最終発表

地場野菜の普及による環境
負荷低減効果と普及策につ
いて
生活安全環境班
担当教官:吉野邦彦
TA:阿部真治
安達悠一郎・杉原賢一・
津波古陽香・豊田早苗・
村田瑞穂・山下恵・
渡辺健大・米澤充
背景・目的
現状認識のための予備調査
予備調査のまとめ
課題設定
本調査
本調査の結果
考察
普及方法の提案
まとめ
背景・目的
背景・目的
• 新たな方法→地産地消
• 地産地消→地元で収穫された
地場野菜を地元で消費すること
• 効果→食の安心・安心に信頼性がもてる
フードマイルの減少、霞ヶ浦の水質汚濁を
解消するなど環境的な面でも良い効果
地産地消を進めるという観点に立って
つくば市における地場野菜の
普及方法を研究、提案 します
背景・目的
現状認識のための予備調査
予備調査のまとめ
課題設定
本調査
本調査の結果
考察
普及方法の提案
まとめ
予備調査
ヒアリング・アンケート調査
フードマイレージ
霞ヶ浦の環境問題
環境負荷軽減の試算
1.フードマイレージの
試算
フードマイレージとは
生産地
消費地
この分だ
け温室化
効果ガス
排出量が
減る!
フードマイレージの比較
(単位:t・km)
野菜
減少率
つくば市外
からも入荷
した場合
つくば市だ
けでまかな
う場合
フードマイ
レージの差
だいこん 1,778,1
71.8
にんじん 612,777
.7
77,210.
4
28,841.
4
1,700,96 95.7%
1.4
583,936. 95.3%
3
はくさい 288,101 42,584. 245,517. 85.2%
.9
8
1
1年間で…
だいこん
削減できる 節約できる
CO2量(kg) 電気代(円)
81,646
5,173,617
にんじん
28,028
1,776,091
はくさい
11,784
746,761
合計
121,459
7,696,469
1世帯あたり 1.7
108
2.霞ヶ浦の水質改善
の可能性
~地場野菜の普及により
霞ヶ浦の水質が改善される
可能性はあるのか~
霞ヶ浦の IN & OUT
IN
OUT
・河川による流入 ・底泥浚渫事業
・地下水による流入 ・魚粉による回収
IN & OUT の実態
1年あたり
IN
OUT
流入量
底泥浚渫
魚粉生成
による回収
146.7トン 窒素
43.8トン
1940キロ
157.5トン りん
4.5トン
174.6キロ
IN & OUT のバランス
INを減らすことは難しい!!
…策がないわけではないが普及しづらい
それなら
OUTを増やせ!!
魚粉による回収事業には可能性がある!?
その理由は…
魚
水中における食物連鎖
動物性プランクトン
その頂点に立つのが
植物性プランクトン
窒素・リンなどを含む有機物
魚!
体内に高濃度の
窒素やリンがある
魚粉による回収事業は効率がよい
かも!?
