プログラミング論 I 2009年5月21日 補間 http://www.ns.kogakuin.ac.jp/~ct13140/Prog.2009 補間 2 補間 • (1) n次多項式での近似 – テイラー展開 • (2) 関数の補間 – ラグランジュの補間法 3 補間とは • (x0, f (x0)), (x1, f (x1),…(xn, f (xn))が既知の とき, それ(x0, x1,… xn)以外の点における関数の値 を求める(予測する) 4 補間の例 x=6 10 f(x) 8 (10, 6.6) 6 4 f (5), f (10)が既知. f (6)が必要になったら? 近くの f (5)=2.4で代用する? (5, 2.4) 2 0 0 5 10 15 x 20 25 30 5 f (5)と f (10)からf (6)を補間する おそらく f (5)より, 一次近似の方が正確. さらに正確な補間方法は? 7 6 (10,6.6) f(x) 5 直線を引いて(一次近似), x=6 における値を予想. 4 3 2 (5,2.4) f (5)=2.4 で代用 1 4 6 8 x 10 12 6 (1) n次多項式での近似 ・近似は補間と密接な関係. ・関数をn次多項式で近似する. 関数の式が既知であることが前提 ・テイラー展開 7 一次式で近似 接線 1.5 y =f (a)+f '(a)(x-a)=g(x) 1 0.5 y 近似に 用いた点 0 0 -0.5 -1 y = f (x) x 2 y = f (x) の接線 y = g(x)は,y =f (x)の一次近似線. f (a) = g(a) かつ f '(a) = g'(a) となっている. つまり,x=a において, 「yの値」と「傾き(一階微分)」が一致している. 8 二次式で近似 y f (a) f ' (a)( x a) 1.5 y =f (a)+f '(a)(x-a)=g(x) 1 0.5 y 近似に 用いた点 0 0 -0.5 -1 x y = f (x) 2 1 f ' ' (a)( x a) 2 2 h( x ) x=aに近いほど 近似は正確 y = h(x)は,y =f (x)の二次近似曲線. (y=f (x)を近似した二次曲線) f (a) = h(a) かつ f '(a) = h'(a) かつ f ''(a) = h''(a). x=a において 「y」と「一階微分」と「二階微分」が が一致している.一次近似よりより正確な近似. 9 三次式で近似 1 1 2 i ( x) f (a ) f ' (a )( x a ) f ' ' (a )( x a ) f ' ' ' (a )( x a ) 3 2 6 1 i ' ( x) f ' (a ) f ' ' (a )( x a ) f ' ' ' (a )( x a ) 2 ここは 2 xの式 i ' ' ( x) f ' ' (a ) f ' ' ' (a )( x a ) ここは i ' ' ' ( x) f ' ' ' (a) 定数である y = i(x)は,y =f (x)の三次近似曲線. f (a)=i (a),f '(a)= i (a), f ''(a)= i ''(a),f '''(a)=i '''(a) よって,x=a において,yの値,1~3階微分が一致. 10 テイラー展開 Taylor expansion • f (x) を以下の級数に展開する k 0 f (k ) (a) k ( x a) k! a=0の場合, マクローリン展開 1 1 2 3 f (a ) f ' (a )( x a ) f ' ' (a)( x a ) f ' ' ' (a )( x a ) 2 6 1 1 (5) 4 5 f ' ' ' ' (a )( x a ) f (a )( x a) ... 11 24 120 テイラー展開 • テイラー展開を有限個の級数で打ち切る n1 f ( k ) (a) f ( x) ( x a) k Rn k 0 k ! Rnはラグランジュの剰余項 • lim Rn =0のとき, f ( x) n f ( k ) (a) k 0 k! ( x a) k lim R 換言すると nn =0のとき,展開の次数を上げていくと より正確な近似になっていく. 12 テイラー展開 近似線 1次 2 2次 1.5 1 0次 0.5 5次 6次 0 -0.5 -1 -1.5 -2 0 0.5 2 1 y=sin(x) 3次 4次 13 n次多項式による近似 • 基本的に近似点の近傍では次数を上げる ほど,正確な近似になる 14 単語の説明 10 f(x) 8 6 4 この区間を 補うことを 補外,外挿 という この区間を補うことを 補間,内挿という 2 0 0 5 10 15 x 20 25 30 15 (2) 関数の補間 関数の式が未知の場合も使える 16 補間 既知の f (xi)から,f (6)を補間する例を考える. 10 f(x) 8 6 4 2 0 0 5 10 15 x 20 25 30 17 0次補間 x=6に一番近い,x=5を採用する. 7 6 既知の点 f(x) 5 既知の点 4 3 f (6)を補間 2 f (6) = f (5) 1 4 6 8 x 10 12 18 1次補間 (5, f (5)), (10, f (10)) を通る1次関数(直線)で補間する. 7 近似直線を用いて f (6)を補間 6 既知の点 f(x) 5 既知の点 4 3 f (5) f (10) f (6) (6 5) f (a) 5 10 2 1 4 6 8 x 10 12 19 1次補間 • 2点(a , f (a))と(b , f (b))より,x=mにおける yの値 f (m)を予測する • 2点(a , f (a))と(b , f (b)) を通る直線の式 f (a) f (b) y f (a) ( x a) a b これに,x=mを代入して, f (a) f (b) f ( m) (m a) f (a) a b 20 2次補間 3点を通る2次関数を求め,その2次関数(放物線)で補間する. 