切れやすい子の理解と指導

キレやすい子どもの理解と指導・援助
1 キレる
自分の思い通りにならないと、泣き
叫んだり、暴言を吐いたりして怒る
1) キレやすい子どもの特徴(マッキー1997)
・ 物事の考え方、やり方に固執しやすい
・ 孤独感が強い
・ 完璧主義
・ 直面化を避ける
・ 不満が多い
・ 他者に対して批判的
・ 不安が強い
・ 被害者意識が強い
2 怒りの表れ方
① 激情型
突然怒りがこみ上げて爆発するタイプである
彼らは、暴言や暴力などで怒りを放出した後は、
さっぱりしてしまうので、周囲は戸惑ってしまう。
彼らを「キレ」にくくするためには、先ず行動面の対
応として、きっかけはずしやリラクゼーションを行う
② 慢性型
否定的な思考の連鎖が常にあり
いつも不快感を感じている。
放出タイプは、一気に爆発することはないが一度怒り
始めるととめるのが困難になり、自他に対して執拗に
暴力等をし続け、精神的・物理的に追い詰めていく
慢性的に怒りを感じている生徒の中には、怒りを押し
込めて、表現しない溜め込みタイプがある。彼らは、
怒りを感じているが、うちに溜め込んで、外に感情を
表出できない。怒りの感情を否定しがちである。
3 教室でよくあるトラブル―教師の疲労と困惑
・激情型でキレやすい子がいると、トラブルは日常茶
飯事。例 指名されて応答できないと教科書を投げ、
止めたと叫び、外へとび出す。又は泣き出す事有り
慢性型の場合、一度キレルととまらない。注意をする
と絡まれ続け、教師が逆ギレをすることがある。溜め
込み型の場合、身体症状、うつに近い症状を呈する
4 感情の表現方法から見た違い
キレやすい子
決まった表現:どなる、壊す、暴力等
言語表現:話す「やめて」
「いやな気分だよ」
書く:日記、手紙、メール
一つの感情
キレにくい子
より適切な表現
を考える間、欲
求不満に耐える
力がある。
様々な
表現方法
身体表現:ジェスチャー
姿勢 等
行 動
:無視して立ち去る
非言語表
現
:音楽、絵画 等
5 きれそうになったときの対処
感覚刺激
言語化
深呼吸
先生に
言う
きれそうに
なったら
自分の内的リソース
(方策・算段)を増やし、
選び、強める主体者
場面の
切り替え
気分転換
好きな
活動
水のみ
違う作業
保健室に
脱出
図書室で
読書
アンガーマネジメントの一連の流れ
1)啓発教育
2)危機介入
3)個別対応プログラム
※HR:教科での教育
※いじめ・暴力現場での対応
アジテーション時の対応
いじめ・暴力を受けている
生徒への介入
※個別アンガーマネジメント
いじめ・暴力を繰り返す加害者に
対する個別アンガーマネジメント
① 「怒り」の理解
② 「感情の発達」
③ 「いじめ」「暴力」とは
何かの理解
③ 「ソーシャルスキル
ラーニング」
・ストレス耐性
・アサーション
・上手な断り方
・危機対応のスキル
・対立解消スキル 外
学校全体へ
行動規範の設定
・暴力等への対応シス
テム
・全校での組織作り
地域へ
挑発にのらない
状況の把握、助けを求める
発見した生徒・教員の動き
状況の把握・可能な場合は介入
ブザー・教員・応援を呼びに行く
教員全体へ
行動を制する方向で対応
対応の可能性の見極め
ピーク時 (いじめの過激な時期)の対応
怪我の程度の確認、加害者と被害
者との分離、観衆の移動、応援の依
頼、状況により警察に依頼、外部の
専門家への連絡
・いじめ・暴力の背景の理解
学業からのストレスは何か?
対人関係でのストレスは何か?
連絡上のストレスは
・怒りの出し方・コミュニケーション方法
等で学習できていないことは何か
いじめ・暴力を受けやすい生徒へ
のカウンセリング・対応力の育成
・何故受けやすいかの査定 ・セルフ
エスティームの増進・友達の作り方、
ソーシャルスキルの習得
対立している者同士の対立解消
限界設定:対立解消するまで、面接以
外で接触しない約束、対立原因の理解
ピア・カウンセリング
地域の安全確保
③小康状態
地域の関係機関との連携
何が生じたかのリブリーフィング、当 学級・学年の他生徒への対応
危機介入の方法の伝達
(警察、相談室、児童相談所 事、関係者への対応、保護者への連
ソーシャルスキルの育成
児童館など)
絡対応、教職員の気持ちの整理
包括的なスクールカウンセリングの概念図
本田恵子(学校教育相談(07.4)
健康な児童・生徒へのサービス内容(上2つの四角)
適応相談の内容
全
体
へ
の
サ
ー
ビ
ス
内
容
生徒全体への
ガイダンス
(開発的)
自己理解・他者理解
ソーシャルスキル(目標
健康な生徒への
達成・危機対応等)
学業相談の
内 容
学習技術・意欲
学習スタイル
人生で成功する
ための学力
個別の援助プラン
進路相談の
内 容
援助と 進路探索
成功 職業的自己実現
学校と職業との
関係の理解
問題を抱える学級・学校へ
の組織的な支援サービス
問題を抱える生徒への
個別対応サービス
これまでのやり方では、対応しきれなくなった場合の活動内容(下2つの四角)
個
別
の
サ
ー
ビ
ス
内
容