霞ヶ浦を巡る動き
地場野菜の出荷
有機肥料
化学肥料の流出
地元
生産
外来魚の漁獲
霞ヶ浦
農業で魚粉
堆肥を利用する
廃棄物
処理
ヒアリングとアンケート
• 地場野菜普及に関わる行政・生産者・販
売者・消費者の意識・普及度を把握する
ための調査
• 調査対象
市役所(農業課・学校給食課)・JAつくば市・
西武-the garden消費者アンケート
背景・目的
現状認識のための予備調査
予備調査のまとめ
課題設定
本調査
本調査の結果
考察
普及方法の提案
まとめ
予備調査のまとめ
行政・供給者・消費者の
意識について
行政
→地産地消は賛同するも積極的ではない
• 供給者(生産者・販売者)
→野菜は安く・良いものを仕入れる
⇔消費者の鮮度重視を意識している
地場野菜の品目が少なさを問題視している
• 消費者
→鮮度を重視
地場野菜の普及の程度について
• 広く認知されている(消費者)
• バラエティにかける(供給者)
→大幅に増やすことは難しい
• 現在給食の一部に利用されている(給食)
→予算の制限があるため利用拡大は難しい
認証システム
• 茨城県及びつくば市の認証システムが存在する
認証システムとは…
農薬や肥料の使用量に一定の基準を設け、その基
準をクリアした野菜に認証を与える
背景・目的
現状認識のための予備調査
予備調査のまとめ
課題設定
本調査
本調査の結果
課題
考察
予備調査の成果のまとめ
普及方法の提案
まとめ
課題
1、地場野菜に対する意 識の
差
2、学校給食を利用した地場
野菜普及の問題点
3、多品種安定生産のための
農業特区の利用
4、認証システムの普及阻害
要因と認知方法
5、霞ヶ浦における魚粉の堆
肥化事業の可能性
背景・目的
現状認識のための予備調査
予備調査のまとめ
課題設定
本調査
本調査の結果
考察
普及方法の提案
まとめ
調査
文献調査
〔調査目的〕
• 学校給食の地場野菜導入に関する先行研究
を調査し、手法を把握
• 地場野菜の地域への普及方法に関する先行
研究を調査し、手法を把握
ヒアリング調査
〔調査目的〕
・「みずほの村市場」において供給者の意識
の把握
・NPO法人アサザへ魚粉の堆肥化の現状、
堆肥の使用状況の把握
アンケート調査
〔調査目的〕
・地場野菜に対する消費者意識の把握
・地場野菜の学校給食への導入に関する意
識の把握
・認証システムの認知度やイメージなどの現
状把握
文献調査
長崎県大村市の
学校給食への地場野菜導入
先行事例の調査
調査結果
長崎県大村市におい
て学校給食への地場
野菜の導入について
の研究
ヒアリング調査結果
「みずほの村市場」 長谷川久夫代表
NPO法人アサザ基金 田辺 大 氏
「みずほ」におけるヒアリング結果
・価格よりも品質
・農家による価格設定
・認証の理想は成分分析
・農業特区の利用
・大量生産は可能
・バラエティさの欠如
価格よりも品質の競争を促進
・ 高品質を徹底(粗悪品の廃棄)
・ 客層;品質を重視する消費者
・ 一品目に複数の生産者が出品
品質が向上し、消費者は比較購入が可能
価格設定は農家がするべき
• 既存の直売所
安売り→農家の利益の減少
→品質の低下→量販店化
• みずほ
農家が原価計算を元に再生産可能
な価格を設定
認証の理想は成分分析
• 現在の認証は基準が甘い
• 成分分析による野菜のランク分けが理想
資金面で不可能
行政の補助を希望
農業特区の利用
• 法人会社として「みずほ」が農業を行うことが
目的。
• 「みずほ」がつくば市に働きかけて実現
• 申請区域は2ha。敷地内に観光イチゴ園とし
て設置予定
• 生産量の増加としての特区の利用の予定は
ない
地場野菜は大量生産が可能
・ 大量生産がされていなかった理由
→農家の儲けがないため
・ 給食においても現行の給食費のままではだ
れも生産したがらない
・ 地場野菜の価格が高くなると農家の儲けも増
え生産量も増える
地場野菜はバラエティが欠如
• 地場野菜では生産品目が限られてくる
• 農業特区の利用
ー 雇用促進
ー 生産者の育成
ー 新品目の生産
このような利用を考えている
アサザへのヒアリング結果
•
•
•
•
霞ヶ浦の含有量
より効率的な事業
野菜を流通させる予定
「霞ヶ浦ブランド」を確立させる予
定
西浦
北浦
年度
常陸利根川
H15
H14
H13
H12
H11
H10
H9
H8
H7
H6
H5
H4
H3
H2
H1
S63
