14.競争市場における企業

14.競争市場における企業
<キーワード>
平均収入、限界収入
サンクコスト(埋没費用)
ウォーミング・アップ
前回は、企業の「費用」を検討した
売り上げも考慮して、企業の行動を考えよう
「利潤」=「売り上げ」-「費用」を最大にするには
 生産数量を𝑄、価格を𝑃とすると
 売り上げは ________
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高く売れるか
企業はなるべく高く売りたい
Pを引き上げることはできるだろうか
a
1. 市場に多くの売り手と買
い手がいる
2. 売る商品がほぼ同じ
高く (売れる・売れない)
価格受容者(price taker)
b
売り手の数が少ない or
買い手の数が少ない
??
c
商品が差別化されている
??
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完全競争市場
1. 市場に多くの売り手と買い手がいる
2. 売る商品がほぼ同じ
3. 企業は自由に市場への参入と退出ができる
⇒「競争市場」または「完全競争市場」
⇒3の条件は「長期」で考える時に重要になる
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企業の収入(競争市場)
M乳業が牛乳を生産しているとする
生産量はQ、価格はPとする
売り上げ(収入)はP×Q
例えば1リットル200円、1000リットル売ると、総収入は200,000円
M乳業の供給量は市場全体に比べて少ないと想定。
この時、価格はM乳業の販売量によっては______
(価格受容者)
この場合、平均収入は____に等しい
限界収入は_____に等しい
すべての企業にとって平均収入=限界収入=_____
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利潤最大化
生産量
(Q)
(リットル)
総収入
(TR)
(円)
0
総費用
(TC)
(円)
利潤
(TR-TC)
(円)
限界収入
(MR)
(円)
限界費用
(MR)
(円)
限界利潤
(MR-MC)
(円)
200
30
170
200
1
200
230
-30
2
400
290
110
60
140
3
600
380
220
90
110
4
800
500
300
120
80
5
1000
650
350
150
6
1200
830
370
180
7
1400
1040
360
210
8
1600
1280
320
240
9
1800
1550
250
270
どこで利潤が最大になるか
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利潤最大化(2)
費用、収入(円)
300
250
200
150
100
50
0
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
生産量(リットル)
限界収入>限界費用なら、生産量を増やすべき
限界収入<限界費用なら、生産量を減らすべき
利潤最大点では、限界収入と限界費用が一致
(このケースでは6.6のあたりに、最大点がある)
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合理的な人々は
限界原理に基づい
て考える
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図14-1 競争企業の利潤最大化
費用
及び
収入
企業は限界費用と
限界収入が等しくなる
量を生産する
ことで利潤を
最大化する
MC
MC2
ATC
P = MR1 = MR2
P = AR = MR
AVC
MC1
0
Q1
QMAX
Q2
量
Copyright © 2004 South-Western
限界費用曲線⇒供給曲線である
価格と供給の関係を描くのが「供給」曲線
価格がP1からP2に上昇すると、利潤を最大化する企業
の供給量は、Q1からQ2へ増加する
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どこまで頑張るか
a,b,c の各点に注目
 利益は出るか
 操業をやめるか
bとcの間は、どんな状態だろうか
 操業をやめると、得か損か
 どっちにしろ、固定費がかかる
→それなら___________
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サンクコスト(埋没費用)(1)
「短期」の意思決定を考える
 「短期」→設備はそのまま→「固定費」もそのまま
 生産量に関わらず同じ費用がかかる
どんな行動をとっても、そこは変わらない
→サンク(sunk、沈んだ)費用(回収できない費用)
 だったら、少しでも「可変」の部分で稼いだ方が得
 収入>可変費用なら操業を____
収入<可変費用なら操業を____
 bを _______
 cを _______
「長期」だと話は別
 長期では設備も含めて事業をやめる選択肢あり
 長期で操業をやめる点は_____
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サンクコスト(埋没費用)(2)
映画館に入った、30分観て「どう見てもつまらない」
→あなたはどうすべきか
バイキング形式(食べ放題)のレストランに入った
→あなたは、どうすべきか
「このプロジェクトに今までどれだけ資金や労力をかけてきたと思って
いるんだ。今さら中止なんてできるか」
→どういう判断基準で、続行・中止を決めるべきだろうか
⇒ 変えられない過去は忘れる
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長期の供給曲線
長期では市場から
の「退出」が可能
_____であれば退出
_____であれば参入
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企業の利潤は
利潤の大きさを「四角」の領域で示すと
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図14-5 価格と平均総費用の間の領域としての利潤
(a) 利潤のある企業
価格
MC
ATC
利潤
P
ATC
0
P = AR = MR
Q
利潤最大化量
量
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図14-5 価格と平均総費用の間の領域としての利潤
(b) 損失のある企業
価格
MC
ATC
ATC
P
P = AR = MR
損失
0
Q
損失最小化量
量
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短期の市場供給
個々の企業
価格
(万円)
市場全体
MC
価格
(万円)
2
2
1
1
100
200
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生産量
MC
100,000
200,000
生産量
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長期:参入と退出があるとき
企業の利潤がゼロ
価格
(万円)
市場供給
MC
価格
(万円)
ATC
P=
ATCの最
小値
__________
生産量
生産量
すべての人が同一の技術や資材を調達・利用できる⇒同一の費用曲線
利潤があれば参入、損失があれば退出
経済学上の利潤ゼロに。「効率的規模」で操業
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「利潤ゼロ」とは
利潤=総収入-総費用
総費用は企業にとって、すべての機会費用を含んでいる
 弁当屋を開く
 自分の貯金1000万円を投資、銀行に預けていれば10万円の利子
 パートで働いていれば、年200万円の収入
 この場合の機会費用は_______
 これだけの機会費用を埋め合わせる収入はある
「利潤ゼロ」
⇒総収入-総費用(機会費用含む)=0
⇒ 「経済学上の利潤ゼロ」
会計上の利潤は正
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需要が増加すると(1)
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需要が増加すると(2)
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問題【14-1】利潤最大化
生産量
0
1
2
3
4
5
6
7
総費用
8
9
10
11
13
19
27
37
総収入
0
8
16
24
32
40
48
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上のような企業を考える
a. それぞれの生産量に対する利潤を計算しなさい。利潤を最大化
するために、企業はどれだけ生産すべきだろうか。
b. それぞれの生産量に対する限界収入と限界費用を計算しなさい
。次にそれをグラフに描きなさい。どの点で2本の線が交わる
だろうか。これは問aの答えとどんな関係があるか。
c. この企業は競争企業と呼べるだろうか。もし、そうであれば、
この産業は長期均衡の状態にあるだろうか。
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問題【14-2】長期均衡
肥料市場は完全競争的である。市場に参入している企業は現在(経
済学的な意味で)損失を出している。
a. 肥料価格は、平均総費用、平均可変費用、限界費用より大きい
か、それとも小さいか。
b. 現在の状態を、(1)市場の需給と、(2)企業の費用(供給)曲線
を並べて描くことで示しなさい。
c. 需要や企業の費用曲線に変化がないとする。長期において、限
界費用、平均総費用、各企業の供給量、市場の総供給量がどう
なるか、説明しなさい。
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