ 偽色の発生
明るさ・色の情報
• 明るさ:256段階、0と1の並び8桁
• 色:光の三原色、赤、緑、青の明るさ
16,777,216色=(1,677万色)を表現
人間の目の仕組
• 人間の目は、レン
ズである水晶体か
ら入った光を網膜
で受け止める。
人間の目の仕組
• 網膜には、光を感じる視細
胞として桿体(かんたい)
と錐体(すいたい)がある。
– 桿体
• 明るさのみを感知する。
感度は高いが応答は遅い。
暗い中で物が見えるのは
このお陰。
– 錐体
• 光の三原色に対応した色
を感じる視細胞。網膜上
に
赤:緑:青=1:2:1
の割合で分布している。
感度は低いが応答は速い。
人間の目の仕組
• デジカメと同じ!
デジタル情報の格納・運搬
• マルチメディアの情報は膨大である。
• 保存するには、その大きさを小さくする
工夫が必要。→ データ圧縮
• 実はインターネットの普及は、この工夫
が大きな原動力となっていた。
データ圧縮
• 使わない時に、小さくまとめておく。
• 衣類や布団ならビニールに入れて掃除機で空気を
抜く。空気を入れれば元に戻る筈。
• データ圧縮の原理は、0と1の並びを適当な長さの
0と1のパターンに区切って、出現頻度の高いパ
ターンに小さな短い符号をつけて、全体の大きさ
を小さくする。
• でも、この方法では精々、半分にしかならない。
非復元圧縮
• 言葉としては矛盾している。元に戻らな
いなら変換で、圧縮ではない。
• 合い言葉は「人間に感知できない部分は
ごまかしてよい」
– 音楽:mp3(MPEG-1 layer 3)
– 写真:jpg(JPEG)
JPEG
• 激しく変化する色をごまかす。色を変化
の度合いを基準に数え直し、激しく変化
する部分を落とす。
元画像 576KB
圧縮画像 39.33KB
元画像 576KB
圧縮画像 19.07KB
元画像 576KB
圧縮画像 10.23KB
今日のまとめ(意外な所)
• 色を識別できない画像の測定装置
• デジタルカメラは目と同じ仕組み
• データ圧縮は、実はごまかしの連続。ご
まかしていいという発想は、実は人間本
位であること。(工学という学問の文
化)