8 f(x) 6 (5, f (5)), (10, f (10)), (15, f (15)) を通る2次曲線. これを近似曲線とする 4 近似曲線を用いて f (6)を補間 2 0 4 6 8 10 12 x 14 16 21 2次補間 •3点(x0, y0), (x1, y1), (x2, y2) を通る2次曲線の 求め方(の例) 2次曲線は y=ax2+bx+c で表せる. (3個の未知数が決まれば,2次曲線が決まる) (x, y)=(x0, y0), (x, y)=(x1, y1), (x, y)=(x2, y2)を代入す れば,方程式が3本立つ. よって,3元1次連立方程式を解けば2次曲線は求 まる. 後で,別の方法(ラグランジュの補間法)を紹介する 22 2次補間 • 求めた2次近似曲線 y=g (x) に, x=m を代入し,g(m)を補間値として用いる. • 1次補間(直線による予測)より,正確である ことが期待できる. 23 練習 0 y=f (x)は,2点 (1, 1), (2,4) を通る. f (1.5) と f (3) を,一次補間(補外) により予測せよ 8 7 6 f(x) 5 4 3 2 1 0 0 1 2 x 3 24 解答 0 • 両点を通る直線 傾き 4 1 3 2 1 (1, 1)を通り,傾き3の式は y 1 3( x 1) y 3x 2 x = 1.5 のとき,y = 2.5 x = 3 のとき,y = 7 25 ラグランジュの補間法 既知の点n+1個を全て通る n次式を求める 26 ラグランジュの補間法 • n+1個の点を通る,n次方程式P(x)で補間 通る点を(x0, f (x0)), (x1, f (x1)),…, (xn, f (xn)) として 以下の方法により,P(x)が求まる P( x) n f ( xk ) Lk ( x) k 0 x xm ただし Lk ( x) m 0 xk xm n m k 27 ラグランジュの補間法 x xm Lk ( x) m 0 xk xm n m k ( x x0 ) ( x xk 1 )( x xk 1 ) ( x xn ) ( xk x0 ) ( xk xk 1 )( xk xk 1 ) ( xk xn ) (xーxk)以外 (xkーxk)以外 Lk(x)の分子は x の n次多項式.分母は定数. よって,Lk(x)はxのn次多項式. f (xk) は定数.よって, f (xk)Lk(x)は x の n次多項式. よって,P( x) n f ( xk ) Lk ( x) は x の n次多項式. k 0 28 ラグランジュの補間法の例 • 4点(x0, f (x0)), (x1, f (x1)), (x2, f (x2)), (x3, f (x3))を 通る,3次曲線の方程式 y = P(x) は, ( x x1 )( x x2 )( x x3 ) y P( x) f ( x0 ) ( x0 x1 )( x0 x2 )( x0 x3 ) ( x x0 )( x x2 )( x x3 ) f ( x1 ) ( x1 x0 )( x1 x2 )( x1 x3 ) ( x x0 )( x x1 )( x x3 ) f ( x2 ) ( x2 x0 )( x2 x1 )( x2 x3 ) (xーx2) 以外 (x2ーx2) 以外 ( x x0 )( x x1 )( x x2 ) f ( x3 ) ( x3 x0 )( x3 x1 )( x3 x2 ) 29 ラグランジュの補間法の例 • y = P(x) は,(x2, f (x2))を通るか確認 ( x x1 )( x x2 )( x x3 ) y P( x2 ) f ( x0 ) ( x0 x1 )( x0 x2 )( x0 x3 ) y=P(x)は (x2 , f (x2)) を通る 3次曲線 ( x x0 )( x x2 )( x x3 ) f ( x1 ) ( x1 x0 )( x1 x2 )( x1 x3 ) ( x x0 )( x x1 )( x x3 ) f ( x2 ) ( x2 x0 )( x2 x1 )( x2 x3 ) ( x x0 )( x x1 )( x x2 ) f ( x3 ) ( x3 x0 )( x3 x1 )( x3 x2 ) ゼロ ゼロ 1 (x=x2なら 分子と分母 が一致) ゼロ = f (x0)×0 + f (x1)×0 + f (x2)×1 + f (x3)×0 = f (x2)30 ラグランジュの補間法の例 10 f(x) 8 4次曲線で 近似し,補間 6 4 2 0 0 5 10 15 x 20 25 30 31 ラグランジュ補間法の問題点 1.5 補間曲線は, 確かに 全ての点を 通過している y 1 端の方は 全く近く いない 1 2 x 1 を11点を用いて ラグランジュ補間法で補間 y=1/(x2+1) 0.5 Lagrange補間 補間点 0 -5 -3 -1 -0.5 1 3 正解 5 ラグランジュ補間法 による予想32 ラグランジュの補間法の問題点 • 補間の点数が増えると,激しく振動する – 点数が増えると, (全ての補間点を通過しているのは事実だが) 補間のn多項式の次数が大きくなり振動する. – 次数が高いほど好ましいのではない. 33 (3次)スプライン補間 1.5 この区間を 3次関数 で補間 区間ごとに,別々の 3次多項式を用意し 補間する 1 y=1/(x2+1) この区間を 3次関数 で補間 補間点 0.5 0 -5 -3 -1 1 -0.5 3 5 34 練習 1 • 3点 (x0, y0), (x1, y1), (x2, y2) を通る,2次方 程式を書け. – ただし, 記号と, 記号は使用しないこと 35 解答 1 ( x x1 )( x x2 ) f ( x0 ) ( x0 x1 )( x0 x2 ) ( x x0 )( x x2 ) f ( x1 ) ( x1 x0 )( x1 x2 ) ( x x0 )( x x1 ) f ( x2 ) ( x2 x0 )( x2 x1 ) 36
© Copyright 2024 ExpyDoc