新型インフルエンザ疫学研修プログラム 公衆衛生対応演習(B班) 各県の現状紹介 • 島根、岩手他:封じ込めの条件が整うような 場所はある。ただし、実施の場合の具体的課 題は検証できていない。 • 埼玉、名古屋市他:封じ込めは余り考えてい ない。 • 佐賀:まずはフェーズ6について考慮し、その 後、オプションとしてのフェーズ4を考えようと している。 • 島根、奈良県に対するコメント • 封じ込めができる可能性は地域だけをみると できるかもしれないが、実際には、都市部と かにたくさん患者がでている時だと思う。 • この状況で封じ込めをやろうとすると、相当の 人員とタミフルを使用しないといけないと思う。 • この状況で本当に封じ込めをやるかどうかを 検討しておかないといけない。 予防投薬の問題は? • 岡崎市:最初の説明が大切。90%以上の予 防を確認するのは困難。 • 全住民の90%以上には、妊婦、乳児、10代 (異常行動)等に投与するのは、非常に困難 と思う(押谷Dr) 人の移動の制限 • 感染法上は人の移動の制限はできるが、72 時間。ここで必要なのは20日間。今の感染 法上は無理な対応。(押谷) • 実際に人ー人感染が起きている地域にとどま れ、ということを、どこまで実際に皆が守ってく れるかということと、法上の問題もある。 • 厚生労働省が所管している法ではできない。 • 例)国道をとめる、電車を止める、というのは 不可能だろう。 移動制限について(2) • SARS、中国では、強権的に • 米国:強権的に移動を制限することは人権問 題がクリアできないので、やらない。人の移動 を制限することによって確実に抑えこめられ るエビデンスがない限り、やらない。(押谷) (軍隊を出して封じ込めるようなことはやらない) ・これをやれば確実にウイルスの拡散を押さえ 込める、という証拠がない限りやらないのに、 実際には難しいというエビデンスが多い。 • WHOガイドライン:どうしても入らないといけ ない人はフルPPEでないと駄目とあるので、 そういう物資も必要。 • 地域に入る人達は必ず予防投薬をして、そう いう人達は証明書を出したりする。 予防投薬に関するQ&A • Q)予防投薬をしている人はウイルスの排泄を抑え られるのか。 • A)暴露の前に飲んだ場合にはある程度感染を抑え られるというデータはある。ただし、どの程度の予防 効果があるかかは不明。感染した人が飲んだ場合、 ある程度、ウイルスの排泄を抑えらるというデータ はあるが、完全ではない。 • (タミフルのデータは通常のインフルに関するデータ であり、こられはある程度免疫を持った人でのデー タである。新型インフルでは全く免疫を持たない人で の話なので、どれくらいこのデータが適応できるか は不明) • Q)質問:2m以上はなれると感染しないのでは。 • A)感染経路にはまだ分からないことは多く、大多数 は飛沫感染(ドロップレット)だと言われているが、で は飛沫感染以外の感染経路があるか否か、あると したら、どれくらいあるかは、人によって色んな考え がある。 • 例)空気感染、接触感染、etc。 • 空気感染がないとして、人と人が接触しないという 環境が作れるか。例)自宅、スーパー マスクの有効性 • 全員がマスクをするということは? • 全員がN95マスクをすることは無理 • 香港では地下鉄に乗る時、マスクをしないと 乗せないということがあったが、3割くらいの 人は鼻がでていたり、一部は口がでていたり、 ハンバーガーが食べたりしている人もいる。 • また西欧人はマスクに対し抵抗感が強い。 • マスク着用で全て防げる訳ではない。 封じ込め • 封じ込めは、封じ込める側の願望もあるし、 感情論的な部分もあるし・・・。 • SARSの時の発想がある。 • 封じ込めは、もしかしたら、できるかもしれな いが、難しいし、またやるとしても、その意味 があるか、という結論 早期対応のオプションとして • 早期対応としての封じ込めは非常に分かりや すいし、それに越したことはないので、話とし ては持っていきやすいが、現実的には封じ込 めは日本の現状では難しい。 • その時に他のオプションを用意していて、そ の時にどうスイッチを切り出すのかを考えて いくことが必要。 • 早期対応のガイドラインにいろいろなオプショ ンが明記されていないので、これが進んでい ない。