公募シンポジウムⅧ 医療ネグレクトへの 「事前的関係調整法」による対応 -「死生観」の対立とこれに起因する 「関係障害」を超克するために- <オーガナイザー> 保条成宏(福岡教育大学教育学部) <シンポジスト> 高橋直紹(愛知県弁護士会) 森永佳江(沖縄大学人文学部) 一家綱邦(京都府立医科大学法医学教室) 永水裕子(桃山学院大学法学部)(発表順) シンポジウムの趣旨 オーガナイザー 保条成宏 (福岡教育大学教育学部) Ⅰ. 「医療ネグレクト」の定義 (1)小児患者への生命維持治療が必要な状況に おいて、親権者が医師の治療方針に反対して治療 拒否を行うものであり、かつ、 (2)親権者-医師間で意見が対立している治療方 針について、患者本人は、年少のゆえに自己決定 能力を有しない状況にあるもの。 (注)本シンポジウムでは、「医療ネグレクト」に関して、その事象および 概念としての多様性に配慮したうえで、研究対象の明確化を図るため、 上記の通り限定的に定義することとした。 Ⅱ. 「医療ネグレクト」の中核要素としての 「関係障害」 死 生 観 宗教的信念 内なる優生思想 医療観 親権者 治療方針 をめぐる 対立 医師 関係障害 生命維持治療 子の「生のあり方」 をめぐる 親としての葛藤 小児患者 Ⅲ. 「関係障害」への法的対応① <「事後的行為規制法」とその限界> 親権者の不同意 医師の治療行為 関係障害 事前的局面 法的な転帰 事後的局面 専断的治療行為 →小児患者への 医的侵襲 治療拒否行為 →小児患者の 病状悪化・死亡 「回顧的」介入 治療行為 への 萎縮効果 子どもの 「最善の 利益」 法益の 回復 不可能性 事後的 行為規制法 損害賠償 刑事処罰 Ⅲ. 「関係障害」への法的対応② <「事前的関係調整法」とその必要性> 重症 新生児 など 関係障害 医師 介入 弁護士 法的 ケースワーク (高橋) 協働 親権者 介入 協働 ソーシャルワーカー 律 病院内倫理委員会 手続的要素 実体的要素 (指導原理に基づく (実体的判断の 組織・手続) 規範・基準) (一家) 事前的 関係調整法 (永水) 自律的関係調整の促進 子どもの「最善の利益」 福祉的 実践 (森永) 「 事 前 的 ・ 関予 与防 的 ・ 規」 手続的 規範 実体的 規範
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