マクロ経済を観察するI GDP 第1章 1 イントロダクション 本章の目的: マクロ経済を観察するためのデータ を学ぶ。 データ: 一国の経済全体のパフォーマンス(実績) を測った数値。 本章では国内総生産(GDP)とGDPデフレー ターを紹介。 2 マクロ経済のパフォーマンスを測る 第1節 3 3 パフォーマンスを測る三つの指標 カズキさん一人だけが住むある小さな島の経済 のパフォーマンス(実績)を測る。 1年間に100万円のコメを生産 生産したコメを食べて生活 ある1年間の島の(マクロ)経済のパフォーマ ンスを測る候補: 1. 2. 3. 財・サービスの総生産で測る。 経済主体の総所得で測る。 財・サービスへの総支出で測る。 4 1. 財・サービスの総生産で測る 財・サービスとは、 財:物的な形のある商品のこと。 例:農作物など サービス:物的な形の無い商品のこと。 例:医療・散髪・教育など 財・サービスの総生産とは、 その経済で生産された財サービスの合計。 総生産量が多いと、たくさんの財・サービスを手に 入れることができる。 5 2. 経済主体の総所得で測る 経済主体:その経済に参加している人々 所得: 労働から得られる賃金 持っている資産から得られる所得:農機具のレンタル 代など 総所得: その経済の経済主体の所得を全て足し合わせたもの。 総所得が多くなれば多くの財・サービスを購入できる。 6 3. 財・サービスへの総支出で測る 支出: 消費:財・サービスを使った後に残らない支出 (例:リンゴを買って食べる。) 投資:財/サービスを使い生産能力を高める支出 (例:新しい工場設備の建設。) 総支出: その経済の参加者が購入した財・サービスの合計額 財・サービスへの支出額が多いことは、財・サービ スがたくさん売れた。 7 三面等価の原則 カズキさんの島の例 総生産:カズキさんの1年間の生産 ⇒100万円分のコメ 総所得:カズキさんが1年間に得たもの ⇒100万円分のコメ 総支出:カズキさんが1年間に食べたもの ⇒100万円分のコメ POINT マクロ経済のパフォーマンス マクロ経済のパフォーマンスを総生産・総所得・総 支出のどの指標で測っても同じ(三面等価の原則)。 8 少し複雑な島の経済 100 50 50 100 100 9 まとめ 1. 2. 3. 4. 経済全体では、総所得・総生産・総支出の三つ は等しい。 GDPとは国内で新しく生産された、最終的な 財・サービスについての市場価格の取引金額で ある。 価格をある基準年に固定して、生産量を評価し たものを固定基準方式の実質GDPという。 名目GDP GDPデフレーター= 実質GDP 10
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