S62
S61
S60
S59
S58
S57
S56
S55
S54
S53
S52
S51
S50
S49
S48
S47
(mg/L)
霞ヶ浦の窒素含有量の変化
全窒素経年変化(年間平均値)
1.8
1.6
1.4
1.2
1.0
0.8
0.6
0.4
0.2
0.0
霞ヶ浦のリン含有量の変化
全りん経年変化(年間平均値)
0.14
0.12
(mg/L)
0.10
0.08
0.06
0.04
0.02
年度
西浦
北浦
常陸利根川
• 過去20年間ほど、窒素・リンとも含有量に変化はない
H15
H14
H13
H12
H11
H10
H9
H8
H7
H6
H5
H4
H3
H2
H1
S63
S62
S61
S60
S59
S58
S57
S56
S55
S54
S53
S52
S51
S50
S49
S48
S47
0.00
行政が浚渫するよりも
魚粉事業が効率的
• 行政が行った浚渫事業では
回収量:284万立方メートル
窒素・・・219トン/5年 リン・・・22.5トン/5年
・魚粉事業では
漁獲高:19.4トン
窒素・・・485kg/3日 リン・・・43.7kg/3日
が回収された
行政が浚渫するよりも
魚粉事業が効率的
• 事業費1000万円あたりに換算すると
浚渫での除去量
窒素・・・46.3kg
リン・・・4.8kg
魚粉事業での除去量
窒素・・・1520kg
リン・・・169kg
魚粉により生産された野菜を
流通させる予定
• 西友と流通面での協力
• 地元企業との連携は今のとこ
ろない
• 地元消費にはこだわってはい
ない
野菜に対して霞ヶ浦ブランドを
確立させる予定
「霞ヶ浦起源」の野菜ということを強調
食べることで環境がきれいになる!!
消費者意識の向上を狙う
アンケート集計結果
対象:市内小学校児童の保護者
筑波大学生
サンプル数:510
アンケートの概要
・「地場野菜の普及と環境負荷の軽減の関連
性」として
-市内小学校(吾妻・並木・島名・矢田部・北
条小学校)5校に配布し保護者に回答を
依頼
-筑波大学生に配布し回答を依頼
・1,200枚配布→510枚回収(回収率43%)
主な内容
• 野菜購入についての質問
• 野菜の認証システムについての質問
• 食の安全性についての質問
• 学校給食についての質問
• 環境問題に対する意識についての質問
結果
• 回答者の属性
男性
22%
11人
2
10人
1
9人
1
8人
家
7人
族
構
6人
成
人
5人
数
女性
78%
250
27
73
115
4人
202
200
9
183
152
41
3人
150
2人
人
9
70
1人
100
74
0
50
0
34
20代
40
60
80
人
10
10代
20
30代
40代
年齢
50代
2
60代
1
70代
100
120
140
160
地場野菜のイメージについて
• 地場野菜は安心・安
全・安価などという比
較的よいイメージが
ある
虫がつい
ている その他
2%
3%
見た目が
悪い
2%
安心
おいしい
2%
10%
高い
6%
新鮮
49%
安い
15%
無農薬・
低農薬
11%
認証についての印象
認証システムを知っ
ているか
いいえ
88%
はい
12%
今後基準にするか
いいえ
30%
はい
70%
今後認証をどのように広めるべきか
購入者
に優遇
6%
その他
2%
試食
12%
増やす
20%
アピー
ル
38%
目立た
せる
22%
学校給食に地場野菜を
導入することについて
どちらとも
いえない
15%
地場野菜を学校給
食に取り入れてほ
しいか
わからない
4%
どちらかと
いえば取り
入れてほし
い
24%
地場野菜の導入
によって給食費が
上がることについ
て
ぜひ取り
入れてほし
い
57%
どちら
ともい
えない
賛成
18%
反対
30%
背景・目的
現状認識のための予備調査
予備調査のまとめ
課題設定
本調査
本調査の結果
考察
手法の提案
まとめ
考察
考察
1)消費者と供給者の意識の差について
2)学校給食への地場野菜導入について
3)農業特区の利用について
4)認証システムの有効性について
5)アサザ野菜にブランド化の有用性について
1)消費者と供給者の意識の差に
ついて
アンケート及びヒアリングの結果、両者の意
識の差を近づけることは難しい
直売所、スーパーの特色を生かし、消費者が
野菜を選べる環境を作ればよいのでは?
