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年金について
07F0531
松金
崇昌
はじめに

わたしは20歳となり、年金へ加入する年齢へとなりました。しかし、
現在は、学生ということで、免除されています。そこで、せっかく年金
へ加入する年齢になったので、この機会に年金の仕組みなどについて調
べてみようと思い、このテーマにしました。
目次
はじめに
 公的年金
 私的年金
 年金の問題点
 さいごに
 参考文献

公的年金
年金の全体像
公的
年金
国
民
年
金
老齢基礎年金
障害基礎年金
遺族基礎年金
厚
生
年
金
老齢厚生年金
障害厚生年金
遺族厚生年金
私的年金
共
済
年
金
退職共済年金
障害共済年金
遺族共済年金
企業年金
適格退職年金
厚生年金基金
確定拠出年金
確定給付企業年金
自社年金
国民年金基金
個人年金
生命保険
銀行
証券
各種共済制度
簡易保険
財形年金
年金の基礎知識


年金が受給できるのは
①高齢になったとき(高齢給付)
②病気やけがにより障害者と認定されたとき(障害給付)
③死亡したとき(遺族給付)
国民年金(基礎年金)、厚生年金、共済年金のそれぞれに、老齢、障害、
遺族の各年金があり、思うように働けなくなった場合の本人や家族、遺
族の保障する役割を担う。
公的年金

国民年金・・・1959年に成立した国民年金法にもとづき、自営業者、自由
業者(医師、弁護士など)、無営業者及びその家族を対象とした公的年金
制度としてスタート。その後1985年の公的年金制度の大改正で、国民年金
は民間会社員や公務員などを含む全国民共通の年金制度に拡充され、基礎
年金として位置づけられた。
加入者の範
囲
・20歳以上60歳未満の自営業者や学生等(第一号
被保険者)
・ 厚生年金に加入する民間会社員や共済年金に加
入する民間会社員や共済年金に加入する公務員等
(第二号被保険者)
・第2号被保険者に扶養されている20歳以上60歳
未満の配偶者(第三号被保険者)
公的年金~国民年金~


国民年金保険料・・・月額1万3300円だったが平成16年に改正さ
れ翌年から毎年280円ずつ引き上げられ、平成29年には1万690
0円に固定される。
保険料の払い方
・第一号被保険者・・・社会保険庁から納付書が送られてくるので、郵
便局や銀行、農協、社会保険庁などで保険料を納める。また口座振替も
可能。
・第二号被保険者・・・月給やボーナスから天引き
・第三号被保険者・・・年金をもらうときに保険料を納めたものとして
計算されるので、保険料の納付をしない。
公的年金~厚生年金~


厚生年金・・・民間企業で働く人を対象とした公的年金。適用される事
業所(法人事業所、一部のサービス業等を除く常時5人以上の従業員を
使用する個人事業所)で働く70歳未満の従業員は強制加入。厚生年金
の給付には、老齢厚生年金、遺族厚生年金、障害厚生年金、特別支給の
老齢厚生年金がある。厚生年金は、企業が従業員の加入手続きを行い、
保険料は労使折半で、企業が従業員負担分を給与天引きで徴収し、企業
がまとめて納付します。
厚生年金の受給資格
①国民年金の老齢年金の受給資格があること
②65歳以上であること
③厚生年金の加入期間が1か月以上
*厚生年金は国民年金の上乗せ部分として報酬に比例した年金を支給す
る制度になり、加入すると同時に国民年金の第二号被保険者として基礎
年金にも加入。
公的年金~共済年金~


共済年金・・・公務員や教員等、特定の職域の被用者のために、各共済
組合等が支給する公的年金。現在共済年金には、国家公務員共済組合、
地方公務員共済組合、私立学校教職員共済の3種類が規定されている。
共済年金の給付には退職共済年金、遺族共済年金、障害共済年金、特別
支給の退職共済年金がある。これらの共済組合等の実施する事業には、
退職年金等を支給する長期給付事業(共済年金)、民間企業の健康保
険・労災保険に相当する短期 給付事業、保養所・病院の施設運営や資
金の貸付等を行なう福祉事業の3つがある。
受給資格
①国民年金の老齢基礎年金の受給資格があること
②65歳以上であること
*共済年金は国民年金の上乗せ部分として報酬に比例した年金を支給
する制度になり、加入すると同時に国民年金の第二号被保険者として基
礎年金にも加入。
厚生年金と共済年金(補足)

保険料の納付期間・・・老齢厚生年金・退職共済年金を受給するには、
老齢基礎年金と同様25年以上の加入が必要。
*加入年数は1つの会社や共済組合での加入年数ではなく、加入してい
た期間の合計の年数で計算される。
公的年金(3)