このことが問題になっている。 • 専門家委員会の委員会の一人の立場でいう と、『国に言うと、これは県がやることですから、 と言われて、県にいうと国が何も考えていな い、と言われて、どうどうめぐり』。 • 国が具体的に方向性を示さないといけないと ころがある。ウイルスの拡大をなるべく抑える のか、ピークを抑えるのか、などについては、 国が方針を示すべきものである。 警察、消防 • 警察、消防は。 • 名古屋市は消防一緒。しかし県は異なる。 • 警察、消防は必須のコンポーネント • 本当は、早期対応をするあたりから保健分野を離れ、 本当の危機管理になっていく。(例:警察機能をどう 守るか等)。県によっては、そういうのを扱うところは あるのか。仙台市は消防の中が新型インフルエン ザを扱っているところがある・・・。 早期対応として、封じ込め以外に感染拡 大を防ぐどんな対策が採られているか。 • ひとつの問題点:タミフルの備蓄。 • 2,500万人分備蓄のタミフルの一部を県が 担っているが、当初、備蓄の方針を決めた当 時は全て治療用として備蓄した。 • しかし、その後、予防投与の有用性が出てき て、オーストラリアではタミフルは治療用には 使わない(重症例のみ)ということもある。 • 日本;予防内服の方針、はっきりしていない。 予防300万人分?はっきりしていない。 タミフルの(予防)投与 • どういう対応でやるかで、必要量が全く違って くる。 • 例えば、家庭内投与、 • 基本的にはウイルスが体内に入ってある程 度の量が増えないと免疫はできない。(暴露 だけでは免疫はできない)。すなわち、予防投 与がうまくいくと免疫はできない。 自宅待機を考えているところはないか。 • 岡崎市:訓練としては周辺でやる。 • トヨタ:感染者は出社禁止。 • 佐賀県:BPCプラン紹介。 早期対応のオプション • 接触者調査をして濃厚接触者には予防投薬 をやる。ただし人数が増えると、保健所では 全てできなくなる。その後は接触者調査でき なくなった後どうするか、家族、学校など分か るところのみに予防投与を行うのがプラクティ カルな話だろう。 • (例)患者が来た時に、家族の分のタミフルも 渡す、保健所職員が家族分のタミフルも置い てくるとか言う話もある。 検疫 • (押谷)検疫の話で、感染者を押させられるか。 • 国が考えているのは、検疫法が一部改正さ れ停留が色んなところでできるようになり、感 染地域から来る人丸ごと停留しようというオプ ションを考えているが、いつまでこれをやるの か、という問題がある。 • 例えば、中国で出た場合、中国のどこなのか という問題になり、中国の全部を止めるのは しんどいな。 検疫の話 • 1~2週間は、流入を防ぐのは意味があるか もしれないが、そのためには、2週間あればこ こまでできます(プレパンデミックワクチンでき ます)等があれば良いが、それがなければ経 済損失だけが起こるだけとなる。 • 渡航者が減って人の移動が制限されるのは よいが、人の動きを制限していくのは、日本で の感染拡大がない状態。 • 今の検疫強化は、自粛をかけて、4つの空港に制限 して、乗客に停留をかける、というのは大変なこと。 (鎖国に近い) • パンデミックは世界規模でいうと一年くらいかかる。 例えば一箇所では8~10週間で終わるが、少なくと も過去のパンデミックは一年くらいかかる。北半球、 南半球という問題もある。 • この期間、全て上記対応をやると日本の経済は麻 痺する。 • (これを真剣に考えているのは、南の小さな島のみ) 検疫 • アメリカは空港はたくさんあるが、国際便が飛 んでいる空港は10(13?)いくつしかない。 • 日本は多くの国際便が飛んでいる。 • しかし、アメリカは全然、検疫強化は考えてい なくて、来てからどう勝負するかを考えている。 早期対応(まとめ) • 国のガイドラインにはオプションがあるだけで、 どういう状況でどういうことをやるか明確でな いことが問題である。 • タミフル予防投与;どこで誰がどのような権限 で配るかを考えていかないといけない。 • 法律の枠を超えないといけない部分があり、 そこは各 • 事前、準備は隠し玉だと困るので、県も困り ましたね。 パンデミックのMITIGETION • 地震は起こるのはしょうがないけど、被害は 最小限にすることはできる。 • 起こってしまうパンデミックに対し、どう行動す るとパンデミックを最小限にできるのか。 • 国の対応もここが抜けているが、本来はここ が一番大切なところ。 • 岡崎市:パンデミック時に保健所が何ができ るか。施設を閉める。パンデミック時の予防接 種は保健所以外でやってほしい。 • 保健所が余り色んなことが期待されていて、 あれもこれもで何もできない状況がある。 • ワクチンも作るとは言っているが、どこで誰が 誰に打つのかということが決まっていない。 • (仮に保健所に来ると、保健所の機能が止ま るし、中に感染者が混じる可能性もある) 予防接種 • 天然痘のように体育館でやることは考えられ ないのか。 • 仮に開業医が接種するとなると外来の患者 がいる中でできるのか。10~11月には、通 常ワクチンでてんてこ舞いしているようだが。 • ワクチンを誰に打つのかが大きな問題。 • 専門家会議の中でも議論されて、結論は「専 門家会議で決めることではないよ」。誰かが 決めてくれないと無理だよ。オプションを決め るだけ。 • ベトナム株、2000万人分、中国2000万人 分、ただしバルクとしてあるので、すぐに打て るわけではない。 • 打てるようになるのに、6か月から1年かかる。 • まずはこの2000万人分だけでやる必要が ある。 • 皆、自分が社会機能維持者だと思っている。 • 数百人規模のクリニカルトライアルをやって、その中 で重篤な方はいなかった。 • 一万人に一人とかいう副反応は見逃される可能性 が高い。 • 普通のインフルエンザワクチンは副反応を抑えるた めに抗原の部分だけを取り出したスピリット(精製し た)ワクチン。ただし、プレパンデミックワクチンは ホールビリオン。(精製すると副反応は減るが付き が悪くなる。免疫原生が落ちる。)→局所の反応は 強くなる。本当にそれだけなのか。数百万から数千 万に打つと分からない。基本は2回接種。幼児の2 回接種は免疫がない人だから。新型ワクチンは2回 接種。アルミアジュバントが入っているので、免疫原生 が高いという話もあるので、今年6千人へのトライア ルをする。 ワクチン以外のパンデミックの対策と しては • 抗ウイルス薬の使い方は? • 運搬、配布は?(政令市は持っていない。) • 今もっているのは、治療用なので、予防投薬 すると足りない。 • このあたりを国が示してくれないと困る。 パンデミック時の他の部局との連携は • これからの県。 県庁の機能の維持 • どこまで維持するのかを考えていないといけ ない。 • 米国、中央政府は考えている。 • BCP;bisiness continuty plan ライフラインの議論 • 水道:市に入っているが • 電力:話し合いもしていない • ライフライン、単に30%の人が出勤できなく なって、30%の供給能力が落ちるという話で はなく、クリティカルなポイントで、今、例えば 電力は働く人が少なく、限られた技能を持つ 人がいなくなるとストンと落ちてしまう。→米国 は乱数表と使い、10%こういう人に落ちたら、 どうしようもなくなるので、バックアップ体制を 作ろうとしている。(過去の勤務者の再教育 等) 学校閉鎖 • 県では割とやりやすい、という話があるが。 • 先月、学校閉鎖のシュミレーションがネイ チャーに載っていたが、別の場所に集めると 意味がない、という結果。日本では、4週間も 学校を休みにすると塾が大喜びする状況 • 感染拡大を防ぐためには、早期にやらないと いけないので、県内に第一例が入った段階で 県内の学校閉鎖をしないと意味がないが、そ れが果たしてできるか。 • 期間は? 流行が終息するまでだが、それも どこまでできるか。 • 国が方針を出す必要あり。 個人防護は意味がない( 効果証明できていない • • • • うがい、エビデンスなし。 ウイルスは数十秒で吸着する。 マスクは色んな議論あり。 手洗いはいろんな議論あり。手を介して感染 はするが、手洗いをして感染を防げるか • →医療機関には意味がある。 • ではつり革についているウイルスは。 • 米国:外出したら、顔をさわるなキャンペーン 咳をするとき、手にするな。 ハンカチなければ袖にしろ。
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