2)学校給食への地場野菜導入
について
・ 長崎県大村市で地場野菜給食の普及の前
例あり
・ つくばでも保護者は地場野菜の利用を期待
している
3)農業特区の利用について
• ヒアリング調査より
・観光農園としての利用
・品目にバラエティさを持たせること
が活用方法として有効だと考えた
4)認証システムの有効性について
• アンケート結果より消費者の認知度は低い
→アピールの必要性
4)アサザ野菜のブランド化の有用性
について
• 魚粉利用の野菜の流通は可能
• (有)ギルドによる有機野菜の栽培
• 西友などとの連携による販売
霞ヶ浦起源ブランドは構築可能
背景・目的
現状認識のための予備調査
予備調査のまとめ
課題設定
本調査
本調査の結果
考察
普及方法の提案
まとめ
提案
これまでの結果から提案
① 販売所の差別化
② 保護者の地場野菜給食の利用と価格上昇に対
する説明
③ バラエティさを補うための農業特区の活用法
④ 認証アピールの手法
⑤ アサザ野菜のブランド化
①販売所の差別化
• 私たちは品質重視の直売所と価格重視のスーパー
を差別化することを提案します。
直売所
=品質
スーパー
=価格
消費者は自分の求める野菜を購入することが可能
②保護者の地場野菜給食の利用
と価格上昇に対する説明
・つくば市産の野菜を給食に使用することで地
産地消への貢献をする
・保護者・児童に対し、地場野菜への理解と関
心を深める
例) ・授業内に野菜の栽培などを行う
・(有)みずほが行う農業体験への参加
・小学校単位での特区を利用し、小学校と
して給食に使用する野菜を栽培する
③バラエティさの欠如を補うため
の農業特区の活用法
• 現在、生産されていない野菜を生産し、バラ
エティを増やす
• 新規参入者に新品種の栽培を行わせる
• 観光農園などで集客を増やし、宣伝効果を狙
う
④認証システムのアピール
(1) 認証シールの「意味」の説明
(2) 試食会の開催
(3) 購入時の優遇制度の導入
(1)認証シールの意味の説明
• 認証シールを知っていても、その「意味」を知
らない消費者が36%
• 意味を説明し、その信頼性を普及させる
ポスターの設置やイメージソングの作成、
生産者による街頭での宣伝など
(2)試食会の開催
• 消費者はデータなどを目で見るよりも実際に食
べることでより信頼してくれる
新鮮な採りたての野菜を試食する機会を設ける
(3)購入時の優遇制度の確立
• 普通の野菜との判断に困っていた場合、消費
者はより得をするほうを購入する
地場野菜を購入した消費者を優遇する制度を
作る(例、認証シールを20枚集めたら野菜を
プレゼント!)
⑤アサザ野菜のブランド化
• 有機野菜を品質にこだわり生産
• 消費者は食べるだけで環境負荷軽減の一端
を担える
食べて霞ヶ浦をきれいにしよう!!
環境に対する消費者意識の向上!
まとめ
今回の地場野菜の普及と環境負荷低減に
ついての調査・分析を通じて、地場野菜の普
及にはいくつかの問題点があることがわかっ
た。そして、販売所の差別化、学校給食への
利用拡大、農業特区の活用、認証システム
のアピール、アサザ野菜のブランド化を通し
て地場野菜がより普及していく可能性が示さ
れた。