産業組織論 (9) 独占的競争 丹野忠晋 跡見学園女子大学マネジメント学部 2015年12月24日 製品差別化 サマンサタバサとルイヴィトンのバック 多くの企業の製品は会社名やブランド名で異なっ ている 製品の違いを差別化という 企業は一部独占力を持っている 独占力とは企業の限界費用よりも高い価格を付け る力 そのような競争を独占的競争 1. 製品相互の代替性は高い 2. 参入と退出は自由 2015/12/24 産業組織論 9 2 短期と長期 ある程度独占力を持っているときの利潤は? 利潤がその産業内で確保されているときの状況を 短期という 短期は short run なのでSRと略 しかし、参入と退出が容易なので参入が行われる それは既存企業の利潤が0になるまで新規企業が 参入するだろう そのような参入で利潤が0になる状態を長期とい う 長期は long run なのでLRと略 2015/12/24 産業組織論 9 3 固定費用と可変費用 固定費用は固定投入物に関する費用 生産量に関わらず一定の費用 苺農家との契約で固定的投入 いちごのブランド:あまおう,とよのか 固定費用は100円 可変費用は可変投入物に関する費用 2015/12/24 産業組織論 9 4 総費用と平均費用 総費用または費用は固定費用と可変費用の和 費用 =固定費用+可変費用 割り算は分母の数の一単位あたりの分子の量 生産物1単位あたりの費用(総費用)を平均費用 という 費用 平均費用 = 生産量 2015/12/24 産業組織論 9 5 可変費用と平均可変費用 生産物1単位あたりの可変費用を平均可変費用 という 可変費用 平均可変費用 = 生産量 生産量が低いと平均可変費用は高い しかし,生産量が増えると生産物1単位あたり の可変費用は低下する.安い時給で雇える 生産量が増えすぎると機械の故障など可変費 用は増加する 2015/12/24 産業組織論 9 6 可変費用 苺大福(個) 固定費用は100 労働や追加的な材料 費が可変費用 総費用,限界費用, 平均費用,平均可変 費用を求めなさい 2015/12/24 産業組織論 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 可変費用 0 40 60 75 100 150 240 385 600 900 7 平均費用と限界費用 独占的競争では独占力があるので右下がり の需要曲線に面している しかし,長期的には利潤は0になる そのような点をどう導くか? 価格=平均費用が利潤0の条件 限界費用よりも高い価格なので限界費用曲 線を見る必要 2015/12/24 産業組織論 9 8 平均費用・平均可変費用と限界費用 苺大福(個) 可変費用 総費用 0 1 2 3 4 5 6 7 8 2015/12/24 0 40 60 75 100 150 240 385 600 限界費用 100 140 160 175 200 250 340 485 700 40 20 15 25 50 90 145 215 産業組織論 9 平均可変費用 40 30 25 25 30 40 55 75 平均費用 140 80 58 50 50 57 69 88 9 各種曲線 円 250 200 限界費用 150 平均可変費用 100 平均総費用 50 0 1 2015/12/24 2 3 4 5 産業組織論 9 6 7 8 生産量(個) 10 各平均費用曲線の特徴 平均費用曲線と平均可変費用曲線はU字型 その最下点を限界費用曲線は通っている 限界費用曲線は描く平均費用曲線を左下か ら右上へ突き抜ける 平均費用曲線との交点は平均可変費用曲線 との交点よりも右に位置している 2015/12/24 産業組織論 9 11 平均費用曲線と費用 価 格 費用=平均費用× 生産量 平均費用曲線 PSR 生産量Q SRのときの費用 数量 Q SR 2015/12/24 産業組織論 9 12 独占価格と限界原理 価 格 独占企業は価格 をつり上げる M PM N • 独占企業の限界費用 は一定(点線) とする • MR=MCを満たすQ M を選択 • 需要曲線からQ Mに 対応する独占価格PM 求まる 限界費用曲線 MC 需要曲線 限界収入曲線 MR QM 2015/12/24 産業組織論 9 数量 13 右上がりの限界費用曲線と価格 限界費用曲線 価 格 PSR Q 需要曲線 MC P 限界収入曲線 MR 数量 Q SR 2015/12/24 産業組織論 9 14 独占的競争の短期的な利潤 価 格 生産量Q SRのときの利潤 限界費用曲線 平均費用曲線 PSR Q R MC 需要曲線 P 限界収入曲線 MR 数量 Q SR 2015/12/24 産業組織論 9 15
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