平成27年12月2日 <学習内容> 1. 待ち行列理論 2. 待ち行列理論の応用 <目的> 待ち行列理論の中のM/M/1モデルを用いて、平均到着率、平 均サービス率、平均利用率、平均待ち時間そして平均応答時 間の意味と定義を学習し、それらの間の関係を理解する。そ して、実際の問題に待ち行列理論を応用できるようになる。 平均すると3分に一人だが、1 どのような理論? 分間隔で来ることもあれば、 次のような問題を考える。 6分間隔で来る事もある。 チケットの販売窓口が一つある。 顧客は、平均して1時間に20人来る。 1分で終了することもあれば、 一人当たりの発券業務に平均2分かかる。3分かかることもある。 このとき、売り場に着いてから券を買えるまで平均何分待つ か? これに答を与えるのが待ち行列理論 ポアソン分布 0.25 λ=3 お客の到着の仕方 単位時間に平均λ人とする。 平均到着率 実際に何人来るかの分布 ⇒ポアソン分布 e x P( x) x! λ=5 λ=10 0.2 0.15 0.1 0.05 0 0 5 x 10 意味は・・・ 単位時間に平均λ回ランダムに起こる事象が(単位時間内に)x回起こ る確率を与える。 15 指数分布 1.2 1 窓口の処理時間 0.8 単位時間に平均μ人処理できる。 平均サービス率 t時間以内に一つのサービスが 終了する確率 ⇒指数分布 P(t ) 1 e t 0.6 μ=3 0.4 μ=5 μ=10 0.2 0 0 0.5 t 1 単位時間にμ人処理できる事象がランダムに起きると仮定して導出。 1.5 客の到着がランダム 窓口が一つ 【基礎課題8-1】 サービス時間がランダム <仮定(前提条件)> 1. サービスが提供される窓口は1つ。 2. 窓口でサービスを同時に受けることができるのは1人だけ。 3. 順番待ちをする客の列は1つ。 4. 客は待ち行列に加わったら、途中で抜け出さない。 5. 客の到着の仕方がポアソン分布にしたがう。 6. 窓口でのサービス(処理)時間の分布が指数分布にしたがう。 この仮定が成り立つ時、平均待ち時間等を計算できる。 【基礎課題8-1 ①】 平均到着率 λ 単位時間に平均何人窓口に来るか 平均サービス率 μ 例)窓口に30分で6人来て、10分 で4人処理できる場合 単位時間を1時間とすると 窓口で単位時間に何名処理できるか。 λ=6×(60/30)=12 平均サービス時間 Ts=1/μ 1名当たりの処理にかかる時間 平均利用率 ρ=λ/μ 窓口が利用されている割合 μ=4×(60/10)=24 Ts=1/24(時間)=2.5(分) ρ=λ/μ=12/24=0.5 【基礎課題8-2 Tw 平均待ち時間 列に並んでからサービスを受けるまでの時間 Tw 1 ②、③】 Ts 1 列の長さ(並んでいる人数) T 平均応答時間 列に並んでからサービスを終了するまでの時間 M/M/1モデル 1 T Tw Ts Ts Ts Ts 1 1 【基礎課題8-3】、【基礎課題8-4】 ★平均到着率 ★平均待ち時間 Tw λ 窓口に単位時間に来る客の人数 列に並んでからサービスを受けるまでの時間 窓口で単位時間に処理できる人数 Tw ★平均サービス率 μ ★平均サービス時間 Ts=1/μ 1名当たりの処理にかかる時間 ★平均利用率 ρ=λ/μ 窓口が利用されている割合 1 Ts ★平均応答時間 T 列に並んでからサービスを終了するまでの時間 Tw 1 Ts 1 例)窓口に30分で6人来て、10分で4人処理できる場合 単位時間を1時間とすると, λ=12, μ=24, ρ=λ/μ=0.5 Ts=1/24(時間)=2.5(分), Tw=0.5/(1-0.5)×2.5=2.5(分), T=5.0(分) 【基礎課題8-5】、 【基礎課題8-6】 例1)1台のレジがある。客の到着が1時間あたり平均12人で,レジ での所要時間は平均3分である。このとき、平均待ち時間は何分か? 平均到着率: λ=12 (人/時間) 平均サービス時間: Ts=3 (分) μ=60/3 = 20 (人/時間) 平均利用率: ρ=λ/μ = 12/20 = 0.6 平均サービス率: 平均待ち時間:Tw=ρ/(1-ρ)×Ts=(0.6/0.4)×3=4.5(分) 平均応答時間:T=Tw+Ts=7.5(分) 【基礎課題8-7】 例2)今度は、客の到着が1時間あたり平均24人と2倍になった。この とき、平均応答時間を変えないためには、レジでの平均サービス時間を 何分にしなければならないか? 平均到着率: λ=24 (人/時間) = 0.4(人/分) 平均利用率: ρ=λ/μ = λ×Ts = 0.4Ts ・・・ ① 平均応答時間:T=1/(1-ρ)×Ts=7.5(分) Ts=7.5(1-ρ) ②より ③に①を代入すると ・・・ ③ Ts=7.5(1-0.4Ts) ・・・ ④ ④より(1+7.5×0.4)Ts=7.5 3 ・・・ ② ∴ Ts=7.5/4=1.875 (分) 最初の 62.5% 行列の長さのρ依存性 行列の長さ=ρ/(1-ρ) 10 9 行列の長さ 8 急激に待ち時間が 増える! 7 6 5 4 3 2 1 0 0 0.2 0.4 ρ 0.6 0.8 【応用課題8-1】~【応用課題8-3】 12月3日 18:00まで
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