まとめ

Alterations in Methylation Status during Development
(Jirtle and Skinner 2007)
Comparison of Mutation frequency in mouse E 10.5 day
Primordial germ cells with ENU
lac Z
500
Recessive mutation
Mutation frequency
400
Recombination
300
200
100
0
0
6.25
12.5
25
50
Dose of ENU (mg / kg)
EEG試験・研究の課題 (1)
環境因子による発癌には ”Mutagenicity” と“Epigenetics”
とが関与している
”Mutagen” の検出系はほぼ完成している
“Epimutagen”の検出系の確立が必要である
⇒ これらの結果から”Mutagen” と“Epigenetics”の
観点からに総合的に評価する
⇒”環境因子による“Carcinogenicity”をMutagenicity”
と“Epigenetics”との両面から考察し、それらのリスク
とベネフィットから使用・あるいは禁止を決定する
EEG試験・研究の課題(2)
“ Epigenetics”は世代を超えて影響するのか?
• Skinner(2005)論文の衝撃
Vinclozolin : ラットの生殖能力に4世代影響を与えた
• 日本でも経世代影響の研究で重要な成果を挙げている
野村大成(高発癌のマウスでの遺伝)
長尾哲二(雄投与による催奇形性の遺伝)
• これまでの“Mutagenicity”では認められなかった
環境因子の世代を超えた影響(経世代影響)の研究が重要
EEG試験・研究の課題 (3)
“Epigenetic Toxicology”の発展
• Epigenetic の撹乱は発生過程においてもっと大きい
• 胎児期投与によるToxicologyの重要性
• “Classical Toxicology”から“Epigenetic Toxicology”へのParadigm shiftが必要である
• 遺伝子発現の撹乱を重視するToxicologyの開発
• “Genomics”/“Proteonimic”データの蓄積からメカニ
ズムの解明へ
• 内分泌撹乱物質のメカニズムの解明
EEG試験・研究の課題 (4)
これまでのMutagenicity試験・研究との関連
• DNA損傷・修復との関連性は?
• 遅延効果・遺伝子不安定性との関連は?
• 染色体異常をEpigenticsとして考察する
⇒これまでのMutagenicity試験・研究での成果を基盤
として、EEG試験・研究を行う
EEG試験・研究の課題 (5)
臨床医学とEpigenetic Toxicology
• Barker(1968):“Developmental Origin of Health
and Disease”の提唱
• 疾患には「遺伝」と「環境」のどちらの要因が大きく
関与するのか?
• 疾患の素地の多くは胎生期の母体内環境で決められている
(心臓病、代謝異常疾患、精神神経疾患、行動異常など)
• Retrospective研究からProspective研究へ
⇒ “Epigenetic Toxicology”の重要性
EEG試験・研究の課題 (6)
Epigeneticsの技術的な問題
• DNA, Histone, Chromatinでの事象が関連している
• そのために技術的な問題点が多く、実験手法がま
だ確定していない
• 実験に経費がかかる
• この分野に興味を持つ試験・研究者が少ない
• “Epimutagen”検出方法の確立が待たれる
EEG試験・研究の課題 (7)
試験・研究体制の確立
• 日本エピジェネテック研究会
Epigenticsの基礎研究
• 「臨床医学エピジェネテック研究会」
臨床医学分野でのEpigenticsの普及
• 環境エピゲノミクス研究会
環境因子によるEpigeneticsの撹乱
⇒これからは3つの研究会会員の協同が必要
“Survival of the Sickest”
「迷惑な進化」
S. Moalem (矢野真千子訳)
------------------------------------------------“Epigenetics”はひょっとすると、人間の健康管理
の概念をまったく新しいものに書き換えてしまうかも
しれないのだ。
DNAは運命だが、修正可能な運命だ。
謝辞
• 今井 清先生([財]食品農医薬品安全性評価センター)
• 長尾哲二先生(近畿大学・理工学部)
• Dr. R.M. Schiestl (University of California at Los Angels)
• 丹羽太貫先生 (京都大学放射線生物研究所・放射線医学総合研究所)
• 日本たばこ産業(株)たばこ中央研究所図書室
• (財)食品薬品安全センター秦野研究所
• “Tox 21” 研究会