日本の年金制度は、国民年金からは、すべての国民に共通する基礎
年金が支給され、厚生年金など被用者年金からは、基礎年金に上乗せす
る報酬比例の年金が支給されるという、二階建ての年金給付のしくみを
とっています。
老齢基礎年金の受給資格
65歳に達していること
 加入期間が25年以内であること
①保険料納付済期間
②保険料免除期間
③合算対象期間(カラ期間)
①+②+③=25年以上
*カラ期間とは、実際に保険料を払っていなくても受給資格期間として認
められる期間(しかし、年金の受給額を計算するときには、算入されな
い)
例:昭和36年4月から61年3月までの間で、配偶者が厚生年金、共済
組合に加入していて、本人が何の年金にも加入していなかった期間
昭和36年4月以降に20歳から60歳までの間で、日本国籍の人が
海外に在住し国民年金に任意加入していなかった期間など

老齢基礎年金の計算方法

20歳から60歳になる前月までの40年間保険料を納付すると、満額
もらえることになる。平成19年度の満額は79万2100円であった。
ただし、この老齢基礎年金額は毎年変わる。
式:基礎年基金額79万2100円×(保険料納付済期間+
保険料全額の免除月数×1/3 +保険料半額免除月数×2/3)÷加入可能
年数×12か月
*加入可能年数は加入日が昭和16年4月2日以降ならば40年

保険料免除制度
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
法定免除・・・一級、二級の障害年金をもらっているひとや生活保護を
受けている人
申請免除・・・所得が少なく支払いが困難なひと
・全額免除
(扶養者親族等の数+1)×35万+22万(前年所得)
・一部免除
4分の1納付→78万+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
2分の1納付→118万+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
4分の3納付→158万+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
学生納付特例・・・学生である期間に限り、保険料の納付が猶予され1
0年以内に追納できる。
若年者納付猶予制度・・・30歳未満の低所得者本人と配偶者の収入が
基準(全額免除と同額)以下の場合10年以内に追納すれば納付済み期
間となる。
私的年金
私的年金~企業年金~
適格退職年金・・・税制上適格と承認されている制度で、事業主が従業
員を受取人として生命保険会社や信託銀行などの受託会社と契約して掛
け金を払い込み、退職時に年金または一時金を支払う。受託会社が掛け
金の管理・運用をから給付で行う。つまり、退職金を外部積立している
ということ。
 税制上の優遇
・契約内容が税法で定める目的、契約、役員等の除外など14の適格要
件に該当していると国税庁の承認が得られ、掛け金を全額損金算入でき
ることが大きな魅力。
・従業員の所得に対する課税が掛け金の拠出時点ではなく、将来、年
金を受給する時まで繰り延べられる。
・積立金の運用収益は非課税となる。
*平成24年にこの税制上の優遇は受けられなくなる。よって適格退職年金
も廃止される。

私的年金~企業年金~

確定給付企業年金・・・平成14年に設立。老後の備えに対する自助努
力を支援するための制度で、受給権の保護を目的としている。掛け金の
累計額と運用収益であらかじめ年金額が決定されている。企業や組合が
実施し、資産運用のリスクも企業や組合が負う。

規約型・・・労使が合意した年金規約に基づき、企業と生命保険会社や
信託銀行などの受託会社が契約し、受託会社が年金資産の管理・運用、
給付を行なう。

基本型・・・企業とは別の法人格の基金を設立し、その基金が年金資金
の管理・運用、給付を行なう。
私的年金~企業年金~


確定拠出型・・・将来の年金給付型が、掛け金と運用益によって後で決
まる制度を「確定拠出型」という。アメリカの「401kプラン」をモ
デルにして、平成13年に導入された。掛け金は生命保険会社等の資産
管理機関に拠出する。特徴は、①年金資産を社員等が自分で運用、②そ
の結果に応じて年金額が決定されること、③年金資産が個人に区分され、
残高の把握や転職時の資産の移行が容易にできること、④企業の規模を
問わず実施することが可能なことの4つがあげられる。確定拠出型年金
には、個人型年金と企業型年金がある。
厚生年金基金・・・厚生年金保険法により設立を認められた「特別法
人」で特別の権能が与えられ、国の特別の監督規制を受けている。基金
では、老齢厚生年金の報酬比例部分の年金を代行し(代行型基金)、こ
れに加え企業の実態に応じた独自の上乗せ給付を上乗せした年金給付を
行なう(加算型基金)。厚生年金基金を設けた企業は、代行部分に見合
う保険料の国への支払いが免除される。
私的年金~国民年金基金~

国民年金基金・・・国民年金のみの加入者が受け取る老齢基礎年金は
40年加入でも月額7万円弱ですが、厚生年金に加入していた人は老齢厚
生年金を平均月額10万円受け取っています。この差を埋めようと平成3
年に設立されたのが、国が運営する「国民年金基金」である。老齢基礎
年金に上乗せして支給される。加入条件は国民年金の第一号被保険者で
あること、国民年金基金に保険料を納付していること。
基金には同じ都道府県に住所を持つ加入者で構成される「地域型国民
年金基金」と同業の事業や業務に従事する加入者で構成される「職能型
国民年金基金」がある。希望者はどちらかを選び口数単位で加入します。
終身型のA型(80歳まで保証期間)
1口目
B型(保証期間なし)
2口目
以降
確定年金のⅠ型、Ⅱ型、Ⅲ型(保証期間が違う)
私的年金~国民年金基金~

