両端単純支持梁に対する外乱抑制制御系の製作

30 両端単純支持梁に対する外乱抑制制御系の製作
機械創造工学課程 11307489 古澤大輔 担当教員 小林泰秀 准教授
1.研究背景
片持ち梁等の柔軟構造物の制御問題において,アクチュエータを
複数配置し,外乱を吸収する技術が提案されている.
波を制御する点で能動騒音制御と共通しており,この分野で提案
されている技術との関連を明らかにすることを目指している.
本研究室では片持ち梁の振動制御について行ってきた.
R4
R3
R1
R2
入力電圧
R2
Fig.5 ひずみゲージ
Fig.4 4ゲージ法
騒音制御と片持ち梁の外乱抑制制御の違い
(1)ニアフィールド波の存在
(2)波の伝播速度が周波数に依存する
R4
出
力
電
圧
3.周波数応答
両端単純支持共振周波数理論式を以下に示す.計算結果を
Table.3に示す.
両端単純支持梁とすることでニアフィールド波を無くし,
波の伝播速度を周波数に依存しなくする.
両端単純支持梁の実験装置を作製する.
2.実験装置
Fig.1の概要を示す.
L1700×W40×t2.0[mm]の梁はSUS420の2mのスケールを
用いた.Fig.2に実験装置の全体写真を示す.
L字アングルとDカット円形支柱を使って,Fig.3のように固定し
単純支持を実現した.
更に右端の固定位置より50[mm]の位置にTable.1の圧電素子
を,250[mm]の位置にTable.2のひずみゲージを4枚貼り付けた.
Table.3 理論両端単純支持共振周波数
次数
理論式
周波数[Hz]
f1=f
1次
1.59
f2=4f
2次
6.38
f3=9f
3次
14.35
f4=16f
4次
25.51
f5=25f
5次
39.85
f6=36f
6次
57.39
f7=49f
7次
78.11
作製した実験装置の動作確認のために周波数応答をとり,
理論両端単純支持共振周波数と比較を行なった.結果をFig.6
に示す.
Bode Diagram
0
7.5
Magnitude (dB)
-20
Fig.1 実験装置概要
50.7
23.9 30.9
55.1
89.1
15
2.43
-40
-60
-80
-100
360
strain gage
Phase (deg)
0
R12
-360
-720
-1080
-1440
0
10
1
10
Frequency (Hz)
10
2
Fig.6 周波数応答結果
4.まとめ
(1)両端単純支持梁の実験装置を作製した.
(2)Fig.6より理論共振周波数と周波数応答の実験結果に差
が生じている事が分かった.
Fig.2 実験装置全体写真
Table.1 圧電素子
寸法[mm] L40×W35×t0.5
PTZ
材料
Fig.3 固定部拡大写真
Table.2 ひずみゲージ
ゲージ長[mm]
抵抗値[Ω]
5
120
単純支持梁でない.
5. 今後の課題
・単純支持になっていない原因を探すためにモード形状の
確認を行う.