KEK String Advanced Lecture (SAL), 11th July, 2012 Rotating string in doubled geometry with generalized isometries ref. arXiv:1205.5549 (accepted by PRD this morning) 菊池 徹 (NIMS/KEK) 共同研究者: 岡田崇(京都大学)、酒谷雄峰(京都産業大学 まとめ と呼ばれるブレーンが作る背景場と、 そのブレーンの周りを回る基本弦の運動を調べた。 (① ブレーンが作る背景場を再構築した。) cf. [de Boer-Shigemori, Phys.Rev.Lett. 104 (2010) 251603] ② ブレーンの周りを回る基本弦の古典解を得た。 ③ ブレーンと、その周りを回る基本弦の性 質が、 Double Field Theoryの枠組みでよく理解できること を示した。 T-fold and (d次元コンパクト化された時空における) T-duality変換群 の復習 質量0の点粒子の場合: コンパクト方向の足 ノンコンパクト方向の足 (ノンコンパクト時空にとっての質量) 弦 弦の場合: 巻きつき数の寄与も考えて、 巻きつき数 B場の寄与も含めると… 正準運動量がずれる i.e., Generalized metric Generalized metricの変換性 変換行列 の種類 ① 座標変換 C∈GL(d) ② (B場の)ゲージ変換 Aは反対称 d×d行列 ③それ以外 (非自明なT-duality群変換) この 変換が、 どのような奇妙な時空(=T-fold)を自然に生み出すのか見てみよ T-fold の toy model : H3 on T3 × [Hull, JHEP 0510 (2005) 065] with 非周期性 ゲージ変換 (→constant H=dB) 座標変換 (非自明な) T-duality群変換 T-fold T-fold の toy model : H3 on T3 (φ,ψ)-torusのgeneralized metric [Hull, JHEP 0510 (2005) 065] モノドロミー 大ざっぱな教訓:非周期性がB場だけに因る系に、 2回T-dualityを作用させるとT-foldを得 弦理論の場合: NS5 T KKM T T-fold brane-web of (type II) string theory IIA IIB 全てU-fold! (codim=2) 記法: -brane T-duality S-duality の構造 [de Boer-Shigemori, Phys.Rev.Lett. 104 (2010) 251603] (余分な次元が加わるだけ) 基本的には先ほどの toy model と全く同じ。 i.e., 非自明にファイバーされた2-torusがある。 の構造 = (3,4)-torus 時間方向 +transverse (1,2)平面 +非自明にファイバーされた(3,4)-torus (1,2)平面 +残りの次元 の軸非対称性はO(2,2)変換からくる。 Rotating String and Double Field Theory 前節のまとめ: T-fold (より一般にはnon-geometric background) 弦理論に自然に(必然的に)存在する奇妙な時空 観測者は どのような世界を見るか? このような奇妙な背景場における物理(=プローブの挙動) を調べる。 → 弦理論には「人間」は存在しないので、プローブとして基本弦を置いて もともとの動機: ・chargeの非保存? ・離散的なchargeの、連続的な遷移過程 例:: 基本弦を の周りで一周させる。 ? ? ? 中途半端なwinding number? 始状態 p3= -1 p4=0 w3=0 w4=1 終状態 p3= -1 p4=0 w3=0 w4=0 背景場の変化に合わせて、 プローブも変化する。 (巻きつき数の非保存?) 話をはっきりさせるために、 周りを、等角速度で回転する基本弦の古典解を求めた : 任意関数 2個の未知関数に対する 6個の方程式。 → 一般解が求まった 結果 (当初の目的意識からするとあまり面白くない) (3,4)-torus (見やすさのために 長方形で表している) 弦 (1,2)-平面 注:このような解しか存在しない。 と単純だから… の軸非対称性は、 は「何らかの意味で」軸対称で、 の周りを回る基本弦は、「何らかの意味で」形を変えずに回っているのだ ? = 「何らかの意味」 → doubled geometryの意味 Double Field Theory の骨子 ・ Doubled geometry すべての場はx^Iに依存する 双対座標 コンパクト方向の座標 ※このトークでは、簡単のため10次元すべてをdoubleにす ・Generalized geometry 特に、一般化された リー微分: Doubled geometry cf. [Duff, Nucl.Phys. B335 (1990) 610] [Kugo-Zwiebach, Prog.Theor.Phys. 87 (1992) 801-860] 理由1 不変性 (⊃10次元一般座標不変、10次元ゲージ不変) を明白にしたい。