65歳からの18年間(男性の平均余命)を単純計算すると約5,800万円の生
活費が必要となります。
一方、国民年金は夫婦2人で満額約2,800万円であり、より豊かな老後
生活を確保するために、国民年金基金が重要となります。
私的年金~個人年金~

財形年金貯蓄・・・会社員が給与やボーナスから天引きで契約している金
融機関に積み立てた掛け金と運用益が給付額となる年金制度。
・契約の要件
①契約締結時に55歳未満であること
②一人一契約に限る
③事業主を通じて勤労者の賃金から天引きで預入れすること
④5年以上、定期的に積み立てる
⑤措置期間は、5年以内
⑥年金給付は、60歳以降、契約所定の時期から5年以上定期的に受け取
ること
⑦この契約に基づく預貯金等は年金支払いを除き払い出ししないこと
・商品の種類・・・預貯金(定期預金、定期貯金等)、合同運用信託(金銭
信託、貸付信託)、有価証券(国債などの公社債、証券投資信託の受益証
券、金融債、株式投資信託)、生命保険、生命共済、郵便年金、損害保険
私的年金~個人年金~

その他の個人年金・・・個人が生命保険会社や銀行、郵便局などと個別
に契約し、掛け金を積み立てて、積立金と利子、運用益を年金として受
け取るもの。
保険型
・終身年金→一生涯年金を受け取る
(生命保険会社、郵便局、JA、全労災)
・保証期間付終身年金→一定期間の年
金の支払いを保証し、被保険者が死亡
しても遺族に支払われる(生命保険会社、
貯蓄型
・元本温存型→預けたお
金の利息や配当を年金に
当てる。元本に手をつけ
ないので一生涯年金を受
け取れる(銀行、信託銀行、証
郵便局、JA、全労災)
券会社)
・確定年金→加入者の生死にかかわら
ず一定期間支給される
・元本取崩し型→預けた
お金を運用しながら元本
と利息、配当金を一定期
間に分割して受け取る(銀
(生命保険会社、損害保険会社、全労災)
・有期年金→加入者が生存しているこ
とを条件に一定期間年金を受け取る
(生命保険会社、郵便局、JA、全労災)
行、信託銀行、証券会社、JA)
年金の問題点
年金の問題点


日本は現在高齢社会へと突入しつつあるが、その速度は世界に類を見な
いペースである。2000年には現役世代と老齢世代の比率は4対1程
度であった。しかし、厚生労働省の推計によれば、2025年ごろには
この比率が2対1程度になるとされている。この変化は現役世代の負担
する保険料が年金受給世代の年金原資になるという「世代間扶養」のし
くみをとる公的年金に大きな影響を与える。このしくみでは、年金受給
世代を支える現役世代の比率が低くなる程、一人当たりの保険料は上が
ることになり、現役世代の負担が大きくなる。
経済の低迷によってもたらされた低金利と株式市況の低迷が企業年金の
運用環境を低迷させた。企業年金では、将来の年金給付額は、あらかじ
め定められた運用利回りを前提に約束されているため、掛け金の実際の
運用利回りが低下すると、企業は負担する掛け金を上げてその分の穴埋
めを迫られる。よって企業の負担が大きくなる。特に、2000年から
2002年は経済の低迷により、企業年金の解散・廃止や、給付減額を
行なう企業が増えた。
高齢者の現状

日本は男女ともに世界一の平均寿命を誇っており、老後が長期化してい
るため、生活設計を立て計画的に老後に備えることが必要となってきて
います。

一方、老後に必要な生活費は、平成19年家計調査(総務省統計局)に
よれば、高齢者夫婦の世帯の支出は、月額約27万円。
国民年金の未払い問題

国民年金の未納者の増加・・・厚生年金の被保険者は、保険料が給与か
ら天引きされるので事業主が納めてくれますが、自営業者などの国民年
金の第一号被保険者は自ら保険料を納付するため保険料の未納が生じや
すくなっています。
*この後納付率はやや改善したが2005年時点で32.8%にとど
まっている。また若年層ほど納付率が低く、2005年時点では50%
台なっている。
さいごに

年金にこれほど様々な種類の年金あること知り驚
いた。年金はこれから必要なものなので今回調べ
られてよかった。また、社会に出たらきちんと年
金を支払いたいと思う。
参考文献
面白いほどよくわかる年金のすべて
監修 澤木 明 (2007年発行)
 図解 年金のしくみ 著者 みずほ総合研究所

(2006年 発行)

社会保険庁HP