→ 通常の時空の足L,M,N…を含む20次元の足が必 理由2 は弦の運動量と巻きつき数を混ぜる。 実際、 不変な作用が書ける。 作用を書くのに必要な材料: ゲージ固定 Generalized geometry Good review: [Zwiebach, Lect.Notes Phys. 851 (2012) 265-291 ] Generalized geometryの基本思想: GとBを対等に扱いたい。 ゲージ変換パラメター: one-form vector Gのゲージ変換: Bのゲージ変換: GとBで形が異なる (実に醜い) この「おつり」を吸収したリー微分を作りたい。 [Hohm-Hull-Zwiebach, JHEP 1008 (2010) 008] 一般化リー微分の見つけ方: Generalized metric の変換性を書き下してみる。 vector と one-formに関して対称で美しい式。 注: より演繹的な一般化リー微分の定義の仕方もある。 cf. Generalized complex geometry (ex. Courant bracket, Hitchin geometry) Doubled geometry の言葉で、先ほどまでの話を見直してみる。 ・ はdoubled geometryの意味で軸対称。 重要な点: が双対座標に依存している。 そうでなければ、 ただの座標変換 言い換えると、 は双対座標を巻き込んだような座標変換 我々の時空 (Doubled geometryの言葉を借りなければ、このようなisometryは記述できない 現段階では、このgeneralized isometryは「目の子」で見つけただけ。 → 意味の詳しい理解は今後。 ・弦はgeneralized Killing vectorに沿って、 形を変えずに平行移動していく。 弦の”形”を表すベクトル イメージ図2 イメージ図1 doubled空間 方向 射影 我々の時空 我々の時空 doubled空間 doubled弦 通常の弦 (形を変えていく)(形を変えない 関連する話題 & Future directions (放言) Q-brane [Greene-Shapere-Vafa-Yau, Nucl.Phys. B337 (1990) 1] [Bergshoeff-Hartong-Ortin-Roset, JHEP 0702 (2007) 003] D7-brane “S-brane” (特に名前はないブレーン) 一般に“Q-branes”と呼ばれる。 弦理論的な素性は分かっていない。 通常のブレーンの束縛状態? D7-brane -brane U-duality “S-brane” “T34-brane” [TK-Okada-Sakatani, arXiv:1205.5549] Q-braneの素性は何か? その周りでのprobeの振る舞いは? U-folds上のcharge GHMプロセス [Gregory-Harvey-Moore, Adv.Theor.Math.Phys.1:283-297,1997] KKMの周りで基本弦を動かす(off-shell)。 KKMを囲むS^3はHopf S^3 → 基本弦はlocalにしかS^3に巻き付けない。 (globalには巻きつき数が定義できない) → プロセスの最中、基本弦からKKMにwinding chargeが流れ込む の周りで基本弦を動かす(off-shell)。 のモノドロミーは → 基本弦はlocalにしか に巻き付けない。 (globalには巻きつき数が定義できない) →プロセスの最中、基本弦から にwinding chargeが流れ込む 渦の存在下でのcharge 7-brane: 弦理論における渦 渦: 非自明なサイクルを持ち得る。 cf. Alice string, Cheshire charge → 周囲に対する影響力が強いソリトン [Schwarz, Nucl. Phys. B 208, 141 (1982).] [Alford-Benson-Coleman-MarchRussel-Wilczek, Nucl. Phys. B 349, 414 (1991)] cf. Abe homotopy: 渦とモノポール共存状態の分類、 Z→Z2 [小林-小林-川口-新田-上田, Nucl.Phys. B856 (2012) 577-606] ↑ これらは“自明な背景”におけるchargeの分類 U-fold上の”charge”を定義するためには、 dualityによって様々なchargeが渾然一体となっている様 を理解しなければならない(?) dualityへの理解に対する新しいアプローチ(?) 弦 T こちらの世界 あちらの世界 一つの世界での出来事 通常の文脈でのduality U-fold背景におけるduality consistentな描像 → dualityの理解 名言(?) 「U-foldをめぐる道は、 である。 --岡田 崇
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